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フリフリおれ的わたし的ベスト2007はこちらより


2007年03月31日(土) 土曜日 / フリージャズナイト at groove

インターネットつながりました。これはこないだの日曜日の歩行者天国の時の写真。こういう所に行き会うと、つい後ろからドラムを観察してしまう。ジャズドラムを始めた頃はどうやってるのかわからなくてドラムばっかり見てた。例えばお祭りの街角ライブみたいなのがあるとすかさずドラム後ろに陣取って舐めるように観察してました。怪しまれてたかもなあ(笑)。

名前は知らないけどこれから売り出す若者のバンドみたいで、演奏はうまかった。イントロが5拍子の曲とかありました。徐々にのってきて、フロントの子が振り向いてドラマーに笑いかけたりして、そういうのを見ててとても楽しかった。またライブが終わった後の顔がいいよね。久しぶりにそういうことを思い出しました。

去年の3月はどうだっけ、と自分の日記の去年のページを読んでてギャビン・ブライヤーズの話がのってて笑ってしまいました。そういう季節なのかしら…こないだまたジョセフホルブルックトリオ聴いてたしな。またDhafer Youssefの新譜のことをすっかり忘れててぐぐってみたら最近アマゾンで買えるようになってて(高い…)びっくりしました。はー、今日タワレコでフェネス坂本のcendreとかArve Henriksenのstrjonとか買わなくてよかった。後者は試聴してHerge Stenの音にしびれて迷いまくったのですが、東京行った時に中古で買おうかな。

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夜はgrooveにてフリージャズナイト。dさんのDJと勢理客オケのがちゃぴん(b)さん、田原幸浩(ts)さんと私(ds)のトリオの演奏ということでした。DJはフリージャズということでしたが、ビッグバンドとごりごりアフリカ系のアーティストが多かったですね。レスター・ボウイのブラスファンタジーからはマイケル・ジャクソンのスリラーが選曲され、ぐだぐだなエンディングに笑ってしまいました

。あとラリー・ヤングのオリエンタルというか盆踊りを踊れそうなおてもやんファンクとかマニアックで楽しませてもらいました…この人、オルガンのコルトレーンとか呼ばれてなかったか。あとエディ・ハリスとか、アトランティック系がよくかかって嬉しかったです。ローランド・カークはかからなかったねえ。ちょっと意外。

邦人では菊池雅章&エルヴィン・ジョーンズのとか高瀬アキ&井野信義(天衣無縫)とか藤井郷子オケなどなど。藤井オケは沖縄メロディを使った曲で、すっごいかっこよかったです。沖縄メロディを使った曲の中で一番かっこいいんじゃねえのとかいう話になる。

ライブはライブというよりはセッションで一時間くらいやったでしょうか。田原さんが熱いアイラー系のサックスということで、先週のライブとも違うアプローチになってましたね。でもなかなか場面転換が難しくてうまく切り替えられない。今回も人に合わせる気0でやりましたので爽快感の発生しないうだうだした演奏になってしまいましたね。がちゃぴんさんがかっこいいリフを繰り出しても合わせない。そういう気分じゃなかったので…終わってから、時間指定して30秒したら強制的に場面を変えるとか3人一緒に音を出さないようにルールを決めてみようとか話したりしました。初めのうちはそういう縛りが必要かもしれませんね。


2007年03月30日(金) 金曜日 / hurtbreak island

今日のBGM。ジャケは冨谷悦子という方のエッチング。前作の酒井駒子も大好きだけどこれもいい。それにしても毎度救いの無いアルバムをつけるよなあ。でも解説通り、ちょっとポジティブになってると確かに感じる。使ってる音は前作とそう変わらないのにね。サックスはやっぱり松本健一さんなのだろうか。音がとても暖かくて泣きそうになる。

いろいろあったのに更新しそこねています。とうとう家のYAHOOBBのモデムの不具合でインターネットがつながらない状態になり、ブツを交換ということに。佐川さん早く来てー。この日は数時間かけてVAIOとYAHOOに電話をかけてサポートしてもらってました。サポートしてもらうのもけっこう疲れるもんです。同業として考えさせられるものがあった。

その前にそもそも休みが今日まで取れなくて余裕がなかったというのが先なのですが。昼にライブやって(安田さん写真ありがとうございます!)夜仕事の日は死にかけたなあ。ぼちぼち潮時なのかしら…いろいろやりたいこともあるのに未だに鼻水まみれだよ。風邪以外のものにかかっていないか心配です。

今日も海に行き、夜だったので写真は撮れませんでした。カメラ買おうかなあ。海ってきれいだけど、どっちかというと見てるというより風に吹かれて音を聴いているんだな。こういう音が出したいんだけど小豆はやっぱり粒が大きすぎるよね、でも米だと小さすぎるというような話をする。あと出したいのは雪を踏む音だけど、自分ではうまくいかなかった。(これはビョークのヴェスパタインでマトモスがやっていて、コンサートのDVDで演奏している所を見ることができる。雪ではないけど白いきれいなものを踏んでる所を。)

結局世界が違う違わないというのは大きな問題ではなく、意志の問題でしかないというのは、ずっと前に同じように話したことがある。その気持ちも同じとしたら、それはとてもつらいことだ。清潔であろうとしてもやっぱり思惑として、勝算があるから賭けているに過ぎない。しかも優しい所につけこんで。まあでも理屈とかポリシーとかそんなものよりとにかくやったもん勝ちなんだなと改めて思う。勝ち負けを考えなくてもいい世界って無いのかな。点を稼ぐんじゃなくて、ただ楽しくありたいだけなんだけど。


2007年03月23日(金) 金曜日

求めるような、予想していたのとは違う形で美しい時間がやってくる。それが即興の醍醐味でしょうか。なかなか楽器をやるように自分を流れにはめ込むことはできないんだけど、楽しい。一緒に居る方も楽しかったらいいのにと思う。風邪ひいてる場合じゃないんだけどな〜。

わらわらと人が集まっている海辺とか、桜餅味?のケーキ(しょっぱいんだよシフォンケーキが)とか、春なんだなあと思う。くじらも来てるし。それにしても、ずいぶん箸の使い方が下手になっていて我ながら驚きました。お恥ずかしい。もっと魚食べないとなあ。

海へ行って帰って、なんとなくタワレコへ。World's End Girlfriendの新譜Hurtbreak Wonderlandが発売日の今日に入ってるはずと期待してたらやっぱり入ってたので購入。Arve Henriksen(tp)の新譜はドラムレスだったのでパスし(入ってたらそのままsupersilentだし、ドラム抜けた所つまんないし…)、いろいろ迷ってなぜかJoanna Newsomの1stと一緒に購入。新しい方のY'sはストリングスが邪魔そうだったし1stフェチなので(笑)買ってみました。

どちらもまだちゃんと聴いてないけどかなりいいです。なんかすごい青臭い気分なのだな。帰り道で乱波洞の石原さんにお会いし、最近始まったセッションシリーズの話を聞く。とても楽しいらしいです。女の人が頑張ってるみたいでいいなと思う。来週水曜日は遅くからガンジー西垣(b)さんとサトウユウコ(p)さんのセッション、しかもピアノではなくローズ!!うぉ、どんなセッションになるんだろう。生のローズって聴いてみたいなあ…でも仕事6日連続で…明後日なんかライブなのに(涙)


2007年03月21日(水) 水曜日 / ハナノユメ

半熟ハムエッグパイが好きです。お疲れで全身がさがさになってて悲しい…ソーキ汁食べてみた。ライブのお手伝いが終わって、そういえば打ち上げに出てもアルコールを一切口にしていなかったということに気づいて愕然としました。愕然としただけですが。感想は後で更新します。

本当にほしいものは地上に無い。それでも走るための楽しいリフにはことかかないものだ。カリフラワーズよいなあ(はあと)。かっこいいR&Bバンドと思いきや、歌詞などで絶妙にふやけた、抜けた感じもあっておもしろいと思いました。ボーカルが塩からい声なんだよな。JBに捧げたというかまんまSexMachineな女わからないという曲がサビが題名そのまま歌ってて笑ってしまいました。映画ゆれるも見てみようかしら。あとはチャットモンチーハナノユメがやっぱり好きだ。薄い紙で指を切って/赤い赤い血が滲む/これっぽちの刃で痛い痛い指の先


2007年03月11日(日) 日曜日(メモ)

これは一昨日のビーフシチュー丼。今日は最後で具があんまり残ってなかったので、上にほうれん草の巣ごもりを乗せロコモコ丼のような感じで食べた。昨夜から寒くなり、今日なんか使い捨てカイロを買い、首の後ろにあててすごした。咳は出なくなってきた。

今日は打楽器祭りで午後からずっとgrooveへ。詳細は後日。ボディパーカッションのワークショップと、その講師の翁長みどりさんを囲んで県内のパーカッショニストを集めてのセッションライブでした。すごかったなあ…コンガを叩いててラテンとかそういうファンキーな音楽ばっかり探して聴いてたのってずいぶん前で、殆ど前世の記憶なんだけど(笑)、かぶりつきで見てるとさすがに血が騒ぎました。

ウッドベースのがちゃぴんさんと相棒のドラマー、かーじゅーさんの他に、コンガ、カホン、ジェンベ等等、狭いステージに3人から客席のゲストが入って5人の時も。ものすごい熱気にあてられました。翁長さんはトーキングドラムやパンデイロの他に名前がわからないけど金属のカスタネットとかシェケレを使って全体を仕切ってました。とてもかっこよかったです。


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Earthの新譜とか、Sunn O)))の国内盤はもちろん買う予定です。ディスクユニオンで、フリーペーパーを入れてもらうために…あっでも時期が遅いのか。何なら高柳昌行の死人でもいい…山崎智之さんのブログを見ていたらEarthの次の新譜にビル・フリゼールがゲストで入っているというので興味をひかれました。リンクされてるSouthern Lordのブログには写真もあるし。うぉ、どんな音楽になるんだろう。ビル・フリゼールとディラン・カールソン、すごい組み合わせと思うけど必然的と思える所もある…これジャズの雑誌でも紹介されるのかしら?

またそのSunn O)))を見に5月に東京に(というか川崎に)行く予定なのですが、ライブの翌日にバーバー富士にもライブが入っているようです…!サックスのミッシェル・ドネダさんのソロ。その次の日のなってるハウスもよさげですが、これは行くしかないでしょう。上尾駅に宿があることもチェック済み。1月に休みとってなくてキャンセルしたわけですが(涙)。今度はちゃんと休みとります…

本当はSunn O)))Borisツアーの初日となる新潟にも行きたい。そこでだけ朝生愛が出るから…まあ、一緒にやったりはしないと思うけど、Sunn O)))の同じステージで朝生愛が歌ってる所を思い浮かべるだけでうっとりしてしまう。しかもそこに石原洋とか栗原ミチオとか入るとなったら!あ〜あ、見たいなあ。でもさすがにそこまで余裕はない感じ。

ここに来てライブやセッションのお誘いがあり、買ってもらっているのは有り難いのですが、それで演奏できるかというと不安だ(おい!)。今一番やりたいのは音楽じゃないからな。。すごく弱い人間で、環境次第でどうにでも感性が変わってしまうのだ。それはそれで、何か新しいものを見つけないとな、と思う。それはたぶん周りの人が求めるものの中にはないんだよなあ。いつもそうだったし。さびしいので人に合わせちゃうんだけど、それだとしょぼいだけだしね。ちゃんと見つけないとだめなんだよな。


2007年03月09日(金) 金曜日 / ドライブ

気温はそんなに低くないんだけど軽くぞくぞくと震えながらの一日。微熱があった。咳もひどくて喉スプレーを買ってぷしゅぷしゅやってたら良くなった。単純。薬を飲んでとてもだるいけど実家に帰ってCDや郵便物を取ってくる。車ではスターズのTodayとBoris栗原ミチオのRainbowをとっかえひっかえ。いやー、このスターズのかっこよさって何なんだろう。ぴしっと鋼の定規で切り取られまくって。石原洋さんのデモーニッシュな歌い方がまたたまらなくいいです。もっとなじって!って感じ(笑)。ライブ見てみたいよな。見に行かないとなあ。

ベスト電器に寄り道し、ぱらちゃん(あざらしゲーム)と遊んで帰宅。しばらく通わないとだめかなあ。ミスドの抹茶ドーナツと金ごまポンデリングを食べてとてもおいしかったのですが、本当はAfternoon Teaの抹茶黒豆パンが食べたかった。上にメレンゲの薄皮が乗ってて泡みたいなのがいいの…明後日食べよう。またもっとみっしり焼けたパウンドケーキとか。うう。夜から乱波洞に行って映画を見る。やはり客の8割方が女性。けっこう詳しくてブラジル音楽好きみたいなお客さんが話してるのに聞き入ってしまった。

映画は短いけどかなり貴重な映像ばかりでおもしろかったです。文字通りディープなブラジルの音楽の入り口をのぞいた感じ。もっともっと見てみたい。とうもろこしをむいたりコーヒー豆をつぶしたりしながら歌う歌がきれいにハモってるのは不思議だったなあ。8月のオリンピア(ブラジル全国芸能祭みたいなイベント)のダイジェストは見ごたえありました。リオのカーニバルみたいな商業的な豪華さはなくて、手作りのお祭り、沖縄のエイサー祭とかビアフェスタみたいな感じなんだけど、いろいろ見れていいなと思いました。

その祭の出し物の中で私がとても気になったのは、渋いサンバとか各地の個性的なリズムのダンスもよかったけど、ペルナンブーコ(北東部)から来た着ぐるみ隊だった。着ぐるみというかはりぼての馬とか謎の人物(これがまたいい感じでしょぼいんだ…)をかぶった奴らがおそろいの振りで踊るわけでもなくうろうろ歩き回り、ときどき見物客を襲ってみたりして、あーこんなのどこでもいるんだなあ(笑)なんて思った。翁長さんの解説によるとペルナンブーコの人形は名物で、地元の祭ではもっとゴージャスなはりぼての人形が披露されるのだとか。おおーそうなのか。音楽が管の入ったどたばたとかわいらしいペルナンブーコの音楽で、とても懐かしかった。よその音楽で懐かしいなんて不思議なんだけど、昔好きでよく聴いていたのでなじんでしまったんだな。


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上映会終わってから帰ったけどPCの空きを待つためにまたちょっとドライブ。久しぶりにMephistaのBlack Narcissusを鑑賞。(アマゾンのページ、ジャケ間違ってるんだけど!!)久しぶりに聴いたけどいいなあ…ピアノ・PowerBook・ドラムのトリオなんだけどほぼ2パーカッションのような感じ。スージー・イバラのドラムとイクエ・モリのSEの合わせ方がおもしろいよね。

スージー・イバラのドラムはあーやっぱりこうするよねという、素直な感じがするというか自分が共感しているだけなんだけど、何か壊したりはねのけたりするような形ではなく、もっと丁寧に手の中に抱えたものを触って探すような、また手を加えて火を通してもっとおいしいものにしよう(笑)とか、そんな意識を感じる。まじめな人なんだなあと思う。ぐぐるとかわいい写真があったのでリンクElectric Kulintangはアルバムが出てるんだなあ。買わなきゃ。どこかで買えないかなあ。

イクエ・モリはもっと遊び心がある感じで生楽器の響きに沿ったり離れたりしている。ラップトップってキーボ−ドとかタッチパッドを指先で触るだけでいろんな音出るけど、身体的でない分むしろ想像力が必要な楽器だと思うんだけどどうだろう。重力とかエントロピーの法則の範囲外の世界ってどんななんだろうな。それにしてもメロディとかリズムのループも無い単純な音の連なりなのに、なんでこんなにすてきなんでしょう。

女性演奏家で好きな人って言われたらまずこの方があがる。あとはピアノの高瀬アキさん、イクエ・モリと一緒にアルバム(このPhantom Orchardは本当に好きでよく聴きます)を出したハープのジーナ・パーキンスとアコーディオンのアンドレア・パーキンス、それに続いてジーナ・パーキンスと一緒にやってるビョークとか(笑)、そんな感じ。こういう感じって言葉で説明したいんだけどとても難しいなあ。繊細でクールとしか言いようがない。しかも正確じゃない。


2007年03月07日(水) 水曜日

喉痛い。今週はけっこう車を出した。深夜ラジオ聴いたり買ったCD(10行の!)を流したり遠足の約束をしたり。深夜ラジオで南極に行った女性新聞記者のインタビューを聞いた日はついつい遠回りをしてしまった。1ヶ月毎日毎日夜で、とうとう明ける時の太陽の光ってどんな感じなんだろう。いつもEの線を下回ってぎりぎりまで走ってるんだけどやばいのだろうか。ごめんね車ちゃん。あー6月は初めての車検だわ。

昼にコーヒーを入れて飲んでいくと口の回り方がよくて調子がいいように思える。カフェインパワーですか。紅茶の方がカフェイン多いって聞いたけど、そういうふうにはならない。別の成分なのだろうか。今日も台所で飲料水タンクを倒して水浸しになりながらも(水難の相が…)、軽快な気分で片付けてごはんつくってコーヒー入れて仕事に行った。中毒になるのは嫌だけど、ときどきは飲んだ方がいいかな。

昨夜給油して気持ちが大きくなっていて、帰りに牛肉の巨大なブロックを買って来て焦がして茶色くなった人参スープに投入。今日からこれで過ごす。ビーフシチューって何年ぶりだろうか…今夜は何かお腹がすいてこれでも足りなかった。こわい。


2007年03月03日(土) 土曜日 / 淡彩3本立て

平日でも通りがわさわさ子供であふれかえるようになりました。春休みですね。バイト先のできあがったシフトを見たら、届け出た休みの他には入りまくっていて、6日とか7日連続勤務の週もあり旋律もとい戦慄しております。考えないようにしよう…月曜日からまたマックでてりたまバーガーが出るのでそれを楽しみにしてる。春だなあ。今日は職場の方がおいなりさんをお重に詰めて持って来てくれてお茶会をしていました。仕事柄集まって休憩を取ることも難しいのでこういう時間は重要かもしれないと思った。

TSUTAYAの半額週間にて何本か借りて見る。昨日今日とトニー滝谷→珈琲時光→ゲルマニウムの夜という淡彩3本立て。まあ、ぜんぜん違う作風・テーマなんだけど色が薄くてきれいだなーと思いながら見てた。特に最後のゲルマニウムの夜は原作が花村萬月で非常にインモラルで暴力的な作品のはずなんだけど、ロングショットが多かったり演出が抑え目だったりであんまり暑苦しくないんですよね。あざとく狙ってない所がよかったのかな。設定からしてぜんぜんリアルじゃないし。素人が出てセリフもすごいたどたどしいんだけど話が過激すぎて違和感がない、っていうわけのわからないおもしろさはあったな。石橋蓮司や麿赤兒が出る所は馬鹿馬鹿しくて笑っちゃうし。

主役の新井浩文もそんなに存在感があるわけではなくて、Helplessの浅野忠信みたいだったら美しいかもしれないけど、はまらないのがまたよかったと思います。新井浩文の方が好きだし。美形であればいいってもんじゃないし。でも作者の花村萬月はともかく、監督も俳優も日本人だしたぶんそんなに神との葛藤とか無いと思うので、不道徳的な表現もそんなに胸に迫ってこないのが残念でした。まあ邦画では難しい所だと思います。ホドロフスキーとかと比べるとぜんぜん見やすいし。って比べてもしょうがないんですが。

結局毒気だけがあって、うわー馬鹿だこの人たちと思いながら見ていつの間にかストレス発散できてるっていう感じ。どっちかというとよくないなあ。人にすすめるようなものでもないし。(そこは自己責任で…)まあでもしょうがないか。音楽は千野秀一で、たぶんコントラバスとヴァイオリンの弦のデュオの曲がよかったですね。誰が演奏してるか知りたかったのですが映画ではわかりませんでした。ジャズの人なんだろうけどなあ、ぐぐってもわからん。誰なんだろう。

珈琲時光は東京の風景を見るための映画。いろいろドラマがありそうで全然展開していかない作品で、小津安二郎の映画もそうなのかなと錯覚しそうでした(笑)そうじゃないらしいんだけど。浅野忠信のファンでもないし、一青窈もそんなにチャーミングじゃないし、(むしろ母親役の余貴美子さんが好きなのでそればっかり見てた)珈琲って名前が出てくる割にはそんなにおいしそうじゃないし、喫茶店に愛着があるわけではなさそうだし。ただ御茶ノ水と秋葉原の間のあの空間を思い出すことに終始しておりました。一瞬高円寺駅前の通りが出てきてそこがいちばん懐かしかったけど。球陽書房って通ってたなあ。沖縄関係と音楽関係を扱っていて自分にはちょうどよかった。懐かしい。あのパン屋はまだ夜中まで開いているのだろうか。

トニー滝谷はきれいなお洋服がたくさん見れる映画なのだろうかと思っていたのですが、宮沢りえの出番は意外に少ないです。少なすぎ!時間がとても短くて、イッセー尾形の一人芝居に近いものがあった。モノローグですすんでいくし、会話っていうのがほとんどないんですよね。左から右へ横向きに動くカメラにミニマルにセットされたインテリアは生活感が無くてむしろほっとするものがあった。衣装もすごい地味だったなー。音楽も坂本龍一のピアノがつぶやくように鳴り出すのがよかった。

一人で居ることの物語で、単純にさびしいというのでもなく心地よいだけでもなく、要するに当たり前の感じ。見ていてうらやましい所もあるしたまらなく悲しくてこんなことはあってほしくないと思う所もある。この人にとっての愛っていうのが、その人に出会ったことで、自分がいかにたくさんのものを失ったのか思い知らされるということだった、というのが一番共感する所でした。そしてそこに居ないもの失われたものへの思慕とそれを自ら消し去っていく過程も含めての愛。非常に山羊座的なドラマだなと思いました。終盤でたくさんの服に囲まれて泣いてしまった女の子の気持ちはわからないんだけどね。あれは何なのかなあ。


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