こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年11月28日(土) 彼の誕生日


 今日は私達が付き合い始めてから二度目の彼の誕生日でした。

 彼は忙しい仕事の合間を縫って私に会ってくれました。

 あまり時間は無かったけれど、

 私達がよく行くシティホテルの中の中国料理のレストランで、

 私は用意していたプレゼントとカードを彼に渡しました。




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 彼の誕生日だから

 本当はランチも私にご馳走させて欲しかったのだけれど、

 払わせてもらえませんでした。^^;

 レストランを出てから、私が二人分のランチ代を渡そうとすると、


 「そういうことしないで。

  今度体で払ってくれればいいから。(笑)」


 と彼が言いました。




 3時間に満たない短いデート。

 半分仕事モードだったからか、今日の彼は何だか素敵に見えました。


 「今日はキス出来なかったね。」


 と車の中で私が言うと、


 「今度のデートまで我慢するんだよ。」


 と彼が言いました。




 夜、彼からおやすみメールが届きました。


  今日は素敵なプレゼントをありがとう。^^

  大切に使いますね。


 と書かれていました。



2009年11月27日(金) 離れたくない


 今週のデートでは、

 とても長い時間を彼と一緒に過ごすことが出来ました。



 ランチの後、シティホテルにチェックインしました。

 二人でベッドに寝転びながら、

 レンタルビデオショップで借りたDVDを観ました。

 映画を観ている間、彼が後ろから私を抱くようにして、

 ずっと私の胸やヒップを愛撫していました。

 映画が終わって二人が抱き合う頃には、

 私の身体はとても敏感になっていました。




 愛し合った後、彼がブックストアで買った5本のDVDのうちの1本を

 二人で観ました。

 以前から彼が私に観て欲しいと言っていた、

 ルーヴル美術館で働く人々を撮影したドキュメンタリー映画です。




 夜はお寿司屋さんで食事をした後、ワインバーへ行きました。

 美味しいワインを頂きながら、色々な話をしました。

 あまりにもゆったりと楽しい時間を過ごしていたので、

 気が付いた時には既に12時を回っていました。




 ホテルのエレベーターの中で、私はわざと拗ねたことを言いました。

 お部屋に入ると、

 彼は私の不安や迷いをかき消すかのように私を強く抱き締め、

 長いキスをしました。




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 私がシャワーを浴びてバスルームから出て来ると、

 彼は既にベッドの上で寝息をたてて眠っていました。

 私が彼の隣に滑り込むと彼は私を抱き寄せました。

 そして私達はそのままぐっすりと眠ってしまいました。




 私達が目を覚ましたのは4時少し前でした。

 
 「もう帰らなきゃ。」


 私がベッドを離れようとすると、彼が私の右手を彼のものに導きました。


 「ねぇ、大きくして。」


 甘えるように彼が言いました。

 私は手と舌で彼のものを愛撫しました。

 離れたくない気持ちを確認し合うかのように、

 私達は強く求め合い、繋がりました。



2009年11月23日(月) リセット


 昨夜、仕事を終えた彼からメールがありました。

 先週の金曜日から三日間、仕事で忙しくなると話していた彼。

 金曜日の朝に彼と電話で話をしてからは、

 土曜日にメールが一通届いただけでした。

 彼の忙しさを知りつつも気持ちが少し落ち込んでいたけれど、

 メールの最後の「明日、話しましょう。」という彼からの一言で、

 小さな不安と憂鬱が一気にリセットされました。




 彼の誕生日のプレゼントを用意しました。

 今、カードに書くお祝いの言葉を考えています。

 私の誕生日は彼の誕生日からちょうど二週間後です。

 毎年、私達の誕生日は同じ曜日になります。

 去年はお互いの誕生日には忙しくて会えなかった私達だけれど、

 今年はどちらの日にも二人でお祝いすることが出来ます。

 先週のデートの時に、彼は私の誕生日のために




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 「何が欲しい?」


 と彼に聞かれたけれど、


 「この前バッグを頂いたから、何も要らないです。^^」


 と答えました。




 誕生日のプレゼントに限らず、

 彼に望むものは何もないような気がします。

 あえて言うならば、今ある幸せがずっと続いてくれることが

 私のたった一つの望みです。



2009年11月22日(日) 冷静と不安


 ルナが遅れています。

 先日、彼との電話の会話で、


 「赤ちゃんが出来たかも。

  Tさんに良く似た赤ちゃんなら会ってみたい。^^」


 と私が冗談混じりに言ったら、


 「俺に似ているなんて嫌だよ。

  理沙子に似ていた方がいい。^^」


 と彼が言いました。

 遅れていると言ってもまだほんの数日だし、

 お互いに身に覚えが無いから、そうやって冗談も言い合えるのです。




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 来週のデートは早い時間から会おうと話していた私達。


 「それまでいい子にしてなきゃ駄目だよ。」


 私が彼に会うまでに一人でしたりしないように彼が言いました。


 「うん…。」


 「ちゃんと会うまで我慢するんだよ。大好きだから。」


 彼の大好きという言葉を聞きながら、少し冷めている私がいました。

 大好きという言葉は簡単に言うことが出来ます。

 大好きという言葉は部分的に使うことも出来ます。

 例えば私とのベッドが大好き。私と食事をすることが大好き。

 それらは勿論嬉しいことだけれど、彼の大好きの対象には

 私達の付き合いのネガティブな部分は含まれていません。

 大好きという言葉は無責任に口にすることも出来ます。

 「大好きだから…。」という言葉は嬉しいけれど、

 私達には「大好きだけど…。」という言葉から続く現実もあります。




 こんな風に後ろ向きに考えてしまうのもルナの前だからでしょうか。

 それとも昨夜、彼からメールの返信が無かったからでしょうか。



2009年11月21日(土) ボジョレー・ヌヴォー解禁日


 三時少し前にゴルフ帰りの彼が私をピックアップしてくれました。

 助手席に座るとすぐに彼が私の左手を握りました。



 この日は既にルナの予定日を過ぎていたので、

 彼と繋がればすぐにでも始まりそうな予感がしていました。

 先月は彼とのセックスの最中にルナが始まったのでした。

 彼はいつものように先に私をいかせようとしたけれど、

 私はすぐに彼と一つになることを求めました。



 抱き合った後、彼はあっという間に眠りにつきました。

 朝5時に起きたと言うからよっぽど眠かったのでしょう。

 私も彼の腕の中にいたら、いつの間にか眠ってしまいました。



 夜はシティホテルの中の中国料理のレストランへ行きました。

 今まで何度もランチに利用していたレストランですが、

 ディナーのために訪れるのは初めてでした。

 私は白地に濃紺の花柄のシックなワンピースに

 落ち着いたパープルのロングカーディガンを羽織っていました。

 格調高いフォーマルなレストランなので、

 お洒落をして来て正解だったと私は心の中で思いました。

 その日解禁になったばかりのボジョレー・ヌヴォーを飲みながら、

 上海蟹のコースを頂きました。

 彼は最近決まったと言って、

 1月のゴルフ旅行の予定を教えてくれました。

 仕事仲間と一緒に4泊5日でグアムに行くそうです。


 「一緒に連れて行けないしなぁ。」


 彼が呟くように言いました。


 「一緒に行きたいんですか?^^」


 「そりゃ行きたいよ。」


 「夜が寂しいんでしょ?」


 「夜はいつも麻雀大会になるんだよ。^^」


 「グアムにも雀荘があるんですか?」


 「こっちから持って行くんだよ。

  まぁ、いずれ一緒に行こうな。^^」


 「何だかそんな風に思ってくれるだけで嬉しいです。

  いつか行けたらいいですね。^^」




 お部屋に戻ってベッドに入ると、彼はもう一度私を抱こうとしました。

 私の身体はすぐにスイッチが入らなくて、


 「今日は何だかいけそうにないなぁ…。」


 と言いました。

 私は彼が自分のせいだと勘違いしないように、




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 と打ち明けました。


 「どうして我慢出来なかったの?」


 「夕方まで会えないって思ったら、どうしても我慢出来なくて…。」


 「ちゃんと我慢出来ないなんて悪い子だ。」


 彼は私の脚を開くと何も付けずにそのまま入って来ました。

 私はもっと深く彼を受け入れたくて、彼の背中に両脚を絡めました。



2009年11月18日(水) 先約だったのに


 デートの前日の夕方、彼からメールがありました。

 既にその日の午前中に、

 映画の上映時間に合わせて待ち合わせの時間も決めていました。

 彼からのメールの中身は、

 午前中の待ち合わせを夕方に変更して欲しいとのことでした。

 時間が遅くなれば、決めていた映画を観ることは出来なくなります。
 
 彼とその映画を観に行くことを楽しみにしていたので

 がっかりした気持ちでいるところへ彼から着信がありました。


 「仕事が入ったんですか?」


 仕事なら仕方がないと思い、私が聞きました。


 「いや、ゴルフ。^^」


 「そうですか。じゃあ明日のデートは止めにしましょうか。」


 「いや、会おうよ。

  4時には会えるから待っててよ。」


 「その時間から出かけるなんて無理ですよ。」


 私との方が先約だったのに、彼が私の承諾も得ずにゴルフに行くことを

 決めてしまったことに少し腹が立ちました。


 「怒ってる?」


 「もうシーズンも終わりだし、行きたいんでしょう?

  もしゴルフに行くことを諦めたら、

  Tさんは私と会っている間ずっと後悔してると思うから、

  行って下さい。いいですよ。

  夏の間、ゴルフをキャンセルして

  デートを優先してもらったこともあるし。」


 「会いたい〜。」


 私の会いたい気持ちを知っているから、

 私が彼の要求に簡単に折れると思っているようでした。


 「ゴルフもデートも両方なんて…無理ですよ。」


 私はわざと彼をたしなめるような口調で言いました。


 「この埋め合わせは必ずするから。^^」


 前にも一度聞いたことのある台詞です。^^;

 確かあの時も急なゴルフの誘いで映画の約束が駄目になったのでした。


 「来週会えるからそれまで我慢しましょう。」




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 彼が本心とはとても思えないようなことを口にしました。

 
 「ゴルフは行って下さい。

  今年最後になるかもしれないし。明日ならお天気も良さそうだから。

  来週会いましょう。」


 多分落胆する気持ちが声に出ていたと思うけれど、

 夕方から会うという彼の要求を飲むことはどうしても癪でした。


 「分かったよ。じゃあね。」


 「うん…会いたいけどね。」


 電話を切る直前になって、私は思わず本当の気持ちを告げました。


 「だから、会えるよ。

  ゴルフが終わったらすぐ電話するから。

  お風呂入らないで、食事もしないで帰って来れば

  もっと早くこっちに着くから。^^」


 彼は遅くとも3時には私をピックアップ出来るようにすると言いました。


 「無理しないで下さいね。

  事故をおこしたりしたら大変だから。」


 「大丈夫だって。^^」



 先週も少し短めのデートだったから、

 今週は出来るだけ長い時間、彼と一緒にいたかったのです。

 多分他のメンバーとのゴルフだったら彼は私との約束を優先してくれた

 でしょう。

 でも彼が一番好きなメンバーからの誘いだったから…。


 やっぱり彼から好きなものを奪うようなことをしなくて良かったと

 後になって思いました。

 彼はこの分きっと何かの埋め合わせをしてくれることでしょう。^^



2009年11月14日(土) 風邪を引いた日に


 その日、私は風邪を引いてお腹の調子を悪くしていました。

 朝、お薬を飲んだ後はずっとベッドの中にいました。

 午前中にゴルフ場でプレイ中の彼から電話がありました。

 その後も何も食べずに長いこと眠っていた私。

 おそらく電話中に彼とキャディさんの短い会話が聞こえたからでしょう。

 芝生の上で彼がキャディさんといいムードになっているという

 不可思議な夢を見ました。



 夕方、ゴルフの帰りに彼からもう一度電話がありました。

 見たばかりの夢の話をすると、想像力豊かだと大笑いされました。^^


 「その声の様子だとだいぶ良くなった感じだな。^^」


 「でも、まだお腹の方は調子悪いです。^^;

  来週は会えないかもしれません。」


 「うん…。」


 「私の風邪をTさんにうつしちゃうといけないから。」




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 「どうして?」


 「会いたいからだよ。」


 「会いたい?^^」


 「会いたいよ。^^」


 「じゃあデートまでには頑張って治します。」



 今までどんな時でも次のデートが楽しみだったけれど、

 体調が悪い時は好きな人に会いたい気持ちさえ減退気味です。

 来週のデートの日までに元気になって

 彼といつもの笑顔で会いたいと思いました。



2009年11月13日(金) 満たされた後に


 夜はふぐ料理のお店へ行きました。

 掘りごたつのある個室で、

 彼はひれ酒、私はビールを飲みながら、

 ふぐ刺し、ふぐの唐揚げ、てっちり、お雑炊などを頂きました。

 ほろ酔い気分で上機嫌になっていた私はお喋りが過ぎたようで、

 お店を出てから少し反省しました。^^;




 お部屋に戻ってから、ベッドの中でじゃれ合いながら話をしました。

 去年の今頃はラブホを利用していたという話になって、


 「今年になってから、

  Tさんがシティホテルを予約してくれるようになったんですよね。^^

  私と何度でも出来るからって。(笑)」


 と私が言いました。


 「そうだよ。何度でもしたい。^^」


 彼は私の肩を抱き寄せて言いました。




 この夜、彼は私の中で果てた後、

 いつものように繋がりを解かずにいました。 




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 終わった後も女性を大切に扱ってくれる彼のような人に

 私は今まで出会ったことがありませんでした。


 全ての欲求が満たされた後の愛の言葉に

 私は彼の深い優しさを感じました。



2009年11月11日(水) お喋り


 シティホテルの3階にある中華料理のレストランへ行くために

 私達が地下駐車場のフロアからエレベーターに乗ろうとした時、

 中から中年男性が出て来ました。

 エレベーターを待っていた時から会話に夢中になっていた私達は、

 ドアが閉まった後もボタンを押すことを忘れていました。

 しばらくすると、再びドアが開いて

 私達が入る前にエレベーターを出て行った男性が入って来ました。

 私達は男性が駐車場で用を済ませてエレベーターに戻って来るまで、

 ずっと同じフロアに留まったままお喋りしていたのです。^^




 「さっきのおじさん、俺達のことを長い間エレベーターに閉じこもって

  いやらしいことでもしてたんじゃないかと思ったかもな。(笑)」


 美味しいランチを頂きながら、彼が言いました。

 食事をしながらも、私達はいつものように会話を楽しんでいました。


 「ジョン・レノン・とオノ・ヨーコがエレベーターのドアが開くまで

  夢中になって話をしていたという話は聞いたことがあります。^^」


 何年経っても会う度にお互い言葉が溢れ出すような、

 そんな関係でいられたら素敵なことだと思います。




 ランチが終わって、私達は別のシティホテルにチェックインしました。

 気の早い彼が、


 「夜は何を食べようか?^^」


 と聞きました。

 私は私の焼餅が原因で喧嘩した時以来、

 ずっと行っていないワインバーの名前を言いました。


 「あの店にする?」


 「東京に勉強に行っていたソムリエの女性が帰って来たらしいですよ。」


 彼は10年位前からそのお店のことを知っています。


 「そういえば、そんな人居たなぁ。」


 それから、私達が喧嘩したあの日の話になりました。


 「でも、あの時のTさんの態度はちょっとおかしかったと思う。

  お店の人に気軽に声をかけるのはいつものことだけれど、

  私と一緒にいるのに女の子に『彼氏いるの?』って聞くなんて、

  普通じゃないもん。」


 彼がドレッサーの前にいる私の方に歩いて来ました。


 「分かったよ。いいから黙って。^^」


 「それにね…」


 「もう分かったから。」


 彼はそう言って、




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 二人でベッドに入ってから、彼の誕生日のプレゼントの話をしました。

 一度は自分でこれにしようと決めたのに、

 会うとまたあれこれ迷ってしまうのでした。


 「私と一緒にお店に行って好きな洋服を選んだりするのは

  好きじゃないでしょう?」


 「別に嫌じゃないよ。」


 「じゃあ、来週行きましょうか。^^」


 「物なんて欲しくないよ。」


 「そんな風に言われても…。」


 「理沙子にリボンつけてくれればいい。(笑)」


 「私はいつもあげてるじゃないですか。^^」


 彼はそんな話はどうでもいいからという風に、

 私を抱き寄せようとします。


 「それより、早くしようよ。^^」


 「うん…。

  でも、その前にこれだけ答えて。^^

  そうじゃないと落ち着かないから。

  次のうち、どれが欲しいですか?

  洋服、お財布、電子辞書。」


 「じゃあ、財布。」


 彼はキャミソールのストラップを下ろすと、

 私の胸を舌で愛撫し始めました。

 ずっとお喋りだった私はようやく無口になって、

 一週間ぶりに彼に抱かれる幸せを感じていました。



2009年11月08日(日) 人として好き


 明るい

 外交的

 大らか

 アクティブ

 ユーモアがある

 好奇心旺盛

 洞察力がある

 包容力がある

 向上心がある

 野心がある

 人間関係を大切にする

 リーダーシップを取る


 こうして彼の長所を並べてみると、

 どれもが恋人として好きな部分というよりも

 彼の人間としての魅力であるような気がします。




 付き合えば付き合うほど、

 私達の関係のバランスの良さを感じるのは、

 男女の恋愛感情よりももっと基本的な部分で、

 お互いに人として認め合っている気持ちがあるからだと思うのです。

 私達が出会った時期も良かったのでしょう。

 お互いにその場しのぎのような恋愛に飽きて、

 穏やかで心が満たされるような関係を求めていた時期だったから。






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 まだ彼には内緒だけれど、

 やっと彼に贈る誕生日プレゼントが決まりました。^^



2009年11月07日(土) 誕生日プレゼント


 牡蠣料理のお店で食事を済ませた後、

 彼がテーブルでお財布を出したので、私はすかさず、


 「Tさんのお財布の色、黒ですよね。」


 と言いました。

 勘のいい彼はすぐに私の意図を読んだ様子で、


 「おかしなこと考えてないよな。」


 と鋭い声で私に聞きました。

 実は今月末の彼の誕生日に私はお財布をあげようと考えていました。

 
 「俺、財布とか要らないからな。」


 彼の言い方があまりにもストレートだったので、

 正直私は困ってしまいました。

 彼はダンヒルの長財布の中を見せてくれました。


 「俺、財布とかいっぱい持ってるんだよ。

  二つ折りのとか使ってないやつ。」


 彼が気に入っているというその長財布は表面は綺麗でしたが、

 内側のカード入れの部分は結構傷んでいるように見えました。


 「同じダンヒルのものだったらいいでしょう?」


 「ここにファスナーが付いてないのは嫌だし、

  カード入れの数とかこれだけないと嫌なんだよ。」


 「じゃあ、同じ数だけカード入れがあればいいですよね。」


 彼は覚えていないようでしたが、

 以前にもお財布について同じようなことを言っていて

 私はそれを覚えていたので、

 その時の彼の言葉を参考に私は既にデパートなどで

 紳士用のお財布を見ていました。


 「俺、着るものとかの方がいいよ。」


 彼が言いました。


 「でもセーターとかは着てみないとサイズが分からないでしょう。」


 ブランドやデザインによってサイズが異なる彼の洋服を選ぶことは、

 お財布を選ぶよりも私にとって難しいことでした。

 きっと彼は安いお財布は貰っても使わないことになるし、

 かといって高価なものは私に負担がかかると考えたのでしょう。




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 思わず絶句してしまった私。^^;


 「まぁ、後は店を出たら話すから。」


 と彼が言いました。




 お店を出てからワインバーまで15分ほど歩きました。


 「さっき、何て言おうとしたんですか?」


 「俺、物貰うの好きじゃないんだよ。」


 誕生日にはプレゼントを渡したいから会おうと既に約束しているのに、

 いきなり彼はそんなことを言い出しました。


 「うん、Tさんは私から何か貰ったり、

  私にお金を払わせたりするのが好きじゃないことは知ってます。

  でも、いつもご馳走になったり、

  旅行に連れて行ってもらったりしているから、

  一年に一度位はプレゼントしたいの。」


 私の言葉に納得したのか、急に彼は大人しくなりました。


 「プレゼントするから結婚してなんて言わないから大丈夫ですよ。(笑)」


 「そんな風には思わないけどさ。」


 大きな交差点を渡る時、彼はいつものように手を繋いでくれました。




 翌日、彼と電話で話をしました。


 「昨夜あんまり動いたから、身体の節々が痛いです。」


 「俺は大丈夫だよ。もっと鍛錬しないと駄目だろう。^^」


 「きっと私の方が動いたからですよ。」


 「おい、それは無いだろうが?(笑)」


 「来週はTさんの方がいっぱい動いて下さいね。^^」


 「それはその時になってから考えよう。^^」


 「誕生日のプレゼントのことだけど、

  私、やっぱり私があげたいものをあげますね。

  絶対Tさんが気に入ってくれるものをあげますから。^^」


 「うん。」


 「昨日、Tさん色々言ってたじゃないですか。

  ファスナーが付いてて、カード入れが10枚分なきゃ嫌だとか。

  私、Tさんが言ったことをちゃんと覚えていて、

  家に帰ってから全部メモしておきましたから。」


 「あはは、そうか。^^」


 「私、この件に関しては半年前からリサーチしてるんです。^^」


 去年は付き合い始めだったので、

 手頃な値段のものを気軽にプレゼント出来たけれど、

 二回目以降のプレゼントを選ぶのは結構難しいと思いました。


 「ねぇ、好きですか?」


 前日のベッドの中で何度も聞いた言葉を私はまたおねだりしました。


 「好きだよ。大好き。^^」


 電話を切ってからも、

 彼の甘い声がしばらくずっと耳の奥に残っていました。



2009年11月06日(金) ずっと会いたかった


 映画を観て、讃岐うどんを食べに行って、

 それから、ホテルのお部屋で二人きりになりました。



 ベッドで彼が私を抱き寄せた時、


 「何だか今日のTさん、いつもと違う。」

 
 と私が言いました。


 「どう違うの?

  あせってるみたい?」


 「う〜ん、あせってるんだけど、それを見せまいとしている感じ。^^」


 当てずっぽうで私が答えると、彼は大きな声で笑いました。

 こういう時の彼の笑顔が好きです。

 彼は私の胸や脚を愛撫しながら、長いキスをしました。


 「ずっと欲しかった?」


 吐息混じりに私が尋ねました。

 私はその日の朝からずっと彼と抱き合いたいと思っていました。


 「欲しかったよ。」


 彼が優しい声で囁きました。




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 この一言で、彼も一週間ずっと私に会いたかったのだと思いました。




 この日の夜は牡蠣鍋を食べに行った後にワインバーへ行きました。

 彼はワインとグラッパ、私は苺とワインのカクテルを頂きました。

 バーフードのメニューに彼のお気に入りのベーカリーのバケットが

 使われていることが分かりました。

 そのベーカリーのパンは市内で一番美味しいので、

 いつか私に食べさせたいと彼は以前から話していました。


 「バケットだけ出してくれる?」


 彼とは長い付き合いになるマスターが

 プレーンなバケットとフルーツ入りのバケットに蜂蜜を添えて

 出してくれました。


 「本当に美味しいですね。」


 「だろう?」


 それから、しばらく彼とマスターでベーカリーの話をしていました。



 彼は自分が知っている美味しいものは何でも私に食べさせたいと思う

 ようです。

 来週のデートの時にシュークリームを買って来ようかと彼が言いました。

 彼は以前から彼の家の近くのケーキ屋さんに美味しいシュークリームが

 あると話していました。


 きっと他の人が見たら私達のことを不思議に思うのではないでしょうか。

 だって特別綺麗でも魅力的でもない私のことを

 彼は思いっきり甘やかしているから。




 ホテルに戻ってから、もう一度彼に抱かれました。


 「理沙子が気持ちいいって言うのが好きだよ。」


 彼の広い胸の中で私は何度も彼の名前を呼んでいました。



2009年11月04日(水) 元気の素


 昨日は私はオフで、彼はオフィスで仕事でした。

 私の朝のメールを読んだ彼から、正午少し前に電話がありました。

 最近オープンした讃岐うどんのお店に今度のデートで行ってみようと

 彼から嬉しい提案がありました。

 私が以前、讃岐うどんが食べたいと言っていたことを

 覚えていてくれたようです。



 それから、私達の観たいと思っている映画が一致したので、

 久しぶりに映画を観に行くことになりました。

 人間の複雑な心理を描いたイタリア映画です。




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 電話で先日友達と行きそびれたフレンチレストランについて

 話をしました。

 そこは彼が行ったことのある有名なお店の姉妹店だという話をしました。

 タイミングが悪く、

 彼が「じゃあ、」と言いかけている途中で電話が切れてしまったので、

 後でメールで聞いてみたら、


  じゃあ、今度一緒に行きましょう!


 とすぐに返信がありました。



 元カノとはこれほど頻繁に会っていなかったと言っていた彼。

 毎週確実に会っている今の状況は彼にとっては異常なんだそうです。^^

 彼と一緒に過ごす時間は私にとってのオアシス。

 彼の笑顔は私の一週間分の元気の素です。



2009年11月03日(火) 二人の気持ち


 二日続けて彼からおやすみメールが届きました。

 とても珍しいことだから、嬉しくなりました。



 一週間のうち一日は必ず私のために空けてくれる彼。

 それはとても贅沢なことだと思うのに、

 その一週間がとても長く、寂しく感じられることがあります。

 彼も会えない日に私のことを考えたり、

 私を抱きたいと思うことがあると話していました。

 彼はいつも次のデートのプランを考えておいてくれるから、

 私に会えない時でも私のことを想っていてくれているということは

 想像が出来ます。

 きっと離れて、お互いのことを想う時間があるからこそ、

 会った時に愛おしい気持ちが溢れるのでしょう。

 だから会えない時間も大切なんですよね。



 先週のデートの時、2月の横浜出張の話をしました。

 もしかしたら、

 彼がその出張から帰って来た後に温泉旅行に行けるかもしれません。




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 私が彼を好きな気持ちと彼が私を好きな気持ちのバランスが取れている

 と思った瞬間でした。



2009年11月01日(日) 別れない


 今月末に彼の誕生日があります。

 私は電話で彼にお願いをしました。


 「その日、ランチタイムだけ空けて頂けますか?^^」


 「いいよ。3時までにオフィスに戻ればいいから。

  何かあるの?」


 彼は自分の誕生日を忘れているようでした。


 「プレゼントを渡したいから。

  誕生日でしょ?^^」


 出来れば内緒にしておきたかったのだけれど、

 彼のスケジュールを空けてもらうために言わざるを得ません。


 「お〜そうか!!

  あんまり嬉しくない誕生日だけどな。^^;」


 彼は東京への日帰り出張の翌日の多忙な時間を

 ランチデートのために空けてくれました。

 去年は誕生日当日に会うことは出来なかったけれど、

 今年は早めに彼の時間を予約しておくことが出来ました。^^




 先週、彼とベッドで抱き合いながら、

 私達が別れなければならない状況の可能性について話しました。

 
 「Tさんは私とも簡単に別れられる?

  元カノとの時みたいに。」




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 「何があっても?」


 「大丈夫だよ。別れない。」


 彼は私をギュッと抱き締め、優しくキスをしました。




 彼の誕生日がもうすぐだということは、

 それから2週間後には私も誕生日を迎えるということ。

 私は彼より一回り近く年下ではあるけれど、

 女としての時間があとどの位残っているのか意識してしまいます。

 三年後、五年後の私も彼が愛してくれるかどうか自信はないのです。


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理沙子

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