「蕎麦屋だからこれでいいのでは・・・」って? - 2005年07月26日(火) 正直なところ飲食業界に於ける「蕎麦屋」のポジショニングは決して高いところにある訳ではない。だからかどうか、いろいろな業者さんから「おそば屋さんならこれでいいんじゃないですか?」とレベルの低いものを提案されたりすることがある。確かに殆どのお店はその程度のもので満足して使っているからということもあるだろうが、ちょっと寂しい気もするね・・・「蕎麦屋だから・・・」というこの言葉。 それと蕎麦屋中心の商いをしているところでも「殆どのお店はこれですから・・・」ってレベルの低いものを提案されたりもするが、それも違うんじゃないのかなって思うんだよね。ポッチーランドとして手掛けているお店の殆どは食材に関してはかなりのモノを使っているが、やはり素材の良し悪しは味に大きく関わってくるし、特に新規開業の場合は素人が始める訳だから「素材」である程度引っ張らないと難しい面も出て来る。 例えば鴨は3500円/Kg近いものを使っているが、蕎麦粉にしても1袋2万以上が当たり前であり、町場のお店はこの半分とか3分の1も行かないものを使っているところも多い。鴨なんかは食べればその素材の良し悪しがハッキリと出るし、他の素材に関しても出来る限りいいモノを使うことによって味がぶれないという一番不安な問題点をある程度は解決出来る。何処かのサイトにうちが手掛けたお店はプロデュース料が加算されているから価格設定が高いなんて馬鹿げたことが書かれていたが、これだけの素材を使ってあの価格なら町場お店の方が高いと思うけどね。 但し、それだけの素材を使っているのに満足なものが出せなかったりするのはまだまだ力不足、素材を使いこなせていないということでもある。だからと言って使いこなせないから素材を悪くするのも可笑しな話しで、とにかくいいものを使うことによって素材の良し悪しをしっかりと見極められる「見る眼」を養って欲しいとも思っている。 だから「蕎麦屋だから・・・」とか「他ではこれだから・・・」という次元の話には乗らないようにして欲しいね。先日、とあるお店のご主人と話しをした際も同様のことを危惧していたけど、まだまだ下に見られてしまう蕎麦業界全体の発展は取り囲む周りから意識を変えていかないと内部にある大きな壁を崩すことは出来ないのではなかろうか・・・。 -
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