こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年09月30日(水) 一夜明けて


 私がネガティブな気持ちを吐露したメールを彼に送った翌日、

 彼から電話がありました。


 「昨夜はメールしたまま寝ちゃったよ。悪かった。」


 「うん…。」


 「元気か?^^」


 「はい。」


 「何だ、それは元気って声じゃないな。」


 「私のメールに返事くれないから。」


 「昨夜、送っただろう?

  昼間はずっと忙しかったんだよ。」


 「一周年のことに触れてなかったもん。」


 「今日から二年目だろう。

  今日がスタートじゃないか。^^」


 「私はTさんにとってどんな存在?」


 「好きだよ。」


 「ほんと?」


 「大好き〜。^^」


 子供みたいに大きな声で彼が言いました。


 「じゃあ、理沙子にとって俺は何なの?」


 以前に聞かれた時は答えなかったけれど、今度は答えました。


 「恋人です。^^」


 「俺もそう思ってるよ。理沙子が恋人だって。」


 「じゃあ、恋してるの?」


 「してるよ。^^」


 彼が柄にも無く甘い声で言ったので、私は思わず笑ってしまいました。


 「私、一年前の方が良かったな。

  あの頃はTさんのこと今ほど好きじゃなかったから、

  もっと気持ちが安定していた気がする。

  これであと一年経ったら、どんな気持ちになってるのかな。

  怖いような気がする。」


 「俺はそんなこと全然思わないよ。」


 「私、好きになればなるほど、

  エッチの時も相手のことばかり考えてしまって集中出来ないの。」


 彼はあくまで落ち着いているので、

 私は最近気になっていたことをつい口にしてしまいました。




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 「私の長いメール読んでくれましたか?」


 「ベッドの中で半分眠りながら読んだから、あまり覚えてない。」


 「危機的なメールだったのに読んでないんですか?

  フェードアウトすべきかどうかっていう…。^^;」


 「あれがそうなのか。

  全然そんなメールには思えなかったよ。」


 自分では重過ぎるメールを送ってしまったと思っていただけに、

 呆れたようなほっとしたような気持ちでした。

 彼とはメールで真面目なコミュニケーションを取ることは不可能だと

 思いました。

 もしかしたら彼は本当はあのメールを読んでいるのに、

 それ以上話がもつれることを避けるために返信はせずに

 翌日電話をかけてきたのかもしれません。




 電話を切ってから私は彼の包容力に甘んじて色々話し過ぎてしまった

 かもしれないと思いました。

 私は一年前の方が彼とのセックスで感じることが出来たということを

 彼に話しました。

 それは一年前はまだ彼に対する想いが今ほど強くなかったため、

 彼に抱かれる時に余計なことを何も考えずに済んだからです。

 私はまず身体が元彼から離れることで心も切り離したい一心で、

 彼に抱かれていたような気がします。

 もしかしたらこんな感情はずっと胸の内に秘めておくべきことなのかも

 しれません。

 男の人によってはこういう話をプレッシャーと感じる人もいると思う

 からです。

 でも、私の最近の気持ちを彼に伝えているうちに自然に身体の話も

 していました。

 話をした後でやはり身体と気持ちは繋がっているのだと思いました。

 気持ちが不安定な時は彼に抱かれていても身体が集中出来ないし、

 セックスで身体が満たされなければ心も不安定になるのです。




 再来週には彼との二度目の旅行に出かけます。

 旅行中は彼が仕事の電話を取ることもないし、

 帰りの時間を気にせずに抱き合って眠ることも出来ます。

 きっと心も身体もリラックスして過ごすことが出来るでしょう。



2009年09月28日(月) 忘れられた記念日


 彼が私に求めているものは初めからわかっているはず。

 頭ではわかっているのに心が受け入れようとしていないのは、

 私側の問題なのです。



 私が彼に一度も「愛している。」と言ったことがないのは、

 彼を困らせたくないから。

 楽しいだけの私達の関係にそんな言葉は似つかわしくないから。



 あの時、彼は私と一緒に携帯電話のスケジュールを見て、

 今日という日にanniversaryという文字と私の名前を入れていました。

 でもそれは彼にとってはさほど意味の無いことだったのでしょう。



 また去年の今頃と同じ気持ちを繰り返すのでしょうか。

 感情にブレーキをかけなければ長く続かないと思っていた私達の関係は

 あの頃から何も変わっていないのでしょうか。




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 今のところ、私からのメール一通と着信履歴には何の返答もありません。



 私には最初から割り切った恋など無理なのでしょう。

 一年経った今日から傷つかないために私がしなければならないことは、

 彼へのこの想いをフェードアウトさせていくことなのでしょう。



2009年09月27日(日) 飲み過ぎた夜に


 私達はカウンターに座って、

 大将が目の前で揚げてくれる天麩羅を頂きました。

 二人で食べたネタは海老、たらば蟹、きす、穴子、帆立、烏賊、春菊、

 南瓜、蓮根、椎茸、薩摩芋、玉葱、グリーンアスパラと数えてみたら

 十種以上でした。

 サクッとした薄い衣と新鮮なネタの揚げたての天麩羅は

 どれもがとても上品な味で、最後まで美味しく頂きました。 

 私は女将さんに薦められるままに

 空きっ腹に白ワインを三杯も飲んだので、

 後半はかなり酔っ払ってしまいました。

 お店を出る時に足元がふらついて転びそうになりました。

 彼は後でワインバーへ行こうかと言っていたのだけれど、

 私があまりにも酔っていたのでそのままホテルに戻りました。




 深夜にホテルで目覚めた時、私は彼の腕の中でした。

 枕元には藍色のキャミとショーツがありました。


 「もう帰らなきゃ。」


 私が独り言のように呟きました。

 翌朝彼はゴルフのために早起きしなければなりませんでした。

 彼は携帯電話を手に取り、スケジュールを開きました。


 「再来週はいつがいいんだっけ?」


 私は以前彼に告げていた日にちを言いました。


 「その日は駄目だな…。仕事が入ってる。」


 「そうなんですか?

  何も予定が無いって言ってたのに…。」


 「後から仕事が入ったんだ。他の曜日は?」


 「その週は私はその日しか駄目なんです…。

  でも2週間も会えないなんて絶対無理!!」


 ちょっと大袈裟に駄々をこねて言うと、彼が笑いました。


 「前はこんなに会ってなかったし、こんなに食べてもいなかったって

  言ってたのに可笑しいだろう。(笑)」


 私の前の恋愛を持ち出して彼が言いました。


 「あの時はあの時、今は今です。

  Tさんは我慢出来るんですか?^^」


 「仕方ないだろう。仕事なんだから。

  それにその翌週は旅行でずっと一緒にいられるだろう?」


 彼は私の我侭に呆れながらも、

 連休の真ん中の日曜日を私のために空けてくれました。




 シャワーを浴びようとベッドから下りると、

 鏡の前の椅子の上にスカートがかけられていることに気付きました。


 「これ、私が掛けたんですか?」


 「俺が掛けたんだよ。理沙子が酔っ払っていたから。

  何も覚えてないのか?」


 「何もって?」


 「セックスしたこと、覚えてないのか?」


 「気持ち良かったです。^^」


 「嘘付け。覚えてないくせに。(笑)」


 「気持ち良かったことは覚えてるんですけど、

  どんな風にしたのかは覚えてないの。(笑)」




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 ベッドに入る前にシャワーを浴びてキャミとショーツを着けたのは

 間違いなく自分なのに、その前後の記憶がありませんでした。


 「私、おかしなこととかしてないですよね?」


 「凄くいやらしかったよ。(笑)」


 「人としてあるまじき行為とかしてたらどうしよう。(笑)」




 帰りの車の中で、


 「もう当分天麩羅は食べなくていいな。」


 と彼が言いました。


 「あっさりして美味しかったから、私はまた行きたいですけど。

  でもあんなに酔っ払ってたから、もう恥ずかしくて行けないかな。」


 「ピッチが速かったもんな。空きっ腹に飲み過ぎるからだよ。

  きすが出てきたら、どこにキスするとか何とか言い出すし…。^^」


 「えっ、私、恥ずかしいこと言ってましたか?^^;

  どうしよう…大将に聞かれちゃったかな。」


 「俺しか聞いてなかったから大丈夫だよ。^^」


 「もう飲み過ぎないようにしなきゃ。

  あるまじき行為に走らないように。(笑)」


 「今日の理沙子はあるまじき体位で、あるまじき奇声を発し、

  あるまじき快楽に耽っていました。(笑)」


 

 車を降りる時、彼は私の唇におやすみのキスをくれました。

 彼はいつもと変わらず優しかったけれど、

 酔っ払いの私に呆れてしまったのではないかと少し心配でした。

 天麩羅屋さんの後にワインバーに行けなかったことも

 愛し合った記憶が消えてしまったことも

 彼に悪かったなと心がチクリと痛みました。



2009年09月26日(土) 見つめながら


 彼の仕事が長引いたため、

 前日に約束していた時刻よりも3時間半遅れて私達は会いました。

 彼が車でピックアップしてくれてそのままホテルに向かいました。




 お部屋に入ると、彼はすぐにシャワーを浴びて部屋着に着替えました。

 彼はいつものようにベッドに座り、ビールを飲み始めました。


 「理沙子、どうしてそんな所に座るの?」


 ベッドから少し離れた椅子に座っていた私に彼が尋ねました。


 「もうすぐ天麩羅屋さんへ行くでしょ?
  
  だから今日は服を着たままでいるの。」


 「服を着たままでいいから、こっちにおいで。」


 「うん…。」


 「服を着たままでも出来ることあるだろう?(笑)」


 私はグレープフルーツサワーの入ったグラスを置いて、

 ベッドの縁に座りました。

 しばらくそうやって二人でテレビを見ていると、

 彼の右手が後ろから私の薄手のセーターに滑り込み、

 私のウエストや背中を撫で始めました。

 私のブラのホックを外そうとしたので、彼の方に振り返り、


 「駄目よ…。」


 と言いました。


 「ほら、まだ大きくなってないもん。^^」


 私はまだ硬くなっていない彼のものに指先でそっと触れました。


 「触ってて。すぐ大きくなるから。(笑)」


 視線はテレビを見つめたまま彼のものを撫でていたら、

 私の掌の中でそれが熱く、硬くなっていくのが分かりました。

 思わず彼を見つめると、彼も眼鏡をかけたまま私を見つめました。




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 外はまだ明るく、

 カーテンを開いた大きな窓からは向かいに立ち並ぶビルが見えました。


 「もう、終わりにしなきゃ。

  濡れてきちゃうもん。」


 欲しくなる気持ちを抑えて私が呟くと、


 「夜が楽しみだ。」


 と彼が甘い声で言いました。




 洗面台でメイクを直してから、


 「私、いやらしい顔していないですか?」


 と彼に聞きました。


 「いつもしてるよ。^^」


 彼が私をからかって笑いました。



2009年09月24日(木) もう一度


 彼と付き合い始めてもうすぐ一年になるけれど、

 私はどうして今まで彼のような人と巡り会えなかったのだろうと

 思うのです。

 彼の前だと私はいつも私らしく自然体でいることができます。

 それはきっと彼が私より10歳以上も年上であり、

 二人の関係をリードしてくれる包容力と

 ポジティブな思考の持ち主だからでしょう。




 シルバーウイークの最終日、一週間ぶりに彼に会いました。

 彼は来週までに覚えなければならないことがあると言って、

 仕事の資料のファイルを持って来ていました。

 愛し合った後、

 彼は私に腕枕をして左の指先で私の肩を優しく撫でていました。

 その感触が気持ち良くて私はそのまま眠ってしまいました。

 目覚めた時、隣を見ると、資料を見つめる彼の横顔がありました。

 私がお昼寝をしている間、彼はずっと資料を読んでいたようです。




 夜はイタリアンのお店に出かけました。

 美味しいワインとお料理を頂きながら、彼のゴルフの話を聞きました。




 ホテルに戻ってから二人でベッドに寝転んで、

 しばらくテレビを見ていました。




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 彼がテレビを消して、部屋の明かりを落としました。

 私達は昼間とは違う形でもう一度愛し合いました。



2009年09月22日(火) 彼が与えてくれるもの


 携帯電話に入っている彼の画像を何度も見てしまうほど

 会いたい気持ちが募っていたから、電話が欲しいとメールしました。

 ゴルフ場に向かう彼から今なら電話が出来ると返信がありました。

 水曜日は短い時間のランチデートだと思っていたけれど、

 午前中から夕方まで会えることになりました。


 「どこか行きたい所ある?」


 と彼に聞かれたけれど、会えるだけで十分だと思っていたから

 行きたい場所など何も考えていませんでした。




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 毎週彼に会って抱かれているのにそれでもこんなに恋しいなんて、

 そんな自分を彼に知られることが恥ずかしかったから…。



 彼に抱かれることは私に快感だけでなく、

 大きな安らぎももたらすのです。

 私の小さな身体は彼の広い胸の中にすっぽりと包まれてしまう…。

 最近日々の不安や迷いを感じることが少なくなったのは、

 彼が与えてくれる安心感と充足感のおかげです。



2009年09月19日(土) 連休前に


 彼が薦めてくれた映画の感想をメールに書いて送ったら、

 15分ほどして返信がありました。

 それから少しの間、彼と電話でお喋りしました。

 本当は来週末まで会えない予定だったのだけれど、




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 来週は二度彼に会えることが嬉しくて、

 今からお天気予報を見て何を着て行こうか検討中です。^^



2009年09月18日(金) 抱き合って眠りたい


 中華料理のレストランでランチをした後、

 彼と大きな本屋さんに行きました。

 私達はガイドブックが沢山置いていあるコーナーへ行き

 何冊か立ち読みした後、10月の旅行で泊まるホテルを選びました。




 この日はいつも私達が利用しているシティホテルのフロントの手違いで、

 初めにベッドメイキングが済んでいないお部屋に案内されました。

 フロントの従業員はフロアのスタッフからの報告を受けて彼に謝罪し、

 すぐに新しいお部屋が用意されました。

 ホテル側の配慮で新たに案内されたお部屋は、

 普段私達が利用することのない豪華なスイートルームでした。 

 お部屋に入ると彼は早速携帯電話から旅行サイトにアクセスして、

 二人で決めた来月の旅行のホテルの予約をしてくれました。

 10室しかないお部屋は全てスイートタイプで、

 キッチンとバルコニーが付いています。

 手際良くホテルの予約をしてくれた彼に、


 「ありがとう。

  旅行凄く楽しみ。^^」


 と私が言うと、


 「晴れるといいね。^^」


 と彼が言いました。




 この日のベッドで彼は何度も私の名を呼びました。

 私の身体はとても敏感になっていて強く彼を求めていました。




 夜はお寿司屋さんへ行きました。

 彼は日本酒、私はビールを飲みながら、

 鯵、秋刀魚、鰤、穴子、鮪、帆立、烏賊、雲丹、
 
 鮑のステーキや松茸の土瓶蒸しなどを頂きました。

 お寿司屋さんを出ると、


 「今日は久しぶりに気持ち良く飲んだなぁ。^^」


 と彼が言いました。

 交差点を渡る時、彼は私の手を握りました。


 「これからワインバーへ行こうか?」


 私は既にかなり酔っていたのですが、

 彼がもう少し飲みたいと言ったので一緒に行くことにしました。




 彼はワインバーでスペイン語通訳をしていた時の話をしてくれました。

 映画や本の翻訳の好みや

 彼が企業通訳を辞めた理由についても話しました。




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 「私と一緒だといいことがあるでしょ?^^」


 そして先週のように二人で海外旅行へ行きたいねという話になりました。




 ホテルに戻ってから、

 しばらくベッドの上で二人でじゃれ合っていたけれど、

 そのまま深夜まで眠ってしまいました。 

 私が目覚めた時、彼は大きな寝息を立てて眠っていました。

 私はシャワーを浴び、

 洋服に着替えてから彼にもう一度声をかけたけれど、

 彼は寝惚けていて起きようとしません。

 何度か声をかけて、彼はようやくはっきりと目を覚ましました。


 「いつ着替えた?」


 「着替え終わったのですか?

  10分ほど前です。^^」


 「俺に声かけてた?」


 「はい。」


 彼はやっとベッドから身を起こすと、

 ベッドサイドに立っていた私の腰を抱き締めて、

 ベッドの方へ強く引き寄せようとしました。


 「もう帰らなきゃ。」


 私は腰に回された彼の腕を解いて言いました。

 二人ともそのまま朝まで抱き合って眠りたい気持ちは同じでした。




 この日は彼の身体にアルコールが残っていたので、

 私は久しぶりに一人でタクシーで帰りました。

 家に着いてしばらくすると彼からメールがありました。

 寝ちゃってごめんねと書かれていました。



2009年09月14日(月) 彼発見


 或るブログの中に彼を発見しました。

 あの人との別れのきっかけとなったのは、

 まるで別人格と思えるようなネット上でのあの人の振る舞いでした。

 現在の彼はバーチャルな世界には全く無関心な人だから、

 彼自身が特定のサイトに熱を上げたり、

 誰かのブログに書き込みをしたりすることはありません。

 学校の裏サイトに書き込まれた悪口を読んで自殺する中高生がいること

 が不思議でならないと彼はよく言います。


 「そんなの読まなきゃいいだろう。」


 と彼は言うのです。^^

 ネット上での人との付き合いというものを一切しない彼だから、

 バーチャルな恋愛も喧嘩も彼にとっては信じられないことのようです。



 そんな彼のリアルな友人の一人が

 ブログの中で時々彼とのゴルフのことを書いているのでした。

 先日アウトレットモールの帰りの車の中で彼にこのことを話しました。


 「実はTさんのこと、ネット上で見つけちゃったんです。^^」


 「嘘だろう?

  本当に俺なのか?」


 「本当です。^^」


 ブログの中には彼の苗字とお店の名前がしっかり書かれていたのです。


 「俺の周りでそんなの書いている奴なんて思いつかないよ。

  誰なんだろう。」

 
 そのブログはペンネームで書かれていて、

 その時の私達の会話の中では誰が書いたものか分かりませんでした。


 「でも安心して下さい。

  Tさんについて良いことしか書かれていなかったから。

  ゴルフが凄く上手いって尊敬している風でした。^^」


 「全く暇な奴だなぁ。(笑)」




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 彼は私の話に大笑いしました。


 「俺のことをそんな風に書くなんてよっぽどのレベルなんだな。(笑)」


 「私、石川遼君並みの彼と付き合えるなんて光栄です。^^」


 「あははは…。」


 「今度のコンペ頑張って下さいね。

  注目の的なんですから。^^」



 彼の友人のブログの中では、

 彼は明るくて面白くてゴルフが上手な存在として書かれていました。

 ネット上ではあるけれど、

 大好きな人が褒められているとやっぱり嬉しいものです。



2009年09月13日(日) 彼の愛犬


 彼は毎晩家へ帰ると、愛犬の岳と一緒に寝ています。

 何度か彼の家に電話した時に元気な岳の声を聞いたことがあります。

 彼の携帯電話の待受画面は可愛い岳の写真です。

 彼の携帯電話のスケジュールには

 岳の誕生日がしっかり記されています。



 岳は自分が犬であることを恥じていて、

 鏡やガラスに自分の姿を見ると視線をそらすそうです。^^

 岳は自分を人間だと思いたいのだと彼は言います。

 岳は犬嫌いで人間大好きなちょっと変わった賢い犬です。




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 10月の2泊3日の旅行の時に、

 彼と一緒に岳を犬のお医者さんに預けに行くことになったからです。

 岳はとっても焼餅焼きだと聞いているので、

 私を見てジェラシーの炎を燃やさないかと心配です。^^

 いずれにしても私は岳に初めて会えることを今から楽しみにしています。



2009年09月12日(土) 今が幸せ


 最近精神的に彼を好きになればなるほど、

 彼に抱かれている時にふと冷静になってしまうことがあります。

 そんな時、彼は動きを止めずに


 「集中して。」


 と優しく私に囁きます。

 もしかしたら精神的な繋がりが希薄な方が、

 肉体的に結びつこうという欲求が強くなるのかもしれません。

 肉体の欲求は本来利己的なものだから、

 相手に対する思いやりや優しさが時に自分の肉体の正直な欲求に

 ブレーキをかけてしまうことがあるのかもしれません。




 彼に腕枕をしてもらいながら、私は長い時間まどろんでいました。

 彼が電話で話す声がぼんやりと聞こえていました。

 部下から電話があって仕事の話をしていたようです。




 夜は焼き魚の美味しい居酒屋さんへ出かけました。

 後で行きたいラーメン屋さんがあるので、

 ここで食べる量は控えめにしておこうと彼が言いました。



 彼が来年の一月に仕事で横浜へ行くという話をしました。


 「いいなぁ。私も横浜に行きたいなぁ。」


 「理沙子も一緒に来るか?」


 「いいんですか?^^」


 「いいよ。多分一月の末頃だと思うよ。」


 「あっ、でもその時期ってやっぱり駄目かも。^^;」


 「そうなのか?」


 「うん、凄く残念…。」


 「じゃあまた、別の機会に。^^」


 一瞬だったけれど、彼と二人で横浜の街を歩く姿を想像しました。

 夢みたいな話の流れで、




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 「本当ですか?^^」


 「ああ、本当だよ。^^」


 最近彼は来年やその先の話をしてくれることが多いのです。

 今まで彼との約束は全て果たされていることを思うと、

 いつか彼との海外旅行も実現出来るかもしれません。

 彼と外国へ行くなんて夢みたいな話だけれど、

 本当のことを言えば私は今のままで十分幸せなのです。

 私は心の中でこれ以上求め過ぎてはいけないと思いました。




 「少し歩こうか。」


 居酒屋さんを出ると彼が言いました。

 彼が気になると言っていたラーメン屋さんを探しながら、

 ネオンで照らされた夜の街を歩きました。

 少し薄暗い脇道に入ると彼が手を繋いでくれました。




 15分ほど探し歩いて、ようやくそのラーメン屋さんを見つけました。

 昔サックス奏者だったという店主は、

 小さな店内に鳴り響くような音量で古いジャズを流していました。

 私達は二人とも塩ラーメンを注文しました。

 彼の器の上に割り箸を置いてから私が自分の割り箸を割ると、


 「これはあまり親切じゃないな。」


 と彼が言って、私の割り箸を取り上げました。


 「俺、割り箸を綺麗に割れないから。^^」


 器用な彼が割り箸を割れないなんて少し意外でした。^^

 彼にとっては子供の頃に食べた懐かしいラーメンの味といえば、

 塩ラーメンなのだそうです。

 お酒の後に彼と一緒に食べた塩ラーメンはとても美味しかったです。



2009年09月11日(金) アウトレットモールで


 一週間ぶりに彼に会いました。

 お蕎麦屋さんでランチをしてから、

 車で郊外のアウトレットモールへ行きました。

 彼とコーチのショップに入ると、

 私達の後を若い店員さんが付いて来ます。


 「Tさんと一緒だと店員さんが私達の後を付いて来ますね。

  Tさんが買ってくれそうに見えるから。^^;」


 私は少し困って、小声で彼に囁きました。


 「買ってやるよ。^^」


 「そんな…欲しい物があったら自分で買いますよ。

  もう少し一人で見ていてもいいですか?」


 「じゃあ、俺は隣のショップにいるから。」




 しばらく一人でコーチのバッグを見て回ってから外に出ると、

 彼がこちらに歩いて来るのが見えました。

 私達はベンチに座って、少しお喋りしました。


 「店員さんに『旦那様は?』って聞かれてしまいました。

  もう恥ずかしかったです。

  夫婦に見られるなんて初めてですね。^^」


 「光栄です。(笑)」


 「デパートよりずっと安いから、今度また来てみます。」


 「折角ここまで来たんだから買ってやるよ。」


 「恐縮してしまうから、いいです。^^;」


 「俺が買いたいから。

  早めの誕生日プレゼントってことで。^^」




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 それから、二人でペット用品や

 ゴルフウエアのショップを見て回りました。




 帰りの車の中でルナが近いことを彼に告げました。


 「だからさっきあんなに赤くなってたんだ。^^」


 コーチの店員さんに彼と夫婦だと間違われて赤くなっていた私を

 からかって、彼が言いました。


 「血の気が多くなってるのかな。^^;」


 「旦那様は?」と聞かれただけなのに、

 しばらくの間、私の胸のドキドキは鎮まりませんでした。




 シティホテルのお部屋に入ると、

 彼はすぐにシャワーを浴びて部屋着に着替えました。


 「ビール、飲みますか?^^」


 私は冷蔵庫から缶ビールを出して、彼のグラスに注ぎました。


 「理沙子、こっちにおいで。」


 シャワールームに入ろうとしている私を彼が呼びました。

 私はベッドの上に彼と並んで座りました。

 彼は私の肩をギュッと抱くと長いキスをしました。

 お部屋で彼と二人きりになって交わすその日最初のキス。

 彼と抱き合い、舌を絡めながら、

 好きなだけ甘え、甘えられる至福の時の予感に

 胸の奥が熱くなっていくのでした。



2009年09月06日(日) 自惚れ


 先週、彼に会った翌日に彼から電話がありました。

 朝、来月のデートの予定のことで電話で話がしたいと

 私が彼にメールを送ったからです。


 「オフィスからですか?」


 「そうだよ。ここでは何も出来ないけどな。(笑)」


 私の夢の話を持ち出して、彼が私をからかうように言いました。


 「あはは、そうでしたね。^^」


 「今日、歯医者に行くんだろう?」


 「実はどうしようか考えているところです。」


 「ちゃんと行きなさい。」


 「うん、だけど痛そうだから気が進まないなぁ。

  昨日気持ちいいことしたから、今日は痛い思いしたくないんです。(笑)

  歯医者も気持ち良かったらいいのに。^^」


 「歯医者がそんなに気持ち良かったら、

  いつも混んでて大変だろうが。(笑)」

  言うこと聞いて行きなさい。」


 「Tさんもずっと歯医者に行っていないくせに。^^」


 「俺は曜日を指定されるのが嫌なんだよ。

  仕事やゴルフの予定がびっしり入ってるから。」


 「私とのデートは曜日が指定されても気にしないのにね。

  ねぇ、もう少しTさんと話していたい。」


 いつも早々と電話を切ろうとする彼に言いました。


 「ちゃんと歯医者に行ったら、いくらでも話してやるから。^^」




 結局歯医者には行かず、予約は来週に持ち越しました。

 昨日は一日何となく気持ちと身体が疲れていました。

 夜になって無性に彼にメールがしたいと思いました。

 彼も好きな監督の映画のDVDを借りて来たので、

 そのことも伝えたくてメールをしました。

 メールを送った途端に少し気持ちが重くなった私。

 返事が来ないことも十分予想されたからです。

 でも私の予想に反して、10分もしないうちに彼から返信がありました。




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 週末しか旅行出来ないという私の都合を聞いて、

 彼が2泊3日の日程を調整してくれたのです。



 彼は私が彼を大好きだと思っている自惚れ屋さんだけれど、

 私も最近ようやく自信がついてきました。

 今月末にはちょうど一年になる私達の恋。

 私達は上手に気持ちを伝え合うことが出来るようになりました。



2009年09月05日(土) 恋の賞味期限


 フラワーガーデンからの帰り道、彼は助手席の私に、


 「寝ていていいぞ。襲ったりしないから。^^」


 と言いました。

 最近私はドライブの時は必ず酔い止めの薬を飲んでいるので、

 いつも車の中で眠くなってしまうのです。

 でも、この日は薬を変えたからか、さほど眠くはならず、

 ホテルに着くまでずっと起きていました。



 彼と抱き合う時、

 彼は私の快感が高まるまで自分をコントロールしていこうとはしません。

 繋がったまま彼と一緒にいけることは、

 彼の望みでもあり私の望みでもあります。

 彼がいつも新しい方法を試そうとするのは、

 二人の望みを叶えたいと思うからなのかもしれません。




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 私が理性を失うほど感じれば彼が喜ぶことは分かっているのに、

 一つ手前の所で羞恥心やためらいが邪魔をしているような気がします。



 抱き合った後、彼に腕枕をしてもらってお昼寝をしました。

 二人ともぐっすり眠ってしまったようで、

 目を覚ました時には既に6時を過ぎていました。



 この日の夜は、以前よく行っていたイタリアンレストランへ

 久しぶりに出かけました。

 このお店はいつも混んでいて賑やかなので、

 私達は気兼ねなくお喋りすることが出来ます。


 「すぐにスケジュール出る?」


 彼は私に携帯電話のスケジュールを開くように言いました。

 そして、翌週から来月の第一週までの空いている日を言いました。

 
 「Tさんは毎週私に会えないと我慢出来ないんでしょう?^^」


 私が言うと、彼が笑いました。


 「そういう理沙子はどうなの?^^」


 「私は我慢出来ないです。^^」


 「そうだろう?(笑)

  本当に理沙子は面白い言い方するよなぁ。」


 「元カノとも毎週会っていたんですか?」


 「いや、もっと不定期だよ。

  こんなことって普通はないだろう。」


 「最初の頃は週に二回とか二日続けてとか会ってましたものね。^^」


 「あんまり会うと飽きるって理沙子が言ってただろう?」


 「Tさんがね。

  飽きるのは男の人だから。」


 「俺がかよ。^^」


 「女は飽きないんですよ。そういうの。」


 私は心の中で女は習慣を好む生き物だからなのだと思いました。



 彼の方からずっと先までデートの予定を入れようと言い出すなんて、

 とても珍しいことでした。

 彼と付き合い始めてもうすぐ一年になるけれど、

 彼は初めの頃よりもっと私との時間を大切にしてくれているように

 感じました。

 私達の恋にもいつか賞味期限が切れる時が来るのでしょうか。

 お互いに二人の時間を心地良いと感じられるような、

 ずっとそんな関係でいられたらと思います。



2009年09月04日(金) 夢の話と小さな約束


 会う時までに出かける場所を考えておくと前日の電話で話していた彼。

 予報通り、雲一つない青空が広がる爽やかなお天気だったので、

 郊外のフラワーガーデンへ連れて行ってくれました。

 彼は待ち合わせの時間までに、

 以前から二人で話していたフレンチのレストランを予約するために

 電話してくれたそうです。


 「電話は繋がったんだけど、今日は定休日だって。

  しかもだいぶ前から予約をしておかないと駄目みたいだから、

  今度あらかじめ日にちを決めて行こう。」


 「ありがとう。楽しみです。^^」


 「せっかくだから紅葉が綺麗に見える頃がいいね。^^」




 それから、私は車の中で明け方に見た夢の話をしました。

 その不思議な夢では数十人の女性と彼と私がパーティに出席していて、

 食事をしながらお喋りしているのでした。

 パーティに出席している女性は皆、彼の元カノのことを知っていて、

 彼と元カノが以前付き合っていたこと、

 彼と私が今付き合っていることは全く知らずに

 元カノの話題で話が弾んでいました。

 そして、彼女達は私達の前で元カノは彼のことをこんな風に言っていた

 と無邪気に話を始めるのでした。

 その話の中身はうろ覚えなのですが、

 私は夢の中で間接的に聞く元カノの話の内容に嫉妬していました。

 私が運転席の彼にこの夢の話をすると、彼は楽しそうに笑いました。


 「私だけに見せていると思ったTさんのプライベートな部分を

  元カノにも見せていたと分かって、悲しい気分になったんです。」


 彼は面白がって私の話を聞いていました。


 「それでね、そのパーティの中で何故かパネルが出てくるんですよ!

  で、メロディが鳴ってパネルがひっくり返ったら、

  元カノの写真が出て来たんです!」


 「で、どうだったの?(笑)」


 「元カノって細面でしょ?」


 「ああ、細面だな。」


 「やっぱり。で、髪がストレートで長くないですか?」


 彼は助手席の私を見ると、


 「理沙子と同じ位の髪の長さだよ。」


 と言いました。

 私の髪は肩にかかる位のセミロングです。


 「それで、美人だった。(笑)

  元カノ、美人でしたか?」


 「いやぁ、そういうジャンルには属さないな。

  普通だよ。」


 「そういうジャンルって…。

  私は別れたらどんなジャンルの人って言われちゃうんだろう。^^;

  とにかく、夢の中のTさんの元カノは、

  細面で髪がストレートで長くて美人だったんですよね。」




↑エンピツ投票ボタン
 「また今度、あの夢の続きが見られたらね。^^

  でも、夢に見るほど彼女に思われてるって嬉しいでしょ?」


 「それはその夢によるよ。(笑)」


 実は彼の夢を見たのは今回で二度目。

 一番最初の夢は彼のオフィスで彼に強引に迫られる夢でした。(笑)

 私は以前彼にその夢の話をしていました。


 「夢の中でTさんは凄く強引だったんですよ。

  本当に困ってしまいました。^^」


 「おい、俺じゃないだろう。

  自分の願望だろう。それは。

  全く理沙子はいやらしいんだから。(笑)」


 「私は最後まで拒んでいたから、私の願望じゃないと思います。^^

  それに何故かオフィスに畳のスペースがあるんですよね。」


 「俺のオフィスに畳はないから。^^」




 お喋りしたり、音楽を聴いたりしているうちに、

 彼の車がフラワーガーデンに着きました。

 私達はそこに併設されているレストランで、

 ビュッフェのランチを頂きました。

 食事の後、私達はレストランのバルコニーから眺めた

 美しい英国風のガーデンを散歩しました。

 私の携帯電話のデータボックスの中は

 彼が今まで連れて行ってくれた場所の美しい景色の画像でいっぱいです。




 「理沙子は花を見たりするのが好きなの?」


 「はい、好きです。^^」


 「じゃあ、もう一つ色々な花が見られる庭園があるから、

  今度そこへ行こう。^^」


 「嬉しい。楽しみ。^^」


 彼は時々約束をしてくれます。

 それは、こういう庭園の話だったり、来月の旅行の話だったり、

 来年の春の桜の話だったりします。

 
 「ずっと一緒にいようなんて俺は言えない。」


 と彼は以前私に言ったけれど、

 私には普段の小さな約束だけで十分です。

 まだ実現していない幾つかの約束のことを思うだけで、

 これからも彼と付き合っていくことが楽しみになります。


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理沙子

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