ぼそっ・・と独り言
DiaryINDEXpastwill


2002年11月29日(金) 気を食べる

人は、本当は食べ物を食べて生きているのではない。
のかも知れない。

美味しい料理とは・・・新鮮な食材自身が持っているパワーと、
作り手の「気」によって作り出される。

たまにしか外食しない人にはわからないことだが・・・・

毎食を外食にしていると、どんなに味の良い料理を食べても、
満足いかず、何かどこかが飢えている状態になる。

昔、親元を離れて、ひと月以上3食外食のことがあった。
始めは良いものの、段々と食べ物に飢えるようになった。
何を食べても美味しくないのだ。

食欲も湧かないし、と言って、何かを食べなくてはいけないし・・・・
味は良いのに、何故か食が進まず無理やり口に入れる日々。

それならば・・と、高級料理店に足を運んだ。
実際、食材も○。
調理の仕方も、最高。
値段もバカにならない。
確かに味も非常に良い。
それなのに、美味しくないというか、なおさら満たされない気持ちになる。

ところがある日、明確な答えを知った。
長い受講の間に知り合って、意気投合した人の家に招かれて、食事をよばれた。

出された食事は、気取らない普通の夕食で、お汁が豚汁だったことだけしか覚えていないが・・・
もう、最高においしかった。ずっと、飢えていた心の隙間がすっかり埋まってしまった。

その時知った事実は・・

不特定多数の誰かのために、機械的に作られた食事と、
その人のためだけに心を込めて作られた食事では、雲泥の差があると言うこと。

食べているのは、食材をつかった料理だが、実際は作り手の「気」を食べているのだ。

気の無い料理は美味しくもなく、食べてもパワーには繋がらない。
実際口に入れているのは、味の付いた「カス」に過ぎない。

行列のできる店は、お客さんが喜んでくれる顔を思い浮かべながら料理を作っているに違いない・・と思う。
家族のことを思い描いて作るお袋の味と言うのはダテではない。

心に隙間を持つ人は、世の中には非常に多い。


まさくん |MAILHomePage