外は木枯らしが吹いて、今日はこの冬一番の寒さだって、朝の天気予報で言ってた。
でも、部屋の中はすごく温かくて、外の木枯らしなんて気にならない。
いつも仕事で忙しい三蔵が今日は珍しく休みで、ずうと家にいる。
それだけで嬉しいのに、傍に寄っても、引っ付いても何も言わない。
コーヒーを入れて、クッキーの缶を開けて、傍に座って。
三蔵は本を読んだり、新聞を読んだり。
俺は、綺麗な三蔵を眺めたり、ゲームをしたり、偶に勉強したり。
もうすぐ買い物に行く時間だけど、一緒に行ってくれるかな？
外は木枯らしで寒いけど、一緒なら温かいし、幸せだから。
そんな気分で三蔵を見ていたら、不意に手が伸びてきた。

「見てんじゃねぇ」

そう言って、頭を掻き回された。
見上げた頬がほんのり染まって、いつもよりずっと三蔵が綺麗に見えた。

（悟 空／parallel）