冬のお楽しみといえば、誰がなんといっても福袋です。 正月のお楽しみ、というのが正しいところなんでしょうが、安いところではミスドは12/26頃(最後のキャンペーン終了頃)が、訳の判らないところでは三越が「年明けに福袋を届けるための販売会」をしたりするので、とりあえず冬、ということにしておきます。
今回、デパート系は捨てました。 マカーとして、Apple storeに意地で並ぶことにしたのです。 なにしろ、この浮かれipod人気で調子こいてあちこちにぽこぽこと実店舗を作っているAppleですが、来年もこの人気と店舗があるとは限らないのです。てか、まず、ない。 ならば、あるうちにいっておけ。 しかも、なんだかよく判らないのですが「いんてるといっしょになるらしい」ので、福袋としてお買い得なはずです。もー、間違いなく、悪くても安い本体が、良かったら高級ノートパソコンくらいはいっているはず。で、おまけにマウスとキーボードと10%オフ券と.Macとipodくらいは入っているはずです。なにしろ、よんまんえん もしやがるのです。それくらい入っていて当然よね。決定。 このあたりで、完全に色々な物を見失っています。 おそろしいことに、本気でした。 本気で、iMac(引換券)が入っていたら、重くて帰れない〜という理由で車で乗りつけました。 くどいようてすが、本気です。 雨の中、朝の六時。 真っ暗な名古屋の繁華街は…… ほとんどのビルがすでに包囲されていました。 主な包囲の材料は、女の子たちでした。 ある人はフロアマップを広げ、ある人はケータイを操り、皆華やかに楽しそうな光景を抜けて、Apple storeの前に行けば。 わーい。このビルだけなんだか、異質。女の子じゃないー。 一番近いのは、コミケ3日目……………の評論のあたり。 しかも、構成成分は莫迦ばっかりでした。 私も大概莫迦です。自覚はちょっとあります。 が、他の人の話を聞く限り、 「iBook入っているかなー」 「最悪でもマウスと本体だよなー」 「ま、iMacでも手を打つよな」 「そんなん今のおれのMacよりそれでも性能いいから嬉しいぞー」 ……莫迦すぎです。 莫迦、が語弊あるのなら浮かれすぎです。 そして、私と同じ理由で車で乗りつけた莫迦がいました。こんな莫迦が、地球に二人。正確には、もっと狭い地域に最低二人。というか、誰も彼もがそんな浮かれ気分でした。 8時を前にして列の移動が有り、整理券が配られ、福袋購入権利が確定し、人々の浮かれっぷりは極限になってきました。 自分の手の中にある引換券は「もう間違いなく」Macに化ける物なのです。もはや突っ込む人はだれもいません。 並んでいる人の一人が、同じようにPARCO(Apple storeの斜め前)に並んでいる奥さんの元へホット缶珈琲を届けて 「私たちはあんたたちみたいに、呑気じゃないの! 珈琲なんか飲ませて私にトイレに行かせる気!?」 と怒られてました。気の毒です。そして、実にもっともです。刺すか、刺されるか、勝つか負けるか、福袋ゲットとはそのように過酷な物なのです。決して、引換券を貰ってからも場を動かず、皆でDS持ち寄ってだらだらとマリオカートやっていていい物じゃありません。……マリオカート羨ましかったよ……
どーでもいいんですが、並んでいる人たちは恐ろしいほど準備万端でした。 前述のマリオカート、魔法瓶水筒に入っているのはホットコーヒー、ノートパソコン持ち込んで楽しくネットサーフィン、今はやりのipod(伏線)。 皆に共通しているのは折畳み椅子。 「いやぁ。日本館7時間待ちに較べたら楽だよね」 「炎天下トヨタ館6時間待ちもあったしなー」 ……ここでもか。 ここでも、万博の成果が遺憾なく発揮されていやがるのか……。 思えば、物産展などでも異様に人の行列が長くなり、長くても誰も文句言わなくなり、喜寿を超えたよーな方もせっせと携帯メールを操り友達や家族と現状報告大会。万博を機に、この界隈の行列風景はすっかり変わってしまっています。 万博にも参加しなかった私は、一人、折畳み椅子やミスドのフリースやマリオカートを見ながら寂しく立ち尽くすのでした……。
そんなこんなの苦難の果てに、拍手とともに開店。 お店のおにーちゃんも、にこにこ。 皆も、にこにこ。 やたら遅く進む行列(クレジットカード払いの人が結構多かったのと、仮保証書を同意してもらってから作っていたため、と思われる)に私は緊張のあまり倒れそうでした。 どうか、神様。 ipodは入っていてもいいです。 ipodはしょぼくてもいいです。 なんだかよく判らないので、一番安い奴(がなんなのかも今一つわかっていない)でもいいです。 かわりに、こんぴーた、入れといてください。 キーボードとマウスも入れといてください。 本体メモリ交換券でもこの際いいです。 講習券、pro care card上等です。 だから、どーか………。
OPEN!
2泊くらいの旅行に使えそうな巨大なラッキーバッグを、開封する場所が無くて、店頭で開封した私は orz のアスキーアートを初めて、体現しました。 人は、あまりのことがあると、本当にこう言うポーズになるんですね……。 中身は、 i pod nanao 2G と その周辺機器(スピーカーとか、ドックとか、チューブとか、アクティブなイヤホンとか、高級イヤホンとか、i tuneカードとか、保護フィルムとかとかとかとか)だけでした。 いわば、ipodスータータセット。 ち。 ちょっと、神様。 こんぴーたは、どこですか?? マウスは? ねぇ、マウスは?
未練たらしく、それぞれの箱をひっくり返して、「iMac当たり券! レジにて引き換え!」の文字を探しましたが、そんなんどこにもありません。 神様、もしかして、さっきのお願いの、 「どうか、神様。 ipodは入っていてもいいです。 ipodはしょぼくてもいいです。」 までしか聞いてないんじゃないですかーーーっ!? お願いは最後まで聞いてくださいーーーーーっ。
30分ほど、ちょっとだけ魂が私本体から離れてしまいました。 ……勝手に、夢見た私が悪いんです。 ipod持っていない私には、このスターターセットは重宝します。 さすが、メーカー品だけあって純製品てんこ盛りです。豪華です。 おまけのTシャツ、缶バッチ、鞄本体を抜いても8.4万程度は入っています。良心的です。あたり袋はipos4GBらしいです。良心的すぎです。 去年のように講習券(storeでのエクセルなどの講習券。6,000円相当)やpro care card(優先的にstoreで技術相談を受けられたり、Apple storeで買わなかったMacでも修理してもらえる(※修理有料)。一年有効。自称9,500円相当)で水増ししていません。すごーーーく良心的です。 実際、後日、職場や姪などに話したとき、たいそう羨ましがられました。 一番人気の商品を惜しげもなく抱き合わせ……いや、まとめあげてくれた、素晴らしい物です。ぶつぶつ。 納得させようと、自己暗示の世界です。 勝手にコンピュータが入っていると思った私が悪いんです。 悪いんですけど………
私、コンピュータ屋さんに並んだのに、なんで、デジタルサウンド屋さんの福袋買っちゃったんだろう。 なんか、こう……すっきり……しない……。
と、思っていたんですか。 よくよくAppleのラッキーバッグのページを見たら Good Sound Good Year Good Lucky Bag って書いてありました。 でかでかと予告していたんか……。 うん。Appleは悪くないよ……きっと、皆、喜ぶと思ったんだよね……。ただ、Appleが喜ぶと思った人たちと、並んじゃった人たちがまったくかみ合わなかっただけで。 私は、まだスターターキットでも嬉しいけど、普通に、朝6時から並ぶ人はたいていipod持っていただけで……ね。←伏線はここに帰る。
さらに、配布Tシャツ──福袋に漏れようが、なにしようが、道を歩くだけで配られていた物──もipod図案(ipodと観覧車)だったし、Lucky Bag封入Tシャツ&缶バッチも鏡餅ipodだったし……
って、これをフロントにでかでかとプリントするというのはどんなセンスですか。 ここだけ、無性にAppleのうかれとんちきセンスを発揮してどうします。 これを、夏に着ろというのはなかなかにハードな信心試しだのぅ、Appleめ。でも、ちょっと好き。このセンスが好きだから、多分、来年も並びます。まだお店があれば。 来年こそiMac入っている気がするし。ねばぎば。
と。 実は、これだけでなく、もう一つ福袋買いました。 ホビーラホビーレ。 割と高めのキットや、布地を扱っているお店です。 簡単な物が多いのですが、布地にいい物を使っているのでちょっと欲しかったりします。 が。なかなか、買えない。 こんなときこそ、福袋です。 行くと1月末でその支店は閉店してしまうらしいと店頭で知りました。 ………よし。 大変、失礼かもと思いつつ、そうなると福袋への期待が募ります。 ここは一介の支店だけど、でも。閉店だし。うふふ。 5,000円で、最低13,000円は入っているとのこと。 あーーんなキットや、こーんなキットが、きっと!
OPEN!
ちちちちち、ちょっと、待て。 なんでキット屋で完成品を入れるのか。 入れるだけならともかく、それに、6,500円と値札を付けるのはどういうことか。 しかも、とても簡単な、15cm角の布に☆型の刺繍しただけのオーナメントに。 というか、なんで福袋にクリスマスオーナメント入れやがりますか! せめて夏物だったらまだ感想が違ったかもですが、クリスマス後一週間って、いちばん売れ残り感が強いではないですか。いや、売れ残りというか、店頭見本……? にしてもこの強気な値段は、なに?? 大晦日の紅白でクリスマスソングをさだまさしが歌ってびっくりしましたが、それとこれとは話が違うよぅ。日本人は季節の先取りをとても重んじるんだよぅー。 ぺそぺそと泣く私に追い討ちをかけるように、次に出てきたのは エプロン 3,500円 しかも、完成品。……これを、どうしろ、と? いや、帆布製の、ハンズ店員さんエプロンタイプというのは今はあまり見ないし、これはこれで……刺繍……は布が固いけど……ステンシル……はやらないけど……なんとかすれば使えなくはありません。 少なくとも、クリスマスオーナメントより。 前向きに考えられないと福袋とはとてもつきあえません。 ただでさえ魂の抜けている私には、きつい仕打ちでした。 ようやく出てきたキット物は、クッションカバー 2,500円。 30cm角の。 これ、小さいのも問題ですが、パッチワークと刺繍でパイナップルを大量に散らす、ってどんなセンス……泣。
あとはスワッチ。いわゆる、9cm角の布30枚程度セットです。布地はいいところなので、これはそんなに悪くありません。1,500円。 ひーふーみー……確かに、確かに、正札を信じれば、13,000円は入っているといえます。いえるんだけど……クリスマスオーナメント………。ありえない……。
Appleって……良心的ですのね……。 と良かった探ししてしまうではないですか。 いや、実際、こんぴーたが入っていなかった衝撃(しかしこれを話した全員が全員に「厚かましい」と言い切られたのは…しかも速効で)を超えると、とても満足な品物でしたし。
こうして、勝手に負けたり、一方的に負けたりして年が明けました。 来年はどこに並ぼうかしらん。うきうき。
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