茶畑
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2002年09月29日(日) 改め、改め

9月って明日が最後なのか。とりあえず今月も一日だけは書きましたとさ。
結婚式まであと2ヶ月。招待状も出来上がって、新居も決まって、準備期間が短い割にはそれなりに進んでいる。

しかし、ここに来て問題になったのが「うじかばね」問題。

ばらしてしまうけど(って誰も見てないとは思うが)、私は一人娘だ。
さらに、うちの父方のきょうだいは男が多いのに、みんな婿養子に入って相手方の姓になっており、唯一うちの姓を名乗ってる叔父のところには子供がいない。父は次男だけれど、長男の伯父も早死にで子供がいなかったのだ。
だから、うちの姓を継ぐ「次世代」は私一人ってことになってしまっている。

彼氏は男3人兄弟の次男で、あちらのご両親は弟さんとの同居が決まっており、うちの親の面倒を見るのに支障はない。だからスンナリ結婚を決めて、両親も納得してくれたのだと思う。

ただし、彼が私の姓を名乗ることには色々と偏見やら仕事上の不都合がある。
私だって結婚後しばらくはうちの会社にいるつもりだけど、今まで通りの姓で呼んでもらえばよいし、メールアドレスやら何やらが変わるわけでもなし、そんなに不都合はない。

しかも私は今の苗字が好きでない。

理由の一つは間違われやすいことだ。人に話すと大抵笑われるけど、思い込みで名前を呼ぶ人の多いこと多いこと。漢字通りそのまま読めば間違えることなんてない筈なのに、人間って結局は思い込みで生きてるのかあーと言いたくなるぐらい。名前って、間違えた方は「あっゴメンー」て笑って謝ってそれでオシマイ、ぐらいの些細なことに思っているようだけど、間違われた方はかなーり気分が悪いのである。それが度重なると、「だーかーらー、何でこの漢字でこんな風に読めるんですかあー、そんな読み方日本語にはないんですよおー」と大声で嫌味を言いたくなる。今のところ言ってないけど。

熱くなってしまったけれど、もう一つの理由は、旧姓のままにするとフルネームの漢字が多いってことだ。これも些細なことではあるけれど自分としてはかなり嫌。名簿で自分の名前だけがやけに小さい文字で書かれてたり、ひどい時なんか「入らなかった」と言われて名前の最後の漢字が削られてたりする。これもかなり屈辱なのよ。やっぱり人に言うと笑われるけどね。

だからして、私は彼氏の姓にすることに何の抵抗もない。いや、むしろ名字変わって嬉しいねー、という気持ちなのだ。確かににうちの姓はなくなるんだけど別に親子親戚関係が変わる訳でもなし、さらに私は子供を生むつもりがほとんどないのだ。子供の件については「子供嫌いだから」とか「自分の時間がなくなるから」ってな単純な理由じゃなく、かなり前から真剣に考えて、色んな記事とかテレビ番組を見たりして「やっぱり自分は子供を持たない方がいい」って思っている。そうなると遅かれ早かれうちの姓はなくなっちゃうわけで、それはそれで仕方がないんじゃないの?っていう気軽な考えでいる。

しかし、やっぱり気軽過ぎたようで、父にこの間「氏がどうの」「財産がどうの(つってもたかだか土地30坪の家が一件と趣味で集めた多少のアンティークぐらいだぜ)」「墓を守ることがどうの(つったって普段墓参りなんか滅多に行かないじゃん。年に一度行くか行かないかだぜ)」と色々言われた。父はもう70歳を超えているお年寄りなので、戦前の民法の印象が強いらしく、「相手の姓を名乗ること=相手の家に入ること」で、相手の家に入った以上、財産も何もやれないし、墓も守ってもらえないじゃないか、という言い分なのだ。

そんなこと言われたもんだから入籍やら改姓やらについてのHPを色々見てみたんだけど、「入籍」ったって、法律上では相手の家の籍に入るんではなくて、お互いに元の籍から抜けて新しい籍を作るってことなのだ。相手方の姓を名乗ったって「実子」であることには変わりなく、さすれば財産の相続権だって変わりなくあるってことなのだ。別に名字が違ったって介護だの墓参りだのはできるわけだし、何の問題もないはずなんだけどねー。

さらに部屋を決めるにあたり、最初は実家の近くで探したんだけど家賃が高く、結局は彼氏が今住んでいる町(といってもウチの周辺よりもはるかに便利だ)の最寄り駅から徒歩4分の部屋に決めたのも災いし、「姓もあっちになるんなら住む所もあっちの近く、結局みんなあっちになってるじゃないかー」と余計気分を悪くしたらしい。面と向かって怒りはしなかったが、父と母とでかなり文句を言っていたようだ。

幸いにして、家賃の件や駅からの近さ、さらに、、勤務先へ50分少々かかるとはいえ乗り換え無しで行けて、今の実家から通うよりも楽なことなどを話して、居住地については納得してもらった。

姓の件は諦めがつかないらしく、彼氏が仕事上支障があることから最初は彼の姓を名乗ることは仕方がないけれど「表札に小さく“○○”(旧姓)」と書いておくこと!」とは言われた。そのうち夫婦別姓法案が通るからそうしたら元に戻せばいいとも言われた。

しかしねー。私は別に夫婦別姓なんて望んでない。やっぱり家族は同じ名字がいいと思ってるし。そもそも名字変えたくてしょーがないんだから。しかも賃貸マンションの表札に小さく旧姓書いとくなんてやっぱりヘンでしょ。同棲とか内縁関係みたいでさ。でも親の気持ちもちょっとは解らんでもないので、その場はとりあえず肯いておいた。親が新居を見に来るーとか遊びに来るとか言う時だけは表札に旧姓を書いておこうかと思っている。


普段は何かにつけ「型にはまるのは嫌いだー」と言っているうちの父が、「氏」だの「家」だのにあんなに拘るとは予想してなかった。結婚ってやっぱり二人だけの問題ではないのだなーと痛烈に感じている。

一人っ子同士の結婚で親ともめている友達もいるし。

いまだ「家」の概念が根強いニッポンにおいて、少子化時代に入りつつある世代の私たちの結婚は色々と大変だ。


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