こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2010年05月31日(月) 冗談


 「ねぇ、Tさんって私の身体目当てですか?^^」


 彼と電話で話している時、

 ちょっとふざけて聞いてみたら、予想通り彼は大笑い。^^


 「いやぁ。

  『身体目当て?』というのもある意味しょってるよなぁ。(笑)」


 「今の質問の率直な感想は次のうちどれですか?^^

  1. それほどの身体じゃないだろ!!

  2. あれ、何でバレたんだろう…。

  3. そんな風に思われてるなんて正直ショックだよ。

  はい。どれですか?^^」


 「何て答えよう。(笑)」


 「考えないで感じたまま答えて。^^」


 「いや、何て答えたら一番面白いかなと。^^

  で、理沙子はどうなの?

  俺の身体目当てなの?(笑)」


 「あははは。

  答えなくてもいいですか?^^

  けど、身体目当てで私とは付き合わないですよね。普通。(笑)」




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 私は彼を笑わせることが好き。

 彼もきっと私を笑わせることが好き。

 ベッドで触れ合っている時も冗談を言い合って、

 二人とも笑いが止まらなくなってしまうことがあります。

 「理沙子はほんと、面白いよなぁ。^^」と彼に言われると、

 褒められたみたいで嬉しくなってしまう変な私です。



2010年05月30日(日) 即効性


 ベッドで私が目を覚ました時、彼はまだ寝息をたてて眠っていました。

 しばらく愛しい人の寝顔を見つめた後、私はそっとベッドを離れました。

 よっぽど疲れていたのでしょう。
 
 私がシャワーを浴び、メイクを直してから何度か彼に声をかけたけれど、

 一向に起きる気配はありません。

 私は少し離れたソファーに座り、彼に電話をしてみました。

 私とのデート中は彼の携帯電話は常時サイレントモードになっています。

 眠っている彼はベッドサイドの携帯電話の着信ランプにも

 全く気づいていません。

 私は思わず苦笑してしまいました。

 私が彼と電話が繋がらないのはこういう時だと

 妙に納得してしまいました。




 「Tさん。」


 少し大きな声で呼んでみました。


 「あれ?もう用意出来たの?」


 服を着てソファに座っている私を見て、彼は驚いています。


 「今、電話してみたんですよ。^^」


 彼は自分の携帯電話を手に取ると、


 「ほんとだ…。」


 と言いました。


 「ぐっすり眠ってましたね。何度か声をかけたんですよ。

  疲れてたんですね。」




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 彼がいつもの調子で私をからかいました。




 土曜日の午後、電話したいと彼にメールを送りました。

 自宅にいた彼から今ならいいよとすぐに返信。


 「俺の声が聞きたかったの?」


 「まあね。^^」


 「まあねって何だよ。

  声が聞きたかったって言いなさい。^^」


 「あはは。」


 「6月のレストランの予約、取れたよ。」


 「ありがとうございます。

  すごく楽しみ〜。

  早く食べたいなぁ。」


 「それまでにまだ何度か会うんだから。^^」


 「そうだけど…。

  それまで美味しいものは控えておこう。^^」


 彼の言うとおり、本当は声が聞きたかっただけ。

 オフの日に自宅にいる時の彼の声は、

 オフィスにいる時よりも甘い響きがします。

 会えなくて寂しい時、10通のメールよりも1本の電話の方が

 ずっと即効性があると思いました。



2010年05月29日(土) 加速


 少しだけ恋愛感情をクールダウンしようと思い、

 私からは何の連絡もせずに過ごした数日後、彼から電話がありました。


 「久しぶり。元気だった?^^」


 「今日はゴルフコンペでしたよね。今、車の中ですか?」


 「もうゴルフ場に着いてるよ。もうすぐ始まるところ。」


 「今年もまた優勝出来るように頑張って下さいね。^^」


 その日は去年彼が年間成績で総合優勝をした

 銀行主催のゴルフコンペの第一回目でした。

 そんな大切なコンペが始まる前に、

 彼から私に電話をしてくれたことは思いがけず嬉しいことでした。



 翌日、私達は一週間ぶりのデートをしました。

 天麩羅屋さんでランチをして、ウディ・アレンの新作を観て、

 いつものホテルにチェックインしました。




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 そんな彼の言葉は恥ずかしいけれど、とても嬉しくて、

 私の快感を加速させるのでした。



 来月、2泊3日のお泊りデートが出来ることになりました。

 もしも予約が取れたら、ずっと楽しみにしていたフレンチレストランに

 連れて行ってくれるそうです。^^



 この日のデートでは、私は一度も彼の気持ちを尋ねたりしませんでした。

 聞かなくても彼の気持ちを十分に感じることが出来たからです。



2010年05月23日(日) 少し離れて眺めてみる


 多分近づき過ぎたのでしょう。彼と私。

 煮詰った恋に息苦しさを感じていたみたいです。

 週末は良く晴れていたので、気分転換に女友達と公園へ出かけました。

 彼女も私も日常のストレスからすっかり開放されて、

 リラックスした時間を過ごしました。

 家に着いてからも今日は本当に楽しかったねと

 まるで恋人同士のようなメールのやりとり。^^



 夜、公園で撮った風景の画像を数枚彼に送りました。




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 私は何だかほっとして、返信せずにそのまま眠りにつきました。 



2010年05月21日(金) 低空飛行


 私達が付き合い始めてもうすぐ1年と8ヶ月。

 お互いに日記を読み合っているブロガーの人に幸せそうで羨ましいと

 言われたけれど、恋愛初期の頃のようにいつでも二人の気持ちが

 盛り上がっているわけではないというのが現実。

 ほんの少しだけれど、最近彼の笑顔が少なくなっていると感じられるのは

 気のせいでしょうか。

 2年目を前にして、

 私達の恋は低空飛行の時期に差しかかっているのだと思います。



 先日のデートは雨でした。

 私達は映画を2本観ました。

 1本はマット・デイモンの新作を映画館で、

 もう1本は先週最後まで観られなかったDVDをホテルのお部屋で。

 映画を観た後は愛し合って、食事に出かけて、エレベーターの中で

 どちらからともなくキスをして…といつもと変わらないデートでした。

 私達がもう一度お部屋に戻るまでは…。



 多分彼の態度はいつもと変わらなかったと思うのです。

 お部屋に戻ってすぐに愛し合ってしまえば良かったのかもしれません。

 きっとタイミングも悪かったのでしょう。

 彼は一度は私を抱こうとしたけれど、

 食事の時にお酒を飲み過ぎていたから、


 「しばらくこうやって寝よう。」


 と私の肩を抱き寄せました。


 「目が覚めたら、抱いてくれる?」


 「いいよ。」


 彼は枕元の灯りを消しました。



 それから、私はお腹が痛くなって二度ベッドを離れました。

 先日整形の先生に出してもらった痛み止めの薬のせいでした。


 「大丈夫?」


 ベッドに戻ると彼が尋ねました。


 「うん、平気。」


 「撫でてやろうか?」


 「もう大丈夫。」


 ただそれだけのこと。

 でも私は急に色々なことが心配になって、悲しくなってきたのでした。

 彼の腕の中で涙が溢れました。

 私は声を出さなかったけれど、彼は私の涙に気づいていました。


 「どうしたんだよ?」


 彼にすればごく自然に発した言葉だったのかもしれません。

 でも私にはこの時の彼の口調が私を咎めるように感じられたのでした。



 私はシャワーを浴びて、服を着ました。

 まだベッドに横になっていた彼が私に尋ねました。


 「一体どうしたの?」


 「何でもない。」


 「さっき泣いてたじゃないか。」


 私はベッドから離れた椅子に座って、涙の理由を話しました。

 それは私の体調や家のことで彼とは直接関係の無い話でした。

 ネガティブな考えで不安になっている私に


 「そんなこと分からないだろう。」


 「誰にでもそういうことはあるよ。」


 と彼は言いました。


 
 話しているうちに私は彼には精神的に甘えるべきではないと

 今更ながら気づきました。

 私達が甘え合えるのはベッドの中だけで、

 それ以外の部分で甘えを見せることはタブーであるとすら感じました。

 気持ちの通じ合わない会話の後、私は彼に抱かれました。




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 ベッドの中で、

 私は自分の快感よりも彼の快感を優先させているのだと感じました。

 それは彼に愛されたいから。心変わりして欲しくないから。



 翌日、彼と電話で話しました。

 一夜明けて彼の声はいつもと同じ明るさを取り戻していました。


 「ねぇ、何か言って。」


 「好きだよ。」


 「どの位?」


 「好き。大好きだよ。」


 「そうなの?」


 「そうなの?って何だよ。好きだって言ってるのに。」


 「あははは…。」


 彼は笑っている私が好き。美味しそうに食事している私が好き。

 感じている私が好き。

 でも多分、泣いている私や愚痴をこぼす私や心配する私は嫌い。

 私は彼にとって楽しみだけを共有する相手だから。



 『所詮割り切った関係』

 それでいいのだと思いました。

 私達の恋は終わりまでずっと恋のまま。

 ゲームが終わるまでただその時間を楽しめばいいのでしょう。



2010年05月16日(日) ありがとう


 去年の暮れの最後のデートで、


 「来年は桜を見に行こうな。」


 と言っていた彼。

 去年はお互いの都合が合わずに見に行くことが出来なかったから、

 今年初めて願いが叶いました。



 この土地に移り住んで彼に出会うことがなかったら、

 きっと一生訪れることはなかったであろう場所。

 雲一つない快晴の日に満開の桜のトンネルを見ることが出来たのも

 運命のように感じられるのです。

 車の中から、途中からは歩きながら、

 眩いほどに美しい桜の花を眺めました。



 市内に戻ってホテルに着いたのが午後6時頃だったので、

 私達はそのまま居酒屋さんへ出かけました。

 彼とお酒を飲み、食事をしながら、

 二人とも付き合い始めの頃とは変わってきているという話になりました。

 最近つい年齢の話をしてしまう私だけれど、

 彼は自分の年のことや私との年齢差を意識したくないようです。



 ホテルに戻ってから、彼が私とのデートのために買ってくれた

 新品のDVDプレーヤーで映画を観ました。

 ベッド上で身体をくっつけ合って観ていたので、

 自然に抱き合いたくなってしまう二人でした。

 彼は映画の3分の1ほどを観たところで


 「この続きは今度観よう。」


 と言って、プレーヤーの停止ボタンを押しました。



 この夜、彼は愛し合った後に、


 「ありがとう。」


 と私に言いました。

 いつも抱き合っているのに、

 何故その夜に限って彼がそんな風に言ったのか不思議でした。




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 家に着いてから、彼に桜の画像を4枚送りました。

 今度は私から「ありがとう。」の言葉を添えて。



2010年05月15日(土) Love is blind.


 彼に愛されたい想いが募っていたデートの日。

 光沢感のあるシルバーのタンクトップを

 グレージュのティアードスカートにインして、

 黒のベルトでウエストマーク。

 黒の薄手のロングカーディガンを合わせました。




 街の灯りが見えるシースルーエレベーターの中で、

 少し酔った彼が、


 「今日、素敵な格好してるね。そそられるよ。」


 と言いました。


 「そんな風に言ってくれるのはTさんだけですよ。^^」


 「俺だけに通じればいいんだろう?」


 「Love is blind. ですね。

  Tさんは今までもLove is blind.になる人だったの?」


 最上階のフロアで降りて、お部屋に入ると、


 「それとも、冷静に見ているタイプですか?」


 と私が続けました。




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 愛し合った後、

 彼は筋肉痛になっている私の左腕をマッサージしてくれました。

 帰りの車の中でお礼を言ったら、


 「今度俺にもマッサージしてよ。^^」


 と言われました。

 甘えて、甘えられて過ごした幸せな時間でした。



2010年05月11日(火) 信頼


 先日のデートで、

 彼は運転しながら携帯電話のメッセージを聞いていました。

 助手席の私にも相手の声が聞こえてきました。


 「あ、女の人の声だ。」


 私にはそう聞こえたので思わず口にすると、


 「俺、そういうこと言われるの嫌いなんだよ。」


 と私の方を見て、彼が声を荒げました。




 私は少し眠かったので特に彼に対して何の反論もしませんでした。

 かと言って謝りもしなかったけれど…。

 私がそのまま黙っていると、

 彼は聞いたばかりのメッセージを私の耳元で再生しました。


 「ほら、男だろ。」


 きっとわざわざそんな風にすることは

 彼にとっては不本意だったに違いありません。

 でも、こういうことの積み重ねで私は彼を信頼するようになったのです。




 あの時は半分寝惚けていたから、

 そのままうやむやになってしまったけれど、

 今度会ったら彼に言っておこうと思います。

 私はこれからもちょっとしたことで焼餅は焼きますと。

 だから、その時はちゃんと身の潔白を証明して下さいねと。

 もしかしたら、彼は覚えていないのかな。


 「私は焼餅を焼いてもいいのね?」


 と聞いたら、 

 
 「ああ、いいよ。

  だけど、一体誰に焼くんだよ。(笑)」


 と言ったこと。




 もしも彼に他に好きな人が出来たら、私は潔く彼から離れるつもりです。

 後で大泣きするかもしれないけれど、表向きは潔く別れるつもり。

 でもね。

 彼が私以外の人と同時に付き合っていたりしたら嫌。

 私の知らない所で彼が他の人を口説いたり、誘ったりしていても嫌。

 嘘を吐かれるくらいなら、

 聞いて怒られる方がずっとましだと思うのです。




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 以前、彼は気持ちが通じ合えないと思ったら

 心に蓋をすると言っていました。

 彼が心を閉ざしてしまうくらいなら、

 言葉でぶつかり合った方がずっといいと思えるのです。



2010年05月10日(月) 三日目の夜は


 私達は市内へ戻ると、

 去年の夏に泊まったシティホテルにチェックインしました。

 私はお部屋のテーブルの上に、

 熱い紅茶と買って来たチーズケーキ、シュークリームを出しました。


 「じゃあ、理沙子にゴチになります。^^」


 「はい、どうぞ。^^」


 「疲れたから甘いものが美味しいよ。」


 「Tさん、早起きしたものね。」




 それから、私達はシャワーを浴びて、

 彼は部屋着、私はキャミソールとショーツだけになって、

 ベッドでお昼寝しました。

 二人が目を覚ました頃にはもう外は薄暗くなっていました。

 その夜は帰らなければならないというのに、

 残り少ないわずかな時間にお昼寝してしまったことが、

 勿体無いような気がしました。




 「今夜は肉を食おう。^^」


 と彼が言ったので、夜は久しぶりに焼肉屋さんへ行きました。

 男女二人で焼肉屋さんへ行くようになったら、

 その二人はもう出来ているという話を聞いたことがあるけれど、

 確かにその通りかも知れないと思いました。

 二人で焼いて二人で食べるという作業は、

 親密な相手とだからこそ楽しい気がするから。


 「ここの焼肉屋さんが一番美味しいですね。」


 「雰囲気もあるね。今度からここにしよう。^^」


 焼肉屋さんでは、肉のチョイスはいつも彼にお任せです。

 この日は私が肉を焼く係、彼が野菜を焼く係を担当しました。^^


 「ほんとによく食べるよな。」


 「今日はチーズケーキとシュークリームも食べたのにね。^^;

  明日から粗食にして、体重減らさなきゃ。」




 お店を出た時に、

 私がいつものように、「ご馳走さま。」と言ったら、




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 お部屋に戻ると私達はすぐにシャワーを浴び、ベッドに入りました。

 抱き合いながら、


 「GW最後の…だね。」


 と彼が言いました。



2010年05月09日(日) タイムスリップ


 まだベッドの中にいた私に、


 「10時には戻って来るから、服を着ないでそのままでいて。^^」


 と言い残して出て行きました。



 朝起きた時にはすっぴんの私だったけれど、

 彼が帰って来る前にシャワーを浴びて、

 いつものようにメイクをしました。

 お部屋のカーテンを開けたら、空は爽やかに晴れていました。



 彼が仕事の用事を済ませて戻って来たのは、

 チェックアウトの30分前でした。

 その日は彼が午後から別のホテルを予約してくれていたので、

 私達は荷物をまとめてそのお部屋を出ました。




 「どこに行こうか?」


 ホテルの駐車場を出ると、彼が言いました。

 二人とも三日目の予定は特に考えていませんでした。

 とりあえず天気が良いので、海沿いの道を走ることにしました。




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 彼はスピード違反取締りの覆面パトカーを見つけるのが得意です。(笑)

 しかも見つけたら必ずそのナンバーを携帯電話に控えています。^^;


 「今止まってたの、やっぱりそうだな。」


 路肩に止まっていたセダン型の車のナンバーと

 携帯電話に保存してあるナンバーを照合して、彼が言いました。


 「ちょうど今、一台捕まえたところだったんだな。

  また誰か捕まればいいのになぁ。(笑)」


 こういう時の彼はまるで悪戯っ子の小学生のように嬉しそうです。^^;


 「Tさんを見ていると、

  幾つになっても楽しいことがあるっていいなぁと思います。(笑)」


 こんな風にからかっても、笑うだけで絶対むきになったりしないのは、

 さすが年の功です。(笑)



 GWということで街中は渋滞していました。

 彼は観光客で溢れている中心地を通り抜けて、

 海が一望出来る高台へ車を走らせました。


 駐車場に車を止めて少し歩くと、

 そこには歴史的建造物である豪邸と美しい日本庭園がありました。

 私達は豪邸内を見学する前に、隣接するレストランで食事をしました。

 彼が温かいお蕎麦2つと押し寿司を注文しました。

 
 「ほら、これは理沙子の分だから食べなさい。」


 彼は私に二人でシェアしていた押し寿司の最後の一貫を勧めました。


 「もうお腹いっぱいです。

  Tさん、良かったら食べて下さい。」


 「そんな筈は無いから。^^」


 彼曰く、私にはもう食べられないということが無いそうです。

 もう入らないと言いつつ、絶対入るのが私の胃なんだそうです。^^;

 私が少し迷っていると、


 「これを理沙子が食べて、その理沙子を俺が食べるから。(笑)」


 と彼が冗談を言いました。

 そして、言った後に急に恥ずかしくなったのか、


 「俺、赤くなってないか?^^」


 と彼が私に尋ねました。


 「もう賞味期限は過ぎてるけどね。(笑)」


 「何をおっしゃいますか。^^

  あれで賞味期限過ぎてるのか。

  一体賞味期限内の理沙子はどんなんだよ。」


 ガラス越しに美しい日本庭園を眺めながら、いやらしい話をする私達。

 彼の話しぶりや表情から、私がこの連休を楽しんでいるように、

 彼もまた楽しんでいるということが伝わってくるのでした。 



 食事の後は豪邸内を見学しました。

 素晴らしい襖絵や彫刻、数々の書が当時のままに保存されている建物。

 まるで大正時代にタイムスリップしたかのような気分でした。



2010年05月08日(土) 深夜、目が覚めて


 長距離ドライブから帰って、

 私達はしばらくホテルのベッドで休んでいました。

 彼がルームサービスのメニューを持って来て、


 「今夜は疲れたから、ルームサービスを頼もうか。」


 と言いました。


 「いいですね。また着替えるのも面倒だし。^^」


 既にシャワーを浴びてキャミソール姿になっていた私は、

 彼の提案に賛成しました。



 私達はしばらくメニューを見ていたけれど、

 食べたいと思えるようなものは見つかりませんでした。


 「やっぱり出かけよう。

  理沙子、着替えて。」


 こういう時の彼の判断はいつも適切です。



 私が洋服に着替えてメイクを直している間に、

 彼はホテルのイタリアンレストランに予約を入れてくれました。

 そのレストランは初めてのお泊りデートの夜に食事をした場所でした。

 私は食事をしながら、心の中で当時と今の二人を比べてみました。

 彼と一緒にいて緊張したり、

 ドキドキすることは少なくなったかもしれないけれど、

 お互いの好みや気持ちをすぐに分かり合える今の関係も悪くないなと

 思いました。

 一番良いと思えるのは二人の笑いのツボが似てきたこと。^^

 ちょっとした言葉や気持ちの行き違いがあった時に、

 ユーモアがその場の雰囲気を救ってくれます。



 お部屋に戻ってから、私達はそのままぐっすり眠ってしまいました。

 深夜、私が目を覚ますと、彼もそれに気がついて私を抱き寄せました。




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 言葉とは裏腹に、私の身体はもう濡れ始めていました。



2010年05月07日(金) 彼が好きな道


 翌日は予報どおり良く晴れていたので、

 私達は早起きして遠くまでドライブすることにしました。

 車の中で彼はドライブマップを指差して、


 「ここは俺が一番好きな道なんだ。」


 と嬉しそうに言いました。




 朝食抜きで出かけた私達はとてもお腹が空いていたので、

 途中の『道の駅』で腹ごしらえしてから、再び車を走らせました。

 しばらくして、私達は地元出身の農民画家の作品が展示された美術館に

 到着しました。

 とても小さな美術館でしたが、

 私達は一つ一つの作品をゆっくり時間をかけて鑑賞しました。

 美術館を出た後は地元の人が教えてくれたお蕎麦屋さんへ行きました。

 ここまでで彼のドライブプランの半分は達成。

 あとは彼が一番好きな道を通って市内のホテルへ戻ります。




 昼食でお腹が十分に満たされたせいか、

 出発前に飲んだ酔い止めの薬のせいか、

 私は助手席でうとうとし始めました。

 差し込む暖かな午後の日差しが余計に眠気を誘います。

 これから彼が大好きな道を走るというのに、

 激しい眠気に襲われてなかなか目を開けていることが出来ません。


 「ほら、起きて。

  白樺の並木、そして山。」


 彼が大きな声で私を起こしました。

 目を開けると、そこにはどこまでも続く一本の太い道がありました。

 道の両側にはまだ葉を付けていない白樺がずっと先まで続いていました。

 真っ直ぐな道の向こうには白い雪を残した春の山々が見えます。

 かろうじて目を開けた私は、

 携帯電話のカメラで彼が大好きなその道を撮りました。

 画像を撮った後、再び私がうとうとし始めると、


 「ほら、見て。

  白樺並木、そして山だよ。」


 と彼がまた運転席から声をかけました。

 それでも目を覚まそうとしない私に彼がどうしたかと言えば、

 運転席から右手を伸ばして、

 少し乱暴に私の春物のプルオーバーの胸元に差し込みました。




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 その美しい道を通り抜けた後、車は高速道路へ入りました。


 「もう寝てていいよ。」


 彼のお許しが出たので、今度は心置きなくお昼寝させて頂きました。




 ホテルに戻った時には既に午後6時を過ぎていました。

 この日の走行距離は私達のドライブデートで最長だったそうです。^^



2010年05月05日(水) チャイナドレスで


 正午にいつもの場所で彼が私をピックアップしてくれました。

 暖かな日差しの中で彼の車はキラキラと輝いて見えました。

 お蕎麦屋さんで鴨せいろを頂いた後、久しぶりにドライブしました。

 彼が持って来たバラードばかりを集めた新しいCDを聴きながら、

 まばゆい光に包まれた春の景色を眺めました。



 私達が三日目の朝まで過ごすために彼が予約してくれたホテルは、

 私達が初めてお泊りデートした格調高いシティホテルでした。

 ディナーのためにホテルの中の中国料理のレストランへ出かけるまで、

 私達はダブルベッドで映画を観たり、抱き合ったりして過ごしました。
 


 彼のリクエストどおり、私は黒のチャイナドレスを持って来ていました。

 夜、私はチャイナドレスの上に黒のロングカーディガンを羽織って

 レストランへ出かけました。




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 楽しい食事の後、私達は部屋へ戻りました。

 ベッドの上に横になっていた彼の隣に寄り添うと、

 身に付けたばかりのチャイナドレスも黒のランジェリーも

 あっという間に剥ぎ取られました。

 アルコールで火照った身体を重ね、私達はもう一度愛し合いました。


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理沙子

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