私季彩々
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2001年05月14日(月) ドライブの静止画

 苫小牧から支笏湖に行く道は基本的に直線道路。緩やかなカーブとのぼりが続く。ドライブコースにはうってつけだ。
 深夜となれば明かりはない。まだ葉の少ない木々たちが道路わきの森を浮かびあげる。この道が盛りの真っ只中を切り裂いていることを知らせてくる。ガードレールの反射光はその境界をはかなげに主張している。対向車がやってくると、はっとする。気がつけばスピードは上がり気味。そんななかハイビームが飛び込んでくる。そして下げてくれる。私はその瞬間が好きだ。快適なドライブを楽しんでいて、相手に気づきライトを下げる。ひとりで楽しんでいたところを見られて少し恥かしげに頭を下げて通り過ぎていく。そんな感じがするのだけど、それはよくとりすぎかなぁ。ま、いいや。
 で、私もハイビームにしてみる。すると、遠くの反射光まで一直線にオレンジがかえってくる。絵画のように中央に向かってまっすぐ伸びる。道路の上にある道路幅表示の赤い矢印も、遠くで反射光に限りなく近づいていく。はかなげな彼らが突如生き生きと自己主張をはじめる。自分の投げかけた光が闇に吸い込まれずに戻ってくる。2つの絵が交互にかわる瞬間が私はたまらなく好きだ。
 で、こんな事を思い出した。高校生の頃の話だけど、この道を走ると何故かおばあさんが隣を併走するそうだ。で、抜かされるとその人は死んでしまうとの事。うげ、なんて事を思い出してしまったのだろう、とサイドミラーを覗き込んだ。
 幸いな事になぁんにもいない。けれど、漆黒の闇が広がっている。前に向かったライトはただ前のみで、他は全て闇。私は前しか見ていない。たまらない孤独感と無力感にさいなまれていた頃、湖面が見えてきた。漆黒の中でも、揺らぐ波に小さな光たちがたゆたっている。すっかり明かりは消えているけれど家や旅館が立ち並ぶ。
 森の中で一人でいることはまだ私には無理らしい。憧れはするけれど、苦手だけれども、やっぱり人恋しいのは認めないとね Home&Photo


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