日常のかけら
◇年賀状◇
「笙玄、何してるの?」 「年賀状を作ってるんですよ」 「年賀状?」
言われて、笙玄の手元を見れば、山と積まれたハガキにハンコが押されてる。
「これ?」
一枚とって目の前に翳せば、ネズミの絵。
「はい。新年のご挨拶状です」 「ふうん…」
物珍しげに見ていたら、
「悟空も書きますか?」
と、無地のハガキを差し出してきた。 でも、俺は出す相手なんていないから首を振ったら、
「三蔵様と八戒さんと悟浄さんに出したらどうですか?」
って。
「へっ?いいの?」
って、びっくりしていたら、
「きっと、喜ばれますよ」
って、笑ってくれたから、俺は頷いた。 で、今、笙玄の傍で「年賀状」なるモノを書いている。 新年の挨拶状、ちゃんとみんなに届きますように。
(悟空)
2007年12月13日(木)
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