*妄想*短文劇場-ダニーくんとマーティンくん-
きくちやひろ
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第4話「親子の絆(きずな)」Prodigy
「なぁ、マーティン」
別に隠してるつもりも無いが、
ことさら宣言することでもないので、二人のことは
公然の秘密、と言うところだった。
第一、マーティンが職場にプライベートを持ち込むのを
嫌っていたし、ダニーもそれは同意していた。
「俺に何か用があるんやないのか?お前、暇やないやろ?」
「暇じゃないけど、ここにいちゃいけないわけ?」
「いけなくはないけどな」
「だったら、見ててもいいだろ?」
「いや、見ててもって」
「見られてちゃ困るわけ?」
「困りはせえへんよ?せやけど、なんで?」
「なんで?そりゃ見ていたいからじゃないか」
「…なんか今日は変じゃないか?」
「変?」
「変。いつもはそんな事してないだろ?」
「うーん、言われてみれば…なんでだろう?おかしいなぁ」
マーティンは机から降りると腕組をして考え込んでいた。
「いや、そこまで真剣に考えこまれると、ちょっと微妙なんですけど」
うん、うん、うなりながら考え込むマーティンに
「マーティン、薬のんだ?さっき熱があるみいたいって
言っていたじゃない?」
サマンサがコーヒ片手に声をかけてきた。
「あ、そうだった。ありがとう、サマンサ」
くるりっと向きを返ると子犬のようにサムの方へ駆け寄る。
「大変ねぇ」
「なんつうか、神が与えたもうた恋の試練って感じっスかねぇ」
「がんばってねぇ」
「くじけそう」
それでも、幸せそうなダニーだった。
2006年11月08日(水)
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『第3話「フィアンセの素顔」Confidence
マーティんとダニーは周囲に温かく見守られ
すくすくと愛を育んでいたが、
育った環境が違えば性格も違う二人は、時々喧嘩を始めるが
本人達はマジ喧嘩のつもりでも、周りから痴話喧嘩にしか
見られない。
今日もささいな事で喧嘩をする二人であった。
「あー、もう信じられないよ、ダニー、君ってやつは」
「だから、なんやねんっ、朝起きてからずっとそれやないか」
「だって信じられないんだもの」
「なにがっ」
「一緒に住んで何ヶ月になると思ってるんだよ」
「えーと?」
「あのさー、そっちから言って来たんだからね!」
「う、うん」
「あのね、お休みなさいのチューと、お早うのチューは基本だろ、基本。
一体どんな教育を受けてきたんだよ」
「それって基本なの?」
「基本に決まってるだろ、全く、それも知らないなんて信じられないよ!」
「マーティン、それ以上言うと、こっからつまみ出すからね」
「だってヴィヴィアン!」
「マーティン?いい?1度しか言わないよ?ダニー」
「なに?」
「マーティンに”ごめんなさい”しなさい」
「え〜?!別に悪い事してへんよ〜俺」
「あっそ、じゃあ別れてもいいのね?、その程度だったんだね?」
「ごめんなさいッ!すみませんでした!」
「ったく、もう、仕事しなさいよね」
二人は周囲から温かく見守られて…いる、かも知れない。
2006年11月05日(日)
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第2話「聖職への道」Revelations
晴れて恋人同士となったダニーとマーティンだったが、
お互いの家を、行ったり来たりするのが面倒になり、
結局二人で住む事になった。
連邦捜査官の給料など、それほど高給ではないが
二人でシェアすれば、それなりに良いところが借りられる。
「すまんねぇ、ヴィヴ。引っ越しの手伝いに来てもらって」
「別にいいわよ、荷解きって好きだから」
「あとで奢るよ」
「ありがとう」
ベッドと机、そしてダンボールが数個分というダニーの荷物に
ヴィヴィアンは眉をそっとよせていた。
「ダニー?これで全部?家財道具とかは無いの?」
「あー、うん、引っ越す時近所の人にあげてきた」
「あげちゃったの?」
「だって、冷蔵庫は二つもいらないだろうし、俺のちっさいのだったんだよ。マーティンの方が冷蔵庫大きいし、キッチンも広いしさ、ここ」
「マーティンが使わせてくれなかったらどうするの?」
「え?!」
「ルームシェアしただけだよって言われたらどうするの?」
「えぇ?!」
「嘘よ、あんまり楽しそうに話すから言ってみただけよ」
「え?俺、楽しそうにしてる?!」
「えぇ、楽しそうよ。良かったわね、一人っきりじゃなくなって」
「…うん」
「マーティンに感謝しなきゃね」
「ほんまやなぁ」
しみじみしてる二人をよそに、
その頃マーティンは
「うわー、ゾロ目の部屋番号だ、写メとっておこうかなぁ。ツーショットでとってみるのもいいなぁ」
彼は彼なりに楽しそうだった。
2006年11月04日(土)
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