私季彩々
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ちょこっと贅沢して小女子を買った。”こうなご”と読むらしい。ちりめんじゃこといったほうが私にはわかりやすい。
私は海苔やじゃこといったご飯にかけるものが大好きで、これさえあれば何もいらないという人間だ。小さい頃から今に至るまで変わらない。最近は貧乏なので買ってなかったのだが、気がつけばおやつ代わりに頬張っている。スナック菓子なんかよりも、よっぽど口に合っている。
思えば故郷は海外沿いの町で、海風が強くて作物もあまり育たない痩せた土地だった。火山灰の積もる地であったこともあり、畜産が主体だった。家は海から離れたところだったがよく釣りに出かけた。釣れるのはアブラコやカンカイ程度でさほど種類はなかった。
北海道のいろんなところを訪れて、結構素敵なところを見つけたりする。ここならすんでみたいなと思うところも多々あるが、故郷は候補に挙がらない。悪くはないのだけれど。 それは私が根を張る生き方をしていないからだろう。一時期を過ごした場所にはあまり立ち寄りたくないな、と思う。懐かしむことはあれど、遠くから眺めていたい感覚がある。素敵なこともあったけれど嫌な事もあったし。と思うとなんだか情けなくもあるがそれが本音。父や母にも申し訳なく思う。
別に家出をしたわけでもないし、今だってチョコチョコ帰るわけだけれど、高校を卒業して田舎の駅の陸橋を渡ったとき、見送る父に手を振って私は故郷を捨てたんだと思う。
小女子の塩味の懐かしさ。そのなかに少しジャリジャリとした食感がある。蒼い目が舌を引っかいているのかもしれない。
手に取りた少女子の乾きし目の蒼よ 頬張りて故郷の海砂を噛む
門過ぎる吾を撃つ無人の感知灯 今何故暴くか・・・ 我 家捨てし
駐在の丸い赤灯明滅す 故老誇りし 廃駅に 月
※小女子 : 乾燥ちりめんじゃこ?
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