My life as a cat
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2015年04月30日(木) Mon amour, Joël

ロブションの前を通ると必ず大好物のクロワッサンを買ってしまうのだが、季節ものもいつもセンスがよくてさすが!と感嘆してしまう。冬の間にだしていたリンゴ入りのクイニーアマン、新年のガレットデロワ、バレンタイン前後のスライスしたバターと薄い板状のミルクチョコレートとダークチョコレートをサンドしたバゲット。そして4月はグランマルニエのきいたオレンジピールが入ったパン・オ・ショコラ。唇にココアパウダーがざばざばと付いてしまうので、決してデート中は食べないように! 家で人目をきにせずムシャムシャと頬ばるのがいちばん美味しい食べ方だ。

いつか持ち物には異性の名前を付けると、それがよく働いてくれると読んで(これは″おまじない″なんかではなく、名前を付けることで愛着が湧いて大切に使うという物理的な理由があるのだろう)オリーブ色のストウブの鍋に″Joël″と名付けたのだった。こちらのJoëlも料理の腕は相当なものだ。炊飯から煮物、グリルまで。気軽に引っ越せる暮らしを心がけてるわたしとしては、重量も気になって、かなり迷って迷って人生の伴侶に選んだのだよ。まぁ、料理上手で軽々しくないのもいい男の条件だね。


2015年04月29日(水) ふたつのベルリン

″Der Untergang(邦題:ヒトラー〜最期の12日間〜)と″Fury(邦題:フューリー)を立て続けに観たのはたまたまだったが、第二次世界大戦中、四方八方から敵に攻め入られるベルリンのドイツ軍と、そこに連合軍として攻め入るアメリカ軍の様子を両方の角度から観ることとなった。前者は醜男であるヒトラーの最期を描いた淡々とした実話ベースのストーリーであるのに対して、後者はブラピを主役とするアメリカン・ヒーロー・ファンタシーだ。ふたつの映画の主人公であるリーダーに共通しているのは、敗北がすぐそこに見えていても最後まで降伏しなかったことだ。青々とした美しい森林や歴史の積み上げられた町並みが見るも無残に破壊され、焼け野原となっていく様子は脱力する以外にない。なぜ戦争が起こるのか、戦争によって誰にどんな利益があったのか、誰かに幸福をもたらしたのか、考え尽くしても解らないことだらけだ。

映画を観ている横でクロエちゃんが宙を飛ぶ虫を追いかけて遊んでいた。嬉々として追いかけて遊ぶだけで、本気でない。捕まっても虫はぴんぴんと生きているので、奪い取って外に逃がす。

おなかの満たされた動物は穏やかだ。人間もおおかたは同じだ。飢えた時代だったのだろうか。しかし軍需に費やすお金があるのだ。国のお金は軍需産業に注ぎこまれ、国民は飢えながらその国のために命を捧げる。この循環の中で得をするのは。。。おなかが満たされればそれで笑って暮らしていける平凡な人々ではない。


2015年04月18日(土) 春はあけぼの

夜の10時代からだったNHKテレビのフランス語講座が、4月から朝の6時に移動した。水曜の夜はいつもより少し早くベッドに入り5時半過ぎに出る。ざっとシャワーを浴びて、コーヒーを淹れ、テレビの前でスタンバイ。″Bounjour!″という声とともにはじまる。

いつからか″朝活″というのが流行って、出勤前にヨガやジョギングなどのオーソドックスなものから、習い事や、果ては合コンまで済ませてしまう人もいるらしい。朝は一番頭が冴えてるとはいうが、朝にエネルギーを使ってしまえば、それだけ日中や夜がだらけてしまって同じなのではないか、と思ってしまうが、真相のほどは解らない。ただこの朝6時のフランス語をやるようになって、一つ感じたことは、自分が一番思い入れてることを一日のうちの一番はじめにこなすことは、少しだけ成就の近道になるのではないかということ。朝にたった20分フランス語をやったからって日中ぐったりするようなことはないが、朝一にやったことはなぜが日中にフラッシュバックしてきたりして、何かとよく覚えることができる。

空が暗いうちにベッドから出るのは憂鬱で、冬はどうなることやらわからないが、春の早起きは気持ちがいい。気まぐれに朝の農園へ行ってみると、そこは″オヤジ″達で大賑わいをみせていた。カナダのアイスワインの値が張るのは、ブドウに糖分がギュッと集まる夜のうちに収穫するからだというが、野菜も朝摘みが一番美味しいのだそうだ。


2015年04月11日(土) 全粒粉と豆乳のスコーン

先日、マクロビのスイーツはスイーツじゃなかったと書いたのだが、なんだかんだとその魅力にはまってしまった。ムショウに甘い物が食べたい!というような時にはやっぱり満足いかないが、朝食とか、小腹が空いた時の間食にするにはうってつけ。「クシ・ガーデンのマクロビオティック本格スイーツ」という本のレシピに次々とトライしている。マクロビスイーツはどれもやさしい味でちょっと物足りない感じがするのだが、逆に毎日でも飽きずに食べられる。そしてお菓子作りに使った道具を洗う時、バターやクリームたっぷりのレシピの場合、熱いお湯で洗剤たっぷりで洗わなければならないのに対して、マクロビスイーツは水と少しの洗剤でいい。体の中で起こっていることを想像してしまう。周囲の人々にも好評で、″マクロビ″なんて言葉すら知らない母でさえ、先日焼いたリンゴとシナモンのケーキが美味しいとべた褒めして美味しそうに頬張っていた。

今日焼いた全粒粉と豆乳のスコーンは、今まで焼いたどのスコーンより美味しかった。アツアツに自家製のイチゴのコンフィチュールを添えて、極上のアフタヌーンティーを満喫した。マクロビにこだわらずとも素晴らしいレシピだ。


2015年04月03日(金) I worked very hard on it!

長い長い一週間だった。桜の開花が春の訪れを告げていたからなのか、単に限界だったのか、突然長きに渡って悩んできた問題に決着をつける決心がついた。決めたら後はあっという間だった。事はうまく運び、ほんの2日間のうちに落ち着いた。会社の人間関係は政治だ。必要以上にずる賢くうまく立ち回ろうなんて思わないが、ヘタをすれば自分の信用を失う。軽はずみな言動が時には命とりになることは、この巨大な組織の中で働くようになってから身につまされた。こんなに沢山の人間が一緒に働いて、揉め事のない日はない。社内政治の対人間のバトルに勝つ方法、もしくは負けない方法は、自分が絶対的に正当であることのみだ。

夕方、あまりにもカジュアルな口調で上司に呼び出され、希望していた仕事を任せてもらえることを告げられた。″Yeeeeeeees!!!"心の中で大きなガッツポーズをとっていた。わたしに任せることで会社に利益をもたらすという説得材料を準備して、自ら交渉に乗り込んだものだった。上司はわたしの勢いに圧倒されたらしい。それ以来、わたしに″話があるんです″と言われる度にドキドキしちゃうんだってさっ(笑)。

掴んだ、掴んだ!自分の欲しかったものを自分の努力で掴んだんだ。その過程では努力の成果が見られないとどんなに気を揉んだことか。粘り勝ち!心の中にも長い冬を超えた桜がパッと開花したようだった。


Michelina |MAIL