以前違う出版社から『ビギン・ザ・ビギン』と『てかてかアイランド』という書名で 出版されていた坂田靖子さんの作品が、潮出版社から文庫本4冊にまとめられて出版された。 これまでの単行本に収められていなかった、最終回までの13回分も収録されている。 未収録分を収録して完全版になったシリーズは、同じ文庫から出た 『水の森奇譚』に続いて二作目で、ファンとしては大変うれしい。 もともとの単行本はA5版で紙質もよく、とても素敵な本だったので 文庫サイズはちょっとさみしいのだが、それでもきちんと最後まで読めることと 新しい読者の目に触れるチャンスが増えることはラッキーだと思う。
そして私は、この『ビギン・ザ・ビギン』が大好きである。 どこだかわからない南の島に、イラストレーターのマウント・シーサイト君が住み着くお話。 静かな島のはずだったが、なんだかわけのわからないものが湧いて出て どんどんにぎやかになっていく。 ゼリービーンズのような目をした神サマ。(残神のグレックの目と同じ形なのにキャラが違うよー) ミイラ男。原住民のふたご(だっけ?)。ペンギン、ねず坊ちゃん(ねずみの王子)、ワードプロペッパ。 ランプの魔人、ストーンヘンジ(返事をする石だ!)ストーンサークル。溶岩原人に溶岩ウシ・・・・ 最終回では、アンゴルモアが空から山ほど降ってきてほとんど焼けくそなノリである。 ノアの洪水の時代から、この島では神さま達がのほほんとしていたのかと思うと なかなか楽しい世界観です。年末年始の息抜きにおすすめの4冊でした。
追記:最新刊の四巻を読んでいて、デジャヴな気がしてしょうがなかったが、 うちの下のチビがストーンヘンジにそっくりなのだ。 小さい頃からこのシリーズをくり返し読んでいたので ダジャレのネタとタイミングがストーンヘンジそっくり・・・・
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