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2008年07月31日(木)   

149 猫を膝に乗せて、本を読んで。美味しい珈琲を淹れて、花を育てて、料理をして。でもそんなのはまたいつか。いつか、私が、老いた頃。

150 ざわついて、うわついた日々が続く。奪い合い、騙し合い、いがみ合う日々が。

151 やさしくなりたいと願うが、多分私はすでにやさしすぎるし、正しくありたいと願うが、根本的な過ちをのぞいて、多分私はたいてい正しい。そういうことにしておいて、少し楽になろうと思う。

152 久しぶりに、丁寧にマニキュアを塗る。余裕も大事。


2008年07月30日(水)   

144 夢の中で、たくさんの懐かしい人に会う。もちろん貴方もいた。どうしてるの、と私は聞く。「病人の相手なんてうんざりだよ」と貴方は言う。ああ、そうね、たしかあの人は、と夢の中で私は思うのだけれど、目覚めてから、あの人は、決して病人などではなく、仕事熱心な可愛い人だったことを思い出す。

145 そして私はとても悲しくなる。そして私はするべきことを思い出す。

146 私は猫を膝に乗せて、小さな一日を静かに過ごしたいだけなのに、貴方がそれを、許してくれなかったから。

147 外に出て、金を稼げと、根本的に成り立ちの異なる者たちに揉まれて、名をなし、能力を証明しろと、言うものだから。

148 利潤を追求するためだけの貧しい知識など、用が済んだら犬にでもくれてやる!


2008年07月29日(火)   

139 とり散らかった部屋を片付けて、またはじめる。何度でも何度でもはじめる。その繰り返し。仕方がない。

140 なぜならもう、終わってしまっているのだから。笑い出したいくらいに、終わってしまっているのだから。

141 私はもうたぶん、生きていないのだから。

142 生きているけれど、本当には生きていない。だからせいぜい、生きているふりをする。

143 それが、礼儀だから。


2008年07月28日(月)   

135 雨の降る日は朝から目の奥が痛む。ああ、もう、そろそろ限界、と言いたい気持ちをイブプロフェンで押し殺す。

136 身体にいうことをきかせることが非常に難しい季節、というのはまったく言い訳にならない。

137 おしゃべりな彼たち/彼女たちが、土足でずかずかと上がりこんでくることを拒むこともできず。

138 歓待の掟に従ったまでのこと。あくまで応接間での出来事。


2008年07月27日(日)   

132 そぎ落とすことは、はりつめることである。勤勉であることや、生真面目であることとは、なんら関係がない。

133 だから、くだらない問いかけであれば、椅子を蹴って席を立つ。窓のない部屋は耐え難い。

134 とんでもないところへ、迷い込んでしまったものだ。


2008年07月26日(土)   

127 目覚ましのアラームがセミの鳴き声にかき消されて聞こえない。苛酷な夏である。
 
128 帰属意識に誑かされて、足並み揃えて一回休み。

128 苛酷さには苛酷さをもってせねば。

129 祈るだけではまるで意味がないのだから。

130 私の生そのものが祈りと同化するまで。すべての所作が祈りであるような、そんな見事な生き方を。そぎ落とし精錬し鍛え上げて、私の生そのものが刃となるまで。そんな見事な生き方を。

131 いつか貴方に教えることができたら。


2008年07月25日(金)   

122 ペンキを塗ったような青い空。

123 夏バテ防止に、餃子とビールをいただいて帰る、行儀のよい私たち。

124 地下鉄には浴衣姿もちらほら。

125 夏が、夏だ、と胸をはって、堂々と迫ってくる。遊べ楽しめ満喫せよと、脅迫的に迫ってくる。

126 ふいに自分の周辺だけがつまらなく思えて、そんな日もある、とふて寝した。


2008年07月24日(木)   

116 愛してる、という言葉の軽さをかみしめながら、その指にこめられた蔑みに、とうに気がついている。

117 「まさかあなたが私を嘲笑うなんて」(小谷美紗子『四季』)

118 いいえ、男はいつも、女を嘲笑っていますよ。愛してる、という言葉の裏で、あなたの弱さを、愚かさを、いつもいつも、嘲笑っていますよ。

119 上手に許してあげることが、可愛い女の条件であるなら。

120 あさましいことだ、とあの人は言ったのだった。

121 あと一度月が満ち欠けする間に、いったいどれだけのことができるだろう。私は、私を、試し続ける。その蔑みを、かみしめながら。


2008年07月23日(水)   

111 踏み抜く! 何気なく書いた言葉のなんと核心をついていること。

112 その棘は柔らかな肉を裂きながら私の中に入ってくる。鮮血があふれ出す。私は貴方に貫かれる。一歩一歩、憎しみをこめて、私は貴方を踏みしめる。こらえきれない痛みとともに。

113 かくして荊の道を往く。

114 もう、それでいいじゃないか。

115 たとえ抱き上げられて、毛足の長い絨毯の上に置かれたとしても、そこが貴方の家でなければ、私の足は血を流す。


2008年07月22日(火)   

105 だからまあせいぜい、どうか邪魔だけはしないでください、と恐縮しながら小声でつぶやくのがやっと、といったところ。

106 邪魔すんなよな、と叫べたころの無分別がなつかしくいとおしい。

107 無理解と非協力と無関心を向こうにまわし、こちらからは無意味と無根拠に突き上げられて、「それでも」、といつまで言えるだろう。

108 花をつけないブーゲンビレアの花芽は、そのまま棘となるそうだ。

109 貴方は棘となった。私は貴方を踏み抜かねばならない。

110 そのための、「それでも」。


2008年07月21日(月)   

101 苛立ちと腹立ちは一晩寝かせるとまろやかな味に仕上がる。カレーやシチューと同じ。 

102 人を自分の基準ではかってはいけない。あなたにできることが私にできないように、私にできることでも人はできない。私がどうしても、数学を理解できないように。

103 常に数学を念頭に置いておくこと。戒めとして。

104 無理解と、非協力と、無関心に対して、人には、おまえを理解する義務も、おまえに協力する義務も、おまえに関心を持つ義務もない、ということも、常に念頭に置いておくこと。あたりまえのこととして。


2008年07月20日(日)   

097 不自然=格好悪い。

098 ほかはたぶん何をやっても、たいして格好悪くない。

099 人目を意識してかどうか、チョーキングのときに首をそらせてみせる仕草はあまりに不自然で、思わず目をそらしたくなったのだった。

100 自然に抗うことと、不自然であることはまるで意味が違う。


2008年07月19日(土)   

092 そして朝はセミの大歓声で目覚める。にぎやかなことだ。

093 誰に与えられたわけでもないノルマを粛々と完璧にこなすことの抗いがたい快感に身震いする。自分を完全に制御下に置いているというこの全能感といったら。

094 それは自傷行為とほぼ同じ構造をしている。痛みと怯えを完全に制御下において、私は自分の手のひらに自分の命を握っているのだと長い間思っていた。

095 ほんの少し方向をずらしてやるだけでよかったのだ。

096 基本的な構造はかわらない。たぶん死ぬまでかわらない。少しずつ、少しずつ、違う場所へ自分を誘引していくこと。


2008年07月18日(金)   

087 たとえばリモコンのボタンがシロクマやペンギンの形をしていたらどうだろう。設定温度を下げるとそのシロクマやペンギンが赤く光るのだ。逆に上げると青く光る。その指先が遠く離れた北極や南極にダイレクトに直結している、という意識をもつこと。

088 ばかばかしいって? でも、そんなばかばかしさにすがるしかないようなばかばかしい状況に、そろそろなりつつあるんじゃないの?

089 1000の指先がためらうことで、もしかしたら、何かが。

090 真夜中の驟雨がまるで喝采のように。

091 遠い拍手が鳴りやまないうちに、窓をあけて、眠る。


2008年07月17日(木)   

084 なみなみと水を汲んだ甕を運んでいるようなもの。ゆっくりと、慎重に、一歩ずつ。少しでも油断したら、こぼれてしまう。

085 「極度に張りつめた注意こそ、人間において創造的な能力をつくりあげて行くものである」(ヴェイユ)。

086 花の咲く気配は一向にないけれど、それでも水を運び続けること。


2008年07月16日(水)   

079 まさかこれしきのことでもう精一杯だ、とか言うんじゃないでしょうね、底の浅いところを見せつけないで、あれだけはったりをかましておいて、いまさら「できません」は通用しないよ。

080 と、あるのかないのかわからない根性に訴えかけてみる。

081 どうしてこんな生き方しかできないのだろう。常に追いかけられて、常に追い詰められて。

082 追いかけてるのも追い詰めてるのも自分自身。口にくわえたその尾っぽを、すんなりと放してしまえばいいものを。

083 ぎりり、と歯を食いしばる。いつの日か尾っぽを食いちぎるまで。


2008年07月15日(火)   

075 猛スピードで母は、という本を読んだことはないのだけれど絶妙なフレーズであると思う。とにかく猛スピードで駆けていく、彼女は。その苦しげな息遣いがとことん私を追い詰めるのだ。母が重くてたまらない、という本もまた読んだことはないのだけれど、いやはや。

076 支配的な母親、という伝統的構図とはまったく異なるが、彼女が猛スピードで駆けたあとの荒廃しきった地平に呆然と立ち尽くし、さてどうしたものか、と思案に暮れる私もまたある種の犠牲者ではある。そして彼女は彼女で猛スピードで駆けることに対して犠牲的な観念を抱いているに違いないのだ、おまえのために、おまえのために、おまえのために。

077 まるで報われない犠牲の山。

078 誰かのために、という言葉が孕む根源的な偽善。つねに、すでに、他者は不在である。


2008年07月14日(月)   

070 小さき者には小さき者なりの悩みがある、という当たり前のこと。

071 私はブルドーザのようにあなたの小さき悩みを踏みつけにしてしまう。なに、そんな、くだらない、といって次から次へ「深遠な」悩みを見せつけて、怠惰をせめたて、愚鈍さをなじり、高笑いを響かせて、はるか後方へ置き去りにしてしまう。

072 やさしさと思いやりの欠如を誇り、冷たさと厳しさだけに憧れる。

073 いっそ、私が消えてしまいたい、と思う。

074 狭量な者に与えられる居場所は狭い。


2008年07月13日(日)   

064 一度失ったものは、もう二度と失うことがないから、安心して愛することができる。

065 過去をどう扱おうが私の勝手だ。

066 あなたの現在などどうでもいい。あなたの未来などなおさら。

067 消えて。わたしの目の前から。そうしたら、きっと、愛せる。

068 愛されたいと思うほど、落魄れていない。


2008年07月12日(土)   

060 倫理にしがみついて生きている、はずの私が挨拶すらできないというのはどういうことだ。これは相当深刻である、非常によろしくない。よろしくないけどどうしようもない。嗚呼。

061 結局、入り口でまごまごしていた罰ですよ。あなたは、もっと早くに飛び込むべきだった。なのにあなたは、自分を大事にしすぎたせいで、タイミングを逸してしまった。もう今となっては、入り口は閉ざされている。あとは、あなたは、朽ちるだけです。

062 掟の門前に立ちはだかっていたのはあなた自身なのです。

063 …まったく反論できない。


2008年07月11日(金)   

053 どっちが本音か、なんてどうでもいいことだ。本音はひとつとは限らないのだから。

054 おそらく私が割ったのであろう心の破片が突き刺さり、傷口がじくじくと膿んで疼く。だからここで非を認めるわけにはいかない。認めた途端、一つ目の結論が鎌首をもたげる。

055 人を嫌うより自分を嫌うほうがましだ。

056 自分を嫌うより人を嫌うほうがましだ。

057 まったくもってどちらでもいい。嫌いなものは嫌ってしまえばいい。

058 初夏の風に吹かれて夜道を歩く。無数の傷跡を、さらさらと風が撫でていく。

059 もうこれ以上、どんな傷もいらない。


2008年07月10日(木)   

048 047はヴェイユの命題である、はずである。出典不明。大学に入りたてのころに読んだリチャード・リースの本のなかにそんな言葉が書かれていた、気がする。以来この簡潔な表現はあらゆる言動やふるまいの通底音として、不穏に響いてきた。

049 嫌悪感をまき散らす自己を傲慢さから救済するための方便として。強烈な自己愛を露呈させないための戒めとして。

050 そうはいっても、ここ数年、さほど自分が嫌いではない。図太くなったものだ。

051 いや、もっとはっきり書こう。周りがすべて悪いと思っている。

052 だから誰も私にふさわしくない、という第2の結論を導く。


2008年07月09日(水)   

042 たくさんの悲しみ。たとえば朝起きるなりすぐにTVをつけ、家に帰るなりすぐにTVをつけずにはいられないあなたのために。

043 たとえばすでに会話を喪失しているにも関わらず、まるで開口部を確保しておこうとでもするかのように、必然性に欠ける言葉で無理矢理に沈黙をこじあけようとするあなたのために。

044 たとえば小さな小さな殻の内側で思考停止に陥っているあなたの怠惰のために。

045 あなたが押し売ろうとする愛情の価値を、自分に問うたことがありますか、あなたは受け入れられるに足りますか、あなたは愛されるに足りますか、あなたは私にふさわしいですか。

046 だから私は誰にもふさわしくない、という結論を導く。

047 すべての嫌悪を自己嫌悪に変えよ。


2008年07月08日(火)   

038 泥のように疲れた。睡蓮のように眠りたい。

039 絶対的な暗さの中で、己の望まぬものになろうと必死だ。見失っているのは自分自身か。

040 まだ蝉もないていないというのに、この夏はもう、貢ぎ物として捧げてしまったから、あとはただ、それでなくても脆弱な精神の糸が切れないように祈るだけだ。

041 細い細い糸を重ねていく作業。全体像は、まだ見えない。


2008年07月07日(月)   

033 彼女の生の暗さを誰が知ろう?

034 かつてはもうすこし楽しんだものだった、楽しいものを探しに出かけたものだった、けれども今では倫理にしがみついて生きている。正しいのか、正しくないのかを歪んだものさしではかりながら。

035 楽しそうに見えるものが実はたいして楽しくもないということに、そろそろ皆が気づきはじめている。私たちはおなかをすかせた魚であって、資本の手がエサをちらつかせては釣り上げる機会をうかがっている。あとは食われるだけだ。

036 それなら私は音も聞こえず光も届かぬ深海へ沈もう。そこでなら暗さも目立つまい。

037 もしくはすべての灯りを消してしまえばいい。今宵消された街の灯りを誰が惜しむ? 


2008年07月06日(日)   

029 植物に比べると、人間の成長のスピードは、おそろしく遅い。それだけ生命が緩慢で横着なのだ。まさか無欲なわけではあるまい?

030 たった一日で萎れてしまうハイビスカスの、なんとまあ、潔いこと。

031 それに比べて欲の深い人間は、報いがどうのこうのと言う。

032 ポイントは、静かに、素早く、貪欲に、だ。


2008年07月05日(土)   

023 種を播き続ける(メタファーとして)。発芽率は問わない。

024 右手の行いを左手に知らせるような真似だけは、決して。

025 だからその視線が必要なのだ、常におまえを見ている、という、神の囁きのようなものとして。

026 たったひとりが知っていてくれればそれでいい。

027 けれど誰も知らないから。

028 報われない、という厄介な感情。


2008年07月04日(金)   

017 still waters run deep.

018 表面上はあくまで静かに、静かに、穏やかに。深いところがどうなっているのかは、藻が絡み合って自分でももう分からない。動かない水は澱む、そして腐る。

019 一歩でも足を踏み入れたら、貴方は沈む。どこまでも沈む。そうして二度と、帰れない、帰さない。

020 いつかその日のために、腐敗した水の底で毒を生成し続ける。

021 それを悲しいと言う権利も資格も誰にもない。

022 重大なことは、いつも無言のままに執行される。口を開くということは、力を分散させるということだ、スピードを欠くということだ。


2008年07月03日(木)   

011 蒸れた肉と、汗の季節。匂いたつ生命が疎ましい。

012 008-a 貴方のためなら私は、死んでもいい。

013 008-b 貴方のためなら私は、生きてもいい。

014 感動的なのは後者である、当然。

015 で、とりあえず生きてはみたものの、貴方がいない、どこにもいない。無益な生である。

016 i'm always so unsure. 


2008年07月02日(水)   

005 自縄自縛は何も今にはじまったことではない。そもそもここがそうだ。最大の足枷は自分自身である。いつも。

006 選択肢が多すぎると結局何も選べなくなってしまう。何をしてもいいよ、好きにするといいよ、ああ、なんて残酷な仕打ち。

007 だから矢川澄子の10年間が本当に羨ましい。すべての時間を捧げつくしたかった、貴方に、まるで、子どものような貴方に。自立した男のなんと憎らしいこと…

008 求めなさい、頼りなさい、貴方のためなら私は…

009 誰からも、必要とされていない、という地獄。

010 だから選び続けなければならない、多すぎる選択肢のなかから、正しいと思われるものを、自分で。


2008年07月01日(火)   

000 強制的インプットに耐えかねて蕁麻疹が出た。身体的レベルで拒絶しているものとの戦いか、ちくしょう、やりがいあるじゃないか。

001 だが本当にそうだろうか、本当に必要がない、というだけのことなのではないだろうか。

002 そう多分、本当に必要がない。まるで必要がない。なのに、なぜ。

003 結局無駄なことが好きなんだろう、それともよっぽどヒマなのか。

004 貴方が私を縛ってくれないのならば私が私を縛るまでの話だ。


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