『スラム・ダンク』を読んでいない私は、井上さんの本を読むのは これが初めてです。『バガボンド』 宮本武蔵が天下無双を目指して、次々闘っていく剣豪小説の漫画化? 少年誌も青年誌も全然読まないので、全然見当外れの感想かもしれないけれど まあ、それもおもしろいかな、と書いてみることにします。
最初に思ったのは、うまい!の一言。 絵がうまい。効果がうまい。背景がうまい。 コマの隅々まで手を抜かないのはすごい。 ここまでくると、それは力ですね。有無を言わさない力。 でも、単純に絵がうまいってのでもなくて、漫画として素晴らしい。
読んで一晩たって、あ、これって内田善美の漫画みたい。ってふと思った。 内田さんの作品は動かないけれど、あれが自由自在に動く感じ。 見ていてうれしくなってしまいます。
10巻までで一番印象に残っているのは宝蔵院胤瞬との戦いでした。 戦いの最中にふたりともトリップしています。その内容はともかく ふたりの上に広がる星空がすごくいいんだな。あの場面が好き。
少年まんがとか劇画の中の女の人ってーどうしてつまらないのかな? 「おつう」の場面になるとちょっとテンションが下がるのは私だけでしょうか。 ねえねえ、そんなのほっといて、もっと戦いなさいよ。なんて思っちゃうのは よこしま度が最近上がってきているのでしょうか・・・私。
これ言っちゃうと、全部おしまいなんだけど、 なんでさあ、男の人って一番にならないと気がすまないのかな? 別に自分が一番じゃなくてもいいじゃん。むむむ。 それが「本能」だからしょうがないのか〜 戦いすんで、無我の境地に達したら、 「必要なのは愛し合うことだったんだー」なんて言うのかしら。 それとも何もしないことが一番強いってことになるのかな。 お約束に疑問もってもしょうがないのかな。 これまで描かれてきた山のような劇画と 『バガボンド』が違うのは一体どこなの?
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