読書記録

2020年10月31日(土) 飛族 / 村田 喜代子



 国境に近い離島でたった二人で暮らすイオさん(92歳)とソメ子さん(88歳)。
西の果て、時が止まったような島で、亡き人は鳥に姿を変えて訪れる。
死は決して終わりではないのだ。心地よい海風に身を委ね海鳴りを聞きながら、軽やかに境界を飛び越えてゆく鳥のように、二人の老婆は自由に豊かに生きることの幸せをしみじみと感じている。

イオさんの娘ウミ子さんは自分が暮らす本土にイオさんを連れて帰りたいのだけれど、二人の老婆はこの島でしか生活できないことを知る。

空と海が溶け合って一つになり、ずっと島で暮らした人の命が還ってゆく場所。

二人が天を仰いで踊る鳥踊りの描写がなんともユーモラスで、そこには二人の世界があるのだ。

実際には養生島という島はないようだが、津島列島とその周辺の島々に暮らす人々の状況も興味深く読んだ。




2020年10月23日(金) むかえびと / 藤岡 陽子


 キャリア6年目の助産師・有田美歩が主人公。
その名の通り、敷地内に美しいバラ園がある「ローズ産婦人科病院」が舞台。
そこで飛び込み出産、新生児連れ去り、産婦の緊急搬送など、生まれ来る新しい命と一分一秒を争う大変な仕事。
その仕事に誇りを持つ先輩や同僚、腕利きの医師と共に「むかえびと」の物語。



2020年10月15日(木) 書かずに死ねるか / 野上 祐

 朝日新聞政治部記者
難治がんの記者がそれでも伝えたいこと

2016年2月に膵臓癌と診断されて、このままでは死ねないと新聞にコラムを載せて、執筆途中の2018年12月28日に永眠された。
46年という今の時代を考えたらかなり短い生涯。

担当医にどこか達観しておられれますね、と言われたように死にたいする恐怖とか何故、自分が・・・という愚痴めいた文は出てこない。

野上さんが妻とは言わない、配偶者たる奥様も立派。

ただ 日付順に掲載されていないので、コラムの書かれた日付をみることの必要があった。

政治部記者ということで前総理(安倍晋三)とも面識があったようだが、森友加計からさくらにコロナに、野上記者なら何と書くのだろうか・・・






2020年10月03日(土) 少女 / 湊 かなえ


 死体をみたことがあるという転校生に刺激されて、高校生の桜井由紀と藤野敦子は夏休みを利用して死体がみられそうな場所でボランティア活動する。

桜井由紀は病院で、藤野敦子は老人ホームで。

二人の交錯する人間関係がやっぱり、物語なんだなと。。。

由紀が病院で知り合った手術の成功率7%の昴は、敦子がボランティアした老人ホームで指導役の高雄の息子。
そして老人ホームで餅をのどに詰まらせて死にかけた老婆は由紀の祖母。


映画にもなったらしいが、まぁ何と言うか。。。


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fuu [MAIL]