雑念だらけ
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2006年08月30日(水)

ジーンズを一本ベルトを一本、なんとか持ち出したのを最後にこれ以上は物が減ったのが分かるので止めた。
あとは仕事が最後の日の帰りに友人宅に送るつもりで職場のロッカーに溜めておいた。

溜めた送った、といってもたいした量じゃない、限界がある。
服はほとんど諦めた。
靴も諦めた。
当日履いて出て行く分しか無理。
潔く諦めることにした、決めたら振り返らない。
彼は「ボロ靴」「ダサ靴」と馬鹿にしていた靴だが(彼にとって靴とはナイキだった)その時のを私は今もまだ履いている。


予定の日まで10日余りの頃、別れ話が出た。
私の一言から始まったのだが。
話の流れで出た一言。


『あなたと籍を入れる気はない』




「おふくろも、そろそろいいんじゃないかって言うんだけど、
俺達いつごろ籍入れる?」

そうなんだ、籍を入れたかったのか〜と内心驚いた。
と、同時に お母さんに言われたんだ・・・とも思った。
それに、冗談じゃない、と。

籍は入れなくてもいいんじゃないの

と答えた。
あまり刺激したくなかったので。

「じゃあ俺達はいつまで独身男女のままですか、
いつかは同じ苗字になる予定がお前の中にあるのか?
それともいつまでも共同生活ですか」

籍にこだわらなくていいと私は思う、独身でいいじゃない

「お前はいいよ、一回はそういうことをしてるんだから。
俺はまだ未経験なんだよ、一回くらい結婚してみたいんだよ。
おふくろも同じこと言ってたんだ」


なんか腹が立ってきた。
簡単に言うな、と。


一回そういうことをしてダメになったんだから二回目は慎重になるんだよ
二度と結婚したくないって人だっているんだ
そもそも私はあなたと籍を入れる気はない、そんな気持ちになれない
今までを考えてみてよ


言ってしまった。
もうすぐここから居なくなるんだからあんまり波風立てまいか・・・と思っていたけど。
これだけははっきりさせておかなくては、という気持ちになって言ってしまった。


「なんだよ、だったら俺達おしまいじゃん」

私が「そんなことないよ」と言うのを期待している口調、そんな表情。


そうだね、おしまいだね
籍だけが目的なら別れたほうがいいと思うよ



「なんでだよ・・・!
俺に一生を任せてくれない!?

お前が居て俺の世界は完成するんだ、俺は幸せになれるんだよ・・・
入籍が嫌ならいいよ、その気になるまで待つ。

忘れるな、俺の一生はお前に捧げてるんだからな」

泣きそうな顔でそう言うと背中を向けた。

「残念だよ・・・でも仕方ない、
俺みたいな稼ぎの無い男には一生掛けられないのは当たり前だからな・・・
残念だ」

きれいな言葉で機嫌を取ってきたのか・・・そんなふうにしか思えなかった。
一生を捧げて私に怒鳴り私を蹴るのか。
そんな日々なのになんで一生とか思えるのか。
私は彼の親のために彼と籍を入れる気もない。

口ではいくらでもきれいなことは言えるし愛は語れる。
それに彼は入籍とか結婚を簡単に口にしすぎる、簡単に考えすぎている。


この人は絶対に別れない、
絶対に自分から別れないし私の別れ話も聞かない、
籍なぞ入れたら、絶対に離婚しない、
私がどっかに逃げ出してしまっても離婚しないだろう。

彼から逃げる計画が無かったら、このやり取りで真っ暗な気持ちになっていただろう。
無理やり入籍させられるかもしれない、と。


2006年08月29日(火) 壊れたらダメ

彼に内緒で事を進めることに罪悪感を感じる暇は無かった。


彼は全然変わらなかった。
私が困るのが楽しそうに見えることもあった。
見えるだけだったのかもしれないが。


暖房の無い部屋は寒かった、器具を置くスペースが無いのだ。
もしあっても置かないだろうが。

喉の風邪をひいてしまい、熱はないけど横になると咳が出た。
夜中に何度か咳で目が覚めたら相変わらず部屋は明るかった。

咳をしたら、「ウザイ、うるさい」と彼は寝てる私に怒鳴り、足でお尻や腰を蹴り押した、グイグイと何度も。
寝るから咳が出るんだ、起きろ、寝るな、
お前に咳をされるたびに俺はお前に文句を言われてるような気分になる、
俺の気持ちも考えろ、と。


寒くて毛布の中で丸くなったらコートが上に掛けられた、彼が掛けたのだ。

ありがとう、と言って顔を見たら、額に血管を浮かせて怒った顔がそこにあった。

「寒いとか言われたりしたら、まるで俺が悪人じゃないか!
嫌なんだよ、責任押し付けられたみたいで!
ウザイんだよ・・・寒い顔するな!」

もうすぐここを去るんだから、と多少の事は我慢しようと決めていた、が、それでも情けなくなった。
ああ、そうか、おもちゃは迷惑かけちゃダメなんだね、壊れちゃダメなんだったね、と。

泣くとまた怒る、
毛布をかぶったまま、歯をくいしばって泣くのをこらえた。

深夜番組を見て彼は声を出して笑っていた。
そして私が時々咳をするとそのたび足で揺さぶられ蹴られた。

毛布をかぶっていたから見ていないけど、きっと例の冷たい目をしてこっちを見てるんだろう、と思った。

もしかしたら彼は、私がこの生活からリタイアして出て行くのを待っているのか?・・・そんな気にもなった。

もう少しだから踏ん張れ、と自分に言い聞かせた。


2006年08月28日(月) 目を盗んで

少しでも自分のものを持ち出したかった。

持ち出せそうなものを考えた。
下着類、化粧品、靴下・・・出来ればシャツ類を何枚か。
全部持ち出すと、物が減るから気づかれる。
目立たないようにしなくては。

四六時中目の前にいる彼の目を盗んでバッグに詰めるチャンスは、彼がトイレに行った時しか無かった。
音を立ててはいけない、バッグに下着や靴下を入れてるとこを見られてはならない。

押入れを開けてはいけない、
「なにしてんだよ」と必ず言われる。
(実際に言われた、靴下を探しているとごまかしたが)

しかも、バッグにパンパンに詰めてはいけない。
「なんでこんなに荷物が多いんだ、何が入ってんだ」と言われ中身をチェックされる。


彼がトイレに行った、と分かったらすぐに手近なものをバッグに突っ込んだ。
目と耳は彼の行った方向に集中、手はバッグに。
作業の時は心拍数が上がった。
ものすごい集中力。
水が流れる音がしたらバッグのファスナーを閉めて私の背中のほうに置いた。
そして何事もなかったように本を読むか携帯をいじった。

「またメールかよ・・・俺と話したくないのかよ」

と、イヤミを言われても気にしないようにした。
むしろ、「ああ、気づかれなかった」とホッとした。


私の通帳や年金手帳はクリアケースに入れられて彼の手元にあった。
あれが欲しい・・・
ケースはすぐそこにある。
でも、あれを取ってしまうと彼が気がつくだろう。
再発行するしかないか、やはり・・・と、諦めた。
無理はすまい。
面倒でも再発行しようと決めた。



少し重いバッグを重く見えないように持って毎朝部屋を出なくてはならなかった。
『おい、荷物重いのか?なんで?』
と、いつ呼び止められるか、と 毎朝部屋を出て橋を渡るまで緊張した。

一度だけ言われた、今日は荷物がそんなにあるのか、と。
月曜は洗濯した上着とエプロンを持って行くからね(月曜だっだ)、とエプロンを見せたら
「ああ、そうだったな」
と、納得した。
中を見せろと言われないかとドキドキしながら受け答えをした。

会社では昼休み、誰も居ない時にバッグから下着やシャツを出してロッカーの中に置いていた紙袋に移し変えた。
ある程度たまったら帰り道、宅急便で友人宅に送った。
《荷物送りました》
とメールして、すぐ履歴削除。


本当にちょっとずつ、私の物が部屋から消えて行った。
普段通りに生活出来なくてはならないから本当にちょっとだけだった。



***
探したけどどうしても見つからないものがあった。
古い携帯電話。
どこにあるのか分からなかった。

怖くて彼には聞けなかったので、これも「しかたない」と諦めたが
私が彼のところからいなくなった後所在が分かった、
そしてこの携帯のせいで少し面倒くさいことが起きた。
***


***
実は、ドライヤーを置いて出るのは惜しかった。
高かったのだ、けっこう。
彼もそれを気に入って使っていた。
そんなもの無くなったら目立つなんてもんじゃない。
もったいない、と思ったが背に腹は変えられぬ状態。
同じものは未だ買っていない。
某電気店で間に合わせのために買った670円のを今も使っている。
***





2006年08月25日(金) 思い出したので、書き。

ちょっと話が昔に戻るんですが。
「今月の収入ゼロ」で思い出したので。


忘年会時期だったと思う、「飲み会」なので。
まだ脱出計画を企てていない頃です。

彼と同じようなフリーの同業者の飲み会があって珍しく彼は参加した。
(下戸ですが)
ので、私はこれまた珍しく仕事から帰ったら1人になった。

1人なので自由に過ごせばいいのだが、いったいいつ帰ってくるかも分からない、二次会に参加するタイプじゃないし途中で抜ける可能性もある。

おまけに、熱が出た。
午後から変だと思っていたら案の定、だった。
しかも38度超えた。
寒い、体が痛い、頭が重い。

彼の帰りを待てず寝ることにした。
医者に行ったので薬は飲んだけどしんどい。
眠れない。
幸い、次の日は仕事は休みだった。

9時頃だったか、
《もう駅、もうすぐ帰る》メールが。
早いなあ・・・と思いつつ待ってたら帰ってきた。

私が熱を出して寝ているのを知ると 激怒した。

それは、私の不摂生や早退しなかったのを責めるとかじゃなく

「話したいことがいっぱいあったのに!!
お前に話したいことがいっぱいあったのに!!
これじゃあダメじゃん!!」

話してくれたらいいのに・・・聞いてるよ

「バカかよ!?
病人に話をして楽しいかよ!?
もうどうでもよくなったよ・・・とっとと寝やがれ!!」

彼は灯りとテレビをつけた、
私の体調はお構いなしだ。

大丈夫か、の一言くらいあってもいいんだけどなあ・・・と思ったが熱でしんどくてそれ以上考えたり喋ったりしたくなかった。



次の日の夜にはなんとか普通に動けた。
もういいよ、と激怒していた彼だが やはり話したかったらしく、

なんの話だったの

と尋ねたらニヤニヤして話を始めた。
その内容は

昨日の会に結婚した男が来てて、赤ちゃんも産まれてた
奥さんはまだ働けない、出来れば働いて欲しくない、でもその男の本業での収入はしれている、自分ひとりで妻子を養うだけの収入は無い
で、いままでしたことのないバイトやパートを始めた
朝から夜まで勤めに出、夜に子供の世話を奥さんとして、その後で本業の仕事をしているそうだ

と、いうものだった。


「びっくりだよ、子供まで作るとは。
しかもその人、自分ひとり働いてんだよ、パートやってんだぜ。

『キツくないのか』って聞いたら『やるしかない』って言うんだけどさあ〜

俺なんかお前が働くからやっていけるけどさあ〜

他の仕事は、今更やれって言われても出来ないよ、俺
その男、よくやるなあ〜って思ったわけよ
俺は無理。どんなにヒマでも他の仕事したくない
しんどい人生なんて・・・ヤだろ?

お前が仕事が好きでよかったよ、
おかげで俺はこの仕事だけやればいいんだもの〜

いや〜ほんと・・・無理無理〜俺には出来ない」



本来自分らの仕事では家庭を築くのは無理だがその人はやってしまったのでびっくり、俺はこの仕事だけでまだ生活している、俺ってすごい、ということが話したかったらしい。


彼は私に感謝をしているみたいに言った。
本当にそう思っていたのだろうが、感謝いうより ホッとしている、だったんじゃないか・・・と後で思った。

「自分の仕事が好き、一生続けたい、誇りに思う、頭を下げてまで仕事が欲しくない」
それはすばらしいし、仕事をしている彼の姿は好きだった。
でも、甘えが見えたのだ。
「世間の荒波にもまれたくない、知らないことをしたくない、他人に使われたくない、規律は嫌い」

その男の人と同じ事をして欲しいわけじゃない、しなくてもいいんだが、同じ墓に入ろうと言うのなら同等の覚悟が欲しかった。
「しんどい」から逃げるだけじゃなくて。


じゃあ、私ともし家庭を持ったらどうするの
私は働くよ、でも今とは違ってくるよ

そう尋ねた。


夢を見るような表情で彼。

「お前には悪いけど、一生俺のために働いてもらうようになる。
俺はこの通り、生活力の無い男だから・・・
それでもダメなら、ボロボロになって死のう。

お前って・・・男運、悪いね」


ボロボロか・・・いやだな
病み上がりの頭でそう思った。





2006年08月24日(木) 「来月」は無い

その日の夜、ようやく彼の熱が下がり始めた。

熱が下がったら仕事が溜まっているのを片付けなくてはならない状態だった。
締め切りが近いらしい。

仕事に行く用意をしている私に彼が言った。
「来月だから、この仕事の振込みは・・・
だから今月も収入ゼロ、ね・・・俺。
覚悟しといてくれよ」

いつものことだった。

はいはい、と頷いて部屋を出た。


来月・・・
私に来月はない、ここで。あなたと。



昼休み、いつものオバチャン2人と私だけになった。
この2人は女性陣の責任者でまとめ役。

まずこの2人に言わなくては・・・と、退職の話を切り出した。

「せっかく仕事に慣れたのに・・・残念だよねえ」
「で、どうするの?辞めてからの事は決めてあるの?」

とりあえず田舎に帰る、とウソを言った。
両親もけっこう歳をとったので、と。

そうかそうか、と2人は頷いた。


それで・・・お願いがあるんですが・・・と、私。

「なあに?」

なぜか2人が、ピン、と来たような顔になった。

???と思いながらも続けた。

私が退職することを他の人に言わないでもらいたいんです、
社長と職場の人たちには私が言います、それ以外の人には・・・
例えば友人から電話がかかってきても
私がいなくなってからもどこに行ったかを教えないで欲しいんです

オバチャンは2人とも私を見て強く頷いた。
「まかせなさい。わかったよ」
そして2人はこんどはお互いに目を合わせて無言で頷いていた。

その後、社長にお願いに行った、
すみません、辞めさせてください、と。

「今度の食事会はそこの新しいお店にしようと思ってたんだよ、
居ないのかあ、ヨウさん〜
じゃあ、前倒しで早くやっちゃおうかね〜」
と、社長。
そして
「人それぞれ事情があるよねえ。
わしは余計なことは言わないし聞かないから、ね。
残り少しだけど頑張って働いてよ〜」

ありがとうございます、と頭を下げた。
やはりこの社長さんは変わっている、と思った。

仕事の事は気になっていた、
勝手に急に辞めたくなかったので。
まずひとつ、やらなくてはならないことを済ませた。
辞めることを言ったら、それなりに楽しかったし思い出もある、ここもあと少しか・・・と寂しくなった。


***

オバチャンたちがアイコンタクトを取っていたり社長が物分りが良かった訳が後日分かった。
『ヨウさんはストーカー被害に遭っている』
『ヨウさんの彼は酷い男でDV男らしい』
『元彼がしつこいらしい』
・・・な噂があったらしかった、私の知らないとこで。
『だからヨウさんは逃げたいんじゃないのか』と。

全く違うわけではないとこがなんとも。
彼の話は職場ではした事がなかったんだが。

***



2006年08月23日(水) 帰宅

図書館を出て「帰宅メール」を送信した。
ここから部屋までの距離と、職場から部屋までの距離、どっちが遠いか・・・
職場のほうが少し遠いような気がしたのでゆっくり歩いた。

メールの返事が来ない。
おそらく寝ているのだろう、薬が効いて。



私のメールの返事が遅いと彼は怒る。
「今のこの興奮や喜びや悲しみをすぐに伝えたくてメールしたのにすぐに返事が来ないと俺一人バカみたいだ、興醒め(よく使う言葉だった)だ」
とか、
「返事が出来ないってことは俺に知られたらまずいようなことをしてるからだ」
とか、
「俺の気持ちにすぐに応えてあげたい、って愛情がお前にはないんだろう」
と怒る。
たとえ私の体調が優れなくてもトイレでもバスや自転車で移動中でもメールの返事が遅れると許さなかった。

自分が返事をしなかった時は「疲れて寝てた」「気がつかなかった」とか言う。
私は彼がメールの返事をくれなかったからと怒ったことはない。
すぐに出来ないこともあるしそんなに急ぐ必要がない時もあるとわかっていたし、彼にそう伝えた。
私がそういう状況に理解を示したら彼も気がついて変わってくれるかも、と思っていた時期があった、また、変わることに期待していた。

はっきり言って、期待しただけ無駄だった。
彼の頭の中には、「俺ルール」しかなかったのだ。
「俺ルール」で私を縛るのが楽しいのだ。




階段を上り、ドアを開いて手探りで進んだ。
まわりの物をひっくり返さないように気をつけながら。

物の中で彼は丸くなって寝ていた。
私が帰ってきたことに気がつき、

「メール・・・したのか」

したよ

「・・・ほんとだ・・・気がつかなかった・・・」
携帯を覗いて
「お前・・・もっとなんかないのか・・・」

なにが?

「いつもいつも《仕事終わった、帰ります》しかメールがない・・・
定型文に登録してんのかよ・・・こんなんでも送っとけ・・・かよ・・・」



こんな時でもそういうことが気になるらしい。


熱、どう?
ご飯はどうするの?

「・・・お前・・・俺の質問に答えろよ・・・」

定型文じゃないよ
いつも打ってる
他に書くことないからそうなるだけだよ



はあ・・・と、熱っぽい息を吐いて
「お前のその態度が俺を殺すんだよ・・・
どうせ俺は死ぬんだ・・・このまま死ぬんだ・・・」

風邪でしょ?死なないよ
人のせいにして死にたいの?

「死にたかないけどお前のせいで死ぬんだよ・・・俺は・・・」

しんどいからそんなことばかり思うんだよ
早く元気になろう
買い物してくる、お粥は嫌いでしょ、うどんにするからね



バッグを持って部屋を出た。


すっかり日が暮れてしまった。
歩きながら思い廻らせる。

男が熱出して寝込んでいる間にそこから逃げる計画を立てる私は もしかしたら人でなしか。
おそらく最低レベルの人間。
不倫で離婚してそこからまた逃げる。
どれだけのことをしたら気が済むのか。
どれだけの人を傷つけたか。
自分が嫌だ、嫌いだ。

でも、今日友人と決めたことを止める気は無い。
正しいとか間違ってるとか分からなかった。
が、どうでもいい。
決めたのだ。
私はまだ生きたい。

時間は戻らない、やってしまったことは無かったことにはならない、

だから、壊したり傷つけたりするのはもうこれで最後にしたかった。



そんなことを思いながら彼の夕食用のうどんを買いにスーパーに向かった。



2006年08月22日(火) グルグル

それから2人で取り決めたこと。

・身の回りの物を無理に持ち出そうとしない
(とにかく不信感を感じさせないこと)
多少でも持ち出せたら一旦会社のロッカーに保管
まとめて友人宅に送る

・20日後の私の給料日翌日に決行
前日の給料日で退職しておく
当日は普通通りに仕事に出掛ける(ふりをする)こと

・仕事の段取りを着けておく
辞めることを早めに会社に伝える
「社外の人には誰にも言わないように」と、一応お願いしておく

・彼のもとから確実に出るまではお互いに連絡をしない
もしどうしてもしなくてはならないなら平日の昼休みのみ
履歴は確実に削除


突然いなくなって警察に捜索願いを出されたら困るから「さよなら」の意思をどう伝えるかが問題だった。

メールはどうか
バンバン返信が来て電話が来るだろう。
着信拒否するしかない。
気になるだろうがそれしかないか。

「当日の朝ポストに手紙を入れておくのはどうだろうか」
彼女が提案した。

彼は夕方しかポストを見ない。
彼は午前中は滅多に外出しない。
ポストを覗くなら午後。
あとは着信拒否で耐えるか・・・
オフラインを使う事も出来る。
それならアドレス帳を見ながら他の携帯や公衆電話を使える。

どっちみち携帯はすぐ新しいのに変えるつもりだから構わない。

手紙で行こう、と決めた。


そして彼女からの念押し。

「とにかく、怪しまれないように
なるべく機嫌良く過ごしてもらおう、彼には」

「私のとこ来るんだよ、当日は。
こっちの事は気にしなくていいから。
困った事あったら早めに連絡して。
どっかからアイツに情報が漏れるのはマズイから気を付けてよ・・・

何度も言うけど
二回目は無いよ。

止めた、も無しよ」



わかってる、頑張る



緊張してるけど安心もした。
大丈夫大丈夫、と自分に言い聞かせた。



「ヨウさんは、話が一方的だからって私に言ったよね。

本当に一方的な話で、アイツの話を聞いたらそれなりの弁解が聞けるかもしれない、
でもね、それを含めたとしてもよ、

ヨウさんは悪くないよ、アイツとの間の事は。
アイツは追い詰めてるんだけじゃん、ヨウさんを。
相手の事なんか考えてない。

暴力は物理的なものだけじゃないんだよ、
言葉や行いも立派な暴力。形が残らないけど傷は深いんだ。
私は、アイツがそこまでとは思って無かった・・・
不安はあったけど言葉のDV野郎とは。

ヨウさん、今、かなり世界がグルグルになって狭くなってるよ
話を聞いてたらわかる。
元の世界に戻ろう」

じゃあ、成功を祈る!と彼女。
電話を切った。

少し陽が陰り始めた、もう少ししたら「仕事終わりメール」する時間だ。
時間があったのですぐ側の図書館に寄ってみた。

本棚の間で彼女との取り決めを思い出していた。
それと「グルグル」が気になって、意味を考えた。


グルグルで狭い・・・?


その時は、なんとなく分かるようで分からなかった。
確かに私の世界は狭い。
分かっちゃいるけど何のことを言ってるのか・・・



「狭いグルグル世界」
彼のもとを去り、結構な月日が過ぎてやっと分かった。
当時の感覚と今の感覚が違うのがはっきりと。
心のリハビリが出来たのかもしれない。

あの頃の私はグルグルだった、確かに。




2006年08月21日(月) 全部捨てる(ちょっと追記)

私が逃げた場合、一番の心配は 彼が時々口にする「許さない」「みんな殺してやる」だった。

そのことを彼女に話した。
脅しだとは思うけど・・・と。

彼女は ううむ・・・と考えてから

「それが全く実行されない、とは言い切れない・・・
でも、あの人の性格だいたい知ってるからねえ。
気が小さいからこそ大きな事を言う、世間体を気にするから外面がいい、
とても出来そうに無いからこそ実行せず自分の言葉に酔う、
そんな感じじゃないかな・・・

世間体をものすごく気にしてる感じがするからねえ、
警察のお世話になって恥をかきたくない、ましてや殺人なんてやったら新聞テレビで騒がれて自分のやってきたことが全部公けの場に・・・なんて考えたくもないはず」

私もそう思う。
おそらく彼は何もしない。
彼の母親が興信所に行って私を探そうとするかもしれないが彼は何もしない。

「とにかく用心はしよう、ヨウさんの行き先は教えないこと、
それから出来れば、後日でもいいから全く別の土地からの手紙を出してみる・・・とか。

・・・あ、それ、

私出来るわ。
ヨウさんが書いてくれたら出せるよ、ちょっと遠くに行く用事あるから」




本当に頼もしい。
そしてありがたい。



もう、荷物は何一つ持ち出せないだろう。
彼はほとんど一日中部屋に居る、大事なものは彼の手元にほとんどある。


「現金は大丈夫?」

それは大丈夫
自分のは持ち歩いてる(本当に)
私の給料は手渡しだし
印鑑も持ってる、いつも
(彼が通帳と一緒に管理している私の印鑑はダミーだ)

「じゃあ、身体さえ無事ならあとは捨ててもいいね?」

うん、かまわない
なんとでもなる、なんとでもする
全部捨てる

「そうだよね、命以上に大切なものはないからね」

他の何よりも彼を選んだのに何もかも捨てて彼から逃げるのか・・・と自分の心の変化、環境の変化を思う、
自分の人生ってなんだろう・・・と。



彼女は私の意志を確認できたからだろう、 OK! と、気合を入れた。

その後細かく日程を決めた。
時間もあまり無い(仕事が終わる時間には帰らないとならないので)、お互いに少し急いだ。
手渡しで給料を貰った次の日が一番だろうということになった。
他のことも決めながら、当日までを想像して緊張した。


2006年08月19日(土) 絶対正解

生きる

自身でも何度も考えてきたこと。
彼から離れなくては死んでしまうかもしれない
死ななくても生きている意味が無くなってしまうだろう

私はこれからどうしたいんだ・・・

「ヨウさんがこのままでいいなら私の言ってることはお節介だけど。
でも、話を聞いてて思ったの、
ヨウさんの中ではもう結論は出てるんじゃないかなって。

大変そうなのは分ってた、あの人(彼)の性格だから。
でも、ここまでのことをしたんだから決意は固かったと思って頑張ってるんだろう、それなりに、と良いように考えてたのに。
頑張ってたのはヨウさんだけじゃん・・・
あいつは甘えて好き勝手してヨウさんを食い潰してたんだ。
2人で頑張るとこを自分は頑張らないで。

言っておくけど、あなたもうギリギリのとこ居るんだよ今」

彼女に言われて、あらためて薄っぺらくなってしまった自分を認識した。
枯れていた、何もかも。



話し合いは、やっぱり無理だよね

「あいつが、話し合いに応じると思う?
あいつは、絶対にヨウさんを離さない、ヨウさんがボロボロになっても別れない、自分の大事なおもちゃだし慰謝料の最後の切り札だからね。

ヨウさんが死んだら美談にして身内に話すくらいだよ。

ヨウさんの責任はヨウさんが、
あいつの責任はあいつが取るんだ、自分のしたことをきちんと解らせよう、それがいいよ

とにかく、今は自分のことを考えてよ」


そうだよな・・・と思った。
少し考えた。どうしよう、と。

「決意して」

彼女の声が背中を押した。


やるよ
逃げるよ私


「正解・・・絶対正解」

安心したように言う彼女。

「いい?
今日までにどれだけのものを捨てた!?
それらを考えたらそれ以上に怖いものは、もうないよ。

それからね、
失敗したら二回目はないよ。

そう、それとね・・・
『やっぱり私やめます、ごめん』も無しだよ」



逃げる・・・逃げることが出来る。
箱から出ることが出来る。
それは、今にしてみれば簡単なことなのだが当時の私には高いハードルだったのだ。


ありがとう・・・

本当に本当に、心から言った。
ありがとうでは足りないのだが言葉が見つからなかった。



「じゃあ、計画立てるよ。
今日以降はもうお互いに連絡無し、ね。
今日これから全部決めるから」


物事が決まる時は ほんと早い。
急展開、でも私は乗った。
乗るしかない、もう決めた。
もし失敗したら二度と箱から出られないだろう、
でも、でも、だ。











2006年08月18日(金) 生きたいなら

「久しぶりだね〜ヨウさん!
元気〜!?って言いたいけどなんか大変そうだね」

久しぶりに彼女の声を聞いてホッとした。
彼女は私と元ダンナの共通の友人で、彼にも会ったことが何度かあった。



半年前、一度電話で話したがその時は彼に許可をもらって 30分だけ、という約束での会話だった。
「どうせ俺の悪口だろう」
と、渋々の承諾。
雨の公園に行き電話した。
30分には移動時間も含まれる、あっという間に時間は過ぎた。
約束の時間に4分遅れて戻ったら携帯の着信履歴と発信履歴をチェックして、
(本当に電話したのかどうかを見ていた。履歴を消すと疑われた)
「約束の守れないヤツは人間のクズ」と罵られた。
そのあと口をきいてくれなくなった。



最初は、喉のあたりで言葉が詰まった感じでうまく話せなかった。
無意識に言葉を選んでいたのだろうか。

「この電話も内緒でしょ・・・束縛、というより虐待だよ、なんだか・・・」

彼女の言葉で、何かが溢れ出したような気がした。
私は自分の今日までの事や悔しい気持ちを話し始め、先日の子供の自転車事件を話しながら泣いてしまった。

話しながら、あの時私にとって何が悲しくて辛かったかがやっと分かった。
子供に対する異常な嫌悪感も怖かった、
自分のことを棚に上げた言葉にも腹が立った。
一番私が悲しかったのは、彼が私のみならず外の人間を「ダメ人間」扱いした、それに私の肉親が含まれていたからだった。


ごめん

と、私。

私が話すと私の気持ちだから一方的な話だよね
きっと自分に都合いい話しかしてないのかも
でもね、この先どうしたらいいか 本当に分からないんだよ

「あのやろう・・・」
電話の向こうで彼女が唸った。
「あいつ、私を前にしてヨウさんのことを何て言ったか覚えてる?
『この人には俺の家系の墓に入ってもらうつもりでいる。
それくらいの覚悟で俺はこの人を選んだ、それが俺の愛です』
って、言ったよね」

覚えている。

「微妙に違和感あったんだよ、あん時・・・
堂々とそういうこと言ってのけるヤツって信用出来ない、
この人、自分の立場に酔ってるのかな、って。
そこまでの覚悟してるくせに自分で動いてない感じがしたのよ。
お墓に一緒に入ろうって決意したヤツが今そんな感じかよって思うね、
こうなるとウソっぽいよ、あの言葉も愛情ってやつも」

ねえ、私は彼が言うように、本当にわけの分からない事を言ってるのかな・・・
彼と言葉で気持ちが通じないんだ
どうしたら話を分かってもらえるんだろう

「あのね」
ちょっと間を置いたあと、彼女は言った。
「結論から言おう、もちろんヨウさんの話から私の感じたものだけどね」

涙を拭いて携帯を握りなおした。
彼女は、はっきりした声で私に言った。

「ヨウさん、逃げなさい、
生きたいなら、逃げなさい」



2006年08月17日(木) 公園のベンチにて

次の日の朝も彼の熱は下がらなかった。

近所に内科があるからそこに行くように言った、
するとなぜか行くのを渋った。
よく話を聞いてみると
「中の様子を説明しろ・・・」
玄関がどこで受付がどっち側で待合から診察室までどう行って注射があるならどうしたらいいか診察が終わったら何分ぐらいで支払いに名前を呼んでくれるかを全部教えろと言う。
(私は何度かそこに受診していたので)
分からなきゃ聞けばいい、と言ったら
「俺に恥をかかせる気か・・・」
と。

ひとしきり説明して仕事に行く用意をした。
彼は相変わらず「お前のせいだ」を繰り返していた。



出勤して、今日はお昼で帰らせてください、と頼んだ。
すぐにOKが出た。

「どしたの?医者でも行くの?」
OKを出した後で理由を聞いてくるというちょっと変わった社長さんだった。
「医者」と社長さんが言ったのは、以前一度だけ検診で休んだのを覚えていたからだと思う。
ちょっと自宅の換気扇が壊れたので修理に立会いが必要なので、とウソの理由を言った。

彼はあの様子なら、医者以外は出掛けないだろう、さすがに。
前みたいに、ここ(会社)近辺にこっそりやって来て この寒空の下、見張るような体力はない。
彼は会社自体に電話をかけたりは絶対しない。
私が居るかどうかの確認はしない。
用事があるなら私の携帯にしか連絡しない。


早退させてもらった私は会社からも部屋からも離れた公園に行った。
図書館が側にある小さな公園。
ベンチがたくさんあるのを前に見たことがあった。

友人に午後1時に電話する約束をしていた。
久しぶりに彼女の声を聞くことになる。

彼に《休憩です》のウソメールをして体調を確認した。
午前中に近所の内科に行って薬が効いて眠くなったけど熱が下がらない、と返事がきた。
何度かメールをして、《仕事始まります》と、ウソの休憩終わりを伝えた。
返事が来たのを確認して時間を見た、もうすぐ1時。


今の彼と私の状況を話して、友人の意見を聞きたかった。
あまりにも彼と2人だけの会話しかない生活だったので、もしかしたら本当に私の常識がおかしいのかもしれない、と疑問に思うことが多く、自分の考えに自信が無かったのだ。
このままではいけないという危機感があった、彼から離れたほうがいいのだが方法が浮かばなかった。
(今では信じられないことだけど)

とにかく、話がしたかった。

携帯のアドレス帳を開いた。

その時私は 私がどう言ったらどう動いたら彼が私の話をきちんと聞いてくれて理解してくれて酷いことを言わなくなるのか、また、別れ話をきちんとするにはどうしたらいいか彼女に教えたもらいたい・・・ などと まだ思ったりしていた、本当に。
この場に及んで。

そのくらい世界が限定されていた、環境が彼中心でその中で生きていたのだ。

1時過ぎた、
ベンチに腰掛けて友人の自宅に電話、すぐに彼女は受話器を取った。

この電話が、その後私の予想以上に物事が展開していくきっかけになった。







2006年08月13日(日) ちょい書き

◇◇◇
明け方目が覚めて、不安になりまた確認してしまった。

周りに本の山も箱も無かった、私の部屋だった。

そこにまだ物の山があるような気がしてならない、
何度も目を開けて確認してしまった。

間違いないことがわかって安心した。
◇◇◇


2006年08月12日(土) 発熱

しばらく不機嫌だった彼、口をきかなくなった。

とりあえず買い物を済ませて帰宅。



私はあれからずっと考えていた。

ちゃんと話してお互いに分かり合って別れるのが一番だ。
でも彼が別れ話に応じるとは考えられない。
下手に話すと刺激してしまいそうだ。
別れ話をしてからの一晩は恐怖だ。
それに、ナイフの件もある。

実は、もし私が逃げ出したりしたらあの時の言葉を実行するのでは、という恐怖もあった。
その反面、世間体を気にし、表に出たがらない彼がそういうことをするとも思えなかった。

が、
わからない。
人間、激高してしまうとわからない。

このままだと私はおかしくなりそうだった。
おとなしく暮らしていたら彼に殺されることはないかもしれない、
でも私は人間じゃなくなるかもしれない、
死んだほうがましかもしれない。

誰かと話がしたかった。
彼以外の誰かと。一度でいい。
「外界と接触したい」みたいな気持ちだった。
でも今の生活にはそんなチャンスは無い。


台所で片付けをしながら考えていた。
今彼には私の考えてることを悟られてはならない、と思いながら。

部屋で机が蹴り上げられる音がした。

どうしたの

と声をかけたら

「また熱が出たんだよ・・・!」

38℃を越していた。
机を蹴り続ける彼。

「どうにかしてくれよ・・・!
すぐに熱下げろよ!!ちくしょう・・・」

救急に行くか、と尋ねた

「そんな目立つのはイヤだよ・・・お金もかかるよ・・・誰が払うんだよ」

じゃあ、これしかないよ、と解熱剤を出した。
それを手に取り

「すぐに下がるんだろうな・・・」

わかんないけど飲まないよりマシよ

「・・・お前のせいだ・・・俺が病気になるのは全部お前が悪いからだ・・・お前のせいで俺は死ぬんだ・・・」

呪文のように唸る彼。

その夜は、明かりをつけたまま唸って机を蹴っていた。
お前のせいだ、俺は死ぬんだ、と。
眠れなかった。


私は、今しかないかも・・・と毛布の中でこっそり友人にメールをした。
唯一、私の事情をあれこれ知っている友達。

《ヨウですお久しぶりです。
近いうちに一度電話で話がしたいんだけどいいかな?》

サイレントに設定した携帯にすぐ返事がきた。

《明日いいよ。
久しぶりだね、その時詳しく聞くね。たぶん大変なんだと思うから。
これもこっそり、でしょ、きっと。》

《ありがとう明日の午後》

明日は仕事を早退しよう、と決めた。

私の時間が少し動き出したような気がした。





2006年08月11日(金)

「やっぱり蹴飛ばして血だらけにしてやりゃよかった」

私を睨みつけて声を震わせて言う彼。



大の大人が、いい大人が、と表現したり ひと括りで一般的に考えることは間違っているかもしれない。
腹が立つときは相手が誰であっても腹が立つ。
子供嫌いの彼にしてみたら、さっきの子供の件は
「子供だから許される」ことに腹が立ったのだろう。

彼の気持ちを理解しようとした。
が、なんだろう、
ものすごい違和感を感じていた。


キズになったわけでもない、ジーンズが破れたわけでも汚れたわけでもない、痛くて歩けないわけでもない。

彼は子供が、知らない子供が、すぐに謝らなかったのが気にくわない。
謝らない相手に「血だらけにしてやりたい」は当然のことか?

謝っていたら彼は「蹴りたい」なんて言わないのか?



怒りに震える彼に声をかけた。
まるで「お母さん」みたいだ・・・と思いながら。

だめだよ
もういいじゃない
本当にもう
ケガも無いんだし

「蹴りてぇんだよ・・・!探してやってこようか」

ダメだってば
どんな理由があってもダメだよ

「そもそもなんでお前は俺を助けてくれなかったんだ!?
俺は轢かれたんたぜ・・・交通事故だぜ・・・!
お前が俺の代わりにあのガキ蹴ってくれてもかまわなかったんだぞ、あの状況なら!
それともお前がこれからガキ探してここに連れて痛い目に遭わせてくれるか?」

目眩がした。

私はそんなことはしたくない
もう済んだことだと思ってるよ
あの子だってあなたが睨んでたら怖くて何も言えなかったのかもしれないじゃない

「親の教育が悪いからだ!
あめぇんだよ!近頃の親は!!
ダメな親どもがあんなガキに育てたんだよ!

そんなガキをかばうお前もダメ人間だ、
ダメ人間に育てられたらダメなヤツしかできねーんだよ!

だからお前を育てたお前の親もダメ人間どもだ!!」





くるり、と背を向けて彼は引き返し入り口に向かっていった。




あなただって
甘やかされてきたでしょ
私とのことであなたの親が裏でいろいろ動いてあなたに有利に運んだじゃない
充分甘やかしてもらってるんじゃないの

自分のことはどうなのよ


でも言葉にならなかった。





砂の入った袋があって 
サラサラと少しずつ 目の隙間からこぼれ続けていたけれど
砂の重さに耐え切れず小さな裂け目が出来て
そこが一気に大きく裂けてしまい 砂が全部こぼれ出た

そんな感覚だった。

今までは自分の限界をごまかしてきた。
砂袋の小さな裂け目を手のひらで覆っていたようだ。

袋が弱くて砂の重みに耐えられなくなったのか
私の手が非力だったのか
ただ単に砂が重すぎたのか
それとも覆っていた手のひらを私が自分で退かしたのか

からっぽになったことだけははっきりと自覚した。
袋には何も残っていない。


もうだめだ、この人と一緒に居られない
もう続けられない
どこかへ行ってしまおうか
行けないなら 死ぬしかないか


きっかけは「たったそれだけのこと」かもしれないが、
その時初めて はっきりと感じた気持ち。

悲しいとか辛いとかじゃなく
なにもかもがからっぽ。

私は いったいどんな人を愛したのだろう
入り口に向かう彼が知らない人のように思えた。













2006年08月10日(木) 寒い日

たしか祝日だった。
寒いけどよく晴れていた。

少し歩いて大型ショッピングモールに出掛けた。
彼は高熱が引いた後だったが「大丈夫」と言うので。

大通り、長い横断歩道、大勢の人。
この横断歩道を渡るとすぐに目的地。

人混みの中で彼が振り返った。

そっちを見ると、彼の後ろを自転車で走っている男の子がいた。
小学校1、2年生くらいか。
人が多いのでよろよろと、そして怯えたような目で彼を見、私を見た。

小さな声で彼が言った。
「あのガキ、俺の脚にタイヤ当てやがった・・・」
怒っている、すぐわかる。
顔は(人が居るから)笑っているが顔色と目が違った。

もう一度男の子を見たら泣きそうだった。
彼が睨んだから。

君、もういいよ、だから気をつけるんだよ

そう声をかけたらペコ・・・と頭を下げて私たちの前にゆっくりと進んでいった。

「おい、何言ってんだよ・・・俺を助けてくれないわけ?
ちきしょう・・・あのガキ、後ろから蹴り飛ばしてもいいですかね」

ニコニコしながら怒った顔で言う彼。

「蹴りてぇ・・・同じ思いにしてやりてえ・・・」

あの子だってどうしていいかわからなかったのよ
もういいじゃないの、ジーンズの上からだし、キズも無いし

「謝らないんだぜ・・・だったら俺に何されても文句言えないんじゃないの・・・あのガキ・・・蹴っていいか・・・俺は被害者だよ、レントゲン撮ったら折れてるかもしれねーんだよ、軽々しくキズが無いなんて言うな」

ニコニコしながら、自転車が見えなくなるまで呟く彼。

「近頃のガキは教育がなってないんだよ・・・親のせいだ」



横断歩道を渡りきった。
ショッピングモールの入り口はそこなのに彼は人通りの無い道に進みだした。
そこは業者口に通じている道。
もちろんだれもいない。


そこで彼の作り笑顔が消えた。










2006年08月09日(水) モデルガン

ナイフと同じくらい、彼は銃が好きだ。
彼はモデルガンのコレクターだ。
ライフルなど銃身が長いものが特に好きらしかった。

箱に入ったまま押入れに仕舞ってあるもの、部屋や台所に積んであるもの、
そして箱から出して自分の近くに立てかけてあるもの。
とにかくたくさん持っていた。

その、立てかけてあるやつが私には邪魔だった。
台所から部屋に移動する時、体を横にしないと通れない部屋の入り口(想像がつかないかもしれませんが)にあったのでいつも倒しそうになった。

私の心配じゃなく倒れたライフルの心配をした。
私が困っていても絶対にそこから退かさなかった。
(使わない歯ブラシでもキッチンに飾るくらいだから)

「俺は倒したことがないのになぜお前は」
と私を責めた。
そして
「お前、運動神経悪いんじゃないの・・・」



たまに、それらを私に向けた。
私の頭を狙って。

「本物を撃ってみたいな。
本物で人を撃ってみたい。
どんなふうに人間が破壊されるか自分で確かめたくない?
もちろん殺すのはイヤだよ。
確認したら倒れてる人間が元に戻ってくれたらいいのに」

銃口が私の目を狙っていた。
見ないようにしてたが顔を背けたら追ってきた。
銃口が不快だった。

やめて

「なんで?お前、気が小せえの〜〜〜!!」
ケタケタ笑う彼。

いやだ
やめてほしい

「ククククク〜〜〜お前、不安なんじゃない〜〜!?」
本当に、本当に面白そうに私を見て笑った。
「こんな面白い人、初めて見たよ〜〜〜」

銃を向けられると、人はどんな風に嫌がるか認識出来て(出来た、と思って)嬉しかったのだろう。

ある日とうとう私は腹が立って銃口を掴んで下げた。

「触るな!!なにすんだよ!!・・・そこまでするほどのことか?これが。
ちぇ・・・興醒めだよ・・・だからお前はブタなんだ・・・」

「もうやめた」と言いながらほとんど毎日やっていた。



帰宅してドアを開けたら、玄関でそれを構えていたことがあった。
もちろん銃口は私を狙っていた。

「おかえりなさい。
これが本物なら お前は死んでる」

おもちゃで遊ぶ子供のように笑っていた。

そうだね

それだけ言って部屋に入った。
玄関で銃口を向けられた私が嫌な顔をしたから満足したのか彼は上機嫌だった。


子供のよう、と おおらかな気持ちで見ることが出来なかった、もう。

人が嫌がることを繰り返す、嫌がるのを楽しむ、
今まで試したかったことを試す絶好のおもちゃか、私は。

チラチラと視界に入ってくる銃口。
不快。

一緒に同じものを楽しもう、と彼は昔私に言った、
が、私は楽しめない。

楽しめない私が「テンションが低く」て「かわいそう」らしかった。



私の今の生活の中で モデルガンは身近には無い。
ありがたい。
本当にホっとする。
もしコレクターが身近にいたら付き合いを避けるだろう。









2006年08月08日(火) ナイフ

私は刃物が怖い。


彼はナイフのコレクターだ。
彼と暮らし始めた頃、コレクションを押入れから出して私に見せ、

「飛行機は感知するけど新幹線ならチェックがない」

とか言い出した。
なんの話かな〜と思って聞いてたら
機内には持ち込んだらダメだから荷物?として預けるけど新幹線などなら手持ちでも構わないから簡単に持ち歩ける、という話だった。

どうしてそんなことを私にわざわざ話すのだろう・・・と、黙って聞いてたら

「お前が俺を裏切って逃げたら陸路で移動してお前の身内を一人ずつ殺していくつもりだから。最後はお前かな。
味わうがいいさ、自分のせいで人が死んでいく恐怖を」

「お前が俺のとこに来なかったらこれを持って(別れた)ダンナを刺しに行こうと思ってた」

そして 俺はやるといったらやる、脅しじゃない、と繰り返す。



冗談、というか本気じゃないとは思う。
が、ギラギラした刃物を手にして 目の前で淡々と話されると怖かった。



気に入らないことがあると、ナイフを眺めていた。
振り回すわけじゃないがケースから取り出して手入れをしていた。

ある時、私が言うことをきかなかったのがよっぽど気に入らなかったのだろう。
(どんな内容だったかは書くと長くなる)

なかなか眠れずに毛布をかぶっていたら
彼が押入れを開けた音がした。
ナイフを出すのだ・・・とすぐわかった。
案の定、ケースからナイフを取り出す音がした。

シュシュシュ・・・シュシュシュシュ・・・

足元を何かがかすめて動いているのが見なくても分かった。
シャ、シャ、シャ・・・トン・・・シャ、シャ・・・
足元で雑誌か箱が刻まれているらしかった。

次は私が刺されるかもしれない。
私の明日の朝は無いかもしれない。
動けなかった。
毛布をかぶってずっと目を開けていた。
とにかく、覚悟だけはしておこうと自分に言い聞かせた。

しばらくすると気が済んだのか私が反応しないのがつまらないのか、ナイフを仕舞う気配がしたが、その夜は眠れなかった。

携帯の目覚ましが鳴った、
やれやれ無事生きたまま朝が迎えられたようだ、と台所に行くとボロボロの雑誌があった。

彼は不機嫌な顔で私の用意したコーヒーをトーストの上にかけてベチャベチャにした。
そこで私に泣いてもらいたかったのか、黙って片付ける私が気に入らないらしく、私を睨み付けて机を叩いた。
机を叩かれるのは、分かってても怖い。
嫌な顔をした私に、少し気が済んだのか。
私が出勤するまでずっとため息を連発していた。


シャシャ・・・というナイフが何かを切り裂く音が仕事をしていても一日中耳から消えなかった。



2006年08月07日(月) 私にとって怖い夢

彼との生活を振り返ったのではなく、今の話。


昨夜から明け方、同じ展開の夢を繰り返して見た。
疲れた。

☆☆☆
物と物の間の狭いスペースで荷造りをする私。
年輩の知らない女の人が私の側に居て

今しかないから早く

と言う。

彼はどこに行ったのかわからない。
でも確実に戻ってくる。
彼の気配がするとカバンを隠した。
女の人が隠してくれた。
彼にはこの人が見えないらしい。

また彼がいなくなった。
今度はカバンを持って外に出た。
真っ暗な玄関を出ると外は真昼だった。
駅に真っ直ぐ行かずに回り道をしたほうがいいと女の人が言った。

通りに出た、周囲の建物は灰色で看板だけが赤かった。
彼の気配に物陰に隠れる。

隠れたのに彼の声が傍で響く。

買い物にいくふりをしてもダメだよ

私はまた部屋に連れ戻された。
周りの物が壁のよう、外界とを遮断している気がした。
☆☆☆



寝苦しくて目を開けたらちゃんとベッドで寝ていた。
夢か・・・夢でありますように・・・
あの部屋じゃないことを確認した。
あの狭くて暗い部屋じゃなくて良かったとホッとした。

そう思いながらまた目を閉じると
同じような夢を何度も見た。
そして同じように毎回部屋を確認した。

朝、起き上がったら身体がだるい。
あまり眠れていないようだ。

あの部屋は私には異空間。
「ここで2人で朽ちてダメになっていくんだよ」
といった彼の言葉通り、あそこに全てがあったのだ。
あの部屋が怖い。



ちゃんとした布団で足を伸ばして明かりを消して暑いなら扇風機やエアコンを動かして眠れる今がありがたい。
朝は陽が射し夜はちゃんと暗くなる、暗くなったら灯りを点ける、
朝昼晩と一日の時間の経過が分かる環境がありがたい。
生きていてよかった、と感じる時がある。
あの部屋の夢を見るたびに、今に感謝する。

でも、なるべくなら
もうこのテの夢は見たくない。



2006年08月05日(土) テレビから目を離すな、と言う

「お前には失望したよ」

部屋に入って彼はため息で言った。

「裏切られた人間の気持ちがわかるか
お前は俺よりアイツ(例の女性)を選んだんだ」

この人のアタマの中は、何はさておき自分が物事の先頭にいないてダメなのか。


あのね、と説明しようとしたら遮られた。


「お前はこの部屋で俺と居れば幸せなんじゃないのか
他のヤツなんか俺たちの世界に必要ないんだよ。
それが違うって言うなら俺たちはオシマイだろう・・・」

じゃあオシマイなんでしょ、と答えた。

すると、ああー、もうっ!と唸って頭をかきむしって

「お前はいいよ!
俺は孤独に独りで責任を背負って世間から後ろ指を指されて生きるんだ、
それでもオシマイなんて言えるならお前を人間として軽蔑する
全ての発端はお前なのに・・・!」


彼の心配は私の愛情じゃなく慰謝料が払えるかどうかだ。
そして、私が居れば慰謝料の請求が来ないかもしれないことを分かっていた。


「俺はお前が心配なんだよ、
だから束縛するんだ。
好きな女を束縛してなにがいけないんだよ!
そんなに俺とここに居てつまんないのかよ!」


だって、ここは隔絶されてる


「それが快感じゃないの?おかしいよ、好きな男と居るのに」

あなたがいくら好きだとしても、それだけじゃ生きていけない
あなたは勝手に外出するしテレビを見てる、話したい時に電話してる
遊びたかったら昼間でもゲームしてる

私が話している時、私の携帯が鳴った。
メール着信。

彼の顔がパアっと赤くなって、
テレビのリモコンを私の顔に投げつけて怒鳴った。
裏蓋が開いて乾電池が畳に散乱した。

「うるせえんだよ!!」

立ち上がると、痛さと悔しさで泣き出した私を見下ろして

「変わってやるよ!!ああ、変わってやるさ!!
俺の場所で24時間テレビ見て寝りゃいいさ!
俺はテレビなんかなくてもなんともないぜ!」


私の後ろに回ってグイグイと足で背中を押した。

仕方なく彼のいつもの定位置に移動した私に

「裏切った上に俺の世界を否定したんだよお前は・・・
その上更に俺に要求してるんだぞ」

彼の座っていた場所が生暖かい。
確かにテレビは見える。
が、泣きながら見てなんになる。
私は落ちた電池と蓋を拾いリモコンに戻した。

「おい!変わってやったんだぞ!
ちゃんと見ろよ・・・目を離すんじゃないぞ・・・」


「俺したことを暴力だと思うなら思えばいいさ・・・
お前が俺から離れる理由のひとつが出来て嬉しいだろう」

声が震えていたので ちら、と彼を見たら
顔を赤くしたまま小刻みに体が震えていた。
怒りすぎたことと初めて私に物を投げつけたことでだろう。


3日ほど私はその場所で過ごした。
彼はその間、私がテレビから目を話さないようずっと睨んでいた。

彼が高熱を出したのをきっかけに、2人の座る位置を元に戻すことに。




2006年08月03日(木) 箱の世界

その日も職場の女性と公園で30分くらい話して、
さあ帰るか、と 帰るメールを送り、大通りに戻っていたら返事が来た。

《お前どこで何やってんだよ》


サー・・・っと血が引いた音が自分の体の中から聞こえた(ような気がした)


まさか・・・と、おそるおそるメールで尋ねた。

《そっちこそどこ》


《お前の会社のすぐ近く
1時間くらい待ってる》


どこに居たんだ。
気がつかなかった。

すぐに走って引き返すと会社の倉庫が見えてきた。
角を曲がると会社から20mほど離れた路地に彼が居た。
もうウソの言い様が無い。


私が傍に近づいたら彼が言った。

「お前、何やってた」
額に赤みが差している、怒ってる。

話をしてた

「お前、仕事終わったのにすぐメールしなかっただろう。
どこ行ってたんだ、
遊んでたのか、あいつ(会社の女の人)と」

だから話をしてた

「あやしい・・・俺に隠れて行動すること自体がおかしい。
堂々とできないんだな、やましいんだろう
たまには様子を見ておかないと、と思って来てみたらこの有様だ」

なんか、開き直ってしまった。

ああそうだよ、ウソついてましたよ
だってそうでもしないと誰とも話も出来ないよ
正直に話したら良かったの?
よけいに機嫌が悪くなってたじゃないの
あのね、私の世界はちっちゃいんだよ、今
箱の中で生きてるみたいだよ
右も左も壁だよ
あなたは私をどうしたいの
飼いたいの?

「・・・お前なあ・・・外で大きな声出すなよ」

ますます額が赤くなった。
でも外ではそうそう怒鳴らない。

「とにかく、お前は俺を裏切った。俺はズタズタだよ」

それから一言も喋らず部屋まで帰った。
帰ってから彼が何を言い出すかは大体想像できた。
部屋に入り、ドアを閉めたら本当に外界から隔離された世界。



2006年08月02日(水) 私のウソ

当時の職場で仲良くなった女の人から人間関係の相談を受けたことがある。

仕事が終わってからゆっくり話したいので、時々近くの公園で30分くらい話したりした。
その人の話を聞いて、私も世間話をして。
それから時々彼女と話してから帰っていた。

仕事が終わったらすぐにメールしろと言われていたし、職場の人間と遊ぶな付き合うな仕事が終わったらさっさと帰れとも言われていた。
なので、彼女との話が終わってからメールをして帰っていた。


「今日、遅くない?」

と彼がある日言った。

終わってから少し話すこともあるから、と答えた。

「会社の中で、だろうな。外で付き合うなよ・・・
わかってるよな、お前が職場の人間と気安くなるのを俺が嫌ってるのを。
なるべく仕事以外の話をしてもらいたくないんだ」

知っていた。
仲良くなると自分のことを何か話されるんじゃないか、何か入れ知恵されるんじゃないか、と思っていることを。
自分について知られたくないから私が友達と付き合うのを嫌う、友達を作るのを嫌う、
だから「さっさと帰れ」と言う。
職場から部屋までの通勤時間を彼は自分で確かめたことがある。
帰る、のメールから帰宅までを毎日計っていた。
少しでも遅いと「なんで?」としつこかった。
途中で薬局で頭痛薬を買ったから、と言うと
「見せろ」
見せたら、
「これを選んでレジ行って金払って、長くても2分だろ?・・・おかしくないか?」


だから職場の人と話して帰るのがうそっぽいと感じたのだろう。
実際半分くらいウソなのだけど。

ウソは悪いです、
じゃあウソをつかなくていいような生活をすればいいのだけど
これは彼の言いなりの行動でしかない。

息抜きの時間もない。

昔は正直に話した、そしたら禁じられた。
それでもわかってもらおうと話した、そしたら私が泣いて謝るまでいろんなことをされた。

もう真っ向勝負では勝てないと知ってたからウソをつきました。


この帰宅の件に関しては、暫くは何事もなく過ぎたけど
ある日彼が私の様子を探りにこっそり職場近くで見張っていたらしく、帰宅メールがウソとバレた。





メールは受け取っておりません。すみません。

[LINK] 「モラル・ハラスメント被害者同盟」
モラハラで苦しむ方々へのメッセージや皆さんの体験談があり
私の心の支えとなりました。

ヨウ