過去日記倉庫(仮名)
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フリフリおれ的わたし的ベスト2007はこちらより


2007年06月24日(日) 踊る人

日曜日でした。恒例のトランス舞踊ライブだったのですが、私はバイトが休めず欠席。ライブの模様は知り合いのブログアナクロの日記をご参照下さい。亀田君(as)帰ってたんだね。男水入らずの舞台だったのでしょう。楽しそう…

数年前、百名ビーチで県立芸大有志の企画に参加した時のアワの写真を無断転載。ここ最近踊りのみきちゃん(写真左端)と久しぶりに会いました。来年嫁いで大阪に行ってしまうという!ええっ、嫁いじゃうのか〜(涙)おめでたいことではあるけど。うっうっ(泣)

また日曜はライブには出られなかったんですが、家でTVに森山開次が出てるのを見た。TBSの情熱大陸。番組表チェックなどはしてないのでたまたまなんだけどとても嬉しかった。

先日森山さん見たさに乱歩地獄とか借りて(笑)うわぁどれが森山さんなの???なんてわからずがっかりしたりしてた。最初の作品火星の運河なんだけど、誰が誰だかわからないカット割でふざけんなと思いました。いや、PVみたいでかっこよかったんだけど(アイスランドロケの緑の沼の色がとてもきれい)森山さんが見たかったわけよ。踊ってないしな〜(馬鹿)ナイスの森とかも見るべきなのかなあ。(茶の味はDVDも持ってる)興味ないなあ。

この映画は音楽はすごいよかったんだけど、半端ないエログロさで見るのがつらかった。今エログロ求めてないからなあ。痛いの嫌いだし。特に芋虫は筋書きのグロさに映像のエロさに音楽の渋さ(大友良英担当。ドローン系でシンバルの弓奏の音とか入っててしびれました)と盛りだくさんですばらしいと思いました。しかし人にはすすめないなあ。もういっかいも見れないし。おえ。

情熱大陸はもうかぶりつきで見てたんだけど、30分しかないんだ(涙)短すぎる!イタリアビエンナーレの出演が中心だったんだけど、演目もあれがハイライトなんだろうけど〜きっと他にいろいろいい所があるんだろうなあなんて思えて泣けました。いつか生のライブを、フルサイズ見たいなあ…NHKのからだであそぼも評判だけきいていて見たことが無い。番組で一回分出てて、動物の四肢歩行から上体を起こしてモデルウォークまでの進化の動きが(笑)ワンカットですごい滑らかでうなりました。すげ〜。DVD出てるんだろうなと思ったんだけど出てないのかなあ。カイジくんのうごきだけ見たい〜(笑)。

その作品Velvet Suiteはヴァイオリンとズルナ(トルコのリード楽器)や篳篥等の生演奏がついてて、打楽器が入らない代わりに森山さん自身が床を足で踏み鳴らしたりする。これが中近東というよりも日本の能の呼吸でかっこよかったです。(管楽器担当の笠松泰洋さんのレポはこちら。即興入れてたりするんですね。)短い時間で見た感想は、コンテンポラリーなんだけど地に脚が着いていてわかりやすい感じ。暗黒舞踏の動きとか、ベリーダンスの動きとか、こういうことを言いたいからこう動いてるのかなと伝わりやすい。こういうわかりやすさは好き。

単純にその演目のコンセプトであるだけなのかもしれないんだけど、動物とか人間のいろんな身振りを抽象化しすぎず取り入れて、叙情的な表現にしているのでとっつきやすいんじゃないかと思いました。本人が他人の振り付けで踊りたくない、例えばピース!ていう感情はあるけど、みんながやっている(記号として、振り付けられるものとしての)ピースのサインができない、自分なりに踊るしかないみたいなことを言っていて、本当に自分に素直に動くということをつきつめてるんだなあと思いました。それが踊るってことなのかしら。子供を集めたワークショップで、体を大きく使って自分の名前を空中に書いてみようっていうのはおもしろかったなあ。思わずテレビの前でやりそうだった(笑)。いや、やってみればいいのか。

また踊っていない時の森山さんの印象がとてもおとなしいというか、穏やかな感じで内にこもった感じだったのが印象的。見た目もっと暴れん坊なのかと思ってました(笑)何か質問しても答えがすぐに出てこないで、これしかないかなあと漏らすように答えているのがおもしろかった。森山さんの絵画作品は雑誌DDDで毎回発表されていて、微細に描き込まれたエッチングのようなペン画がすばらしかった。子供の頃から絵を描くのが好きだったというので、こっちの方が長いんだな。

またこれもたまたまなんだけど、メゾンドヒミコ田中泯は見とれた。柴崎コウとのアンサンブルもよかったし。老齢・病気の役なので激しい動きはなかったんだけど、あの目の表情って役作りなのか、柴崎コウに合わせたのか(笑)どっちなんだろう。もっと動いてる所が見たいのでたそがれ清兵衛とか見ようかな。ウミヒコヤマヒコマイヒコが見れたらいちばんいいんだけど。


2007年06月12日(火) ゆれる

北海道より涼しい沖縄です。降るときは降る。梅雨だったなあ…しかも出かけないといけない時に限って大雨。どこでもドアがほしい〜。ていうかどこにも行きたくない。

何枚かDVDを見て、いちばんよかったのがゆれるだった。公開当時話題になってて、いい映画だっていうのはきいていたんだけど、女性監督っていうので敬遠してた。スチール写真が美しく叙情的な感じなので、すごい感傷的なロマンチックな作品なのかなあ、と思い込んでました。主演がオダギリジョーだしね。

でも見てみるもんですね。もともとは音楽担当のカリフラワーズのアルバムをたまたま聴いてて(それもたまたま借りてみただけなんだけど)かなり気に入ったので見ようかなと思った。このバンドおもしろい…きちんとしたJBズマナーのファンク(&ジャズ)と中央線フォークの要素が共存していて、こういうのってありそうでなかったと思うんだけど、そのすっとぼけた感じがすごい好き。この音楽が入ってるんだったらいいかも、と思った。

実際はこの作品はそんなにファンクの曲は入ってなくて、あまり印象に残ってないというのが正直な所。でもエンドロールとか、このボーカルじゃないとなあっていう所はあった。前作の蛇イチゴはもっとファンキーな感じでオープニングからキラーチューンが挿入されてるし(笑・宮迫博之が好きなんで、あの身支度シーンは殆どサービスカットだったなあ)、DVDには特典映像でライブ一曲分入ってます!ので興味持たれた方はぜひ。公式サイト見たらフジロックのオーディション?に応募したとか書いてあったね。意外。まだ出たことなかったんですね。

映画は、直球な(自分としては)文学的な作品でした。最近の邦画では珍しく小ネタでもたれ合う所が無いのに好感を持ちました。何の予備知識も先入観もなく一人で入っていって向かい合うことができるのがよかった。インタビューはこちら。なんかかっこいい批評も拾ったのでリンク。経歴として大学で映画サークルに入ってなくて自主制作の経験が無いっていうのがおもしろかった。一人で写真を撮って脚本を書くのが好きなんだ。そういう人が最初からしっかりしたキャスティングで手堅く作って公開することができるんだなあ。そういう時間をかけるってことも含めての才能か。頑張ってほしいなと思います。

ブログなどで見かける感想ではなんか微妙、兄(香川照之)がキモいっていうのが多かったような気がするんだけど、自分としては兄派(笑)というか香川照之ファンなんで、キモいなんて言わないで〜って感じですね。いやあいいなあ香川さん。TVドラマではよく離婚された旦那役で出てて、そのちょっとしょぼくれた感じがたまらないんですよねー。今回は独身の役で、でも母親がいない家で家事をやったりしてて、畳の間で洗濯物ひろげてたたんでる所とかほだされまくり(笑)あと裁判所で検事に突っ込まれる所とか、弟と話してて逆切れする所とか最高。すっごいノリノリでやってるなっていうのがわかった。

女性にしてはクールでハードボイルドなスタイルだと思うんだけど、やっぱり細かい所で女性らしいなと感じることがあった。弟(オダギリジョー)が実家に帰る所で、ネクタイは黒じゃないけど大丈夫?っていう所とか、被害者の母親の、うちの娘は殺されるような子だったのかな?というようなセリフとか。まあでも見る人によって違うのかなあ。タイミングとか。また時間を置いて見てみようかなと思います。

最後の場面は付け足しとは言えどすばらしい所で、兄が笑った所で救われたんだけど、あそこで一生懸命弟が兄を呼ぶのって100%愛情じゃないよなあ。どこかのブログでうまい感想を書かれてる方がいて、故郷や家族がイノセントであることによって弟は絶対的な優位に立ち得る、そのために弟は兄を庇うんだっていう解釈はありだなと思った。だからこそ思いのまま奪うことができるのであって、離れるからといって縁を切るというようなことは考えられない。

まあでもラストで昔のフィルムを見て涙する所ではピュアな兄弟愛を期待しないわけにはいかないし(笑)。まあ、いろいろ混ざってるんだな、ということにしておく。たまたまちょっと前にアルモドバルのゲイフィルム、バッドエデュケーションを見ていて、これも兄弟とその恋人と恩師・パトロンの愛と駆け引きと騙し合いのドロドロな作品で呆れたんですけど、なんかこう、動物観察みたいな気持ちで見てました。愛って言っても弱肉強食だよなあ。男しか出ないとよけいそれが際立って見えるなと思った。偏見かしら。


2007年06月08日(金) カメジロー沖縄の青春 / 居場所

やさぐれMAXにて全て延滞中卍卍卍 でも沖縄のパンはじゃりじゃりと言われても特に腹が立つことはありません。むしろおおっ、確かにジャリジャリ!と膝を打ちました。餅もじゃりじゃりきなこで食べてたしなあ。(それは普通か)死んだら沖縄に埋葬してほしいとかも特に思わない。どこでもいいな別に。知り合いの日記を読みながら愛郷心について考える今日この頃です。

今日もりうぼうホールでカメジロー沖縄の青春を見る。98年作で津嘉山正種主演、その娘役で仲村清子さんも出てた。導入部で沖縄の戦後史の概略の解説があったり、作品中でも新崎盛暉や当時の関係者のコメントが差し挟まれる形で、映画っていうよりも再現ドラマという感じ。戦後すぐ米軍の銃剣とブルトーザーで土地を奪われる場面で、米軍役・農民役のエキストラの皆さんは頑張ってるんだけど若干ぎこちない感じなのがほほえましかったです。

wikiのページはこちら。人民党事件で2年の実刑後、那覇市長在任中の華々しい時期に焦点が当てられています。私が生まれたのはそれよりずっと後なので、瀬長亀次郎って既に何かのアイコンのような存在という印象でした。作品は瀬長亀次郎議会場や集会場での演説が中心で、ほとんどプロパガンダなんだけど、ああこういう歴史があったなあと思うと懐かしさを感じる(エピソードというよりも雰囲気として)。

最初若者がディアマンテスの追っかけをしてて、その父親(津嘉山の2役)が反戦地主なんだけど、俺も若い頃は追っかけしてたんだという思い出話を始めて、それが瀬長亀次郎の追っかけだったという(笑)。最初はええっ、こじつけだな〜!と思ったんだけど、演説の再現シーンとか実際に追っかけだった元農業青年(萌)の話をきくと、確かにスターだったみたいですね。楽しそう。ロックだなーなんて思ったりして。マルコムXとは言わなくともキング牧師くらいの影響力はあったんだろうな。そういう人が居た沖縄の社会の青春期だったのですね。

この映画がつくられた頃って沖縄はどんな感じだったんだろう。東京に居たのでわからないなあ。東京に居たっていうのは言い訳にもならなくて、たぶん沖縄に居たってわからなかったと思う(笑)空中在住だからな。作品で描かれる50年代から90年代、さらにこれを見た10年後と、そんなに情況は変わっていないんじゃないかなんて気にさせられました。これできた頃、沖大にヘリ墜落するなんて想像できなかったよなあ。

なんて思いながらも、ふらふらと空中にて。沖縄の映画はそんなに見たことないので見なくちゃなあと思った。宮良長包見てないなあ。10数年前東京に出て、在日朝鮮人史を勉強していることがあって、関連する映画を探してよく見ました。当時はあまり公開されることのなかった韓国映画も含めて。記録映画制作にカンパしたりして、それに比べると自分の出身の沖縄映画については積極的に見たとは言えないなあ。今思うと。興味自体ないかもしれない(笑)。

いやいやそんなことないんだけど、やっぱり自分の実在感が薄くてその気が無いのかな。どうせ見ても共感薄いしわかんないし、わざわざお金を払って見るんだったら遠い所の映画が見たいとか(笑・たとえばこれ!!)貧乏くさい感覚があるのかもしれない。足元をきちんと見つめるという真摯な気持ちに欠けているとも言える。沖縄人によるディアスポラ文学って夢見たこともあったけど、映画で言えば高嶺剛かなあ。好きだけど、もっとこれ!ってはまる沖縄映画って見てみたい。外国人が主人公とか。あれ?


2007年06月02日(土) タッチ・ザ・サウンド

タッチ・ザ・サウンドのDVDがレンタルで出ていたので借りてきました。映画館で見たいものだと思っていたのですが沖縄には来なそうですね。いろんな人に見てほしい映画だけどなあ、ていうか子供の頃の私がすごい見たかった映画だこれは(笑)。打楽器がたくさん出てきて萌え萌えなんだけど、それよりも先にギター買って割り箸はさんだり弓弾きを始めてしまったかもしれません。あと巻いた紙を投げるの!へへへ。フレッド・フリス最高…

おかげでずっと前から名前だけ知っていたステップ・アクロス・ザ・ボーダーを俄然見たくなりました。ユーロスペースで特集上映やってたのね。DVD高え…でも買うなあ。あとフレッド・フリスの公式サイト見てて久々にtzadikのCDほしくなりました。マサカーよりもデスアンビエントかなあ…またもうちょっとしたらイクエモリのツアーのDVDが出るみたい。ガムランとセッションとかやるようですよ。すごい見たい。ああ…あとデレク・ベイリーのBalladsの時期に録ったスタンダード集ってすっごい気になる。Balladsも聴いてないくせに!へへへ…

脱線しました。作品は打楽器演奏家のエヴリン・グレニーのツアーや帰省?の風景を追ったロードムービーのような雰囲気があった。旅先でいろんな人たちとセッションをする。最初に出てくるドイツの大きな廃墟(工場)でフレッド・フリス(g)と、NYでは路上で女性タップダンサーやオラシオ・エルナンデス(ds)と、日本では鬼太鼓座とTHISという即興ユニット(vl+p)のセッションがありました。たぶん全部即興なんだけど、演奏は普通というか言語的な音楽的なスタイルです。何か仕掛けるとか変わった技とかはなかった。

楽器も手作りとか改造(笑)したりすることなく、普通の大手メーカーの楽器を使ってるみたいです。シンバルは無かったような気がする。木琴とか、鍵盤のようにタムをたくさん並べて演奏してて、ドラマーとはちょっと感覚が違うのかもしれない。タムをどかどか叩いてもクラッシュが入らないもんな。見てて一番ひかれたのは筒の周りに長さの違う針金をたくさんつけてあるような楽器ですね。その針金を触って鳴らすような感じ。これ名前何て言うんだっけなあ。芳垣安洋さんが持ってたような記憶。またマドラーというか小さな泡だて器みたいのでゴングに触ってシズル音を出していたのに萌えました。あれ何かなあ。あと故郷に帰った時に生家の農場で廃材のでっかい薄い鉄板を持ち上げて曲げたりしてるのがよかったなあ。

もうすれまくっている自分は、正直エヴリンさんの演奏は途中からちょっと飽きていて、一緒にセッションしている人とかSEばっかり聴いてましたね。鬼太鼓座の人が両手でけんだま2つ使ってけっこう速いテンポを刻んでいたのにはびっくりした(笑)。楽器として使っているのだろうか。さらっとすぐに終わっちゃったけど、海辺でサイレンみたいな変わった楽器で音出してる人が気になったのでもっかい見る。またNYの街中でディープルンバなコンガセッションがちらっと流れたけど、あれはやっぱりかっこよくてくらっときましたね。

映像と音(SE)はとてもきれいですごい作りこまれているなと思った。それで飽きてくるというのもあったけど。日本の街中なのに微妙に自分の知ってる音と違うような気がしたのは不思議な感覚でした。自分だけかもしれないけど…とすればNYとか他の場所の音も、実際に行くと違って聞こえるのかもしれないな。佐々木敦の昔のページにメモ代わりにリンク。

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タッチ・ザ・サウンドをもう一回見たけどなんか考えがまとまらず脱線。んー、作品の中でフレッド・フリスがさらに誰かの言葉を引用して、アーティストとは子供の頃の情熱を持ち続けている人のことだと言っていてまさにそうだなと思いました。ちょっと冷たくなっていた者の立場からしみじみ実感しています。

フレッド・フリスのThe Happy End ProblemDrunken Forestを試聴。Drunken Forestは(アマゾン内で)イクエモリとかフレッド・フリスで検索してもヒットしなかったので登録し直す必要があるなと思った。実際に聴いてみるとThe Happy End Problemの方がひかれる。チープな音だし(失礼)ありがちなジャパネスクな雰囲気なんだけど、なんか今時のポストロックみたいな感傷的なのがすてき(はあと)で全部聴いてみたくなるんですよね。ダンスのための作品らしいですが。ああ…でもこのイクエモリの電子音ってまたたびのようにきくのですよ…すっごい好き。こっちもエキゾチックというかアジアンな雰囲気だけど、もっと暗くて湿ってて季節柄はまってる気がする。んーでも買うかなあ。どうしよう。


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