私季彩々
DiaryINDEXpastwill


2004年05月09日(日) 哀しい雨

 道路はとうに雪など無い状態になっていたが、延期を繰り返しつつ、冬タイヤを夏タイヤへ交換しに実家に帰った。が、途中支笏湖で猫を忘れたことに気がつきUターン。車内がそういえばやけに静かだなと。車に乗る時にちょこっと置いておいて、そのまま放置。90分かけて戻ると、どなたかが脇に寄せて置いてくれた。猫ちゃんごめんよ。
 で、予定を3時間以上遅れて帰省。食事もあらかた終わっていて、少し飲みながら親と話した。

 その中で、お隣りの話が出た。アルツハイマーがだんだんひどくなっているとは聞いていたが、車に乗れないほどになったとのこと。で、車を封印したのだが、それに怒って夫人を殴るようになってしまったとのことだ。それで、長男の家に一時預けているそうだ。その方はとても車が好きな人だった。今の関心事は車だけの様子。
 そして、母が新聞記事の切抜きを差し出した。17歳の未成年女子を買春して逮捕された記事だった。そこにはその長男の名があった。仕事は懲戒免職になったとの言葉が添えられた。
 そのおばさんは、とても体の弱い人だった。夫が呆け、息子が逮捕。釈放はされ、起訴は無いようだが、もう実家には帰れないという。どこまで事件の事が広がっているかわからないが、田舎町で誰も気がつかないのではと思いつつ、新聞に実名が載っているのも確かである。検索すると、2ちゃんねるに中傷の掲示があった。

 性を売り買いする。その誘惑に駆られた時、18歳未満という壁にどれだけの意味があるのか。身分証明を求めるものでもなかろう。その一線に引っかかって大きなものを失った知人。これが他人であれば一蹴ものだろうが、彼の昔の幼顔を思い浮かべると苦しくてならない。記事に載っていた年齢は、私の記憶と比べてあまりに不釣合いだ。

 夫と長男。でも一つだけいいことがあったのよと言っているそうだ。次男の就職がようやく決まったと。

 翌日、小雨が混じる中、隣りの様子を見た。庭木よりも芝生を大きく取った庭。元気な子供達が自由に遊べるように、だろう。確かにそうだった。奥にはガレージと一体になった車庫。そのどちらも色褪せて、禿げた芝が目立つ。部屋のどの窓もレースがかかっていた。

 その家のすぐ前から、黄色い帽子を被った子供達がバスに乗っていった。きっと、幾つの子供を持っている親でも、その光景の中に自分の子の過去を見て、送るのだろう。

 哀しい雨は、その後少しだけ強くなった。 Home&Photo


とんと |MAILHomePageBBS

My追加