まんがの描き方を長いキャリアと豊富な経験をもとに解説した本。 ひとつひとつがおもしろいし、漫画を描く人の参考になると思うのだけれど どうして素直に楽しめないのかな?というのが私の興味の焦点だったりする。 良くも悪くも、作者が前面に出てくるのが気になるのかも。 もっと本人が後に下がって、マンガを語ってくれたらもっと楽しめるのに。 大島弓子さんのコマ割りや、一人称だけれども本当は三人称という話はおもしろかった。 付け足しのように、大泉サロンについても数ページ記述があるが さほど目新しいことは書いてない。萩尾氏との相互に与えた影響も、当り障りのない感じ。 (こんなんだったら書く必要なかったんじゃないの?)
不思議なのは、これはほとんどインタビューで構成されているのに インタビュアーの藤本由香里さんの名前が後書きの中にしかないことだ。 せめて目次に入れるくらいのことはしてもいいんじゃないかしら。 花郁さんの名前を二度も「甲斐さん」って間違えてるのはあんまりだ。
この二日間ほど、著者の公式サイトではこの本をめぐって一騒動あった。 もう関連ログは全て削除されているけれど、最後の数ページの記述が 関係者の不興をかったらしい。読んでもどこが悪いのかわからない。謎。
筑摩書房 『竹宮惠子のマンガ教室』 http://www.chikumashobo.co.jp/wadai01.html#03
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