私季彩々
DiaryINDEXpastwill


2001年07月17日(火) 素通りする空間に・・・ 

札幌駅の周囲は再開発が進み私の中の札幌駅だった青い駅は当の昔に消えた。予備校に通った時に泊まった駅北口にあった古臭いホテルはもうない。近々ビックカメラが開店するし電気街としてかなり賑やかだ。
 170万都市の中心の一つだけあって線路は高架になっている。高架下は店が入っているけれど、徐々に駅から離れていくにしたがって駐車場になったり公園になったりしていく。雨のしのげるこの空間には落書きがあったり放置自転車を山積みにしてあったりとだんだんと街の裏を覗いているような雰囲気へと変わっていく。高校生くらいの子供がサッカーをしている。細い路地が高架下を挟むように走っている。背広を着た中年の男性がベンチに座って時間を持て余している。清楚なラベンダーの色もどこか色褪せている。
 そんななか高架下の一角にテントがいくつかはっている。ドーム型の結構いいテントだ。私の三角テントよりもずっといい。そのテント群の中に何人かの人の姿があった。
 違うかもしれないが高架下で暮らしているという人がいると聞いた。真冬の厳冬期にテントにシュラフで暮らす人々がテレビで報道されていた。そのときも結構いいテントもってるなと思ったのだ。
 この季節点との暮らしも悪くはない。なんて単純な事はいっていられない。札幌ほどの都市ならばそのような状況に追い込まれている人は少なからずいるだろう。けれどあまり見聞きしないのは何故だろうか。冬のある札幌はたとえ夏でも暮らしにくいのだろうか。何しろ野良猫すら滅多に見ない街だ。
 あのテント群には特に悲壮な感じはなかった。勘違いかもしれないけれど。私はお金もないし借金も抱えているから場合によっては部屋を失うかもしれない。そう思ったことは何度もあるし本当にそうなるかもしれない。
 テントを自転車にくくりつけて旅に出たことがある3週間の長旅だ。思いのほかテントの空間は快適でいろんな風景や出会いを楽しんだ。それも帰る場所がなかったらそうはいっていられなかったろう。
 高架はやがて斜面となって踏み切りと重なる。ほとんどの人が素通りする空間の下にも街は続いている。まぎれもない私たちが暮らす空間と連なる街が。 Home&Photo


とんと |MAILHomePageBBS

My追加