■■■ ぽっちーの独り言 ■■■... pocchyland presents

 

 

長野のお店 本日オープン - 2005年12月23日(金)

思い起こせば2年半前の夏のとある日、私の元に一本の電話が入った。フレンチのお店を出したいという方からの電話であり、以前手掛けた群馬のお店を見て何処で設計したのかを聞いての問い合わせ。しかし、「申し訳ございませんが、洋食はやる心算ありません。」とお断りをしたが、それから何度も電話を頂き、年が明けた1月に高崎まで出向いて初めて相手の方とお会いしたのであった。

お会いしてみてこちらの心を動かすものを感じ、お手伝いいたしますという返事をして業務がスタートし、当初の予定は高崎市の郊外に100坪の店舗を新築しての開業であったが、いろいろな事情で保留となり、一年近く経った後に「長野にある自宅を一度見て欲しい」との連絡が入った。市内から車で20分ほどの篠ノ井というところにその自宅はあった。ひと目見て「凄い・・・」と。

敷地は数百坪で、木造平屋建ての100坪程の数奇屋造りの豪邸。しかも、庭も凄い造りで一体幾ら掛かったのだろうか・・・?というくらいの佇まい。ここで開業出来るかという問い掛けに、条件はあるものの可能性は秘めているとの返事をしたと記憶している。国道から脇道に入り、更にそこから細い生活道路に入ったところにその豪邸がある。普通には見つけることの出来ない、人目に付くことはない立地条件であるが、完全なる隠れ家としての店となるし、面白い存在と成り得る条件を秘めていた。

ここで開業するということが決定してから本格的にスタートして一年。漸く今日の日を迎えることが出来たが、いつもと勝手が違うオーナーとシェフ(調理人)が異なる形態であり、いろいろな面に於いて苦労というかやり辛い面も多かった。これまで仕事を受ける条件としてオーナーシェフであることを第一に考えていたが、オーナーシェフでなくてもホールとか何らかの形で店に携わることが前提となっていた。

今回はオーナーは複数の会社を持つ企業家であり、シェフは別にいて経営面には携わらない。打ち合わせを進めていく中で、いつもなら一度で、その場で結論が出ることも双方の確認を取ったり、時をずらしての打合せをしなければならなかったりと結構大変であった。こういうスタイルに慣れてしまえばなんてことはないのかもしれないが、自分自身のポリシーとして貫き通してきたことを崩すことが難しかったのである。

実際にやってみて感じたことはやはりオーナーシェフ以外の仕事は止めようと・・・。今回の店づくりの完成度が低い訳ではないが、いろいろな面に於いて普段の進め方と異なることに違和感を感じてしまったし、ポッチーランドとしての仕事をするにはオーナーとシェフが別々では無理があるということである。

今日、オープンを迎えたがかなり多くの課題を抱えてのスタートであり、ある程度のレベルで運営出来るまでには数ヶ月は要することになるであろう。店としては本当に素晴らしいものになったし、この空間で食事をすることが嫌だと感じる人はまずいないだろうという位のものとなったが、サービス面に於いての課題が山積みである。それを改善というか、ある程度のレベルまで持っていかなければならない中で、遠方ということもありキメの細かいフォローが出来ないもどかしさ。

他にも数々の問題点もあるが、なんとか軌道に乗せるまでは頑張らなければならない。早く客として席に座って素晴らしき空間で食事をしてみたいものである。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




-




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail Home