私季彩々
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2002年02月24日(日) 御用聞き

 背広を着ない生活を長年しているので、ワイシャツもあまり使わない。あれは一回着たらすぐ洗うものなのだろうか。すぐに襟が黒くなってしまうのは私が単に不潔なだけなのだろうか。

 そういえば毎週やって来るクリーニング屋さんがいた。田舎ではまだ御用聞きのようなものがあるかもしれないが、クリーニング屋は頻繁にまわっていると思う。都会のように近所にあるものではないし、通勤途中で出していくという習慣も田舎向きではない。

 玄関口で「こんにちは〜、クリーニング屋ですがぁ、今日は〜」という調子でお呼びがかかる。母はネタをちょっと考えて、ない時は「すみませーん、なかったですぅ」といいつつ玄関に向かう。「またよろしくおねがいしますぅ」と、クリーニング氏は帰っていく。そんなやり取りが思い出される。声の調子まではっきりと。
 そういった日常のやり取りがありつつ平和に過ぎていく日々。変わらずに過ぎていきつつ、そのおじさんはいつのまにか来なくなり、若い兄ちゃんに代わっていた。洗濯機も二層式から全自動に変わっている。

 ワイシャツはビニル袋に入って押入れの隅にあった。襟はかなり黒ずんでいた。夏の盛りに着て以来記憶にない。取りあえず洗濯機に入れてみたがたいして落ちなかった。これだけ時間がたってしまうとクリーニング屋でも落ちるかどうか。
 あのおっちゃんにお願いしたらなんでも落ちてくれそうな気もするけれど、それは遠い昔になった。なじみの床屋、なじみの文具店、なじみの駄菓子屋、なじみの本屋、なじみの玩具屋。全てにどことなく感じのあるおじちゃんやおばちゃんがいたことを思い出す。その声の調子も。

 安心感というのは、そんな名調子のなかにこそあるのかもしれない。段々失われて、段々懐かしくなっていく。そんな感情に浸るのは、今が不安だからなのでしょうか。 Home&Photo


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