陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2009年07月31日(金)      ふゆごもり

昨日とうって変わり、今日の横浜は涼しくなりました。
今月の催しも無事に終わり、ホッとしております。暑い中
ご来場いただきました皆様には誠に有難うございました。

 中学の先輩でもあるお客様から飛騨の
 地酒を頂戴しました。数少ない貴重な
 お酒らしいですが、お蔵の方と懇意で、
 送って頂くそうです。本来冬場限定の
 銘柄のものを、夏の冷や用に造った
 その名も 『にごり酒 ひや冬ごもり』
夏らしく平盃に注いでみました。もちろん、杯は自前です。
信楽の荒め土を横浜の貝殻で焼き締めた陶房かまなりや
オリジナル。見込み(器の内側)の緋色に白い酒が映え
てとてもきれいです。味はきりっとした辛口、雑味もなく
すーっとのどを通ります。良酒です。昨今焼酎ブームで
日本酒が影を潜めていますが、やはり清酒は美味しい!
時を同じくして鷺沼のよしみやさんからも鶴齢の濁り酒
『源左衛門』 を頂戴し、堪能しました。

暑い夏こそ清酒を呑むようにしたいと思います。





2009年07月30日(木)      なつそば

栃木県益子の造形作家KINTAさんから、土祭(ヒジサイ)での
そば打ちのラヴコールを、メールやご本人のブログでいただき、
とても有難く思います。なにぶん開催は9月末と迫っており、
日程調整が難しく、行けそうもありません。残念です。

 今月の芋乃市場でのそば打ちは、随分
 難儀しました。気温、湿度が高く加水
 を多くすると生地がやぶけやすくなり、
 逆に低いと乾きやすくこれまたそばが
 切れやすくなってしまいます。絶妙な
 加水量を加減し手早く打つ、理屈では
わかっていてもなかなかに難儀なことです。あまつさえ痛め
た腰をかばいながらの仕事ですからスピードが出ず、今月は
本当に苦労しました。それでも今朝は腰痛もだいぶん沈静し、
水の加減も見えてきましたので綺麗なおそばが打てました。
暑い時分のそば打ちは、中々手強いです。まだまだ修行です。

こんな未熟な腕前でも呼んでいただけるのは果報この上ない
ことで、機会を見つけて益子へ伺いたいとは思います。まだ
召し上がって頂いたことがないので、まずはKINTAさんに私の
打つ江戸前そばを食べていただき、できれば地元のそば粉で
打ってみたいと思います。益子にもきっと良い蕎麦があるで
しょう、秋冬になれば新物が出ます。その頃一度時間を作っ
て益子で打たせていただきましょうか。

益子はきのこも豊富ですから、きのこそばもいいですなあ。

益子.KINTA http://pub.ne.jp/mashiko_kinta/?entry_id=2318973

土祭[ヒジサイ] http://www.hijisai.net/





2009年07月29日(水)      KABUKI

歌舞伎というお芝居の語源は 『傾き』 だと言われます。
かぶくとは、常軌を逸した奇行を指す言葉でこういった
行いをする人を 『傾き者』 と言ったそうです。直江兼続
と親交の深かった前田慶次郎の逸話は有名で、少々憧れ
てしまいます。
 僭越ながら私は自分のことを分別の
 ある常識人であると自負しています
 が、時折無性に変わったことがしたく
 なります。特に疲れがたまりストレス
 が蓄積してくると、急に踊りだして
 みたり、何もかもすっぽかして走り
出したくなります。まさかに実際の行動に出ることはありま
せんが、こういうことを自然にできなければ真のカブキ者
と言えないでしょう。

よく人から変わってるねえなどといわれますが、自分では
まったく普通だと思っていますので心外です。然しながら
ほとんどの変わり者がきっとそう思っていることでしょう。

最近こじんまりとまとまっている自分を嬉しくもあり、寂し
くも感じます。そろそろ何かやらかしてみたいところですが
やろうとしてできるもんでもないですよねぇ。





2009年07月27日(月)      専用団扇

 エアコンの届かない芋乃市場のトイレ
 は今年も暑い状況です。昨年は、三平
 師匠のキャラクターを墨書した詫び状
 を貼りました。今年は詫びだけでなく、
 団扇を設置しました。ご来店の皆様に
 はどうぞご自由にお使い願います。

 暑中お見舞い申し上げます。






2009年07月26日(日)      かんげん

本日の関東横浜は、夏らしい気持ちの良い晴天でした。
いよいよ梅干しを干そうかと勇み立ちましたが、明日の
予報が芳しくないので、ぐう〜っと堪えました。

 暑い暑い日になりましたが、どう巡り
 合わせたか本焼きの窯を焚いており
 ます。因果なものですが生業ですから、
 週のはじめに痛めた腰をだましだまし
 きばって焚いています。今日は還元焼
 成です。窯の中の炭酸ガス濃度(還元
雰囲気)を確かめるのに煙突からの煙の出具合を常に気に
かけながら、燻し過ぎないように焚くのが勘所。

青い青い空に、赤トンボが沢山舞っておりました。これから
山地へ一度登り、秋にはまた更に赤くなって帰ってくるの
でしょう。 『夏本番近し』 ですかな。





2009年07月25日(土)      ベンリィ

 靴作家の曽田さんから倅がオートバイ
 を譲り受けました。ホンダベンリィCD50
 です。質実剛健の所謂ビジネスバイクは
 『渋い!』 の一語に尽きます。黒めの
 車体、銀のマフラー、大きめの荷台、実に
 無駄のない健康なデザインです。陶器に
例えれば益子焼の釜飯の釜のようです。今月半ばに息子と
一緒に貰い受けに伺い横浜へ運び、二・三日前にこちらで
登録を済ませました。早速倅は友人と連れ立ってあちこち
乗ってあるいています。私も若い頃は寿司屋の出前のバイト
でスーパーカブを自在に駆っていましたので、どれどれと
乗ってみましたが、クラッチ操作とブレーキが思いのほか
上手く使えず苦心しました。歳ですねえ、恥ずかしながら
ちょっとおっかないとすら感じてしまいました・・・

これからの季節、オートバイには心地よい季節です。
倅には初めての自分の愛車ですから、整備の基本もきちん
と覚え、大事に扱ってほしいものです。オートバイの良い
ところは何といっても外気を受けて走るところ、色々な風
を感じながら、世界を広げて欲しいなあと思います。





2009年07月23日(木)      梅雨戻り

 先日14日に関東地方は梅雨明けの
 発表がありましたが、どうも戻ってし
 まったようです。気象庁は少々勇み足
 を踏んだような気がします。難しい
 予報ですから間違いもあるでしょうが、
 ちとしくじりましたかな。

庭のキンカンの花が良く咲いて、雨に光っていました。
真冬に実の生る金柑ですが、夏には早、花を付けるのか
と毎年感心します。秋咲きでもよかろうかと思いますが、
それでは冬には間に合わないのでしょう。植物の営みは
ゆっくりとそして着実です。  見習わねばと思います。





2009年07月22日(水)      アオムロ

生憎の曇り空で横浜新井町では日食が観察できませ
んでした。でも、そんな日食の日に太陽と知恵の結晶
『くさや』 を頂戴しました。新島産アオムロアジです。

 塩も水も貴重であった時代の苦肉の
 策がくさや干物の嚆矢と聞きますが、
 今やこの発酵食品は日本の立派な食
 文化であり、西欧のチーズや北欧の
 シュールストレミングに負けない保存
 食です。飽食の時代という言葉すら
 古くなって、保存食など食べなくとも
 良い時代ではありますが、食は天然
資源の無償の恩恵であることを肝に銘じ、一木一草も
無駄にせぬよういただくのが本義と心得、このアオムロ
のくさやで今日はお燗でもいただきましょう。夏の
草臥れた胃腸のメンテナンスには持って来いです。

太陽を思う日にくさやの干物で晩酌。 げに 果報です。





2009年07月21日(火)      沖縄マンゴー

今朝、ちょっとした拍子に腰を痛めてしまいました。
長年付き合っている持病ですから、気をつけているつもりなの
ですが、疲れがたまり油断をすると痛めてしまいます。経年に
よる腰椎の変形が原因で、対処の方法も充分心得ていますが、
1週間ほど痛みと、力の入らない不自由さと付き合うのが何とも
癪です。 まあ自業自得、辛抱しましょう。

 沖縄の方から完熟マンゴーをいただき、
 美味しく頂戴しています。同封の栞に
 『食べごろは紅色がこゆくなってから
 ・・・』 と書いてあり、こゆいという
 お国言葉に南国情緒を感じました。
 中学のときに沖縄出身の先生が答案の
書き方を生徒に 『エイチビーの鉛筆でこゆく書くんですよー』
と言っていたのを思い出しました。とても熱心な良い先生でしたが
時折方言が混じり、聞き取れないところがありました。眉毛が濃く
髭剃り後が青々とした小柄ながっしりとした先生でした。そんな
風貌と独特のお国言葉が相まって、多くの生徒がその先生を少々
侮っている様子でしたが、私はその先生がわりと好きでした。
きっと今はお国に帰られているのではなかろうかと思います。

沖縄のマンゴーの香りがそんなことを思い出させてくれました。





2009年07月20日(月)      どよう

 夏土用に入り、梅干しを早く干したく
 てうずうずしていますが、なかなか晴れ
 が続きません。週間予報では今週も芳し
 くない模様・・・ 今年は一回り大きな干し
 笊も新調し、準備は万端です。巷では
 やれ解散だ、皆既日食だと、それこそ
不穏な雲行きです・・・ 干すとなればやはりからりと晴れた日
にしたいですからねえ、もうしばらくは辛抱でしょうか。


     晴天を待ち笊洗う夏土用





2009年07月18日(土)      サンちゃん

 コウ 暑くなるとやはり麦茶ですな。
 常飲していた生協の麦茶が突如販売
 中止となり、恐慌をきたしつつもイン
 ターネットで探しこのサンちゃん麦茶
 に行きつきました。佐賀県産のこの
 麦茶はコクがあって中々の美味です。
佐賀といえば唐津焼に有田焼、焼き物の故郷のような県です。
そんな土地柄の特産品のお取り寄せは焼き物屋冥利に尽きる
というもの。 この夏はこの麦茶で乗り切りましょう。





2009年07月16日(木)      夏野菜

 畑をお持ちの生徒さんから野菜を
 どっさりといただきました。横浜港北
 の地物野菜です。私は擂粉木のように
 大きくなった胡瓜が好物です。中の種
 のプニョプニョのところが特に好きです。
 その話をすると皆一様に驚かれます。
やはり多くの方がこの胡瓜を持て余しているらしく、パリパリ
したものを良しとするようです。 美味しいのになあ。

今日も全国的に猛暑となりました。
どうぞ皆様、特に外仕事の皆々様、お体大切にお励み下さい。

謹んで暑中お見舞い申し上げます。





2009年07月15日(水)      ほそう

舗装ではありません。 『干そう』 です。

 梅雨明けした途端、スイッチを入れた
 ように太陽は輝き、からりと晴れた横浜
 は気温が30℃を超えました。土用の
 入りを待たずしてこの天気ではもう梅
 を干しても良いでしょう。しかし、迂闊
 に干すと日食にぶつかってしまいます
から、それが終わってからにしましょう。23日以降の晴れの
続きそうな日を見定めて、三日三晩きちんと干してやりましょう。

この日報のタイトルはわりと頻繁に平仮名で表記しています。
一つには読みやすさを考慮しているのですが、今日のように、い
かようにも解釈できるような題にして、講読意欲を掻きたてようと
いう筆者の姑息な狙いがあります。捻りすぎないようには心がけ
ていますが、変化球嫌いの方には不快であろうかとも思います。
然しながら、唯の直球勝負は詰まらないので今後も程々にヒネリ
を加えていこうと思います。

臍曲がりは性分です。 ご勘弁願います。





2009年07月14日(火)      遊 山

週末、友人と連れ立って軽井沢へ行ってきました。
只一泊の旅行でしたが、万座、草津とまわり、小観光を
楽しみました。夏の万座温泉は、スキーシーズンでも
ないので閑散としていましたが、温泉に来るお客さんが
いて、思ったより賑やかでした。我々も万座プリンス
ホテルで日帰り入浴と洒落込みました。

 硫黄のにおう温泉ホテルの外壁には
 イワツバメがびっしりと巣をかけ、飛び
 交う親鳥の声が如何にも夏山の風情。
 足元を見ればコマクサの小さな花が
 可憐に咲いていました。本物を見るの
 は初めだったので、大感動しました。

 万座から一路白根山を経由し草津へ
 抜け、噂の湯畑を見てきました。音に
 聞こえた草津の湯の中心 『湯畑』 は
 正に畑というに相応しく、まあ良くぞこ
 ういう場所ができたものだと感心しつ
 つ、写真を撮ってきました。

旅は好きですが、週末の観光地は俗っぽすぎて好きでは
ありません。でも、俗っぽさというのは即ち、人間っぽさ
ですので否定をするのは無理があります。そんなことを
考えながらお土産屋で 『孫の手』 を探す自分こそが
俗であることに苦笑しつつ、きちんと買って参りました。

今日、関東地方も梅雨明けが発表されました。とたんに
暑い暑い太陽が照り付けて一気に夏が訪れたようです。
これからほぼふた月、お彼岸までは辛抱の日々です。
しかし、夏の野菜が美味しくなります。トマトや胡瓜を
肴にビールをいただく楽しみもあります。各地で花火
も催されます。きついことに変わりはありませんが、
楽しむ方向で乗り切りたいものです。





2009年07月10日(金)      ハイブリッド

昨日、ちょっとした車の整備をしにトヨタネッツへ行き、
整備の待ち時間に噂の 『プリウス』 を試乗させてもらい
ました。音に聞くハイブリッドカーは正に未来の車でした。

 まずもって運転席からしてもうデザイン
 が違います。大仰な計器類はなく、液晶
 のモニターがエネルギー伝達系統を示し、
 速度と燃費が数値で表示されている以外
 無駄のない表示形式。そのわりににハン
 ドルにもナビモニターまわりにも様様な
ボタンが配置され、エンジンの始動からエアコン調節などなど
皆ボタン操作です。シフトノブも小さくシンプルで、軽く操作
するだけでガチャガチャ動かす必要もありません。実際に動い
てみるとモーターとエンジンの切り替わり時のストレスは皆無、
エアコンの音だけは響くものの、噂に違わぬ静粛性能でした。
21世紀の自動車はすごい進化をしているものです。いかんせん、
20世紀人間には何とも物足りない気がしました。まず、操縦して
いるという感覚が薄い、まるで全自動のカートを動かしている
ような感覚でした。言葉は不適切ですが、猿でも動かせます。
車内から見える景色も、こころなしか映像のように見えました。

これから車はどんどんこういう風に進化していくことでしょう。
カメラのピントや絞りを自分で合わせることがなくなったように。
そして、電気自動車も実用化されるでしょう。でも、何となく
寂しい気がします。クラッチを踏んでギアを入れ、アクセルと
連動するエンジンの感覚を足裏にビリビリ感じつつハンドルを
切り、窓から吹き込む風を受けながら五体五感を使って運転す
る感覚には変えがたい快さがありました。プリウスは確かに
素晴らしい自動車ですが、試乗後には無性にマニュアルの車に
乗りたくなりました。





2009年07月09日(木)      辣 韮

 先月仕込んだラッキョウの甘酢漬け
 が漬け上がり、食卓に上りました。
 今年も上出来です。らっきょうの語源
 は中国の 『辣韮』 の音で、辛辣
 な味のニラであるそうです。確かに
 臭気も辛味も強い野菜ですが、漬け
た物は辛辣というほどではありますまい。たぶんこの
形容は、生での食感を言い得ているのでないでしょうか。

せっせとラッキョウを食べて、夏バテに備えましょう。





2009年07月08日(水)      部 品

先日のこと、自宅前の駐車場が一杯になった為、お隣の
月極駐車場に車を移動していた際に、迂闊にも右後ろの
テールランプを電信柱の筋交いにぶつけてしまいました。
ちょうどルームミラーもサイドミラーも死角でした。窓を
開けていたので、ガシャッ という音にすぐに車を止めて、
降りて確認しましたが、右のテールランプは見事に放射
状にヒビが入り、バンパーが少しへこみました。同時に
私の自尊心は砕け散り、気持ちはベッコリとへこみました。

 然しながらすぐに気を取り直し、当てた
 部分が交換のきく部品であることを慰め
 に、早速インターネットで部品探しを始め
 ました。すぐには見つかりませんでしたが、
 一昨日ヤフオクショップでぴったりの部品
 を見つけました。しかしすぐには買わず、
 充分吟味を重ねました。何しろ過去ポンプ
 で痛い目にあってますから、そこは同じ轍
を踏まぬよう慎重を期しました。(2007年11月29日ご参照)
品番を確かめ、色味を確認し、年式をチェックして、これなら
と見定めて昨日購入しました。早くも今日品物が届き、具合
良くぴったり同じ部品でした。明日にも取り付けましょう。

週末、友人達と連れ立って久しぶりに小旅行へ赴きます。
キズを残したまま行くのは嫌だなあと思っていましたので、
部品が見つかってよかったです。部品の交換ついでに洗車
もしてやりましょう。ここのところ少し車の扱いがぞんざいに
なっていたようです。この車にしてからかれこれ5年、あまり
に燃費が悪いのでそろそろ乗り換えようかと考えていますが、
そういった気持ちが些細なミスを誘ってしまうものでしょう。
今回は小さな接触でしたが、大きな事故などにならぬよう、
重々気をつけましょう。





2009年07月06日(月)      サイト

 2002年に公開した陶房かまなりやの
 サイトも7年が経ち、記事は古くなり
 あちこちでリンクが切れ、随分見づらく
 なってしまいました。ここいらで一丁
 新装せねばとは思うのですが気合いが
 乗りません。でもこのままではいけな
いのでいずれ本腰を入れてリニューアルしようと思います。
一度シンプルな構成に直して、トピックを追加するように
広げていこうと思います。

いつになるかなあ・・・目標年内ってなとこですかな。
乞わずご期待。





2009年07月05日(日)      あおばずく

おはようございます。
日曜の朝6時になろうとしています。今朝は4時に目が
覚めました。明けてくる外からはホトトギスの声が響いて
おりました。関東横浜は曇りですが、雨は降っていません。

 一昨晩、フクロウの声を聞きました。
 ホーホー、ホーホーと2度ずつ鳴いて
 いましたのでたぶんアオバズクだと
 思います。青葉木菟と表記されます。
 青葉の時季に渡って来るのでこの名
 がついたそうですが、渡りの途中だっ
たのか、それとも営巣するのか、できれば巣をかけて繁殖
してほしいものです。もしそうなればこの夏、毎夜フクロウ
の声が楽しめるかと思うと幸せです。

もうすぐ七夕、梟の営巣を星に願ってみましょうか。





2009年07月03日(金)      おくりびと

映画 『おくりびと』 を観ました。良い映画でした。
外国で賞を頂くほどだから強いメッセージのこめられた
社会派ドラマかと思っていたらコミカルな娯楽性を持った
笑って泣けるニッポン映画で、ちょっと驚きました。

 主演の本木さんは実に良い役者さん
 だなあと思います。表情がとても細やか
 で、身ごなしもとても綺麗です。山崎努
 さんとの競演もテンポが良く、安心して
 見ていられました。また、台詞の間合い
 に繊細な気配りがあって、間延びせず、
早からず、脚本をとてもよく咀嚼している方だなあと感心し
ました。達筆であることも有名ですが、ほぼ同年代の43歳
は、まだまだ未知なる魅力を秘めていそうな俳優さんです。

納棺師という職業が今でもあるのかはわかりませんが、死者
を丁重に送る仕事の敬虔さはこうあってほしいものだなあと
思いました。どれほどの富を築いた人でも死からは逃れられ
ませんし、生きることは緩やかな自殺だとも言われます。
この映画に込められた日本的死生観は、日本人特有のものだ
と思うのですが、外国の皆様にも共通した感動を与えたのか
と思えば、生きることや死ぬことの不条理は人間共通の感覚
なのでしょう。そういった意味でこの映画がアカデミー賞を
受賞したことは意義深いことだなあと思います。

劇中、山崎努さんが自分の死生観を語りながら本木さんと
焼いたシラコを食べるシーンがありますが、とても象徴的で
良いシーンでした。生きることは死なないことで、そのため
には命を喰わなければいけないなんて、むごいことですが、
『目をそむけずに、生きましょう。』 というメッセージだな
と感じました。





2009年07月01日(水)      エプロン

6月の芋乃市場も概ね盛況のうちに幕となりました。
お天気の芳しくない中ご来場くださいました皆様には、
誠にありがとうございました。また、ご出品頂きました
作家の皆々様、心中より感謝申し上げます。

私が打つ麺類は、市場で買い上げて貰っています。夫婦
間での売り買いですので格安販売ですが、有難いことに
少しずつ食数が増えています。打てば打つほど経験値も
上がりますし、両得です。

 その売り上げが、ちょうど永田美雪さんの
 エプロンと同じ額であったので記念に買い
 ました。柿渋染めのロングサイズ、ポケット
 もついて機能的です。麻生地ですから通気
 もよく、見た目より柔らかいので巻き心地も
 快適です。芋乃市場の厨房スタッフは皆、
 このエプロンを持っています。ちと照れ
 くさいですが、これで私もお揃いです。
今月末には、これを巻いて蕎麦やうどんを打ちましょう。

墨で渋ーく名前を書いておきましょう。




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