「トーマの心臓」のラスト2週くらいから、絵柄が微妙に変化したようだった。 登場人物が子供から少し成長した感じ。 その感じで「この娘うります!」に移行していった。 当時、萩尾さんの作品について語る友人がまわりにいなかったので、 他の人がそれをどう思っていたのかわからない。 私は、少し、いやだったような記憶がある。 今という場所から作品をながめてみると、絵柄の変化もテーマの変化も あって当たり前、なかったら、その場所から動けないということがわかるが、 当時、偏狭なマニアだった自分は何で変えちゃうんだろうと 不満だったかもしれない。
「ポーの一族」と「トーマの心臓」のふたつの作品があまりに 完成度が高く、発表されるやいなや、少女漫画の古典になってしまったので 以後の萩尾さんの作品を、その2作品をベースに読んでしまうことが 多くなかったか?と思う。
そして、「小鳥の巣」から一年以上経って、1975年に 「ポーの一族」が再開された。
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