私季彩々
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| 2001年10月12日(金) |
タリバンはただの悪者なのか? |
アフガニスタンの問題は複雑なのはもちろんなのだが報道姿勢がとても気になる。 爆撃が始まった日は全ての番組を中止して特番となった。深夜にもかかわらず木村太郎が現れてほとんど24時間出ずっぱりだった。その後はあっという間に沈静化だ。 その後はどこが破壊されたのどんな武器が使われたの特殊部隊とは何かだの。確証もない推測だけを繰り返して同じことを何度も何度も繰り返してばかりだ。 そしてタリバンだが、いったいどういう組織なのかを示したものはほとんど皆無だ。いかにひどい連中か、人権を蹂躙しているかという事が繰り返される。
アフガニスタンを語るならせめてソ連侵攻あたりから総復習しなくてはならない。誰が誰を支持してきたのか。何故内戦が起きたのか。どのように内戦が集束したのか。 私がこのようなことを書くのはこの事件以前からJMMで取り上げられたアフガニスタン国連高等弁務官の山本氏がかかれているメーリングリストを読んでいたからだ。 山本氏によるとタリバンはイスラムの秩序を確かに行き過ぎた形で守るも、数年間で”治安”を回復してきた人々だという。レイプや略奪が吹き荒れる内戦を収め秩序を回復した。彼らが支持されたのはそのためだ。原理主義の色彩は強かったがそれはもともとアフガニスタンにあった風習だったわけでさして問題ではない。女性の人権問題もこれから進展させていい問題だ。数年前はどの町にもレイプの嵐が吹き荒れていたのだから。 何よりタリバンを指示したのはアメリカだ。武器を与えたのもアメリカ。もともとタリバンとアメリカの仲は悪くなかった。 さらにまずかったのはアメリカが興味を失った事だ。そして原理主義憎さでタリバンも一緒くたにしてしまったことだ。ここまで介入しておいてその後の政権についても考えずにタリバンすら承認しなかった。経済封鎖は続いた。ここからおかしくなっていった。 タリバンは孤立化し原理主義の傾向を強めた。バーミヤンの大仏を破壊したのが決定的だった。
国の基本は治安だ。殺人や暴行がまかり通る国は国とはいわない。アフガニスタンはそこから始まったのだ。そこに西欧的な人権や経済感覚を持ち込もうとしても仕方がない。彼らは大国の干渉の悪夢からようやく抜け出しただけだった。彼らなりの手法で。 冷静に見ればわかる事もある。国連に加盟しようと努力もしていた。 山本氏は述べていた。彼らは信仰厚く信頼できる連中だ。過去に見られた独善や利己的な連中ではない。今彼らが行う清貧さと誠実さはアメリカには理解できないかもしれないがこの地で必要なのはこれなのだ、と。
アメリカ人は何故自分達がそんなに嫌われているのかわからないという。そんなアメリカ人に最も近いのはイギリスとアメリカだ。報道の稚拙さは飛びぬけて日本のようだ。 歴史的背景を比較的詳しくやった番組はETV8ただ一本だと思う。やるのであれば武器弾薬の輸送がどうこうとくだらない討論番組をする前に歴史を紹介して欲しい。
冷静になるというのは、そこから始めるべきなのだ。
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