なべて世はこともなし
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2002年01月05日(土) 前代未聞。思いつく限りのすべての災難に遭ったドイツへの長い道(その3)

昨日は土曜日だったというのに出勤。それで…というわけではないのですが、日曜日の今日は完全に何もやる気がありません。天気は悪くないのですが多分このまま一日家にいるのではないかと思います。


で、引っ張りに引っ張っている、ドイツ行きの話その3です。その1その2をお読みでないお方は、まずはそちらからどうぞ。


何だかんだでホテルで一泊。何でも朝の5時15分に最初のシャトルバスが空港に出るとやらで、昨日のターミナル2の混雑ぶりを思い出して、朝7時のフライトにはちょっと早いと思いつつも、それに乗って空港に向かうことに。


で、シャトルバスに乗りターミナル2の出発ロビーに着いてみると、昨日ほどではないによ、それでも相当多くの人がすでに行列を作っている。で、ひときわ長い行列ができているのが、ルフトハンサとブリティッシュミッドランドのカウンター。文句を言っても始まらないのでとりあえず列に参加。


列が全然進まない。よく見ると、カウンターは一つしか開いておらず、そのカウンターに向かい、何と3方向から列ができている。しかも、カウンターはかなりもめている様子。


20分近く並んだ6時頃、私の真後ろに並んでいた女性が話し掛けてきた。ダンナさんと思われる男性と一緒の、50代後半の思わず、「ご婦人」と呼びたくなる品位を感じさせる女性(アイルランドにそんな人はいない)。


女性:「あなた、昨日の6時のフライトに乗れなかったの?」


あなたも?とは?私は昨日の体験をかいつまんで話した。すると、女性…


女性:「私たちも昨日の6時のフライトでハノーバーに行く予定だったんだけど、大雪でフライトが『天候調査』になり、ずっと搭乗ゲートで待つ羽目に。結局フライトはキャンセルになり、荷物が返されて、再予約なんかが終わったのが昨日の夜10時過ぎ。大変だったのよ」


ダンナらしき男性が口を挟んでくる。


男性:「で、今日ここに来る時タクシーの運ちゃんが言ってたんだけど、今朝ドイツは雪で騒ぎらしいよ」


女性:「そう、実はこのフライトも飛ぶかどうか何の保証もないと言われたわ」



…つまりなんですか、私がダブリンのコンピュータトラブルで間に合わなかったヒコーキ、実は間に合っていたとしてもキャンセルされていたんですか。で、夜の11時近くまでかかり…つまり、午後7時すぎの時点で早々とホテルをあてがわれ、しかも朝一番のフライトに再予約を入れることができた私は実は相当運が良かった?


何だかんだで私の前の人までチェックインの順番が来たのは、並んでから1時間以上経った6時40分。朝7時のフライトでまだ私の後ろにチェックインが終わっていない人がたくさんいるところから見て、またこのフライト遅れるな。いや、その前に、このフライト本当に飛ぶのかな?


私の前のカップルと搭乗カウンターのおねえさんとの会話。


係:「(必要以上に事務的口調)それでは安全に対する質問をさせていただきます。この荷物はあなたのものですか?」
客:「はい」
係:「あなたが荷造りをしてそのあと誰かが荷物を開けましたか?」
客:「いいえ」
係:「あなたのもの以外の荷物を誰かのために運んでいますか?」
客:「いいえ」
係:「クリスマスパーティー用のクラッカーなどは入っていますか?」
客:「はい」
係:「…没収します」



…早くしようよ。そんなクリスマスクラッカーで何をしろというんだよー。


で、前の人がかばんを開け中身を取り出し数分のロスのあとにようやく私の番がやってきた。おねえさん、やはりやたらと事務的な口調で、


係:「今日はハノーバーまでですね」
私:「ホントは昨日飛ぶ予定だったんだけどね。雪は大丈夫なの」
係:「問題があるという報告は入ってません。お席は通路際と窓際どちらがいいですか。」
私:「エマージェンシーロー(←いつも私が指定する席)空いてますか」
係:「はい。それでは安全に関する(以下同じ)」



うーん、さすがはシルバークラスカード、この状況下でも、問題無く搭乗できて、しかも自分の座りたい席までゲットできた。どこかのエアフランスの時とは大違いだ。(実際、この日の体験までは、こんなフレクエントフライヤーズカード何の役にも立つまい…と思っていただけに、素朴に驚いたのです)


で、セキュリティチェックも大行列。搭乗ゲートについたのは7時15分。行ってみると、まだ搭乗を開始していない。…遅れ確実。


何だかんだで完全に搭乗が終わり、完全に満席のA321が動きはじめたのは午前8時少し前。…1時間遅れ。


で、ついに、ようやく、とうとう飛び立ったヒコーキのフライト中機長からのアナウンスが入る。


機長:「おはようございます。機長です。当機は高度37000フィートでハノーバーにむけて順調に飛行中です。当機、昨日の大雪のため、昨日のフライトがキャンセルされたことなどの影響で、およそ40分遅れの運行になっています。現在のハノーバーの天候ですが…」


機内が一瞬静まったのが分かる。


機長:「天候は…雪でキリ、気温はマイナス15度との報告が入っています。あと30分ほどで通常通り着陸の予定です。天候がよくなるのを祈りましょう。それでは楽しいフライトを」


マイナス15度?うーん、数年前の冬のスウェーデンよりも寒い。…というか、これって、完全に異常気象の世界でしょう(実際にこの日、一部地方では「100年に一度」の大寒波だったらしい)。


で、機長が、「業務連絡。あと10分で着陸。」と言ったのち、ヒコーキはさらに高度を下げ霧の中へと突入。何も見えなくなる。


で、「そろそろ着陸のはずなのに…」と思っていると、突然


ドン!


という衝撃が走る。一部の乗客から短い悲鳴が上がる(ホントだよ)。


…着陸の瞬間でした。で、スッチーさんが、「ようこそハノーバーへ。規定により、飛行機が完全に停止し、機長がシートベルト…」といういつもの放送を始めたことで、どうやら着陸したことが分かる。…それにしても、何もみえない。外はまさに真っ白。ランウェイにあるランプすら見えないのだ。で、ヒコーキがターミナルビルに横付けされても、ターミナルビルはほとんど見えない。


…よく着陸できたもんだ。


さすがは最新鋭のA321。YS11とかなら間違いなく着陸できていないと思う。


で、これで終わりと思うでしょ?無事にハノーバーに着いたんだから。私だって、ボーディングブリッジをくぐりいつもの「Welcome to Hanover」という看板を見て安心した。…がこのあと、まさに「駄目押しの災難」が私を襲うのでした。このお話、あともう一回だけおつきあい下さいませ。




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