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漫画関連ファイル


2000年02月04日(金)
ポーの一族 by 萩尾望都

「ポーの一族」の単行本は、3巻まで毎月1冊づつ発売された。(1974年)
広告を見て、私は町の一番大きな本屋さんに買いに行った。
「うつのみや」というお店で、当時、金沢の繁華街の真中にあった。
家から30分歩いて行った。
(中学生の頃はバス代やお昼のパン代を倹約して本を買っていた)

売っていなかった。お店の人に聞くという知恵がなかったので、
あきらめて帰った。発売されなかったのかも、、、と考えた。

翌月、また行ってみた。今度はあった。それも1巻と2巻。
喜んで買って帰って、1巻が初版でなかったので、奈落の底に落ちた。

「アラベスク第一部」も、「恋しちゃおうかナ?」も、「お出会いあそばせ」も
「フリージアの恋」もみんな初版で買ったのに。ううう。

でもそんな思いは、その2冊を読んで吹き飛んだ。

何だろうこれは。
もう一回読み返した。
何だろうこれは。
何回も読み返した。
何回も何回も何回も読み返した。
そのたび、「ポーの一族」の世界にどっぷり浸って
飽きることが無かった。
コマのすみずみまでを見て、セリフのひとつひとつを暗記して、
コマ割から、何から全部、頭の中に浮かぶのに
それでも、また読み返した。
そして、文章とセリフとコマ割りの緩急自在の流れの中に
また身をまかせる。

物語の世界に溺れる楽しみを初めて知ったのだった。

(あああ、これってまるでラブレターじゃないの。
いまさらこんなの書くなんて、まだまだ若いなあ。)