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2008年06月12日(木)
日本国憲法で定められている「国民の三大義務」とは 「教育の義務」「勤労の義務」「納税の義務」 この三つだと言うことは日本人なら誰もが知っているはずである。 「納税」など納得いかないことも多々あるが、日本国に生まれ、 住んでいる限りは当然の義務であるので仕方ない。 そして「国民の三大義務」とは別に、 最近、新たに国民の義務が発生することになった。
「住宅用火災警報器の設置の義務」 これって電気店のポスターで見かけるくらいで、 メディアではあまり騒がれていないが 今月から一部地域で既存住宅への 「住宅用火災警報器の設置義務化」が始まったのだ。
総務省における住宅用火災警報器設置義務化開始年別マップを見ると、 http://www.fdma.go.jp/html/life/juukei_map.html 宮城県、千葉県、埼玉県、愛知県あたりが該当しているようで 東京は2010年4月1日から。 設置義務は都道府県条例ではなく各市町村条例によるものだというが 遅い地域でも2011年までには全ての市町村で義務化されるという。 で、どこに設置しなければならないかというと、 東京都の場合、すべての部屋、台所、階段だとか。 (浴室、トイレ、洗面所、納戸を除く)
しかし、警報機1個、安いモノでも4000円前後するようなので、 「居間、寝室、子供部屋×2、台所、階段」くらいの普通の世帯の場合、 最低でも24000円程度の出費が必要だ。 もし、設置を業者に頼もうものなら10万円レベルの請求も覚悟しないといけない。 仮に1世帯平均5万円として、日本の総世帯数の約5000万を単純に乗算すると、 なんと2.5兆円ものカネが動く計算になるから驚きだ。 しかも一般的な「電池式」の火災警報器の場合、10年で本体交換だとか…。 うーん、日本経済バンザイだなヾ(・ω・o) ォィォィ
しかし、まぁ「義務」と言っても「罰則」が無いそうなので、 「自己責任」だとか…なんだか意味不明な義務だこと。 だけど罰則はないが、もし火災が起きた際、火災警報器が付いていなかったら 火災保険が下りないとかの制約がありそうだ。 火災警報器のない家は火災保険が掛けられない、もしくは掛け金が異常に高いとか。 結局は「義務」だから、どの家庭も取り付けなければならないってことか。
だけど、これも「PSE問題(電気用品安全法)」や「後期高齢者医療制度」のように、 施行される段階になってから大騒ぎするのかもね。 また義務だからと言って「火災警報器詐欺」とかが横行したりして。
今回の「消防法改正」も「後期高齢者医療制度」と同じく 「小泉政権時代」に成立したものである。 「後期高齢者医療制度」を批判しているメディアは、 なぜ法案成立時に問題を指摘できなかったのか? 当時の小泉人気に水を差せば、国民から非難を浴びると思っていたのだろう。 まったく野党もメディアも、あまりに「先見の明」が無さすぎだ。 今になって騒いだって後の祭りだろう。
今になって騒ぐなら、2011年における「地デジ難民」の救済策、 最大6465万台のテレビのゴミ(「電子情報技術産業協会」予測)など、 すでに事態が予測できる今にこそ大騒ぎしてもらいたいね。 脅しに屈して「使えるテレビ」を買い替えてしまう被害者が出る前に。
話を戻すが、我が家のようなマンションや集合住宅の場合、 以前から消防法により各部屋に火災報知器が設置されていないと 建築許可が出ないので今回の義務は関係がない。 うちのマンション、ウォークインクロゼット内も含め、 どの部屋の天井を見上げても火災警報器だの煙感知器だの、 いろいろとくっついているし、毎年何回か業者が定期点検にもやってくる。 練馬のマンションに住んでいる時も同様だった。 今、建築されている一軒家も各自治体の条例により、 火災報知器の設置が条件で建築申請が通る形になっているので 今回の消防法の改正は関係がない。 しかし、それ以前に建てられた一軒屋は、ほぼ全てが 火災警報器を各部屋に新たに設置しなくてはならなくなる。 罰則がないので市町村の条例を無視しても、一軒家なら絶対に火災保険に加入しているはず。 ちゃんとした火災保険なら、更新時に火災警報器の設置が 更新条件として必要になってくるだろう。 なので、自分の実家にも2011年までに火災警報器の設置をアドバイスしておいた。 木造の一軒家は自分の家が注意していても周りから火が出たら あっという間に広がっちゃうからね。 義務とかの前に安全を買うと考えれば安いものなのか…?
だけど…ガソリンだの食品だの、様々な物が値上げして 普通の生活自体が苦しくなっている今、 勝手に消防法を改正した政府は庶民のことなんて何も分かっていない。 こんなヤクザな商売をしている「日本経済」なんて、 マジで衰退したほうが良いのではないかと思ってしまうよ。 小さい島国らしく、身分相応に、つつましく暮らしたほうが幸せじゃないのかとね。
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