日常のかけら
◇落ち葉焚き◇
何やってんだ、あの猿は? そんな風に掃いたら葉が散るばっかりで、一カ所に集まらねえだろうが。 そうだ、ゆっくり丁寧に集めねえといつまでも終わらねえぞ。
しっかし、そんなに面白いか? 落ち葉を掃き集めるのが。 あんなに笑いやがって… 俺なんか、何度寺の落ち葉に火を付けて掃かなくていいようにしてやろうかと思ったか。 まあ、あんな風に遊びながら寺の仕事をすることも、相手もいなかったがな。
そんなに珍しいか? たかが落ち葉焚きだろうが。 わくわくした顔なんぞして…。
ああ、笙玄の奴、一緒に芋でも焼いてるな。 ま、なんでも楽しむのは良いことだがな。
(三 蔵)
2005年11月20日(日)
◇どうしたらいいの?◇
痛い、苦しい、助けて…どうしてあの子は叫ばないのだろう。 ただ黙って、苦しいのに笑って、痛いのに笑っている。
ねえ、俺にはちゃんと本当の気持ち言っても大丈夫なんだぞ? 俺にならお前、好き勝手言うからさ。
でも、言わない。 黙って真っ青な顔で耐えて、俺にまで「大丈夫」って言うんだ。
なあ、俺、どうしたらいい?
(三 蔵/Keep your vow)
2005年11月13日(日)
◇説法会◇
本日はようこそお出で下さいました。 初めまして、玄奘三蔵です。
秋もすっかり深まって山々も色付き始め、実りの季節です。 日々、口にする食材は総て自然の恵であり、また慈しみ育んで下さる作り手の皆さまの思いが込められた素晴らしいものです。 その尊いお気持ちと大地と自然の恵に感謝して、実り豊かな秋という季節を過ごしたいものですね。
さて、今日は我々の修行の一つである「托鉢」についてお話を致しましょう。 「托鉢」とは「手で鉢を捧げる」の意味で、我々は「分衛(ぶんぬい)」と呼んでおります。 これはお釈迦様伝来の乞食行で、街中の路地路地を周り、喜捨を求めて歩く修行です。 そして、この喜捨を……
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真面目に説法説いてる三蔵って、ちゃんとした普通のお坊さんに見えますねえ。 僕、初めて知りました。 ええ、見た目もまあ綺麗だし、なかなかにいい声でわかりやすい説法…そりゃ、騒がれますよね。 でも、普段の三蔵を三蔵に憧れてる人たちが見たらきっと、幻滅するんでしょうねえ。 三蔵も猫被るのがそうとう上手いってよーくわかりました。
(八 戒)
2005年11月02日(水)
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