こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年03月29日(日) ほんの10分間のデート


 前回のデートで私が観るために彼が選んでくれた2本のDVDを

 彼のバッグの中に忘れてきてしまったので、

 昨日、私の仕事先まで彼が持って来てくれました。

 彼の車に乗り込むと、彼はDVDを私に渡して、


 「さぁ、どこへ行けばいい?」


 と明るく言いました。

 彼はその後、弟さんに会う約束をしていました。


 「どこって?」


 「家まで送ってあげるよ。

  どこか連れてってくれるんじゃないかって

  期待してるだろうけど。(笑)」


 「えっ、私期待しているように見えますか?(笑)」




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 それから、車の中でイタリア映画の話をしました。

 もし上映中の良い映画があったら、

 今度のデートで観に行こうかという話もしました。

 車はあっという間に家に着いてしまったけれど、

 ほんの10分ほど彼の笑顔に会えて話をしただけで、

 元気になっている私に気付きました。



2009年03月26日(木) 春浅い日のデート


 先日の電話で、


 「俺に任せてくれる?」


 と彼が言っていた言葉の意味がわかりました。

 彼は今はほとんど使っていないというDVDプレーヤーを

 デートの時に持って来てくれました。




 抱き合った後、大きなシーツ一枚を二人で纏い、

 彼に後ろから抱き締められながら映画を観ました。

 それはモノローグの多い単調なイギリス映画だったので、

 私が前半、彼が後半眠ってしまい、

 映画が終わった後に二人でストーリーを繋ぎ合わせました。^^




 シャワーを浴びた後、

 前から彼が行ってみたいと言っていた

 ワインと中国料理のお店へ行きました。

 お料理、サービス、雰囲気、どれをとっても素敵なお店で、

 オープンしてからちょうど一年ということでした。

 私達のお付き合いももうすぐ半年になるということで、

 二人でグラスを合わせて乾杯しました。




 お店を出ると、春の初めとはいえ夜の空気は冷たく、

 私は小さく身震いしました。

 彼は着ていたバーバリーのコートを脱いで私に着せました。


 「いいの?」


 「俺は寒くないから。」


 巻いていたマフラーも外して、私の首に巻いてくれました。




 お部屋に戻ると、彼はすぐにバスタブにお湯を溜めました。

 彼は素早く服を脱いでバスルームへ行くと、

 
 「理沙子、一緒に入ろう?」


 と大きな声で私を呼びました。

 私がバスルームのドアを開けると、彼は既にバスタブの中。

 私の表情を見て恥ずかしがっているのを察知したのでしょう。

 それ以上は誘わずに、


 「後で入れよ。あったかくて気持ちいいから。^^」


 と言いました。




 彼の後に私がバスルームを使って出て来ると、

 彼はベッドの中でテレビを見ていました。

 私がその日のデートで美味しいものを食べ過ぎたことを気にしていたら、


 「じゃあ、運動しよう。」


 と彼が言いました。




 もう一度愛し合った後、

 彼の腕枕でいつものようにお喋り。

 私の仕事の研修の話をしていたら、私の肩をぎゅっと抱き締めて、


 「これも研修みたいなもんだね。」


 と彼が言いました。

 私が彼と同時にいけるようになるための研修なんだそうです。

 それから、優しい声で




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 と言いました。

 恥ずかしいと言葉にするのは許すけれど、

 体は抵抗しないでと彼に言われました。




 「来週は体調が悪いと思うから会わない方がいいかな?」


 と私が言ったら、


 「会わなくて理沙子は我慢出来るの?」


 と彼がちょっぴり意地悪な口調で言いました。




 帰り際、メールが苦手な彼に


 「私がメールしたら、時間がある時は電話くれますか?」


 と聞いたら、


 「いいよ。」


 と言ってくれました。そして、


 「家に着いたらメールしなさい。」


 と言いました。




 ロビーへ下りるシースルーエレベーターの中で、

 ほんの数分間、彼が私の手をぎゅっと握りました。

 幸せな時間を過ごす度に、これ以上欲張りになってはいけないと

 自分を諭すもう一人の私がいました。



2009年03月23日(月) おまけ


 男の人にとってはセックスのおまけが恋で、

 女にとっては恋のおまけがセックスという話を聞いたことがあります。



 今日彼と久しぶりに電話で話していて今度のデートの話になりました。

 先週電話で話した時、

 彼は今度はお部屋でスペイン映画でも観ようかと言っていました。

 でも、今日の彼は


 「先週行ったシティホテルにまた行こうか?」


 と私に尋ねました。


 「でも、シティホテルだとDVDが観られないでしょう。」


 「実際映画を観る時間なんてないでしょ。^^」


 そう言われて返事に困る私。

 映画を観る時間があるかどうかは、

 私達がどれだけ時間をかけて愛し合うかによります。

 私にとっては彼と一緒に映画を観る時間も大好きだから、

 その時間を優先する日があってもいいと思うのです。

 でも、彼は私とくっついている時間を最優先したいと考える人だから、




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 聞かれるまでもなく、

 いつもデートプランニングは彼にお任せ状態ですが…。



 優秀なデートプランナーの彼のことだから、

 きっと私には思い付かないようなアイデアがあるのでしょう。^^



2009年03月22日(日) 一番大切なのは


 彼から何の連絡も無い日は彼が忙しいことを意味するから、

 私からもなるべくメールはしないようにしています。

 彼と付き合い始めてから、

 彼の負担になるような感情の吐露は出来るだけ避けるようにしています。

 それでも、彼は私が時々見せる小さな不安や寂しさに

 気付いているようでした。

 そんな私のネガティブな感情が積み重ならないうちに

 私達は抱き合い、沢山の言葉を交わし合って、

 半年間の小さな危機を乗り越えてきました。



 彼と数人の女友達との付き合いを見ていると、

 彼といつまでも良い関係でいられる方法は

 彼の親友になることのように思えます。

 彼はスペインに住んでいた頃の女友達と今でも親交があります。

 帰国後、東京に住んでいる彼女は、

 毎年パートナーと共に彼を訪ねて来るし、一緒にゴルフをしています。

 スペイン在住の時のスイス人の恋人も

 一度はるばる日本に彼に会いに来たことがあるそうです。

 彼の話を聞いていると彼は彼女達を気の合う同志と認め、

 彼女達の人格や能力を尊敬していることがわかります。

 彼自身はあまり意識していないけれど、

 男女の垣根を越えて信頼や友情を築けるのは、

 彼の日本人離れした資質の一つのように思えます。



 私が彼女達と違うのは、私は彼の現在の恋人だということ。

 彼は会う度に私を女として求めます。

 それでも、もし私が人として彼を失望させるようなことがあれば、

 彼との関係は修復不可能となるでしょう。



 私がかつてあの人に


 「自分の彼女が他の人とも同時に付き合っていたらどう思う?」


 と聞いた時、あの人の答えは


 「俺にわからない所でしてくれるなら構わない。」


 というものでした。

 同じ質問を今の彼にしてみた時、彼は




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 と言いました。

 つまり、そういう相手には深入りしないということなのでしょう。

 彼は恋愛において大事なのは

 相手の気持ちよりも自分の気持ちだと話していました。

 自分の知らない所でなら相手が何をしようが構わないというのは

 相手の気持ちを優先させる考え方なので、

 自分には当てはまらないとも言いました。

 私達が別れるような原因は

 今の自分の気持ちには全く見当たらないと彼は言います。

 彼が重視するのは彼が今私を好きだということ、

 私と一緒に楽しい時間を過ごしたいということなのだと思います。



 一つ前の恋では

 自分の気持ちよりも相手の気持ちばかりが常に気になっていました。

 あの人の気持ちがどこか他にあるのではないか、

 既に私との付き合いに飽きてしまったのではないか、

 そんな猜疑心ばかりが大きくなって、

 あの人と一緒にいる時ですら楽しめない自分がいました。



 今の彼がそうであるように、

 私も自分の気持ちを大切にしたいと思います。

 彼を好きだという気持ち。

 リスペクトする気持ち。

 信頼する気持ち。

 一緒にいて楽しいと感じる気持ち。

 それらの気持ちを大切にしていれば、

 夢見る頃を過ぎても私は彼とずっと一緒にいられる気がするから。



2009年03月20日(金) ずっと一緒にいたい


 彼と二度目の美術館デートをしました。

 後から聞いたのだけれど、

 彼は私とのデートのために仕事の予定を変更してくれたそうです。

 本当は月曜日の電話で彼から会う日を変更したいと言われて

 一度は別な日に会うことに決めたのだけれど、

 その日にすると私が遅い時間からしか会えないことを知って、

 彼が仕事の日程を調整してくれたのです。

 これだけ頻繁に会っているのに、

 彼がそれだけ私と会う時間を大切にしてくれているということに

 少し驚きました。

 お互いに会いたいと口に出すことはほとんど無いけれど、

 出来るだけ長い間一緒にいたいと思う気持ちは二人とも同じようです。
 


 私達は彼が借りてくれた音声ガイドを片手に、

 展示されている作品を一つ一つゆっくりと観ました。

 彼は人物画よりも風景画や静物画が好きです。

 彼自身も家に幾つかの絵画を持っています。

 
 「理沙子、こっちに来て。」


 私達はそれぞれ思いのままに絵を観ていましたが、

 題材は似通っているけれど、対照的な二つの静物画を前にして、

 彼が私の名前を呼びました。


 「理沙子はどっちの作品が好き?」


 「私はこっち。」


 どちらもテーブルの上に幾つかの果物が置かれている油絵でした。

 私は水彩画のように淡く優しい色合いの作品ではなく、

 何重にもずっしりと色が重ねられて深い陰影を見せている

 作品の方を指しました。


 「俺もこっちの方が好きだ。」


 私達の好みはここでも一致していました。



 中国料理のレストランでランチをしてから、

 車で彼が予約してくれたシティホテルへ向かいました。


 「夜はイタリアンにしようか?」


 途中、私達のお気に入りのイタリアンのお店に立ち寄って、

 彼がカウンターの端っこの席を予約してくれました。


 
 前回会った時はあまり時間が無くて、

 ただ抱き合うためだけのようなデートでした。

 この日は美術館で素晴らしい絵を観て、

 美味しいランチを頂きながら沢山お喋りをして、

 その後で彼に抱かれるという時間と気持ちのゆとりが

 私に豊かな快感をもたらしました。



 夜、イタリアンのお店で赤ワインを飲みながら、

 美味しいアーティチョークとソーセージのピッツァと

 メバルのアクアパッツァを頂きました。

 私が初めてのアクアパッツァに思いっきり感動していたら、


 「俺、理沙子の喜んでる顔見ると、凄く嬉しいんだ。^^」

 
 と彼が満面の笑みで言いました。



 午前中彼にピックアップしてもらった車の中で、

 先日ダンスのクラスで友達に3つ褒められたという話をしたら、

 
 「俺も後で3つ褒めてやるよ。」


 と彼が言いました。

 そのことを思い出して、


 「やっぱり、理沙子の一番いい所は何でもよく食べる所だろ。^^」


 と彼が言いました。


 「ん、それだけ?^^」


 「いっぱいあるけど…。」




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 と何度も言ってくれました。



 彼は携帯電話のカレンダーを私に見せて、

 5月か6月の末に私と旅行出来るかもしれないと言いました。

 私は大喜びして彼に抱きつきました。

 
 「ほんと?嬉しい!

  ありがとう!!」


 「まだ行ってないだろうが。お礼は後でいいから。^^」


 彼と旅行だなんて夢みたいな話だと思っていたけれど、

 近いうちに実現しそうです。



 イタリアンのお店を出て、私達はほろ酔い気分でホテルに戻りました。

 彼が先にシャワーを浴びました。

 裸のままシャワーブースから出てきた彼が、

  
 「理沙子、背中拭いて。」


 と私にバスタオルを渡し、背を向けたので、

 彼の広い背中を拭きました。


 「他の所も拭きたい。(笑)」


 「そこまで言うなら拭いてもらおうか。^^」


 彼がこちらを向いたので、彼の厚い胸を拭きました。

 それから、彼の足元にしゃがんで彼のジュニアを拭きました。


 「恥ずかしい…。」


 全裸の彼に私だけが服を着たままそうしている行為が

 ひどく恥ずかしく思えました。

 既に硬くなっているそれを私は口に含み、フェラしました。 



 それから二人でベッドに入って抱き合いました。

 終わった後、


 「死ぬかと思った。理沙子に殺される。^^」


 と彼が言いました。


 「まるで私が襲ったみたい。^^;」


 「理沙子に襲われた。^^」


 「ひどい…。襲ってるのはいつもそっちじゃない。」


 何だか悲しくなって少し涙声になりました。

 彼は私の様子に気がつくと、私をそっと抱き寄せ、


 「冗談だよ。

  面白いから、からかってるんだよ。^^」


 と言いました。


 「前の彼とのトラウマなの。

  私が無理させてTさんも具合が悪くなったらどうしようって。」


 「前のことなんてもうどうだっていいじゃないか。

  俺はそんなんじゃないから大丈夫だよ。」


 「でも、私の方がずっと年下だし、無理させたらと思うと…。」


 「大丈夫。

  理沙子は襲われたいの?^^」


 「ん?」


 「襲われたいの?襲いたいの?」


 「私は…襲われたい方。

  でも、どっちもかな。」


 それから、二人で笑いました。



 お互いに時間を調整して午前中からずっと一緒にいたのに、

 あっという間に一日が過ぎてしまいました。

 帰ってからメールをすると、彼からすぐに返信。

 彼は既に愛犬の岳と一緒にベッドの中でした。

 今日も楽しかった、また来週と書かれていました。



2009年03月16日(月) 喧嘩未遂


 彼と繋がっている時、

 「好き?」と聞いたら、「大好き。」と答えてくれた彼。

 終わってから「好き?」と聞いたら、




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 「付き合い始めの頃、

  割り切った大人の付き合いをしたいって言ってたでしょ。」


 彼が不機嫌になるのを知りつつ、続ける私。


 「あの時は強がってたんだ。」


 「Tさんは私と別れたとしても、割り切れますか?」


 「それは、分からない。」


 「欲しい言葉を引き出したとしても

  駄目になってしまうこともあるのだから、

  求めても仕方ないね…。」


 納得と落胆半々の気持ちで私は静かに目を閉じました。




 目が覚めたのは12時過ぎ。

 彼は隣で眠っていました。

 彼を起こしてしまうと家まで車で送ってもらうことになるから、

 そのまま静かにバスルームへ行きました。

 シャワーを浴びて部屋に戻ると、彼が目を覚まして言いました。


 「もう帰るか?」


 「私一人でタクシーで帰るから大丈夫です。」


 「そんなの可笑しいだろ。

  俺もすぐ着替えるから。」


 「いいですよ。寝ていて下さい。

  割り切った関係なんだから一人で平気。」


 「喧嘩売ってんのか?」


 静かな怒りを含んだ彼の冷静な声を聞いて、

 私は返す言葉を失いました。




 それから彼はあっという間に着替えて、

 先に車を出しておくから支度が済んだらおいでと言って

 部屋を出て行きました。

 しばらくして携帯電話に彼から着信。


 「テーブルの上の栗羊羹、持って来いよ。

  あと、DVD一旦返しておくよ。同じのまた借りてやるから。」


 栗羊羹は私が食べてみたいと言っていた有名なお店のものを

 彼がデパートで買って来てくれたのでした。

 DVDは彼が一週間レンタルして、先日二人で観たものでした。

 素敵なフランス映画だったから私がもう一度観たいと言ったのでした。

 ホテルに向かう車の中の会話では

 私が持ち帰って次のデートで返すと言っていたのに、

 彼は次に会う約束が面倒になったのかなと思いました。


 「返却日までにまた会えるならその日まで観ておくけど。

  木曜日までに返せばいいのでしょう?」


 彼は次のデートの約束をしてくれました。

 二人で行きたいと話していた美術展があるのです。



 帰り際、車の中で小さなキスを二つしました。

 またすぐに会えるのに少し切ない味がしました。



2009年03月13日(金) 彼の真の恋人


 彼に会えば、たちまち小さな不安など解消されてしまう不思議。

 イタリアンレストランのカウンターに並んで座り、

 赤ワインを飲みながら彼とお喋り。


 「理沙子のいい所は何でも良く食べる所だって、

  Tさんの褒め言葉っていつもそればっかり。」


 「もっと褒めて欲しい?^^」


 「だって、それしか褒める所無いみたいなんだもの。^^」


 「他にもあるよ。」


 「ほんと?^^」


 「全部だよ。」


 思わず嬉しくなる私。


 「でなきゃ、こうして一緒にいないだろう?」


 改めてそう言われてドキドキしてしまいました。


 「初めの頃、理沙子も俺のこと好きにならないようにしてるって

  言ってただろうが。」


 「うん、好きにならないように頑張ってたの。

  でもある時点からもう諦めました。(笑)」


 「ある時って?」


 「ん…結構最近です。」


 「美味しいもんをたらふく食べた時だろう?(笑)」


 「あはは…。

  えっとね…。この前初めてお泊りした時。」


 「あのホテルが気に入ったのか?^^」


 「あの時、凄く楽しかったから。」


 「で、俺を好きになったの?^^」


 こういう時の彼は自信満々に見えて、何故か悔しくなるのです。


 「うん、だからもうお泊りはしません。」


 彼は何も言わず私を見て笑っています。


 「でも、やっぱりしたい!^^」


 「どっちなんだよ。(笑)」




 それから、今から言っておくけど…と前置きして、

 来月以降に入っているゴルフの予定を教えてくれました。

 彼はわざわざ2人の女性の友達からの

 ゴルフの誘いのメールを見せてくれました。

 2人とも既に何度も彼の話題に出てきている女性です。




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 「前にも言ったと思うけど、

  シーズンが来たら俺はゴルフが第一だから。

  やましいことは一切無し。(笑)」


 「ゴルフが恋人なのね。^^」


 「そう。^^」


 「メールまで見せてくれたのは私が焼餅を焼くと思ったから?」


 「うん、焼餅焼くだろう?^^」


 「焼餅は隠してるつもりだったんだけどなぁ…。

  焼餅焼きって嫌われるから。

  どうして私が焼餅焼いてるってわかるんですか?^^」


 「時々寂しそうな顔をするから。」


 「私ってそんな顔してるんですね…。

  でも、怒るよりは寂しがる方がいいでしょ?^^」


 「それは、そうだな。^^」




 恐らく彼は今までの経験から女心というものを熟知しているのだと

 思いました。

 だからあの人にとってはかなり厄介だった私の焼餅も

 難なく封じることが出来るのでしょう。

 彼は私が彼にぞっこんだと思い込んでいるうぬぼれ屋さんです。

 女心を自由に操作できるのも経営者の資質によるものでしょうか。




 以前彼が言っていた言葉を思い出しました。

 
 「自分には人に対して冷たい部分があって、それが嫌いだ。」と。

 
 彼が見せてくれるありったけの温かさの裏にある冷たさに

 私が気付かなくなってしまったのは、

 私の瞳に恋というフィルターが

 かかってしまったからなのかも知れません。

 だとしたら、それは喜ぶべきこと?

 それとも悲しむべきことなのでしょうか?



2009年03月11日(水) 連絡のない日


 昨日は一日、彼から何の連絡もありませんでした。

 こういう日は別に何も珍しくありません。

 朝、私から一通メールを送ったけれど、

 特別急ぎの用事でも無かったから、

 返事が無いのも彼にとっては普通のこと。



 ただ一つ言えることは、

 私は彼の全てのスケジュールを把握しているわけではないということ。

 旅行とか出張とか泊まりの時には

 彼は誰といつ、何処へ行くのか教えてくれるけれど、

 ウイークデイの彼の夜の行動はほとんど何も知らないのです。

 あの人と付き合っていた時は

 あの人が他の女性と二人で食事したり、

 飲みに行ったりすることは嫌だと思っていたけれど、

 彼の場合、それは仕方が無いことだと思っています。

 彼には私と知り合う前からの女友達が何人もいることを知っているし、

 仕事柄そういう付き合いが必要なこともあると理解出来るから。




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 ただ、彼に私以外にたまに会う別な女性がいたとしても、

 何も不思議はないような気がするのです。



 一般的に彼の年齢を考えれば、

 同時進行で複数の女性の相手をするということは、

 肉体的にも精神的にも負担が大き過ぎると思えるのだけれど、

 彼のバイタリティと経済力を思えば

 決して不可能なことではないと思うからです。



 不思議なことに

 他の女性を抱く彼を想像しようとしても上手く想像出来ず、

 はっきりとした嫉妬心が浮かばないのでした。

 もしかしたら、たとえ彼にそういう相手がいたとしても、

 ただその行為だけで私は彼女に嫉妬することは無いかもしれません。

 

 私の冷たい手をギュッと握るその手の温もりや

 夢中になって話をしている時の熱い眼差しや

 私の中で果てた後もずっと抱き締めていてくれる日焼けした腕が

 私だけのものでは無いと分かった時、

 私は初めてもう1人の彼の女に嫉妬することになるのでしょう。 



2009年03月10日(火) 相性


 先日のデートで持ち帰ったDVD2本を週末に家で観ました。

 その中の『赤い風船』という50年代のフランス映画に感動して、

 昨日の朝、彼に映画の感想をメールで送ったら、

 お昼休みに携帯電話に彼から着信。

 
 「映画良かっただろう?」


 「はい。久しぶりにいい映画を観た気がしました。^^」


 「やっぱり、ハリウッドものより

  フランス映画の方がいいだろうが?^^」


 しばらく映画の話をした後に、今度のデートの話になりました。

 私が今度会う予定になっている日は体調が悪いかもしれないと

 彼に告げました。

 ちょうどルナに当たりそうだからです。




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 彼はすぐにその意味を理解して、

 
 「いいよ。今週末は俺も空いてるから。^^」


 と言ってくれました。



 たとえ抱き合えなくても彼には会いたいと思うのです。

 彼と一緒に食事をしたり、映画を観たり、飲みに行ったりすることは

 とても楽しいことだから。

 でも会えばきっとキスしたり、触れ合ったりしてしまうに違いないから、

 その日はもどかしい気持ちのまま別れることになるでしょう。

 ルナが終わる頃に今度は彼に抱かれるために会いたいと思う私の気持ち

 を彼はすぐに理解し、受けとめてくれました。



 欲望を素直に伝えることが出来るのは

 彼のオープンな性格のせいなのか、

 彼にも強く求められていることを知っているからなのかは分かりません。

 でも、男と女の欲望の量が釣り合わなくなれば、

 明らかに関係がぎくしゃくすることは一つ前の恋で学習済みです。



 相性とは欲望も含めての全てのバランスだと思うのです。

 日々のメールの量や電話の回数、

 食事やお酒のスタイルや嗜好、

 会話の量や速度や内容、

 金銭感覚や友達との付き合い方、

 あらゆる部分での二人の好みや考え方が似ているほど、

 相性が良いということになるのではないでしょうか。

 男と女の相性は第一印象で分かることもあれば、

 長く付き合ってみないと分からないこともあります。

 馴れ合うことによって次第に良くなることもあれば、

 馴れ合いが進むにつれて悪くなることもあります。

 彼と私の相性も

 もう少し一緒に過ごしてみなければ分からないでしょう。



2009年03月06日(金) ピクニックみたいなランチ


 お昼少し前に彼が車で迎えに来てくれました。

 途中、ベルギー料理のお店で彼絶賛のローストチキンを一羽、

 デパ地下のベーカリーで焼きたてのバケットを一本、

 コンビニでビールとチューハイとミネラルウォーターを調達。

 それから、映画のDVDを2本レンタルして、

 露天風呂のあるラブホへ向かいました。



 彼が運良く空いていた檜の露天風呂付きのお部屋を選んで、

 お昼から6時過ぎまでのんびり二人きりで過ごしました。



 お風呂から上がると、

 彼はテーブルの上でバケットを適当な大きさに切り、

 食欲をそそる香ばしい匂いがする大きな若鶏を器用にさばき始めました。

 私が手伝おうとすると、


 「駄目、これは男の仕事だから。」


 と言って、私の目の前のお皿にさばいた肉を次々とのせていきます。


 「美味しい〜!!」


 「だろう?

  俺が美味しくないもんなんか食べさせたことないだろ。」


 暖房のよく効いたお部屋で、

 お風呂上りの彼が汗をかきながら豪快に若鶏をさばいている様子は

 いつになく男っぽく見えます。

 二人でよく食べ、よく飲み、沢山お喋りして、

 あっという間に一羽のローストチキンを平らげてしまいました。



 ピクニックみたいな楽しいランチの後、

 黒のキャミとショーツを脱がされて彼に抱かれました。

 彼とのセックスは全体力を搾り取られるかのような持久戦です。

 一回戦の後、私達はそのまま疲れて眠ってしまいました。



 目覚めた時、彼が私の髪を撫でながら言いました。




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 最近、彼にベッドの中で


 「理沙子が感じると、俺ももっと感じるんだよ。」


 と言われます。

 男の人としてごく普通の感情だということは知っているけれど、

 それを抱き合っている時に囁いてくれる人は彼が初めてです。



 お昼寝の後、もう一度抱き合って、

 それから露天風呂でお喋りしていたら、

 借りてきたDVDを観る時間がなくなってしまいました。

 
 「あっという間に時間が過ぎちゃう…。

  映画も観たかったなぁ。」


 「一週間レンタルしてるから、持って帰っていいよ。

  今度会う時に持って来ればいいから。」



 ホテルを出てから、

 彼のお気に入りのふぐのお店に連れて行ってくれました。

 GWの話が出たので私が旅行に行きたいという話をすると、


 「GWは会うことは出来るけど、旅行は無理。

  だけど、旅行は絶対絶対連れて行くから。」


 と約束してくれました。^^



 元カノとは何度か旅行に出かけたそうです。

 彼が元カノと別れたのは2年前で、4年近いお付き合いだったそうです。

 その後2年間、彼には特定の相手はいなかったとのこと。


 「私と付き合うと長くなりますよ。^^」


 「理沙子は嫌なの?」


 「ううん…。あのね…。」


 と言いかけて言葉を飲み込みました。

 本当は彼の最後の女になれたらいいなと言いたかったのだけれど、

 それを口にしたら重く聞こえるような気がしたのです。



 二人の旅行がいつになるか分からないけれど、

 もしかしたらそれはずっと先の方がいいのかもしれません。

 実現していない約束が多ければ多いほど、

 私達はずっと長く一緒にいられるような気がするから。



2009年03月03日(火) 名前を呼んで


 まだ私達が友達だった頃に、


  早く『さん』を外して名前を呼びたい。^^


 と彼からのメールに書かれていました。

 その頃、私達はまだ手を繋いだことすらなかったから、

 私は彼のその言葉に躊躇して、


  親しくなっても『さん』付けで呼ばれたいです。^^


 と返信しました。



 最近になって、私は彼の名前をよく呼ぶけれど、

 彼から名前を呼ばれたことがほとんど無いことに気付きました。

 デート前、彼と電話でこんな話をしました。


 「Tさんは私の名前呼んでくれないですね〜。

  もしかしたら、私が『さん』付けで呼んでなんて言ったからですか?」


 「ピンポン!当たり!!(笑)」


 「やっぱり、そうだったんですね。」




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 「あはは、そうですね。^^」


 「今までは何て呼ばれてたの?」


 「同性の友達にはわりと名前に『さん』付けって多いですよ。

  学生の頃は呼捨てかなぁ。

  これからはTさんも呼捨てで呼んで下さい。」


 「わかったよ。理沙子!」


 「何だか嫌だぁ。その言い方。

  もっと、囁いて〜。(笑)」


 「じゃあ、理沙ちゃん。^^」


 「馴染むまではそっちの方がいいかな。^^」



 そんな会話があった後のこの前のデート。

 彼は何度か私を呼捨てで呼んでくれました。

 ベッドで彼に名前を囁かれると、ぐんと快感が増します。^^



2009年03月02日(月) サンクチュアリ


 久しぶりのドライブデート。

 約束どおり、湖のサンクチュアリに連れて行ってくれました。

 湖のほとりでは沢山の大白鳥や真雁達の姿を見ることが出来ました。

 それからログハウスのようなネイチャーセンターを訪ね、

 鳥の渡りやラムサール条約について書かれた展示物、

 地域の子供達によって描かれた水鳥達の絵などを見ました。



 ネイチャーセンターを出てから、

 釜焼きピッツァが美味しいと評判のイタリアンのお店へ向かいました。

 既に彼がテーブルも限定数のピッツァも予約してくれていたので、

 空腹の私達は焼きたての美味しいマルゲリータを頂くことが出来ました。



 車の中で、私が冗談まじりに


 「死ぬまであと100回しかセックス出来ないとしたら、

  1人の女の人と100回するのと、100人の女の人とするのと

  どっちがいいですか?^^」


 と聞いてみたら、


 「100人とする方。(笑)」


 とあっけらかんと彼が答えました。

 普通男性は女性100人としたいと答え、

 女性は好きな人と100回と答えるのだそうです。

 これはあくまで言葉の遊びだし、彼の回答は予想内のものだったので、

 私がそのまま黙っていると、


 「どうしたの?今の回答ショックだった?^^」


 などと運転席から私の顔色をうかがっている彼。

 可笑しいので少し拗ねているふりをしてみたら、




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 などと私のご機嫌を取り始めます。


 「100人って美人100人を想像したでしょ?^^」


 「そりゃ、そうだよ。

  アトランダムに100人だったら、

  最終的には3人ぐらいになるだろうな…。」


 などと真面目とも冗談ともつかない回答をしていました。^^



 市内に戻ったのは3時頃でした。

 彼がイタリアンレストランで携帯電話から予約した

 シティホテルへ行きました。


 前回、彼が初めてシティホテルの予約をしてくれた時に


 「ラブホだと抱き合ってから食事に出かけた後、

  もう一度抱き合いたいと思ってもそういう訳にはいかない。

  シティホテルだと時間を気にせずゆっくり出来るからいい。」


 と言っていました。


 私も彼とラブホを出た後、食事や飲みに出かけると、

 もう一度抱かれたいなと思うことはよくありました。

 でも、毎回そういう名残惜しい気持ちを持ったまま別れることで、

 自分の気持ちにある程度のブレーキをかけているようなところが

 あったのです。

 だから、彼のその言葉を聞いた時、

 私は嬉しいと思う反面、途方に暮れる思いがしました。

 会う度に時間の許す限り彼と抱き合っていたら、

 気持ちも身体も彼を知る前の私にはもう戻れない気がするのです。


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