いい顔していたな! - 2004年02月12日(木) 日中は非常にハードであった。朝から元住吉のお店の件で資料を作成し、午後一番で施工業者さんと現場で打合せを行い、それから自由が丘で装飾備品を視察と小樽のお店の方との東京進出に関しての打合せ。その後渋谷で業者さんとの打合せが・・・夕方まではこんな感じで大変であった。 夜は昨年手掛けたお店のご主人とその知人(同業)の3人でとある著名なお店にリサーチに行って来た。我々は予約をしていたので問題はなかったが、フリーで入って来た客は皆断られていたのには驚かされた。つまり全席が予約で埋まっているということである。5千円、6千円、7千円のコースがある中で折角来たのだからということで7千のコースを頼み、酒も順番にいろいろなものを飲んでみようということになった。 かなりの品数が出て来たが被っているものやこれはどうかな?というものもあったが、全体的に控えめで大人しげな味付けであり蕎麦を邪魔しないことを狙ったという点に於いてはいいのではないかと思った。しかし、巷での評判とは感想が違うが決してこりゃ旨い!というレベルではなく、品数が多い分とシンプルな分どうしても似通った感じは否めなかった。蕎麦屋で7千円というプライスラインはかなり高めであると思うが、それに見合うだけの内容であれば問題はない。しかし、仕事柄どうしても原価計算をしてみてしまう悪い癖がある?ので3人で幾らも掛かってないよねという結論に達したが、じゃあ怒ってしまうというレベルでもない。あくまで蕎麦屋さんのコース料理という観点でいけば問題はない。 他にも気になる点がいくつもあった。酒の銘柄を変えた場合猪口も変えて欲しいし、一番高いコースを食べている席から椅子を一脚持って行こうとするのは客に対して失礼である。狭い店だから仕方がないのだろうが、4人掛けに5人を座らせて通路を塞いでしまっている点も気になった。お茶の注ぎ足しも然り。 しかし、何故か怒りというものは沸いてこないのである。それはご主人の表情が本当に素晴らしかったし、いい顔していたね。あれを見てこの店はよくある有名になって天狗になり店がおかしくなったというようなことはないだろうと思った。従業員も仕事的にはもう少し頑張れって言いたいけど、一生懸命さは充分に伝わってきたし、全体として見たときのバランスが非常に取れていると思ういい店だと感じ、料理は飛び切り旨いとは言えないが、客を満足させるコツは掴んでいる秀逸な店であることには違いないだろう。 ほんの小さなことだけどもう少し客側の目線で仕事が出来ればもっと客層も良くなるのではなかろうか?内容を評価してではなく有名だからという次元で来店している客も多いはずだからである。もっと間口を絞り込んで、特に夜は席を減らしてでもゆったりと食事を楽しめる雰囲気を作って欲しい。残念だけどプライスラインと雰囲気のギャップは大き過ぎた。コース料理はなくあくまでもアラカルトオンリーでの形態だったらあれで良いかもしれないけど。少なくともアルコールを入れたら10000円近くのお金を払うのだからそれに見合った雰囲気と空間としての満足度が欲しかった。 厳しいことも書いたが更に飛躍できる店であり、それを出来得るご主人であると思うので本当に頑張って欲しいね。 -
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