私季彩々
DiaryINDEXpastwill


2001年10月25日(木) 吐く息は降りたる雲か 三ツ星の姿広がりオリオンとなる

 木枯らし舞う、一段と寒い日だ。下ばかり見て歩いていても、舞う落ち葉が自己主張の強い風たちの姿を映し出している。勢い良くカサカサとアスファルトを掻き鳴らす音に遅れて、空き缶の転がる甲高い音がなんとも間が抜けておかしく感じられる。その音は個性豊かで、潰れた姿もまたそれぞれである事がはっきりわかったりする。
 落ち葉の姿も多々あるけれど、やっぱり美しいのは銀杏の姿。扇形に真中に入った切れ込みがなんともチャーミングだ。何より美しいのは、黄色の中に淡い黄緑が混じるところ。まだ染まり足りない葉達も落としてしまう木枯らしは、行き急ぐ秋の姿なのかもしれない。

 深夜の帰宅となった。
 夜になってさらに気温は下がったのか、セーター一枚では寒さもこたえる。曇天の空の下、家路に着く。夜の街には自分の咳払い一つがやけに響く。
 吐く息は白。街灯の隙間に入ると、目の前で霧達が凝集していくのがわかる。灯りの下でそれらはぼやけ、通りの中ほどの暗がりで再び現れる。そんな繰り返しがしばらく続いた。さらに冷え込んだ気がした。息はさらに白くなった。
 手に息を吹きかけて眼を斜め上に向けると、さっきまではなかった星がちらほら見える。南の空には横に並ぶ3つの星達がはっきりと現れて、徐々に深い藍色の空が広がっていく。見上げると、吐く息が目の前に小さな雲を作っては消えていく。その雲越しに空はどんどん広がって、オリオンの姿がはっきりと現れた。

 冬の季節に映える星座たちが高くなる季節。彼らの現れた日の冷え込みは、さらに厳しくなる。
 白い大地にオリオンを眺める季節は、すぐそこになっています。


 黄金地に緑重なる銀杏絵は秋のデッサン木枯らしに消ゆ

 吐く息は降りたる雲か 三ツ星の姿広がりオリオンとなる Home&Photo


とんと |MAILHomePageBBS

My追加