ささやかな日々

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2020年04月04日(土) 
朝5時過ぎに息子が起きてくる。いつも以上に早い。そしていつも以上に元気が有り余っている様子。起き抜けからテンションが高い。有り余ってる体力気力を全部私にぶつけてくるものだから、私の方が先にバテそうな気がしてくる。

洗濯機を二回廻したところでふと思い立ち、Gジャンを染色することに。薄い水色だったものを前から染めたかった。取り寄せておいた染粉をお湯で溶かす。かき混ぜ役はもちろん息子。あちこちに液を飛ばしながらがしゃがしゃかき混ぜている姿はちょっと近寄りがたい。
かき混ぜ終えた液にGジャンを漬け、ぐしゃぐしゃ揉む。揉み押し揉み押し。息子が飽きたところで洗濯機に鞍替え。息子が藍色に染まった両手にぎょっとしている。「染粉を使うとこうなるんよ」と説明すると、「今日から僕の手青くなるの?!」と。いやいやそうはならないから大丈夫。
あとは洗濯機に任せて、としている間に息子と種まき。去年摘み取ったクリサンセマムの種を空いているプランターに撒いてゆく。「僕知ってるよ、種撒いた後はやさしく水やりしなくちゃいけないんだよね、種が流れちゃうから」。そうそう、だからやさしくね、と、ふたりで如雨露を傾ける。
すっかり染まって停止液にもかけたGジャン一着とGパン一着、それから息子が放り込んだ白かった靴下を干してから自転車で連れ立ってスーパーまで走る。買うものは決まってる。今日息子と作る約束をしたバスクチーズケーキとキャラメルアップルプディングの材料。途中息子を散髪にも連れてゆき時間稼ぎ。それでも昼を少し回ったくらい。

それにしても風が強い日だ。満開もちょっと過ぎてしまった桜の花弁は、風にいいように嬲られ、右に左に上に下に、まさに自由自在、散ってゆく。そういえば七年前息子を出産後病院から帰宅する時もこんな感じだった。びゅるびゅると強風に薄桃色の桜の花弁が舞い上がって、それは眩いくらいだった。

昨日診察で主治医が言っていたことをふと思い出す。人間は本来食われる生き物だから、危険を察知する能力が高かったのよ、現代に近づくにつれてその能力が鈍磨していったけれどね、あなたはその、危機を察知する能力が古代人並みに高いというか強烈なの、本来それはいいことなんだけれど。一度危険とインプットされたことに対しての警戒心もそれに合わせてこれでもかというほど強固なのよね。それをね、ほんのちょっとでも緩ませられればね、いいんだけれども。
これからカウンセラーと相談して、それを少しでも緩める術を探りましょうね。

危機管理能力、私は低いと思っていたけれど。そうじゃないのか、とちょっと不思議に思ったから主治医に訊ねると、「あなたの場合、被害体験によって、安全な場所をも危険な場所として認知するようになってしまっているから、つまり二十四時間三百六十五日、世界はすべて危険だ、っていう認識になってしまっているから、どれもこれもにアンテナが反応してしまうのよ。そうなるとね、本当に危険なことと、安全であることとが同列になってしまうの。そこがね、あなたから見ると、危機管理能力が自分は低い、っていう評価になるのよ。
分かるような分からないような、主治医の言葉を、とりあえず心にメモする。いつか分かる時が来るかもしれない。その時の為に。とりあえず、メモ。


浅岡忍 HOMEMAIL

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