昔の本の話を書いて、思い出したのだけれど、 小学生の頃は、異様に本の保存に気をつかっていたものだった。 人に貸す時は「きたない手でさわらないように」とクギをさし、 コミックスには必ず、カバーをかけていた。 それでも手の油染みなんかがつくことがあるので そういう時はものすごく苦悩した(ホント) 背焼けや紙焼けに、ある日気がついて、ぎゃーっとさけんだこともあった。 (ほんの少し色が変わっただけだったんだけどね。) そして、いろいろ考えたすえたどりついた保存法は、次のようなものだった。 まず、書店でもらったカバーをかける。(なければ自作) それから、画用紙で函を作る。(函入りのハードカバーってあるでしょ。その自作) それから、包装紙で包んで本棚に入れる。 読む時は包装紙のセロテープをそーっとはがして開けて出し 読んだらまた入れて封をする。 ・・・ここで、あっと思った人がいたら私の仲間。セロテープを使うところがいまいちですね。 これは、5年もたつとのりが溶けてとんでもないことになるのだ。包装紙くらいならいいけど 本の本体には絶対使ってはいけません。(使うならスコッチテープ)
ある一時期の本はだから、ものすごく美しく保存されている。 よれのないビニカバつきの『美人はいかが』とか、『アラベスク』や一条さんの本 『お蝶でござんす』『どろぼうちゃん』(←なんでこんなものがあるんだろ?)e.t.c. きれいに保存してあるからといって今の私にとって価値があるというわけじゃない。 でも、それを開けると、本を買って本の手触りや新刊の匂いまで楽しんでいた頃を思い出す。
今は、どんなに素晴らしい本でも本は本。読むために買うんだから 手垢がつこうと曲がろうとちっとも気にならない神経の持ち主になってしまいました。 どっちがいいかはわからない。
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