こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2010年06月29日(火) もう一つのフレンチ


 車の中で彼とランチの話をしていた時、

 目的地に向かう途中に前日行ったオーベルジュの姉妹店

 があることに気づきました。


 「そういえば…。」


 私がそのお店でランチすることを提案してみると、


 「昨日もフレンチ、今日もフレンチ、贅沢だなぁ。^^」


 と彼が大袈裟に言いました。


 「ですよね。^^;

  今日は私にご馳走させて下さい。」


 「いや、からかって言ってみただけだよ。^^

  そこ、行ってみよう。」


 お店に電話してみると、

 ランチタイムの後半にたまたまテーブルの空きがありました。




 レストランは前日のお店よりもカジュアルな雰囲気で、

 観光客や家族連れで賑わっていました。

 四方の窓ガラスからは明るい光が差し込んで、

 白い壁にはポップなアートが飾られていました。

 お料理は地元の旬の食材を使ったフレンチで、

 3つのランチメニューが用意されていました。

 私達は冗談を言って笑ったり、

 見つめ合って囁くようなお喋りをしたりしながら、

 美味しいお料理を頂きました。


 「今日はここに来て正解だったね。^^」


 「うん。

  いくら美味しくてもこんな遠い所には

  女友達とはなかなか来られないから…。」


 「俺と来ればいいだろう。^^」


 「そうですね。^^」




 食事の後に併設されているスイーツのテイクアウトのお店で、

 彼は私にフレッシュストロベリージュースを買ってくれました。

 彼は小豆がトッピングされたソフトクリームを買って、


 「スプーンをもう1つ付けて。」


 と店員さんに言いました。


 お店の外のテラスで、私はジュースを飲みながら、


 「さっきデザートも食べたのに、もうこれ以上入らないですよ〜。」


 と言いました。


 「絶対そんな筈はないから。(笑)」


 彼はそう言って私にソフトクリームを勧めました。


 傍から見たら、きっとおかしなカップル。^^

 彼は私が美味しそうに沢山食べているところを見るのが好きなのです。



 のんびりしていたら、もう帰らなければならない時間になっていました。

 結局目的地には行かずに、そのまま引き返すことにしました。





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 携帯電話の中に残した幾つもの画像と一緒に、

 彼と過ごした時間のすべてを記憶に留めておけたらと思いました。



2010年06月28日(月) 充電


 お泊りデートの最終日は朝から良く晴れていたので、

 ホテルをチェックアウトしたら郊外へドライブに行こうと

 彼が提案しました。



 前日は雨雲で覆われていた空もすっきりと晴れ渡り、

 遠くの山々まではっきりと見ることが出来ました。


 「あの雲の形、綺麗だなぁ。」


 「飛行機雲の下を反対方向に別の飛行機が飛んでるよ。」


 「大好きな俺の顔ばかり見ていないで、

  あの綺麗な山をちゃんと見てるか?^^」


 彼は運転しながらも、助手席の私に沢山の言葉を投げてきます。

 彼とのドライブデートが最高に楽しいのは、

 自然の美しさをリアルタイムで共有出来るから。

 思いがけず懐かしい風景に出会った時に、

 彼の故郷や私が知らない昔の彼の話を聞くことが出来るから。



 彼の高校時代の話になった時に、


 「バスケ部の主将なんてモテそうですよね。^^」


 と私が言うと、


 「全然モテなかったよ。」


 と彼が言いました。


 「初恋の人とは?」


 「あれは俺の片想いだから…。」


 以前にも聞いた話なのに、私の胸はキュッと痛みました。


 「告白しなかったの?」


 「しなかったけど、何となく伝わってたな。」


 「一度も結ばれなかった相手の方が

  男の人の心の中に永遠に残ることが出来るんだって。」


 「俺の心の中だけに残ってたりしてな。(笑)」


 「女はプラトニックな関係だった相手のことなんか

  すぐに忘れてしまうもの。

  もしも生まれ変われるなら、

  彼女が結婚してしまう前に自分のものにしたいと思いますか?」


 「それはないよ。

  それよりも寧ろ他にしたいことがあるな。」




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 大好きな車を運転している時の彼は子供みたいに無邪気だから、

 普段は心の引き出しに仕舞ってあるような話も

 ポロッと口にしたりすることがあるのでしょう。



 来月友達から買う予定だったゲレンデバーゲンは、

 手続きが遅れて9月に届くことになったと彼が言いました。


 「その車で星を見に行きたいですね。^^」


 と私が言うと、


 「山に紅葉を見に行こう。」


 と彼が言いました。



 彼が車のルーフとウインドウを開けると、

 眩しい光と心地よい風が入り込んで来ました。


 「気持ちいいな。」


 「凄く気持ちいい。^^

  こういう気持ちの良さもいいですね。」


 彼との楽しい時間は私を心身ともに元気にしてくれます。



2010年06月27日(日) ベッドで観戦


 ホテルのお部屋に戻ると、彼はすぐに部屋着に着替えて私を呼びました。

 私はシャワーを浴びて、

 買ったばかりの新しいキャミソールとショーツを着けました。

 キャミソールはグレージュの柔らかいシフォン地で、

 胸元にピンクとグリーンと白の淡い色調で花の刺繍が施されたもの。

 お揃いのグレージュのショーツはTバックです。

 普段シンプルな黒のTバックを穿くことが多い私にとって、

 フリルやリボンをあしらったフェミニンなデザインは珍しいチョイス。

 デザインの可愛らしさと大人っぽいシックな色の組み合わせが

 気に入って衝動買いしました。


 「それ可愛いなぁ。そそられるよ。^^」


 ヒップラインをキュートに見せてくれるそのTバックを

 彼は気に入ってくれたようでした。^^



 愛し合った後、そのまま眠ってしまった私達。

 目覚めた時はもう夜の7時を過ぎていました。

 私達はホテル内のレストランへ行くことさえ億劫だったので、

 ルームサービスをオーダーしました。



 この夜、彼は携帯電話の目覚ましを午前3時にセットしました。




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 ベッドで素肌をくっ付け合って日本チームを応援しました。

 二人とも眠い目をこすりながらのTV観戦だったけれど、

 2本のフリーキックが決まった時には思わず声を上げて大興奮。

 決勝トーナメント出場を賭けたこの試合の勝利を

 彼と二人で喜び合ったことは忘れられない思い出になりそうです。



2010年06月24日(木) 風のレストラン


 幸せな気持ちで目覚めた朝、

 お部屋のカーテンを開けると生憎の曇り空でした。



 彼は既に仕事の用事で出かけていて、

 10時には私を迎えに来ることになっていました。

 私はお部屋を片付けて、シャワーを浴び、メイクをしました。

 ちょうど用意が出来たところで彼が来ました。



 この日はずっと楽しみにしていたフレンチレストランと

 その近くの温泉に行くことが決まっていました。

 彼とのドライブが楽しいのは、車の中だと私達のお喋りも弾むから。

 途中、ファーストフードで軽い朝食を取った後は

 真っ直ぐ目的地に向かいました。



 市内から2時間ほどで田園地帯が広がる小さな村に着きました。

 周囲の自然と見事に調和した緑の屋根の建物が

 一度は彼と訪れたいと願っていたオーベルジュでした。

 ガラス張りのキッチンを取り囲むようにテーブルが配置され、

 シェフ達が調理する姿が見えるようになっていました。

 大きな窓からは降り始めた雨に濡れる美しい緑が見えました。

 私達はゆっくり時間をかけて、

 地元の野菜をふんだんに使った美味しいお料理を頂きました。



 食事の後、近くの温泉へ行きました。

 白と赤のグラスワインを一杯ずつ飲んでいた私は、

 温泉から上がると急速に酔いを感じました。

 休憩室で私を待っていた彼に、


 「しばらくここで休んでいてもいい?」


 と聞きました。

 そこは和室になっていて、私達二人しか居ませんでした。


 「もっとあっちへ行くか?^^」


 廊下側からは見えないような場所を指して、彼が冗談を言いました。




 外はまだ強い雨が降っていました。

 彼は温泉施設のエントランスの前に車を回すから

 しばらくロビーで待っているようにと私に告げました。

 駐車場まではほんのわずかな距離なのに、

 彼は私が雨の中を歩かずに済むように気遣ってくれました。


 彼の車の助手席に座った途端、私は優しい彼に甘えたくなって、


 「キスして。」


 と呟きました。


 「どこでして欲しいの?

  ここで?それとも部屋で?」


 「人が見ていない所ならどこでも…。」


 「じゃあ、ここでする。」


 彼は私の唇にとびきり甘いキスをしました。




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 「俺もしたくなった。」


 彼の大きな右手が私の左手を握り締めました。 



2010年06月23日(水) 彼の影響


 お泊りデートの一日目は彼が好きな監督の新作映画を観に行きました。

 付き合い始めてから二人で数え切れないほど映画を観たけれど、

 映画館で邦画を観るのはこの日が初めてでした。

 彼と付き合っていなければ、きっと観ることがなかったと思う作品。


 「なかなか面白かったです。^^」


 「ま、期待通りだな。」


 観終わった後に二言、三言、短い感想を交わすのはいつものこと。

 観たいと思う映画のジャンルがグンと広がったことも

 彼の影響を受けている事柄の一つです。




 彼は5月の連休にも二人で泊まった

 グレードの高いシティホテルを予約してくれていました。

 このホテルはレストランが充実しているので、

 食事のために外出する必要がありません。

 彼との初めてのお泊りデート以来何度か利用している素敵なホテルです。



 お部屋に入ると、私達はすぐにシャワーを浴びました。

 少し長いキスをして、いつもよりゆっくり素肌を重ねました。

 一週間というインターバルはいつもと同じなのに、


 「久しぶりだね。」


 と囁く彼。




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 夜はホテルの中にある中国料理のレストランへ出かけました。

 私達はアラカルトでお料理を選び、昼間観た映画の話などしながら、

 ラストオーダーの時間までゆっくり食事を楽しみました。



2010年06月18日(金) 夏風邪


 大雨で無い限りは決行しようと数日前から話していたドライブデート。

 去年も行った海沿いのお店で赤のうに丼を食べた後、

 リゾートホテルに併設された温泉に入って、

 夕方5時過ぎに市内に帰って来ました。



 ホテルのお部屋で少し休んでから食事に出かけました。

 食事を終えてお部屋に戻ると、すぐに彼に求められました。

 愛し合った後、彼は私の隣で何度も咳き込んでいました。

 彼の症状は先週より悪くなっているように思えました。



 翌日、病院で診察を終えた彼からメールがありました。

 しばらく彼と電話で話しました。

 
 「やっぱり夏風邪みたいだよ。

  肺とかそっちの方には問題ないらしい。」


 「昨夜、もっと早く帰れば良かったですね。」


 「理沙子に襲われたから。^^」


 「ひどい。

  私がTさんに襲われたんですよ〜。

  私は早く帰ろうって言ったのに。」


 彼は私が彼の冗談に本気でムッとしているのに気づいて、




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 私の心の中には、彼よりも少し冷静でいたいという思いがあるようです。

 二人で一緒にいる時には彼の少し意地悪な冗談も気にしないのに、

 電話やメールの言葉のやりとりでは過敏になってしまう私。

 いい年をして拗ねたり、意地を張ったりするのはみっともないことだと

 分かっているけれど。



 来週はお泊りデートの予定。


 「外に出ないでずっと抱き合っていようよ。」


 と彼が言いました。

 彼の夏風邪が早く良くなりますように。



2010年06月14日(月) 内緒


 菜の花畑で撮った彼の画像が好き。

 昨夜も携帯電話を握り締めて、

 彼の画像を見ながらそのまま眠ってしまいました。



 昨日も彼と電話で話しました。

 ワールドカップや今週のデートのこと、観たい映画の話など、

 とりとめのないお喋りをしました。

 昨日は彼は仕事がオフだったので、

 少しだけ長い時間、話していたような気がします。

 いつもオフィスにいる彼と話をする時には、

 彼の仕事を気遣って慌しく電話を切ることがほとんどだから。

 彼の声と話し方は男らしくて好き。

 彼の大らかでさっぱりした性格がよく表れていると思います。



 今週、彼は東京からお客さんを迎えて、

 ゴルフやお酒の接待で忙しくなります。

 会える日までの彼のスケジュールは十分なほど把握しているのに、

 今週はそれまでの時間を長く感じることになりそうです。

 彼が多忙なことを知っているから、

 デートの前日まで連絡はしないと私から言いました。



 菜の花畑で撮った彼の画像のことで、


 「変なことに使っちゃ駄目だよ。^^」


 と彼に言われました。


 「ただ、見ているだけですよ〜。

  でも使わないってはっきり言われるとちょっとがっかりでしょ?^^

  本当は使って欲しいんじゃないですか?(笑)」


 二人で冗談を言い合って笑いました。




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 彼が得意になると悔しいから、このことは内緒ですけど。^^



2010年06月13日(日) 連発の効き目


 デートの日の翌朝、まるで刻印を押されたように

 愛された記憶が私の身体の隅々に残っていたから、

 彼が恋しくて無性に声が聞きたくなりました。



 電話したいと彼にメールを送ると、

 今ならいいよと彼からすぐに返信がありました。




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 あまりに軽く口にされると、嘘っぽく聞こえるのだけれど…。^^;

 連発の効き目はどうかと言えば、

 一日幸せな気持ちで過ごせる程のものでしょうか。

 翌日にはまた彼の声を聞きたがっている私です。


 「俺の声が聞きたかったの?^^」


 と聞かれるのは悔しいけれど、明日もまた電話してしまいそうです。



2010年06月12日(土) 繋がりたい


 朝から良く晴れていたので、菜の花畑へドライブに行きました。

 途中、彼が予約してくれたレストランで、ラムのステーキを頂きました。

 ラムも自家菜園で採れた野菜のソテーもとても美味しかったです。

 普段のランチの時はドライバーの彼に付き合って

 私もお酒を飲まないのですが、

 この日は彼が自分のノンアルコールビールと一緒に、

 私のために赤のグラスワインをオーダーしてくれました。

 デザートには彼が林檎のソルベ、

 私はアッフォガート・アル・カッフェを頂きました。



 菜の花畑は想像以上の美しさでした。

 いつもは風景の写真ばかりを撮る私ですが、

 彼と一緒に行った感動を残しておきたくて、

 菜の花畑をバックに私達の写真も数枚撮りました。



 夕方、シティホテルにチェックインしました。

 お部屋に入ると、彼が私をきつく抱きしめました。


 「菜の花畑でもこうしたくなった。」


 「ふうん…。^^」


 「『ふうん…。』って何だよ。(笑)」


 「『私もそうされたかった。』って言って欲しかった?^^」


 菜の花畑で彼がそんな風に思っていたことは私も気づいていました。

 そんな彼が愛おしくて、私はわざと意地悪を言いました。



 いっぱいお日様を浴びた身体はいつもより感じやすくて、
 
 私は何度も大きな波を迎えました。



 夜はお寿司屋さんへ行きました。

 カウンターで彼とお喋りしながら、美味しいお寿司を頂きました。

 お店を出る時、ビールで酔った私の胸元を見て、


 「真っ赤になってるよ。」


 と彼が言いました。

 
 私はショート丈の白いパンツから出ている脚を彼に見せて、


 「ほら、脚も真っ赤でしょ。」


 と言いました。


 「襲うぞ。(笑)」


 「私も襲っちゃう。馬乗りになって。^^」




 お部屋に戻ってベッドに入ると、

 彼はすぐに私が着ていたキャミとショーツを剥ぎ取りました。

 昼間ドライブしていた時に彼から聞いた話が不意に蘇りました。

 スペインに住んでいた時、彼にスイス人の彼女がいたという話は

 以前から聞いていました。

 でも、この時、彼には日本にも将来を約束した恋人がいました。

 当時、彼は同時に二人の女性と付き合っていました。


 「私も期限付きの恋人?

  スイス人の彼女みたいに。」


 「そんなわけないだろう。

  全く違うよ。」




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 彼は私を抱きながら、何度も私の名前を呼びました。

 私も彼の名前を呼びながら、

 もっと強く、もっと深く彼と繋がりたいと願いました。



2010年06月06日(日) 矛盾


 日曜日の午後、彼の体調が気になってメールをしたら、

 すぐに携帯電話に着信がありました。

 薬を飲んで、お酒も控えているけれど、

 咳き込みがひどくて夜も眠れないとのこと。

 私は疲労やストレスが溜まると喉を痛めることがよくあるので、

 幾つか症状を和らげる方法を伝えました。



 今週の仲間とのゴルフも私とのデートも

 キャンセルするつもりは全く無さそうな彼だけれど、私は、


 「無理しないでね。」


 と言いました。

 本心を言えば、先週のように無理をしてまで会ってくれる彼の気持ちは

 凄く嬉しかったりします。




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 そう言えば、彼も以前同じようなことを言っていました。

 私が忙しくてデートの時間を作るのが難しかった時に、

 会いたいけど無理はして欲しくないって。



 お互い無理をしてまで会いたいと思うのは、

 今が幸せな時期だからでしょう。

 いつか恋愛感情が薄れて、惰性という感情が生まれたら、

 彼も私も無理はしなくなると思うから。

 私の携帯電話のスケジュールには、

 1ヶ月先まで彼との約束が入っています。



2010年06月04日(金) 大切な人


 愛し合った後に彼が私を抱き寄せて、髪にそっとキスをしました。

 私が彼の胸の中でじゃれていたら、彼が携帯電話を開いて、

 来月友達から買う予定の車の画像を見せてくれました。

 ゲレンデバーゲンという名前のクロスカントリービークルです。

 車が届いたら一番先に私を助手席に乗せてくれると言った彼。

 今年の夏は二台目のメルセデスで

 色々な所へ連れて行って貰えそうです。




 彼は先週からずっと喉が痛いと言っていたけれど、

 夕方になると咳き込むようになりました。

 エレベーターの中で、


  「俺、熱無いよな。」


 と彼が呟きました。

 私は心配になって、彼のおでこに手を当てました。


  「熱は無いみたいだけど…。」


 そう言ってから、彼の思いっきり嬉しそうな表情に気づきました。


  「何、嬉しそうな顔してるんですか〜。

   そんなに私のことが好きなんですか?^^」


 私が思わず呆れて言うと、彼は子供みたいに笑って頷きました。




 分煙されていないイタリアンレストランでの食事は、

 彼の喉の状態をさらに悪化させるものだったので、

 私達は早めに切り上げてホテルに戻りました。

 お部屋に入ると、彼はすぐに部屋着に着替えてベッドに横になりました。

 彼の体調を気遣って、私が服を着たままソファに座っていると、


 「何でそんな所にいるんだよ。寂しいじゃないか。」


 と彼が言いました。


 「Tさんって寂しがりやですよね。」


 「そうだよ。俺って凄く寂しがりやなんだ。」


 「うん、知ってます。^^」


 私は心の中で、友達が多い人は本当は人一倍寂しがりやなのかも

 しれないと思いました。




 帰りの車の中で、新しい首相の話になりました。


 「鳩山さんは短かったよね。一年経ってないでしょう?」


 「8ヶ月って言ってたな。」


 「Tさんと付き合い始めて、何人首相が変わったんだろう。」


 何気なく言った私の言葉に何故か彼は大笑いしていました。^^;




 家に帰って調べてみたら、




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 おやすみ前に彼にメールを送りました。

 
  何人総理大臣が変わってもTさんとずっと一緒にいたいから、

  お互い身体に気をつけましょうね。

  今夜はゆっくり休んで下さいね。お大事に。




 翌日、予定通りゴルフへ行った後に行きつけの病院で診察を受けた

 彼からメールがあり、電話で話しました。


 「やっぱり喉が炎症を起こしてるって。

  よくこんなにひどくなるまで放っておいたねって言われたよ。

  喉から血が出ているらしい。」


 「痛そう…。^^;

  しばらく無理しない方がいいですね。」


 「薬を何種類も貰ったよ。

  お酒も飲んじゃ駄目だって。

  お酒を飲んでもいい薬は無いかって聞いたんだけど、無いって。^^」


 「もう…。良くなるまで飲んじゃ駄目ですよ。

  今日はゴルフをしていて具合悪くならなかったんですか?」


 「それが不思議なんだよなぁ。

  変な所に力が入ってないせいか、やたら調子が良かったんだよ。(笑)」


 「その感覚を覚えておいて、

  元気になってから使ったらどうですか?(笑)」


 「それが上手いこといかないんだよなぁ。

  だからゴルフは面白いんだよ。^^」


 「Tさんはなかなか自分の思い通りにはいかないことの方が

  好きだものね。

  だから、私もそういう風に振舞ってます。^^」


 「それは違うだろう。^^」


 「当分の間は夜遅くまで飲み歩いたりしないで、

  大人しくしていて下さいね。」


 「ああ。土日は家でゆっくり休んでいるよ。

  木曜日は元気になって理沙子に会えるから。^^」


 そう言った途端に、彼は咳き込み始めました。


 「長く話さない方がいいですね。

  もう電話切りますね。お大事にね。」


 とりあえず大きな病気ではなかったので安心しました。

 彼の気持ちの変化なんて彼の体の不調に比べたらちっぽけなこと。

 お互い健康でなければ、

 心身ともに愛し合うことなんて出来ないでしょう。


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理沙子

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