私季彩々
DiaryINDEX|past|will
あくさんから狂牛病の話が出たので。以前にも書いたのだけれど、狂牛病の原因は”異常プリオン”というタンパク質で細菌やウイルスではない。例えは悪いけれど、牛の毛が人の口に入ると、人の毛が牛の毛に生え変わってしまうようなもの。細菌やウイルスならば自分の遺伝子を残そうとするわけだけれど、タンパク質には遺伝子がない。自分のコピーを作り出す方法が全く異なるという点で、わからない事だらけである。 北海道で見つかった二例の狂牛病の感染経路はわかっていない。一説には、仔牛のときに与えていた飼料の製造経路に肉骨粉の経路が重複していた可能性があるそうだが。
私が気になるのはこの検査をやっている人々の苦労だ。突然全頭検査といわれて必死に対応している事だろう。人員の増員は全く期待できないだろうし。 何よりこのプリオンは焼いても薬品につけても感染力を失わない。やっかいきわまりない。しかも養成に当たる確率は0.01%にも満たないであろう。多分に陰性である検査を延々と続けるということは、かなりのストレスである事はなかなか理解されない。緊張感を保つには手順が複雑で煩雑すぎるのだ。 脳組織を触った手袋は万が一を考えると触れない。1件に複数の手順を踏む作業を毎日毎日繰り返す。
検査というものはその多くが単純化されて機械化されている。これはコストの面だけではなく、携わる人の緊張感を維持できるだけの検出率を期待できないからでもある。検体の数が多すぎて、かつ複雑な手順があればあるほど人は手を抜いてしまう。高学歴な人にほどその傾向が高い。かえって何も知らないアルバイトの方がずっときっちりこなすものだ。
きっと、より簡便な検査法が確立するだろう。けれど全ての牛が感染性を持っているという建前で行う採材作業だけは簡略化できない。ここに携わる獣医師がどこまでその緊張感を維持できるかは大いに疑問だ。看護婦が採血だけを続けれといわれたら何ヶ月もつだろうか。
品質管理というのは地味ながらも重要な仕事である。何も今回の件で増えた仕事はつまらなすぎる仕事だという気はない。ただ今回の件に関しては、検査にだけ専従するような環境に人を置くと参ってしまうだろう。すでに過去のものとなったベルトコンベアの前に座らせるようなものだからだ。危険性と単純作業の乖離が激しすぎるからだ。
Home&Photo
|