初版で単行本を買う作家さんの、再録の文庫が出たときに 買うかどうかというのは、しばしば悩む問題です。 マニアをやっていた頃は、雑誌で買い、コミックスを買い、全集を買い、 選集を買い、文庫ももちろん買っていたけれど この頃は、家にあるのでいいわ、という所に落着いている。 でも、収録作品が変わっていたり、おまけページがついていたり、 イラストが加わっていたりするので、油断できない。 インターネット上に、そういう書誌的なデータをきちんと 整理整頓してくれるサイトがたくさんあるので、ずいぶん助かっています。
さて、坂田さんの『塔に降る雪』ですが、本編も素敵なんですが、 文庫本に萩尾さんの解説文がついていて、これがとても素晴らしい という話を、いくつかのサイトで読んで知っていました。 ちょっと気になっていたのだけれど、本屋さんではこの頃ビニ本化してるし 文庫はあまり好きではないので、買うのを迷っていました。 たまたま、昨日行ったブックオフで中身を見て、 即、買いました。
萩尾さんのファン、坂田さんのファンは一読されることをお薦めします。 人の作品を語ることは、自分の作品を語ることでもあるかもしれない。 坂田さんの作品を読むためのヒントであると同時に、 萩尾さんの作品をよむためのヒントもあるかもしれない。 あるいは、24年組の作品のエッセンスがあるかもしれない。 24年組の作品を栄養に育ってきた私達の心のお話しかもしれない。 わずか3ページの文章なのですが、いろいろな読み方ができると思います。
何年かぶりに読んだ『塔に降る雪』は、最初に読んだときとはまた 違った味わいで、心の中に入ってきました。 読むたびに印象が違います。
最近、この作品集について書かれたご本人の文章がいくつか 『サカタBOX』にあったので、直リンクしときます。
塔に降る雪/サカタBOX http://www2u.biglobe.ne.jp/~ysakata/work/tanko/00tanko/4tonifuru/tonifuru.htm 新月宵/サカタBOX http://www2u.biglobe.ne.jp/~ysakata/work/tanko/00tanko/4tonifuru/singetu.htm
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