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午前2時42分、株式会社××から株式会社○○宛ての間違いFAX(全長2メートル)が届く。世間では黄金週間だというのに、こんなに遅くまでおつとめホントにご苦労様。よっぽど疲れてらっしゃるんでしょうね、お互い、もう、寝ましょうね。とはいえこれって立派な情報漏洩ですよ…。
2007年04月29日(日) |
あなたの人生において幸せだった瞬間 |
ベランダに出て、雲ひとつない青空を見上げながら、ああ、行くところもないしすることもないなぁと煙草を吸っていたら、猫たちがすり寄ってきておなかをみせて転がった。いとおしさが爆発した。イキテテヨカッタと思った。その後毛まみれになりながら2匹を入念にブラッシングし、3匹でひなたぼっこをした。あなたの人生において幸せだった瞬間は、と問われたら今日のことを答えるかもしれない。
悪ふざけはさておき冗談抜きに身体中痛い。プールにでも行ってさっぱりしたいが咳が出るので無理。連休は猫にくれてやることにした。することがないから、ではなくできることがほかにない、からヴォネガットを読みまくることにする。読書というのは怠惰の言い訳にもってこいなのだ。
先月から引きずっている風邪がどうにもこうにも治りきらず、乾いた咳ばかり続くものだから、もう、骨がばらばらになりそう。誰かしっかり抱きとめてよ。あなたよ、あなたに言ってるのよ。聞いてるの、ねぇ。
2007年04月26日(木) |
それでも××にイエスと言う |
しかしそれでも愛される準備を怠ってはいけない。そして覚悟を。
「だれにとってもいちばん不幸なことがあるとしたら」と彼女はいった。「それはだれにもなにごとにも利用されないことである」 ―カート・ヴォネガット・ジュニア『タイタンの妖女』
そう、そうね、本当にそう。ボロボロに使い捨ててくれればそれはそれで幸せだ、多分。「捨て石だから」と、たしかにあなたは言ったのだった。
ふと立ち寄った古書店のカウンターにあなたはいた。おちくぼんで黒ずんだ目元は腹立たしいほどにやつれていて、顔色もすぐれず、やわらかい髪も腹立たしいほどに薄くなっていた。そうか、こんなところにいたのか、としばし呆然と顔をみやった。あなたは、あまりにも腹立たしいほどに、あなただった。何かお探しですか、とあなたが言うので、ずっと、あなたを、と言いかけて、いえ、何も、ともごもご口ごもって、店を後にした。
かと思ったらいきなり肌寒い。それでも無気力の雲の中。やっぱり気候は関係ない。なるようにしかならないんだからできることをできるようにやるしかない。なんて至極まっとうなことを書くのはこっぱずかしいので例えば呼吸とか、と付け加えてそれらしくしておく。実際呼吸くらいしかできてないし。
いきなり生温い。むやみやたらに苛々していて何も考えがまとまらなかったり意味もなく悲しかったり救いようのないくらい無気力だったりするのはこのじめじめした鬱陶しい気候若しくは何日かぶりの休肝日のせいにしておく。気象病、なんて言葉もあるくらいだし。なんせ敏感だからねぇ。はっ、はっ。
純粋贈与という耳に心地よい言葉の陥穽に気づく。純粋なフリを装うのだからなおさらタチが悪い。右手の施しに見返りを求めたがる左手を鉈で切り落し求めていませんと涼しい顔をしてみたところで傷口からしたたり落ちる血はより饒舌に報いを要求するだろう。そもそも純粋な贈与とは記憶を持たないものであるらしい。はっ。
2007年04月20日(金) |
calm like a bomb |
またしても睡眠時間がむちゃくちゃ。たいした仕事をしているわけではないんだから一日や二日寝ていなくても平気だ、というなめた考えが自分を甘やかすからか。3時過ぎにベッドに入って5時半に目が覚める。そういうときは、たいていひどい夢を見ていて、起きたら枕が濡れている。今朝の夢の中では「気が済むまで謝ってよ」と絶叫していた。でもそんなの無理。分かっているから電話もしない。もくもくと日々をこなしていく。
「欲しい」という気持ちを、信じられなくなったら終わりだね。迷うくらいなら、最初から欲しがらなければ良い。欲しいか、欲しくないか。あわよくば、なんていうのが、一番みっともないんだよ。
午前6時21分、早朝覚醒とともに着火装置が作動する。今頃気がついた、このトンマ、おまえはコケにされ、足元をみられ、紙切れ一枚よりも軽くあしらわれて、そのうえまだ恩を着せられて、それでもへらへら笑っているじゃないか!怒れ!怒れ!さぁ怒れ!
…けたたましく騒ぎ立てる内なる声よ、おまえは12時間遅れている。だいたい朝の6時半に怒り狂ったところで会社に電話しても誰も出ないし、出勤するころにはそれなりに鎮火している。この役立たずめ。
2007年04月17日(火) |
Revolution is the Solution |
必然性の奴隷でいるのはもういや。あのとき9センチヒールを履いていたから、なんていう因果律にがんじがらめにされているのももういや。ありえないこと、予期しないこと、とんでもないことが3日以内に起こらなければ暴れてやる。いや、もう、3日も待てない。今すぐ。突拍子もないことが。起こらなければ。違う。起こさなければ。
全部、自分のせいなんだからね。分かってると思うけど、何もかも全部みんな、自分だけのせいなんだからね。逃げるな。拒むな。逸らすな。背負え。認めろ。何度でも、言い聞かせる。
物欲にたぶらかされて外出したら、クレジットカードの磁気がダメになっていた。最近ではもっぱらネットでしかものを買わない。いや、最近ではネットでものを買うことしかしていない、のほうが正しいか。とにかく、現金をあまり持ち歩かないので予備のカードでその場をしのぎ、ほかに買おうと思っていたものは結局家に帰ってから買った。外出の意味なし。
2007年04月14日(土) |
Vanity Queen |
自意識に濡れる女は美しい。たとえすべてが勘違いで、思い込みであったとしても、自信の漲る横顔は凛としていて正直だ。さらけ出してやろう、脱ぎ捨ててやろう、さぁじっくり御覧なさいな、とでも言わんばかりの挑発的な言葉の数々は見事である。おそらく嘘もあろう。はったりもあろう。それでも、貴女が最高の価値をおく貴女自身は、それが虚像であっても愛されるに足る。
2007年04月13日(金) |
just as you wanted |
例えばおまえが途方に暮れておまえが立ち止まったとき、助けを求めることはできないだろう、ということ。そういう選択を重ねてきたのだ、ということ。とっておきの瞬間のために権利を留保しておく、という一見謙虚な身振りは、既に流れから取り残されて、妄執だとか迷妄だとかいった薄気味の悪いものに化けている、ということ。おまえはもはや誰を呼ぶこともできない。そしてそれが、それこそが、おまえの望んだことである。好きに溺れろ。
8は喉を縊ったので声を失ったのである。 或いは、 8は声を失ったので常に追われているのである。 或いは、 8は常に追われているので円環を分断したのである。 或いは 8は円環を分断したので喉を縊ったのである。
8の内部で二人の女がいつまでも死んでいる。
わざわざ、でなく、ついでにちょっと、で人を動かそうとするのは非常に失礼なことだ。どうでもいいようなことなら初手から頼むな。頼むなら、ごめん、お願い、と手を合わせて、本気で頼みやがれ。
2007年04月10日(火) |
never,never,never... |
日々衰えていく一方なのは、しぼってもしぼってもたるんとしてくる下腹だとか内ももを見れば明らかなので、昨夜知らなかったことをせめて何かひとつで良いから今夜は知っているようになりたい。もう、そのくらいが精一杯の悪あがきだし、流し込んでも流し込んでもずるりと抜け落ちてしまうへっぽこ海綿脳味噌につける薬はないので、絶対に、絶対に、絶対に現状を肯定しない、と若干宗教じみた書きつけをして対抗姿勢をとってみる。
「毎日、二つか三つのちょっとしたことがらを、任意の、ただし決められた時間内におこなうこと」(S・ヴェイユ『カイエ1』)
こういう意識を根幹に置いておかなければもう、本当にどうしようもなくなってしまうのだ。午前中に起きるとか、腹筋をするとか、日記を書くとか、日々というものは実は、そういうちょっとした約束事や決まりごとの積み重ねで成り立っているのだから。
悪意の、或いはやけっぱちの一票を投じるために夕方重い腰をあげる。休みの日、何の約束もないのにただ化粧をする、というのは意外と楽しく、入念にアイラインまで入れ、こんなのどこへ着ていくんだろうと思いつつ買ったレモンイエローのフリルシャツに破れすぎのクラッシュデニムをあわせ、出かける頃にはちょっとしたコスプレ気分である。おかげであほくささが相殺されて良かった。
ただひたすら咳をして放心していた。その間にも携帯電話という何の教養も感じさせない愚かな機械は忙しげに立ち働く。あほらしくてつきあいきれない、と思うのは多少傲慢だが、つきあう義務がある、といわんばかりのなれなれしい態度は暴力的ですらある。けれどそんな類の感覚はあまり理解してもらえないので、返信しない気まずさをもてあましているうちに夜が明けた。まったくあほらしい。
ぴしゃっと気分良く切り捨てたあとの桜は青空を背景にして潔く咲いていた。契約は延長しない。次の約束もしない。二度茹でをしたスパゲッティなんて到底食べられたシロモノじゃないのだ。
今日はカチンときたのが4回くらい、マスクの下でのひとりごとは総計2時間半くらい、7回くらい生きているのがいやになり、2回くらいはほくそ笑んだ。絶望と希望の総量はどちらかといえば絶望に傾いているけれども、なんとかバランスは保っているつもり。ついでにため息と咳とでは今日に限って言えば咳のほうが、多いと思う。
ため息と咳しか出ない夜。4杯目の珈琲を淹れる。
俺にふさわしい女になれ、くらい言ってみなさいよ、と突き放してみてふと、そう言われ続けていた頃の苦々しさが胸にこみ上げる。あの頃は、もういいよと、もうそんなことはしなくていいよと、言ってほしかったはずなのに。勝手なものだ。
空が白い。ヨーグルトのようにどろりとしていて薄気味が悪い。ぐっちゃぐちゃにかき回して真っ赤な苺ソースでもぶちまけてやりたい。要するにむっちゃくちゃ機嫌が悪いのだけれど、機嫌が悪すぎると泣きたくなるのはいったいどうしてなんだろうね。
2007年04月01日(日) |
communication breakdown |
一日中、熱にうなされて寝ていた。何度か電話が鳴って何度かメールが来ていたけれど、こたえる努力も放棄。キーボードなら叩けるのだがケイタイを手に取るのは億劫である。ケイタイは相手との距離が近すぎて疲れる。熱は点滴でも打てば下がるがコミュニケーション不全に効くような薬は今のところ、ない。
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