なべて世はこともなし
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2002年01月06日(日) 前代未聞。思いつく限りのすべての災難に遭ったドイツへの長い道(その4)

過去3回にわたり引っ張りまくってきた「ドイツへの道」もようやく本日最終回です。とりあえず、長いですが、その1その2その3をお読みでない方はそちらからどうぞ。


雪が舞いキリで何も見えないハノーバー空港に到着し、入国審査もいつも通り問題なく通過。で、次は、ロンドンヒースローで滝汗を流して運んだ30キロ超の荷物の受け取り。ベルトコンベアの荷物の吐き出し口のところにいつも通り陣取って荷物を待つ。


一つ目の荷物、スーツケースは過ぎに出てきた。残すは、クリスマス用にわざわざ持ってきたスーツなどが入ったかばん(スーツなんかを二つ折りにして入れれるやつ。たまにビジネスマンが持っているのを見かけるあれ。正式名称は知らん)。


で、荷物が一通り出てきたものの、ヒコーキに乗っていた半分以上のお客はまだ荷物を待っている様子。どうやら荷物が2台のトラックに分けられて運ばれており、2台目がまだ着かないようだ。


10分以上半分以上の客とともどもぼーっと自分の荷物を待つ。


ベルトコンベアが止まる。


…ウソでしょ?


そう、荷物、見事になくされました。


どうも、いろんな話を総合し、私の推理を加えると、こんな会話がロンドンヒースローでの離陸の前にコックピットで繰り広げられたらしい。


機長:「乗客および荷物の積載は済んだかね」
副機長:「はい。乗客が終わりましたが、荷物はまだのようです」
機長:「もう待てん、行くぞ」
副機長:「はい」



あるいは、昨日のキャンセルされたヒコーキに乗るはずの貨物がたくさんあって、そちらを優先したとかいう可能性も否定できませんが。いずれにせよ、機長さんは、乗客の半分の荷物を載せずに出発すると言う快挙を成し遂げてくれたのです。


で、よくよく見ると、何とかたどり着いた布製のスーツケースは…


思いっきり破られてる(「もう笑うしかない」とはこのことです。)


ハンドルのところを始点にして、思いっきり5センチ以上の引っ掻き傷を入れられている。…こりゃクレームもんだわ。


そんなこんなで、ベルトコンベアのところから半分の客と共に、「Luggage Tracing Center」と書かれたところへ。


もう一度書きますが、ヒコーキに乗っていた半分以上の乗客の荷物が無くされたわけです。その半分以上の客が小さく目立たない「Luggage Tracing Center」なる事務所に殺到するとどうなるか…当然に帰結として、せまい事務所の前には大行列。私の番が来たのは、かれこれ一時間以上待った頃。疲れ果てた私のカウンターでの最初のひとこと。


私:「ヒコーキは飛ばず、荷物はなくなり、着いた荷物は傷つけられ、踏んだり蹴ったりな日だよ。今日は」(←すべて本当なんだから恐れ入る)


これに対し、カウンターの向こうのやたら尖ったメガネをかけたジョークなど全く通じそうもない典型的ドイツ人おばさんは一言。


係:「私にとっても踏んだり蹴ったりな日よ」(外には未だに大行列)


はあああああああああああああ


…ふたりでため息を付き合いましたとさ。


で、スーツケースの引っ掻き傷、文句をつけたところ…


係:「このスーツケースいくらでした?」
私:「ン千円です」
係:「買ったのはいつ頃?」
私:「半年前」
係:「じゃ、弁償するから、この紙上のチケットオフィスに持っていって」



と言われ、一枚の紙をもらう。その紙を持って上のチケットオフィスに行くと…なんとまあ、スーツケース代金全額弁償してくれました。言ってはみるものです。


んで、こののち、彼女は、「行方不明の荷物はクリスマスまでに届けるわ」と約束。で、その荷物がタクシーで届いたのは12/26…クリスマスに間に合ってないやんけ。何の為に、スーツ用に別のカバンを持ち、ロンドンの空港を走り回ったのか全くナゾ。


とまあ、とんでもなく悪運続きだったかのように見えるこの旅行、実はかなりラッキーでして。何せ、私がハノーバーに降り立った日、ドイツの誇るアウトバーンは、大雪のせいで40キロくらいで走るのろのろ運転、で、翌日には再びどかっと大雪が降り…そう、着陸できたこと自体がもはや奇跡に近いわけでして…。で、しかも、どこぞのエアフランスと違って、トラブルの後のフォローが割にしっかりしてるから、空港のカウンターを叩きながら怒鳴るような真似をする必要もなかった。これだけのトラブルがあっても、まだ、ブリティッシュミッドランドをまた使おうと思っている。(ちょっと、エアフランス、聞いてる?…って聞いてないだろうなあ)


とかいいつつ、実はブリティッシュミッドランドにクレームの手紙を書くことにきめ、昨日書き終わったところです。なんでクレームの手紙を書く気になったかって?だって、


帰りのヒコーキでも同じ荷物を再びなくしたんです。こいつら。(どうしてここまで話に芸術的なオチがつくんだろう?実話なのに…)


クレームの手紙、返事が来たら公開したいと思っております。しばらくお待ちを。




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