| 2022年04月01日(金) |
川の音。流れ続ける水音。家人と息子に連れられてやって来た渓谷。じんじんする寒さ。土筆がもりもり生えている。桜もまだ半分ほどしか咲いていない。ワンコはずっと興奮しっぱなしで尻尾をブンブン振り続けている。 普段寒さに強い私がへばっているのを見て家人が苦笑している。私自身首傾げている。でも、家という壁に守られている部屋と、そうではないこの場所では、不安度も全く異なるんだよと、説明しかけてやめた。多分家人や息子には伝わらない。 よく、家人は良き理解者だよねと知人たちは褒めるけれど。私自身はそう思っていない。私の具合の悪さに気づくのは確かに早い。でも理解しているかと言ったら否のことの方が多かったりする。口に出しては言わないけれど。
人間どうやっても、自分の物差しを当てたがる。ひとと自分のそれとは異なるのだよと知っているはずなのに。私にもそういうところは多分にある。 とことんのところ、どれだけ自覚しているか、どれだけそれをとっさに用いられるか、なんだろう。
日が暮れて星が瞬いていたのも束の間、夜空は呆気なく雲に覆われてしまった。辺りに外灯はほとんどなく、手元の小さな灯りのみ。その間もずっと流れ続ける川の音。
少し疲れた。 時々、猛烈に独りになりたくなる。そういえば久しく海を見ていない。海に潜っていない。飢えているのかも知れない。あのとてつもない孤独に。
夜が深い。このまま闇に溶けてしまえたらいいのに。
|
|