私季彩々
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2002年02月04日(月) ある受験生

 去年少し勉強を見てあげた子が受験日を迎えた。頑張ってくれたかなと少々気にかけたりしています。

 彼女は高校卒業後、数年の間沖縄に行ったり札幌でバイトをしたりしていろいろとやっていたようです。話を聞くと、年下なのによっぽど人生経験が豊富で私が狭い世界でうろうろしていた事を思い知らされます。

 そんな彼女は、この2年ほど医学部受験を繰り返していました。もともともっていた希望だったのだけど、親が反対だった事、浪人をしながらも次々といとこが医学部入学を果たしていく事などがあって、やっぱり諦めきれなくなったようです。私立の医学部の授業料を見ると1000万円を優に越えるとんでもない額だから、母子家庭の彼女には酷な事極まりないのだけれど、それをいろんな手で乗り越えて何とか進学しようとしています。

 だったら国立をと考えそうなものだけれど、なかなかそれは難しい。正直彼女にはそれほどの学力はないのです。そこで私は化学を中心に一緒にやってみました。
 高校化学なんてすっかり忘れていたけれど、基本は結構覚えているわけで、まだまだ通用するのには驚いきました。暗記が必要な事を除けばごくごく簡単で決まりきった内容ばかりで、高校に限定した化学は窮屈にしてるなぁと思ったりしました。
 彼女は化学を全くやっていないようで、なかなか進まないのです。
 ”わぁ、すごぉく面白いですね、勉強って”と、目を輝かせます。そうなると、私もうれしくなるのです。けれど一向に学力はつきません。理解に結びついてこないのです。新しい事に出会うととても興奮するのですが、それが積み重ならないのです。勉強が楽しくてしょうがないとのことですが、推理小説を読むかのようで、終わったあとには興奮は残るけれど詳細は忘れてしまうかのように。

 勉強が面白いというのは素敵なことで、受験勉強が楽しいというのもまた新鮮な事でした。教えてる私まで幸せになれました。
 けれど、受験でパスするにはまだまだ時間が必要でしょう。愉しいだけのところから苦しみも少し混じるラインを超えないと。

 そう思いつつ、私は受験勉強がやはり性にあっていたのだなと思います。けれど、研究能力や柔軟な思考力は全然ない事があとでわかって呆然としました。必ずしもあの試験は本来大学で必要とする能力を測るものではないことを身をもって知っています。
 だから彼女がもっている好奇心の強さと未知の可能性がペーパー試験の前で立ち往生しながらも笑っている様子が少し痛々しくもあるのです。

 彼女は今日から受験3連荘。難しいのはわかっているけれど、頑張ってみるより仕方ないよね。思ってしまった事はやってみないと何も出来ないしさ。

 でも、私立医学部受験料10万円ってひどすぎない?
 受験の時点でそこまですることないじゃないのぉ。 Home&Photo


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