もうちゃ箱主人の日記
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2005年02月28日(月) 西脇順三郎詩集『第三の神話』

〜を、ネットで購入。

戦後の旺盛な詩作活動から生まれた『近代の寓話』
『あんどろめだ』に続くこの『第三の神話』によって
読売文学賞を受賞した記念碑的詩集である。
(因に、自署はない。
 西脇が詩集に自署をするようになったのは
 筑摩版全詩集以降である)

だいぶ詩集コレクションも充実してきた。
あと、是非ほしいのは『失われた時』か。

HPのコレクション・コーナーも
更新せねば。

(下世話な話になるが……
 この詩集の古書相場は
 これまで 2万円以上していたのだが
 今回その半分以下で購入できた。
 これって、値崩れを意味するのかしら? (^^;))


2005年02月27日(日) オーケストラ・シンポシオン演奏会

前にも書いたかもしれないけれど
モーツァルト・ファンと
古楽器ファンは、層が異なるのか
古楽器の演奏会では、たとえオール・モーツァルト
・プログラムでも見知った顔がいないことが多い。
今日もそうだった。
わずかに、カイツマミ様のみ。
(M愛好会やFラインの方々もお見かけしなかった)
惜しいなあ、こんな得がたい機会を逃すなんて…

それほど、面白かった。
K16のモーツァルト自身がボツにした初稿を復元し
部分的だが、通常版と聴き比べするなど
平素はやってもピアノの上のことを
小編成とはいえ、オケで聴けるのだから
好事家(こうずか=物好き!)にとっては、垂涎物。
スイス遠征中のアルフォンソ様にお聴かせしたかった!

聴きながら、思いを巡らしたのが
「なぜ、シンポシオンは初期交響曲演奏に
  チェンバロを使わないのか?」と…

まあ、新全集編者も、チェンバロ使用は「任意」と
しているので、そんな大騒ぎすることもないのだが
ちょっと気になった。


・・・・・・・・・・・・
2005年 2月27日(日)午後3時
 浜離宮朝日ホール・小ホール

モーツァルト生誕250周年記念コンサート・シリーズ
   2004 - 2006
オーケストラ・シンポシオン
モーツァルトと行く! ヨーロッパ音楽都市周遊
第2回 ロンドンのエンターテインメント

指揮・チェロ:諸岡範澄

曲目:W.A.モーツァルト/交響曲 変ホ長調 KV16
   G.B.チッリ/チェロ協奏曲 イ長調 Op.14-1
   J.C.バッハ/交響曲 ニ長調 Op.3-1
   W.A.モーツァルト/交響曲 ト長調 KV129
・・・・・・・・・・・・


2005年02月26日(土) 調の判定

〜に、未だに苦しんでいる。
本来、音大の学部入試レベルの知識なのだが
なにせ 「付け焼刃」なものだから…
曲頭や曲末はともかく
曲中の転調の際の判定には、手を焼いている。

教科書の例題はともかく、楽曲分析で実作に相対すると
教科書通りにはいかなくて。 (^^;)

この数日は再度、教科書を読み直している。
以下 ご参考までに、調の判定についての「極意?」
に関する箇所の抜書きをコピペした。 


1) 次の音に跳躍進行(増二度を含む)する音は
   音階固有音である。但し短調の導音は跳躍進行する
ことがある。

2) 次に二度上行する時も二度下行する時も、
   変わらない音は音階固有音である。

3) 音階固有音が臨時に高くされた場合は次に二度上行する。
   言い換えれば、次に二度下行する音は、
臨時に高くされた音ではない。

4) 音階固有音が臨時に低くされた場合は、次に二度下行する。
   言い換えれば、次に二度上行する音は、
臨時に低くされた音ではない。

5) 導音でない短調の VII は、二度上行して
主音に進むことも
    跳躍進行することも、ありえない。

6) 1)〜5)については、それぞれ見かけ上の例外が
あるので注意する。

7) 理論的な決め手:
   ある調の音階の III / IV / V と導音を、全部
 音階中に共有する(含む)調は、ほかにない。
  (つまり、旋律中に、特定の調の 
III / IV / V と導音が、あるならば
    他の音がなくても、その調と断定してよい)

    <『楽典 理論と実習』 120〜127頁> 
  


2005年02月25日(金) 『運命交響曲』

ある読者の方から
> ベートーヴェンの交響曲5番の「運命」という
 ニックネームは
 いつ、どこでついたのでしょうか?

 〜という質問を頂き、調べてみました。

うろおぼえの知識では
……運命交響曲という言い方は
 もちろんベートーベン自身の命名でなく
 後年 弟子のシンドラーが伝えた
 ベートーベンが語ったとという言葉に
「運命はかくのごとく扉をたたく」に
  由来するとされているが
 最近の研究では、信憑性に疑問を持たれている。
…… くらいのこと。

いつ頃からされているか?
 う〜む…これはわからない。(^^;)

思いついて
石井宏著 『クラシック音楽 意外史』 東京書籍 を
参照したところ
 「『運命』と呼ぶのは、日本だけで
  そう名付けたのは、日本のレコード会社」
      と書かれていました。(254頁)

でも
ドイツでも、稀ですが
Schicksalssymphonie という言い方をしているようです。
試みに、ドイツ・アマゾン ↓で検索してみたら
ヒットしました。  ^ ^
  (因に、英語圏では、ないようです)
石井氏の見解が正しいとすると、
この言い方は、「逆輸出」なのかしら?


2005年02月24日(木) 和声法レッスン

明日の和声法レッスンは、先生の都合で延期。

今回は2週間サイクルだったが
このところ、「調の判定」について
????になり、悩んでいたので
ちょうど ありがたかった。

(これまではわかっていたわけでなかったではなくて
 なんとなく曖昧に、数打てば当る、程度で解いていたのが
 わからないことを自覚したのだから、
 これも勉強の成果ということなのかしら? (^^;))


2005年02月23日(水) 春一番だ! また地震だ!

今日は暖か、
なんでも四月上旬並みとか。
しかし、昼過ぎから、台風なみの強風が吹き荒れました。
春一番なのでしょう。

ところが……

>23日午後9時59分ごろ、関東地方北部で地震があり、
 宇都宮市などで震度3を観測した。
 震源は茨城県南部で、マグニチュードは4・6と推定される。
 震度3を記録した主な地方は次の通り。
  ▽茨城県下妻市、……
   栃木県日光市、足利市、栃木市、佐野市、小山市、
   群馬県太田市       (2005/2/23/22:26 読)

館林市の震度が出てないが、足利と太田の隣ですから
 似たようなもの。
最初の一撃は、とても震度3とは思えないような
 強いもの、驚いた!

ほんとに、いやになります。
小千谷とは比較にならないものの
 ご苦労の一端がしのばれます。

PS:
 明日は 今日と比べて、10度低い冷え込みとか、
 お互い風邪をひきませぬよう、注意しませう。。(^^;)
 


2005年02月22日(火) 「飢餓海峡」の改訂版

「飢餓海峡」といえば
昨年 85歳で亡くなった水上勉が
1963年執筆の
青函連絡船事故を題材とした社会派推理小説だが
その「改訂決定版」が河出書房から刊行されたそうだ。

報道を要約すると

・書き直しが行われたのは、
 心臓を患い信州での生活を始めた70代半ば。
 プロットは変わっていないが、
 改編個所は、ほぼ全ページに及ぶ。
 
・一例 ラストシーンの表現
 *(従来版)
 〈京一郎は死んだ……この海で死にたかったのか……〉
    を
 〈〜死にたかったのだ……〉
   にするなど、細かな変更が20か所以上行われた。

・これまで 福井の文学館で私家版として
 販売されていたものを、一般書籍として発売することになった。
    (2005年2月18日 読)

かって、井伏鱒二が最晩年『山椒魚』の結末を書き換えて
話題になったが、このケースではどうなのか
興味深い。


2005年02月21日(月) サウンド・オブ・ミュージック

といえば、
『ドレミの歌』や
ジュリー・アンドリュース主演映画で有名な
ミュージカルの傑作。

初めて ザルツブルクに行った時、
映画の『もうすぐ17歳』のシーンで使われた
  ガラスのあずま屋を見て感激した。 

その時、現地では不人気と聞いて不思議に思ったものだ。
現地ガイドが 映画のラストシーンについて
「山の向うはスイスでなくドイツなのに。
 映画は何でもできるから」
  と 吐き捨てるように言っていたのが印象的だった。

その話題  ↓

……………………………………

> ……
米ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」が
26日 ウィーンで初めて上演される。
この作品 オーストリアではこれまで不人気だった。
今度は成功を収められるか、注目を集めている。

 公演場所はオペレッタの殿堂 フォルクスオーパー。
……
 当時の映画上映は数日でうち切られた。
ミュージカル上演も何度か試みられたが
 受けはよくなかった。

 「歴史問題」もある。
……
 オーストリア人にとって、触れられたくない歴史の
暗部をつつかれたというわだかまりがあるようだ。

……今回はカナダ人の演出家、米国人の指揮者、
マリア役はポルトガル人という国際キャスト。……
(02/18 朝)



2005年02月20日(日) フェラインン例会

フェラインン例会にて

主に対位法の見地からの楽曲分析結果を教えてくださった。
今 ワタシが勉強しているのは、和声法による分析なので
大変参考になった。

また、モーツァルトは交響曲において、1771年頃急に
ポリフォニー技法を多用したようだと指摘されたが
目下ワタシは、晩年の作品におけるポリフォニー指向に
注目しているので、とても興味深くうかがった。

……………………………………
>2月例会

モーツァルトと「ソナタ形式」〜その2〜  
  …三澤 寿喜氏(北海道教育大 教授)

先生からのメッセージの要旨。

>……
モーツァルトの器楽曲をより深く理解するためには、
ソナタ形式の理解が欠かせません。

昨年は「ソナタ形式」の起源、基本構造、
種々の異形などについて確認したのち、
1767年までの器楽曲〜〜
 クラヴィア小品や各ソナタ、
交響曲 第1〜6番を通じて、
幼少期のモーツァルトがこの形式とどのように向き合って
いたかを検証し
展開部の処理がまだまだ平面的であると確認しました。

今回は
1770年代初めまでの交響曲を分析し
10代のモーツァルトがソナタ形式、
特に展開部の立体的な処理に習熟していく過程を
観察してみたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・


2005年02月19日(土) M協会2月例会

頂いたチケットで、久々に日本M協会へ。

その前に、午前中 TAMA市民塾の抽選会に。
今回の応募は、60名と多く 嬉しい悲鳴。
その中から、35名を抽選。
外れた方には、本当に申し訳ない。(^^;)

M協会例会後は、モ愛好会の方々と2次会へ……

……………………………………………………………
>日本モーツァルト協会2月例会
:2005年2月19日(土) 午後2時
----- -----
1. 弦楽四重奏曲 ヘ長調 K.V.168 《ウィーン四重奏曲第1番》
2. 弦楽四重奏曲 イ長調 K.V.464 《ハイドン四重奏曲第5番》
----- -----
3. 弦楽四重奏曲 ヘ長調 K.V.590 《プロイセン王四重奏曲第3番》

カルテット・アルモニコ
ヴァイオリン 菅谷 早葉, 生田 絵美
ヴィオラ 阪本 奈津子
チェロ 窪田 亮


2005年02月18日(金) 図書館巡り

昨日見たライブドア社長さんのブログ日記
あの多忙の中でよく書けるなあ!と
驚嘆していたのですが
(我が身と引き比べ… (^^;))
下記を読んで一安心。(笑)

>2/16(水)
 日記が2日更新されないと心配していただいたTV局さんが
  あるみたいですけど・・・
 最長大体10日くらい休んだことあります。
 あとでまとめて日付変えて更新してますので、誤解なきよう。
 結構書くのに時間かかるのでまとまった空き時間がないと
  書けないんですよ〜。


閑話休題
今日は、図書館巡り。
S大学図書館とM鷹市立図書館。
大学図書館は、春休み中なので4時閉館は痛い。
午後から行くと、直ぐに閉館時間になってしまう。
これは困るよね。(^^;)
今日もWackenroderとホフマンの文献調べを少々しただけ。
(因みに、K音大図書館は3/7まで完全休館!)

M鷹市立図書館で借り出したもの。
>自由人は楽しい (池内紀)
 音楽ファンのためのウィーン案内
チベットのモーツァルト (中沢新一)
愛らぶモーツァルト (小沢一雄)
仮構の感動 (作田啓一)
雪の舞踏会 (ブリジット・ブローフィ)
バロックの光と闇 (高階秀爾)


2005年02月17日(木) livedoor 社長日記を覗いてみたら…

今 話題のライブドア 堀江貴文社長が毎日
書いているブログ=『livedoor 社長日記』
たまに、覗いてみると面白いですよ!  
  ↓
http://blog.livedoor.jp/takapon_jp/

TV報道や、新聞報道では
時間が短い上に、記者等による脚色が
入ってしまいますから
「ナマの」声を伝達できる機会は貴重ですし
こちらもありがたい。
(一方的な言い分だから、こちらもそれを意識して
  受けとらねばならないけど)

とりあえず
騒ぎの発端となった8日のブログをご紹介します。
 (いつ突然、削除されるかわからないので
    引用させて頂きます…)

面白いと思ったのは、こんな騒ぎの中で、
夕食の内容について書いていること。(笑)
  う〜む、なかなかの人物か!!

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>2/8(火) ニッポン放送株35%取得

>朝6時に起床。
 朝一で取締役会。CB発行の決議。
 これまでの人生で一番大きな意思決定をした瞬間かもしれない。
 これまでの人生を賭けた勝負かもしれない。
  …
 結果としてニッポン放送の35%の株式を取得した。
  …
 そしてニッポン放送訪問。社長に業務提携の意思を伝える。
 帰社して、アカデミーヒルズで記者会見。
 ものすごいマスコミの数。 …
 ともかくも不退転の決意で望むつもり。

 夜は、五反田の一軒家フレンチ「ヌキテパ」でご飯。
 びっくりしたのは泥ソース!かけの料理。
 本当に野菜についている泥をオリーブオイルなどで溶いて
 つくったものらしい。
 水をあまり与えないで作ったトマトも最高にうまい。
 ヘタの部分も美味。

 そのままテレビ朝日 報道ステーション、
  TBS ニュース23に生出演。
 深夜帰宅。

 >ちなみに、日曜日の私がレギュラー出演している、
 平成教育2005予備校は中止にされてしまったようだ。
 うーん、凄いことやるなあ。そんなのってあり?
 ありえねーとか思ってしまった。
 視聴率取れると思うんだけどなあ。まあ録画だけどさ。
 他局が激しく報道しているのに、フジテレビではほとんど
 報道されなかったらしいし。
 これじゃあ政治家に番組内容を歪曲されてしまう、
  某国営放送と同じじゃないのか。
 まさかとは思ったが残念である。
 資本力にあまり影響されるべきではない、
 報道やら番組構成やらを
 自ら歪曲してはいけないだろう。


2005年02月16日(水) 地震はイヤだ!

…と、私が叫んだところで
  センナイことだが… (^^;)

今朝 4時46分 たたき起こされました。(涙)
その後、雪が降り始めるし
サンザンな朝でした。

大きな被害がなかったのは、なによりですが
次回は何時 ????

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
閑話休題
午後上京 都響定期へ

「大フーガ」のオケ版には思い出がある。
  (ゴメン、また昔話で… (^^;))
NHKホール落成公演の第九をサヴァリッシュが振った時
第九の前に、なぜかこの「大フーガ」をやった。
驚いたことに譜面台(指揮者用のでなく、ヴァイオリン奏者が
 使うのと同じもの)に楽譜を置いて、見ながら振った。
私の知る限り
 協奏曲以外で、サヴァリッシュが暗譜でなく譜面を見て振った
 のは、後にも先にもこれしかない。
「大フーガ」とは、それほどの難曲なのか、という印象を持った。
 (聴いてるだけじゃあ、わからんけど…)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
2月16日(水) 19時 サントリーホール

ベートーヴェン:「大フーガ」変ロ長調
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調
シベリウス:交響曲第2番 ニ長調

指揮/ヨゼフ・スウェンセン
ピアノ/児玉麻里

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2005年02月15日(火) やりきれない事件

連日やりきれない事件が続いているが…
また昨日、ここでも

>信金課長刺殺事件
:14日午後11時50分ごろ、府中市の多摩中央信用金庫府中
支店で、
同支店営業課長(39)と同僚男性(31)が帰宅するため
職員通用口のドアを開けたところ、刃物を持った男と鉢合わせ
した。顔や腹など数カ所を刺され、間もなく死亡した。

>同支店には職員約三十五人が勤務。
この日は午後十時以降、約十五人が残業、二人は
最後まで残っていた。


@数年前まで、似たような環境にいたことを
 思うと、他人事とは思えないし
 軽々に語れない。


2005年02月14日(月) SPで聴くモーツァルト

昨日のモ愛好会例会は、SPレコードでモーツァルトを聴く
という趣向。

会員のSさんコレクションから
1930年代録音の
フルトヴェングラーのフィガロ序曲に始まり
モイーズ、ティボー、カペー・クヮルテット、
モリーニ、エリザベート・シューマン etc
を聴かせて頂きました。


2005年02月13日(日) 粋なはからい?

大阪市で毎年、定年退職する教頭を
退職日の1日だけ校長に昇任させていることが
問題にされている。

単なる名誉職で、退職金などは変わらないというから、
なんとも粋なはからいのように見受けるが
真相はそうでもないらしい。
 (その昔のポツダム少尉=敗戦時に昇級した階級、のなごり?)

天下りするのに、校長のほうが体裁がいい
 というところなのかも……(^^;)

………………………………………………………………

> 大阪市教委が毎年、定年退職するすべての教頭を、
退職日の3月31日だけ校長に昇任させていることが4日、
わかった。
  <中略>
学校名がない「大阪市公立学校長」への昇任辞令を
交付した直後に、退職辞令を渡すことになり、
文部科学省は
「勤務実態がないのに昇任させるのは無用な行為。
……教育公務員特例法に反する可能性もある」
と指摘している。
  <中略>
 一日校長になっても、給与上の昇格や昇給はなく、
市教委は「辞令交付の手間だけ。予算はかからない」
と説明している。
ただ、校長が退職する場合には
市教委が慣例として外郭団体などへの再就職を橋渡ししているという。
    (2005/2/4/14:44 読)


2005年02月12日(土) アーサー・ミラーの訃報

89歳だったそうだが
  まだ健在とは思わなかった……

アーサー・ミラーといえば
これも30年前 はまっていた劇団民芸の
滝沢修の当たり役ウィリー・ローマン
(「セールスマンの死」)の作者として
記憶している。
残念ながら、『セールスマンの死』は、
ナマで観ることはできなかったが、(TV中継で観た)
もう1つの代表作である
セイレムの魔女裁判事件を題材にした『るつぼ』は
奈良岡朋子の名演でよく覚えている。

最初の頃は、アングラ演劇にはまっていたが
やがて
いつもの「ヘソ曲がり」が顔を出し(笑)
世間がアングラを持て囃し始めた頃、
逆に旧来の新劇を見始めたものだ。

木下順二の『審判−神と人とのあいだ−』の大滝秀治
レーニンを描いた『七月六日』やゴッホを描いた『炎の人』での
滝沢修の神懸りの名演は目に焼きついている。
(少し後 蜷川『マクベス』初演に驚嘆してから
    急に新劇熱が冷めた(^^;))


2005年02月11日(金) Early Music

以前、ジュノーム協奏曲KV271の
新発見研究の件で、発見者ロ−レンツ博士に
問い合わせして、今年2月雑誌 Early Music に
論文掲載予定とのお返事を伺い楽しみに待っているのだが……

最新の1月号の目次を、Web↓で、見たら

 あらら、載ってないよ!???

どうしたんでしょう!??
  <とりあえず、ここまで
    続報は、判明次第に……>

http://em.oupjournals.org/

………………………………………………………………
@ 昨日来、急にカキコがパスワードエラーで
  できなくなり、更新が遅れてしまいました。
   ちょっとしたミスが原因と判明しました。
    申し訳ありませんでした。


2005年02月10日(木) ホフマン、ヴァッケンローダー

ここ数週間、ホフマン(E T A Hofmann)、
ヴァッケンローダー(Wackenroder)に
はまっている。

どちらも、十八世紀初めのドイツ・ロマン派の
批評家・作家だが、セシリア運動を調べているうち
やはり当時の思潮を避けて通れないように思えたのである。

K音図書館や、S大学図書館で文献を当たったが
原文はもちろん翻訳を読んでも
「なかなかわからない……」(涙)

そう簡単にはいかないようだ。
 この欄で紹介できるのは、だいぶ先になりそうです。(^^;)


2005年02月09日(水) 三輪郁 ピアノ・リサイタル

モーツァルト弾きで評判の三輪郁さんの
オール・モーツァルト・コンサート。

たいしたものです
 ほぼ満員に近い盛況でした。

ふだんは続けて演奏されることが多いK475と457を
頭と尻尾にはさんでやるというユニークな企画。
だもんで…
 アンコールはナシ。 う〜む!残念!(^^;)

演奏評については
私より適任者がいると思うので…
感想を述べると
 「とても、よかった。」 (←キッパリ!(笑))


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>三輪郁 モーツァルト連続演奏会 第3回
2月9日(水) 19:00 東京文化会館小ホール

■曲目■ 幻想曲 ハ短調 KV.475
ロンド ニ短調 KV.485
「女ほどすばらしいものはない」による8つの変奏曲 KV.613

ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 KV.576
歌劇「魔笛」より“恋人か女房か”KV.620
ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 KV.457
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@ところで
K475と457については、90年だったかに
再発見された自筆譜に基づき
渡邊順生氏が校訂されたエディションがあるのだが
 (世界に誇るべき?)
あまり使われないのはなぜだろう?

(先日、三輪さんにお伺いした時も
  この版については触れられなかった)

どんな事情によるものか、興味深いところである。


2005年02月08日(火) 今年のサラ川 (サラリーマン川柳)

候補作100件の中から選んだ
これが私のBEST10! (投票しました (^^;))
   ↓
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7. あのボトル まだあるはずの 店がない : 独楽
15. あてにした お歳暮届かず 買い出しに  :山の手夫人
17. 同窓会 食後に薬が 並び出し  :万華鏡
21. 旅行けば 我が家と同じ 入浴剤  :よっちゃん
37. 根回しが 済んだら方針 変わってた  :さくら
61. 成果主義 最終評価は 好き嫌い   :粋徹
67. 病院の 待合室で 同窓会   :ご安全
68. わがままを オレ流と呼ぶ 上司かな  :読み人知られたがらず
73. 長い坂 登れば急な 下り坂   :窓際族
99. 上を出せ 居ないと言えと 言ってます   :つまようじ
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<佳作級>
11. 丸投げを 投げ返されて 雪だるま :天童ラフランス
56. おいやれと 言った自分が おいやられ  :ハダカ電球
80. 先読めぬ 上司の口ぐせ “先を読め”:先見の明
82. 目をかけた つもりの部下に 追い抜かれ  :ほっこまい
90. まかしとけ きっと誰かが やるだろう :とっち

<多少迷った作品>
9. 娘には ゴルフと卓球 覚えさせ :伊達鳩宗
13. 楽天は 天ぷら屋なのかと 聞く上司 :たらちねの
25. 有害だ 「まぜるな危険!」 嫁姑  :漂泊亭主
34. 合コンの トイレで四季報 チェックする :南馬志良人
38. これ大事 客より上司の 満足度   :生活の知恵
41. 「結婚は?」 返ったこたえは 「非売品!」;独身桜花
42. 出社拒否 ぜいたく言うな 俺がゆく   :く・も
54. 愛してる 聞いた答えは 愛してた   :探求者
66. 混浴と 勇んで行けば 足湯とは   :ネギボーズ
79. 会議では カラオケほどの 声が出ず  :読み人知らず
85. 帰宅して 妻の気嫌を 犬に聞く   :静帆
89. 左遷だぞ 妻よよろこべ クビでない :ヒネクレ社員
92. 仕事中 取らない電話 取る携帯  :手痛い奴

http://event2.dai-ichi-life.co.jp/senryu/


2005年02月07日(月) 私の好きなゲンダイシ(3)

今日 散歩の途中
近所の古書店で 現代詩文庫「黒田三郎」を購入。
何年ぶりかで、この詩↓を読んだ。

−−−−−−−−−−−−−−−−
  あなたも単に


 あなたも単に
 ひとりの娘にすぎなかったのだろうか。
 とある夕あなたは言った
 「あなたに御心配かけたくないの
 私ひとりが苦しめばそれでいいのですもの」

 あなたも単に
 ひとりの娘にすぎなかったのだろうか。
 とある夕あなたは言った
 「あなたがひと言慰めて下さりすれば
 私がどんなに苦しんでも
 それで十分報いられたのでしたのに」

 あなたも単に
 ひとりの娘にすぎなかったのだろうか。
 とある夕あなたは言った
 「あなたなんて
 一寸も私の苦しみを察してくださらない
 あなたなんて」

      (詩集「ひとりの女に」より)


<ひと言> 一見、高校生の書くような感傷的な詩にも
   みえてしまうが、「暗く重い」背後の影を読み取りたい。
   他の詩にみられる自虐的なまでの叫びと合わせて
   読むと理解しやすいと思う。

 「黒田三郎の詩が感動をあたえるのは、黒田自身が生の
  煉獄にいて様々な苦しみに堪えて来たことから、
  他者に見えないものをみる力を持っているからです。
                  (三木卓) 」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
*黒田三郎 1919年-1980年。

広島県呉市に生まれる。
3歳の時、父の郷里、鹿児島に移住、
  旧制第七高校卒業までを過ごす。
東京大学経済学部に入学し、
  実存主義哲学に熱中する。
1937年 北園克衛のモダニズム詩誌『VOU』の同人となる。

太平洋戦争の最中、国策会社に入社インドネシアに赴任。

1945年 現地召集で軍隊に入隊。
     敗戦後、捕虜として労役に就く。
1946年 帰国。NHKに記者として入社。
     詩誌「荒地」の同人となる。
1948年 肺結核を発病。入退院と喀血を繰り返す。
1954年 詩集「ひとりの女に」でH氏賞受賞。「歴程」に参加。
  次々と詩集を出し、詩壇に地位を確立する。
1960年 日本現代詩人会理事長に就任。
1965年 NHK中央研修所教授となる。
1966年 胃潰瘍で吐血。「詩と批評」を創刊。編集に当たる。
1968年 鎖骨骨折で入院手術、翌年NHK退社。
1980年 病没。


2005年02月06日(日) ヤーコプスのフィガロ

今夜のNHK地上波(教育TV)「芸術劇場」で
ヤーコプス指揮の《フィガロの結婚》抜粋が
放映された。(95分枠)
 〜コンチェルト・ケルン(古楽器)の演奏。
   パリ・シャンゼリゼ劇場ライブ。

なにしろ抜粋だから、歯がゆいことこの上ない!
是非BS2での全曲オンエアを切望したい。
(悪名高い?ハイ・ビジョンでは、もうやったのかしら?)

そのうちの一部分を見たが、演出・美術が秀逸に思った。
1つだけ紹介すると
2幕 ケルビーノの voi che sapete のシーン
舞台上で、なんと伯爵夫人がフォルテピアノ(チェンバロ?)
で伴奏する!(勿論格好だけだが…)
歌は、聞きなれない装飾音をふりまいているのが
とても興味深い。

ルネ・ヤーコプスのモーツァルトは数年前
《コシ・ファン・トゥッテ》のCDがリリースされ
これが、とても新鮮な演奏だった。
古楽器のオペラ録音の白眉と思う。
(このフィガロも昨年CDが発売され好評のようだ)

アルフォンソ様同様
私もまた、コシとフィガロは、ベームに「教わった」。
私の場合はLPよりも、
毎年秋、FMのザルツブルク音楽祭ライブ録音の放送を
夢中で聴いていた。
(後藤美代子アナウンサーのナレーションが懐かしい!)
私にとって、ベームのコシ、フィガロ、ついでにフィデリオは
オペラの故郷である。

一時、スゥイトナーのコシ、魔笛のLPに魅了された
こともあったが、ベルリン・シュターツオパーの実演に
接して、興をそがれ、熱がさめた。

いつの頃からだろう、
 古楽器のオペラ演奏に惹かれるようになったのは?
(世評高いガーディナーの演奏は、あまりピンと来ない。
 ノリントン、ラトル、ハーディング、マルゴワール、
 ミンコフスキーの演奏が好きだ。)

まだまだ書きたいことがあるけれど…
 今日はここまでで (^^;)

(PS:スゥイトナーのモーツァルトは、
 東京文化会館の頃だったか、N響初登場時の
 39番交響曲にとても感激したが、以後の
 演奏会では、それほど感動しなかった。
 私の耳が錆びたのか、過去の思い出の美化なのか?)


2005年02月05日(土) たのくら

先月がコンサートだったため
実質 今年初めての たのくら例会。
終わってから、恒例新年会。


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 [2月例会]
 2005年2月5日(土)午後2時〜4時
 立川市錦公民館 

 ・名曲探訪 〜新年会はウィンナ・ワルツで〜
   
 [たのくらの 新年会]
 2005年2月5日(土)午後5時〜 

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*火曜日まで多忙のため
 更新やメールの返信が遅くなるかもしれません。
   お許しを… (^^;)


2005年02月04日(金) 「恵方巻」と「イカのおすし」 (「後記」あり)

節分の日に、「恵方」を向いて、巻きずしを無言で一気に食べる−。
「恵方巻」という大阪の風習。
今年の恵方は「西の南寄り」だそう。

海苔業界、コンビニの策略と言われるけれども
そう目くじら立てず、楽しんだもん勝ちだと思うほうなので、
今年もガブリとやりました。^ ^

さて、「イカのおすし」

こちらは、子供を狙った犯罪が相次ぐ中、
警視庁お墨付きの“防犯ソング”だそうです。
「Kira Kira」というユニットの歌
(インプレッションミュージックエンタテインメント)。


「イカ」  声をかけられても「イカ」ない
「の」   車に「の」らない
「お」   「お」おごえを上げる
「す」   「す」ぐ逃げる
「し」   大人に「し」らせる
    イカのおすし、イカのおすし・・・。

ところで
この歌にはサビがありません。
なぜって?
 子供向けだからサビ抜きってわけ!(笑)

おあとがよろしいようで (^^;)


(歌詞全文と、音楽が試聴できます ↓)
http://kirakiland.web.infoseek.co.jp/page005.html

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<後記>
上記をアップロードした後、
愛知県安城市「イトーヨーカドー」で
子供数人が男に刺され、1名は死亡するという
大変な事件が起きていたのを知りました。

もはや、歌で防ぐなどという段階ではないようです。


2005年02月03日(木) わたしの好きなゲンダイシ(2)

昨日に引き続き
Webで拾った現代詩から……

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田村隆一

 帰途

 言葉なんかおぼえるんじゃなかった
 言葉のない世界
 意味が意味にならない世界に生きていたら
 どんなによかったか

 あなたが美しい言葉に復讐されても
 そいつは ぼくとは無関係だ
 君が静かな意味に血を流したところで
 そいつも無関係だ

 あなたのやさいい眼の中にある涙
 君の沈黙の舌からおちてくる痛苦
 ぼくたちの世界にもし言葉がなかったら
 ぼくはただそれを眺めて立ち去るだろう

 あなたの涙に 果実の核ほどの意味があるか
 きみの一滴の血に この世界の夕暮れの
 ふるえるような夕焼けのひびきがあるか

 言葉なんかおぼえるんじゃなかった
 日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
 ぼくはあなたの涙の中に立ちどまる
 ぼくはきみの血のなかにたったひとりで帰っていく

>現代詩文庫 田村隆一詩集より

<一言>初めて読んだ時、受けた冒頭の
「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」の
強烈な印象は、今も忘れない……

//////////


2005年02月02日(水) わたしの好きなゲンダイシ

Webで拾った現代詩から……

まだ感受性の豊かだった30年以上昔に
貪り読んだ詩たちである。
 ああ、なつかしい!

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清岡卓行

 石膏

 氷りつくように白い裸像が
 ぼくの夢に吊るされていた

 その形を刻んだ鑿の跡が
 ぼくの夢の風に吹かれていた

 悲しみにあふれたぼくの眼に
 その顔は見おぼえがあった

 ああ
 君に肉体があるとは不思議だ
     <略>
 石膏の皮膚を破る血の洪水
 針の尖で鏡を突き刺す さわやかなその腐臭

 石膏の均衡をおかす焔の循環
 獣の舌で星を舐め取る 清らかなその暗涙

 ざわめく死の群れの輪舞のなかで
 きみと宇宙をぼくに一致せしめる
 最初の そして 涯しらぬ夜
  (詩集「氷った炎」から)

<一言>
 ご多分にもれず、清岡卓行の名は
 原口統三(1927-1946)の『二十歳のエチュ−ド』
 の中で、著者憧れの詩人として知った。
  (今やこの本も、知る人ぞ知る、になっただろうな!)

//(続く)////////


2005年02月01日(火) とりあえず延期

一部の方からはお見舞いメールを頂いたりして
ご心配おかけしましたが
父の手術は、とりあえず先送りとなりました。

先送りというと、穏やかでありませんが
高齢に加え
ハッキリした症状が出ていないこと、から
手術するかどうかで、さんざん迷った結果
医師がふともらした
「僕の身内だったら、しない」
が、決め手となりました。
 ( ←もっと早く言ってよ! (笑))

2週間ごとに、再検査
それを繰り返し
2ヶ月間異常でなければ、問題ないでしょう、
という結論となった。
 (先方医師もなんとなく手術がイヤになったよう(笑))

99%手術のため転院の覚悟でおりましたから
ホッとしたと同時に、虚脱感も (^^;)

とにかくグッタリして
 帰宅早々、寝てしまいました。 (^^;)

 ご心配おかけして申し訳ありませんでした。


もうちゃ箱主人