より良いものをつくりたいが故に・・・ - 2005年11月16日(水) 蓮田のお店の現場もすったもんだの想定外の出来事も多い中、なんとか順調に進行している。それはひとえに施工業者さんの現場監督のお陰である。今は設計事務所として設計監理が仕事となっているが、サラリーマン時代に最初に入社した会社では一からいろんなことを叩き込まれ、家具の製作から始まり、現場管理、設計、営業、管理職と一通りのことを経験させてもらった。 設計の部署に配属になり、最初は現場監督として先輩や上司が設計した現場を納めるところからスタートした。温泉街や繁華街の現場ではヤクザが怒鳴り込んで来て「責任者出て来い!」と言われて一番若い私が出て行ったこともしばしば・・・。辛いことも、大変なことも、楽しかったことも、思い出としては沢山のことが心の中に残っている。 現場を納めることの大変さ・・・。自分が描いた図面で自分が施工監理までするのでさえ大変なのに、他人が描いた図面で設計者の意図を汲み取りながら形にしていくことは苦労なしでは出来得ないことである。それだけに自分でも現場の経験があるだけにその苦労は嫌と言うほど分かる。しかし、設計者である以上、デザイナーである以上、常により良いものをつくりたいという欲求が付いて廻るのである。 今ここでこれを変更したら大変だよな・・・って思いながらも、なんとか更に良いものをつくりたいという気持ちが前面に出てしまうことになる。結果として設計変更ということになるのだが、それを施工業者さんにお願いする時の言葉に出せない葛藤やら思いがある中で、最終的にはクライアントに喜んで頂けるお店をつくることが責務であり、それを優先したものが答えとなる。 今回も現場が進むにつれてもっともっと良くしたい・・・、更に高度な仕上がりにしたい・・・という気持ちがどんどん湧き出てくる。どう考えてもこれをここで変更したら大変なことになるというレベルのことは変えたりはしないが、それが許される範囲のものに関しては施工する直前まで私の中では設計変更の対象となる。最初の図面でそのまま最後までつくるデザイナーもいるし、それが良しとする考え方もあろうが、私自身は現場でいろいろとイメージを作っていくタイプなので、どうしても設計変更というものが付いて廻ることになる。 だからポッチーランドの図面に基づいて施工をする業者さんは毎回大変なこととなる。まあ、その変更の度合いもある程度その辺のことに対して柔軟性を持って対応出来るレベルの業者さんであれば心置きなく?設計変更をするが、普通の大工さんとかだとちょっと無理があるので、そういうケースの場合は基本設計をそのまま納めるというケースもある。但し、完成度も満足度も思っているレベルにはならないけど・・・ 本当に施工業者さんには感謝の気持ちで一杯である。こんなに大変なデザイナーの下で仕事をするのは傍で見ているよりも厳しいはずだから・・・ -
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