私季彩々
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蘭の花を探して森を歩いた。師匠は10は見つけたと聞いたので単独勇んでやってきた。 森につくと耳鳴りのような鳥の声。真夏の蝉かと思ったがまるで鳥達のカクテルのようだ。あまりに派手なので頭痛かと思ったほど。木漏れ日が鳴き声に揺れて万華鏡のトンネルを歩いているような感じ。笹を揺らして飛び立つ鳥、すぐ近くで見つめる連中。見張られているような。そんな感じも100メートルも歩くと慣れてきたのか揺れも少なくねってきて鳴き声も耳になじんできた。これが真夏の盛りだとしたらいったいどうなってしまうのだろう。 小道に入ると急に声が低くなり、やがてふくろうの声のみになった。光は少なく、その代わり虫が多くなった。持ってきた虫除けスプレーはガスが残るのみで全く役に立たなかった。 先月咲き誇っていたニリンソウはほとんど姿を消しクルマバソウも盛りを越えていた。蘭の季節と聞いてきたけれどあまりよくわからなかった。わからないなりに3つくらいそれらしいものを写真に収めた。 風景は眼で捕らえたいものだがカメラというのも面白い。彼らは光に冷静だ。足りなければフラッシュを要求する。フラッシュは被写体のみを浮き上がらせるから哀しくも孤高な画となる。やはり自然の光がいかにあまねくおおらかさをもっているかがわかる。それぞれの良さがあるけれど日の光に映える花々からはあたたかな応援団の姿が垣間見られるから。 深い森は木漏れ日が十分強いと思ってもやっぱりフラッシュがついてしまう。 そんななか一輪のクルマバソウが森の中に浮かんでいた。その花にだけ光の帯があたっていた。花々には1日に一度そういう時間があるのかもしれない。強すぎる光を嫌うしとやかな彼らにもスポットライトのよく似合う光景があった。
黄色い蘭を一輪だけ見つけた。深い森は6月の長すぎる日の終りを迎え、長くたそがれた光が遠くに見えるだけだった。そんな彼女にも一瞬だけ日のさす瞬間があるのだろう。そんな瞬間を求めてこの森に一日たたずんでみるのも悪くない。 誰にでもある一番美しい瞬間を、深い森の中でじっくりと待ってみたいそんななか一輪のクルマバソウが森の中に浮かんでいた。その花にだけ光の帯があたっていた。花々には1日に一度そういう時間があるのかもしれない。強すぎる光を嫌うしとやかな彼らにもスポットライトのよく似合う光景があった。
黄色い蘭を一輪だけ見つけた。深い森は6月の長すぎる日の終りを迎え、長くたそがれタ光が遠くに見えるだけだった。そんな彼女にも一瞬だけ日のさす瞬間があるのだろう。そんな瞬間を求めてこの森に一日たたずんでみるのも悪くない。 誰にでもある一番美しい瞬間を、深い森の中でじっくりと待ってみたい。
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