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2001年06月15日(金)
榛野なな恵 『Papa told me』

24巻一気読みした直後に書いた文章があまりにきついものに
なってしまったので、時間を置いて書き直しています。
(そうです、Yさんのご忠告を聞かず、一気読みした私が悪いんです・・・)

とても素敵なエピソードがたくさんあって、
この作品に出てくるものは私の大好きなものばかり。
クリスマスもドールハウスもお雛様もナルニアもホームズも
秘密の花園もガーデニングもちょっとしたテレパシーも
美人の双子姉妹も、ペントハウスのミステリ作家も、薔薇園の元区長さんも
どこかで会ったことのあるようなものばかり。
空から降る雪も、寝床で聞く雨の音も、桜の花の散っていく様も、
みんな知っていることばかり。
榛野さんと私は多くのものを共有している。
同じ時間を過ごした仲間のように。

でも読んだ後にちょっとトゲが刺さってしまったのでした。
そのトゲを抜くためにまずエネルギーを使ってしまったようだわ。
それは私が主婦で子持ちでおばさんだからでしょうか。
うーん・・・そのことについて反論するのは意味がないな。
問題は、榛野さんが「世間の悪意の無い言葉の暴力」への批判を繰り返すわりには
自分が「主婦で子持ちのおばさん」にひどい言葉を言っているのに
気がつかないことだな。
女の人をあちらとこちらに分けて自分の側が正しいと思ってしまったら
それは、あちらと同じことを自分がしていることに気がつかないのかな?

ガラスで包まれたスノーボールのように閉じた世界に雪は降る。

少女から大人へ変わるのはいつだと思う?
少女まんがでは、「夢見る頃を過ぎても」いつまでも心は少女
ってのが定説だけど、それは本当?
榛野さんの作品は、少女期の終わりがテーマになってると思うのだけど
それはいつまでも終わらないのね。
もしかしたら「やおい」と通じる問題かもしれませんね。

榛野なな恵
http://www.annie.ne.jp/~veritas8/haruno.htm