読書記録

2021年09月27日(月) 銀のみち一条 / 玉岡 かおる

 上下 本。

 生野銀山一の坑夫たる雷太。
浅井医院の娘で東京帰りの咲耶子。
雷太の幼なじみで美貌の芸妓・芳野。
咲耶子の女中で後、雷太の妻となるひたむきな志真。
東京で咲耶子と恋に落ちた江藤。
6歳まで雷太と一緒に育った北村の咲耶子へのゆがんだ愛。

登場人物のいろいろな事情と立場とそれぞれの思いと。
強い男の真の優しさとか。

なかなかに読み応えがあった。


時が行き、世界が変わっても、男は男でありたいものだ。










2021年09月13日(月) 朔が満ちる / 窪 美澄

 
13歳の時、母と自分に家庭内暴力をふるい続ける父親を殺そうとした過去を封印し、カメラマンの助手として孤独に生きる横沢文也。



大人になってある日、出会った看護師の女性・梓から自分と同じ匂いを感じた…。
梓は寒い冬の日に乳侍院に捨てられていた過去があった。

そんな二人の出会いと再生の物語。



 ”朔が満ちる” とは物事が初めに戻るという意味らしい。。。



2021年09月07日(火) 闇に香る嘘 / 下村 淳史


 主人公は視覚障がい者である 村上和久。

中国残留孤児として帰国した兄は偽物ではないのか、という疑惑を抱いた主人公が文字どおり手探りの孤独な捜査を始めるや、不穏な出来事が彼の身辺で続く。

重い腎臓病を患って透析を続ける孫のため、移植手術の検査を兄に拒否されて湧き上がった疑問。
どんでん返しのような主人公の出生の秘密。

視覚障がい者の闇の日常が怖かったけれど、とても面白い物語。
点字の俳句もユニークでよかった。


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fuu [MAIL]