私季彩々
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ゴールデンウィークといっても北海道はまだまだ寒い。そんななか自転車で旅をした事がある。札幌を出て羊蹄山をまわって蘭越町までいった。距離にして120kmくらいあったろうか。 札幌の街並みをすぎて定山渓を抜けたあたりから信号の束縛を離れた旅となる。コンビニもなくなるのがこのあたりだ。峠にさしかかり登りがきつくなると後悔が始まる。なんでこんなことしてるんだ? バスの方が楽やん。 などなど。 街中の黄緑色と木々の肌が春らしい光景、それがだんだんと冬景色へと戻っていく。雪を割る小川。ふきのとう。それが雪高い道路をこぐ頃には中山峠のいもだんごが恋しくなる。 自転車は自分がエンジン。ラジエーターは全開で上着はすでに長袖一枚。光景は白い冬、風は春、そして私は夏。その時は精一杯でそんな余裕もないのだけど、旅景色を遠くから思い返せばよく思い返せるもの。大声で唄いながら立ち漕ぎで進む私は赤いジャンパーを着て、たぶんいい顔をしていたことだろう。景色は思い出せても自分の顔までは見ていないからたぶんに脚色していることになるけれど。 疲れて立ち止まればたちまち体が冷える。だから結局走る。トンネルを越えて、通り過ぎるトラックにおびえ、季節を逆戻りに、体を燃やして走る。 峠を登りきった。遠景のスキー場にはまだゲレンデを滑降する派手な原色が流れている。羊蹄はよく見えなかったけれど尻別の山容は見事だった。その頃はまだ羊蹄との区別もつかなかったし、まだ先に伸びる行程にため息をついていたように思えるけれど。 旅の想い出はその時だけではない。思い返せば新しい風景と想いが新しいカメラワークと演出でよみがえる。たとえその時はなんの意味も見出せなかったとしても。 いえ、この旅はその時でも十分有意義だったのだけど、最近はついつい意味を求めてしまいがちだなぁと、反省したのでございますよ。ほほ。
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